IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
Side 織斑一夏
「ではこの時間は実戦で使用する各種装備の特徴について説明をする」
次の授業は山田先生じゃなくて千冬姉が授業をするのか。しっかりしないとまたあの
出席簿で叩かれちまう…真面目にやろう!
「…そうだ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないと」
クラス対抗戦の代表者? 初耳だな。その後の千冬姉の説明をまとめると、
・クラス対抗戦のようなクラス単位のイベントに出るクラスの代表者のこと
・生徒会主催の会議などにも出席したり、委員会などにも出たりしないといけない
・つまり普通の学校のクラスで言う委員長みたいなもん
だということか。なるほど、やりたくないな。
「1度決まると1年間やってもらうことになるが…どうだ? 自薦、他薦は問わないぞ」
するとたちまちクラス中の女子が手を挙げる。そうか、そんなにやりたい人がいるのか…
「はいっ! 織斑君を推薦します!」
「私もそれがいいと思いまーす!」
「それとウィリアムく…さんもいいと思います!」
「同意見でーす!」
へぇ、織斑君って人ととウィルかぁ…って、え?
「候補者は織斑一夏にウィリアム・ロンバートと……他に誰かいないのか?」
「お、俺!?」
なんで俺なんだよ!? 全くの素人にクラス代表やらせるとか頭おかしいだろみんな!
「ちょ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらn」
「自薦他薦は問わない。つまり他薦されたものには拒否権などないということだ」
「い、いやでも…」
「待ってください! そんなの納得いきませんわ!」
バンッ! という大きな音を立てながらさっき俺達に突っかかってきた女が立ち上がった。
えっと、セシリア・オルコットだったっけ?
「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ!
私に、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を1年間味わえとおっしゃるのですか!?
あり得ませんわ!」
う、うわー…なんというか凄いですね、としか言いようがないな。他のみんなも呆れて
ものが言えないって顔してるし。ウィルなんかガン無視で目を閉じて瞑想中、みたいな?
こんな時代だから仕方ないのかも…でもこういうのは無視するに限る。そう思っていた
んだけど…
「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、私にとっては
非常に耐え難い苦痛であり…」
さすがに俺の生まれた国まで否定することはねえだろ。
「イギリスだって大してお国自慢ないじゃないか。世界一不味い料理で何年覇者だよ。
ていうか苦痛ならとっととイギリスに帰ったらどうだ?」
気がつくと俺はそう言っていた。
「あっ、あなた私の祖国を侮辱しますの!?」
「何言ってやがる、そっちが先に俺の祖国である日本を侮辱したんじゃねえか。ったく
健忘症かお前は? 1度脳みそ医者に見せてくれば?」
どこかの国の大臣も『自分は健忘症でして…』なんて言ってたもんな。あ、それ日本の
大臣だったな…恥だ…
「~っ!! もういいですわ、もっと穏便に済まそうと思っていましたけれどもう我慢
できません! 決闘ですわ!」
「おう、いいぜ。四の五の言うより分かりやすい」
口喧嘩よりもこっちのほうが手っ取り早いしな。
「そちらの男性もですわよ! 聞いているんですの!?」
今度はウィルに怒鳴った。するとウィルはゆっくりと立ち上がった。な、なんか嫌な
予感がするんだが…
「俺に決闘を申し込む、そういう事か?」
「その通りですわ!」
「…いいだろう。その決闘、受けてたとう」
次の瞬間、ウィルはどこからともなくナイフを3本取り出してセシリアに投げつけた。
それが見えたのは俺の動体視力が良かったからだろうな。ナイフは真っ直ぐセシリアに
飛んでいき、顔と胸に刺さ………る寸前に千冬姉が投げた出席簿に突き刺さった。
『……………えっ?』
さっきまで賑やかだったクラスが一瞬にして静まった。そりゃいきなりクラスメイトが
ナイフ投げ出したらそうなる。セシリアに至っては顔が真っ白になってる。
「ロンバート兄、その銃を下ろせ。一体何のつもりだ?」
千冬姉の声を聞いたクラスメイト全員がウィルを見ると、いつの間にかその手に拳銃を
持っていて、セシリアに向けていた。あまり見たことのない銃だな…
「何って、決闘ですよ織斑先生。彼女が俺に決闘を申し込んだ。俺はそれを受けた。
ただそれだけです。なので邪魔しないでいただけますか?」
淡々としたウィルの声に俺は少し怖いと思ったよ…何人かは涙目だし。
「ロンバート兄、今ここで決闘をやるとオルコットは言ってない。1週間後に織斑と
お前、オルコットとISで模擬戦を行う。それでいいだろう」
「…いいでしょう」
ウィルは拳銃をしまったけど、微かに震えているセシリアを見たまま話し続けた。
「オルコット、1つ覚えておけ。1度踊り始めたら
出来るだけ楽しく、な」
…我々?
「どどどどういうことですの、我々とは?」
セシリアも困惑している。すると千冬姉が。
「ロンバート兄、まだきちんと話していなかったのか?」
「話す理由がありませんからね。でもまあこの辺ではっきりしておきましょうか。それに
そろそろ報道規制も解除される頃でしょうし」
な、何をはっきりするんだ? 多分クラスのみんなも同じ事を考えているだろうな。
「では改めて自己紹介をしようか」
ウィルはクラス全体を見回しながら口を開いた。
「総合軍事企業連合のトーラス社社長、ウィリアム・ロンバートだ。そしてカラード
ランク6のリンクスでもある。ここには企業連の代表としてきているからよろしく。
妹のシャルロットは我が社専属のIS乗り&リンクスだ。カラードランクは11。そして…」
「リリウム・ウォルコット。BFF社所属、カラードランク2のリンクスです。よろしく」
一瞬の静寂。そして。
『ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!』
「リンクスってアーマードコア・ネクストの操縦者のことだよね!?」
「カラードって言ったらそのリンクスの運営機関だとか…」
「ほんと!? そのランカーリンクスが3人も!?」
「それ以前に企業連のビッグ7の1つであるトーラスの社長!?」
「てことはオルコットさんはトーラスと企業連に喧嘩を売ったってこと!?」
誰だって知っている企業連。その企業連合体のビッグ7と呼ばれている7つの企業、
GAアメリカ、BFF、アルゼブラ、オーメル・サイエンス・テクノロジー、ローゼンタール、
インテリオル・ユニオン、そしてトーラス。この7つの企業が企業連を、そして世界を
動かしているとも言われている…ってことぐらい俺だって知っている。でもウィルが
トーラスの社長だったとは…それも21歳で。本当にびっくりだ。
それにカラードのランカーリンクスだとも言った。つまりウィル達3人は企業の
人間であり、学生であり、そして傭兵でもあるということか。戦闘慣れしている
事は間違いない。そうでなきゃあんな素早くナイフを投げたり拳銃を抜くことは
できないだろう。
まあそれはともかく、セシリアの顔は真っ青になっていた。イギリスの代表候補生で
ある彼女の言葉は、言い換えればイギリスの言葉でもあるわけだから、さっきの決闘
発言はイギリスがトーラスに決闘を申し込んだようなもの…非常にまずいね。
「ああ、心配するなオルコット」
「ふぇ?」
ウィルは真っ青なセシリアに笑いながら言った。
「別に先程の決闘発言を我が社への宣戦布告と受け取るわけじゃない。まあ別に今から
イギリスと戦争してもいいんだが、攻撃したところで
何ともない。大西洋に浮かぶ負債の塊には興味はないし、面白くないことをする必要
など全くない。これは俺とお前、2人の問題だ。我が社も企業連も関係ないからそんなに
青くなるな、お嬢ちゃん」
そう言ってウィルは席に座った。よ、よかった~…企業連の手にかかれば例えイギリス
でもあっという間に終了するだろうな。だってあの超大国だった中国を1週間もしない
うちに倒したんだもんな。あの内戦介入は世界中で話題になったっけ…
「では先程も言った通り、1週間後に織斑とロンバート兄、オルコットはそれぞれ模擬戦を
行い、勝者がクラス代表をやってもらう。いいな? では授業を始める、とその前に…」
千冬姉は教科書を開きかけたけど一旦閉じて、さっき投げた出席簿を回収した。きっちり
してるな…あれ、なんで驚いているんだ?
「ロンバート兄…いつナイフを回収した?」
出席簿を見ると刺さっていた筈のナイフがない。
「あれ? ウィル、さっきからずっと立っていたけどいつナイフを?」
「何言ってんだ一夏、とうの昔に回収したっつーの。ほれ」
そう言いながらウィルは袖から3本のナイフをちらつかせた。いつの間に…
「…まあいい。では授業だ。まずは…」
まいっか。ナイフよりも授業だ! 全然わからないから今はノートを取らないと。頑張るぞ!
Side out
Side セシリア・オルコット
「はぁ………はぁ………はぁ………」
授業が終わった後、私はすぐにトイレに駆け込みました。先程のロンバートさん…
とても怖かった…まだ震えが止まらない…ISに乗っている時には全く感じなかった
”恐怖”というものがこれなのでしょうか…
「オルコットさん」
「は、はい!?」
思わず声が裏返ってしまいましたわ…振り返るとそこにはシャルロットさんとウォル
コットさんが。2人とも何の用でしょうか。
「な、なんですの?」
「さっきの事なんだけど、お兄ちゃんが迷惑かけてゴメンね? お兄ちゃんったら
意外と喧嘩っ早いからさぁ」
「リリウムもそう思います。大丈夫ですか?」
「いえ、先程は私に非がありましたので…」
2人はなんかまともそうですわね…
「あ、そうそう。もう1つ言っておかないといけないことがあるんだ」
「と、いいますと?」
シャオンッ シャオンッ
「……………えっ?」
な…なんで私は首に左右からナイフを突きつけられているのでしょうか?
「オルコットさん、もし今後僕のお兄ちゃんに暴力を振るったり、侮辱したりしたら…
雑作もなく、何の躊躇いもなく、君を殺すよ?」
シャルロットさんが笑顔(目は笑っていない)で大きなグルカナイフで脅すのと同時に、
「ウィリアムお兄様に酷いことをする奴をリリウムは絶対に許しません。あの世行きに
なること間違いなしなので、くれぐれもそういうことをなさらないように」
ウォルコットさんも20cmほどのコンバットナイフをちらつかせました…誰ですの、
この2人がまともだなんて仰った方は! ああ、私でしたわね…
「わわわわわわかりましたそんなこと絶対にしませんのでどうか命だけは!!」
こう言わないと私の命がここでおしまいになってしまいますわ!
「わかってくれればいいんだ♪ じゃあね!」
「失礼します」
何事もなかったかのようにトイレを出ていく2人を、私は呆然としながら見ることしか
できませんでした。そして私がトイレから出るのに更に時間がかかったのは言うまでも
ありません…だって怖くて個室に篭っていたんですもの! あの研ぎ澄まされたナイフ、
あの表情、あの目…代表候補生がこんなに大変な目に遭うなんて誰も教えてくれません
でしたわ! もうイギリスに帰りたい…初日からこれはあんまりですわ…うぅぅ…
Side out
続く…
~ウィリアムの部屋~
ゼロウィ「セシリアカワイソスwww」
ISウィ「当然の報いだな。無知で愚かだからこうなる」
なのウィ「にしてもシャルとリリウムこえー!」
ゼロウィ「グルカナイフにコンバットナイフかよ。あのシャルが笑顔で大きなククリを背中から…」
なのウィ「いや、そこはスカートの中からじゃね?」
ISウィ「そんな事言ってると夜後ろから刺されるぞ」
なのウィ「つーかウィルのナイフと拳銃早いな。チートじゃないんだろ?」
ISウィ「これくらいリンクスなら誰でも出来ます(キリッ」
作者「という設定です。てなわけで次回予告!」
なのウィ「ウィリアム達の放課後コジマタイムです!」
ISウィ「コジマタイムだと!? 早く来ないかな!」
ゼロウィ「コジマ汚染されてやがる…遅すぎたんだ…」
作者「というわけで次回、『放課後&初日終了』。お楽しみに!」