IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
Side ウィリアム
「ようやく終わったか…」
「やっと放課後だね。僕疲れちゃったよ」
「リリウムも疲れました…紅茶が飲みたいです」
最後の授業がようやく終わった。これで退屈な授業から解放されるってわけだ。まずは
寮の部屋に行って、軽くお茶してから俺は授業中に考えていた新兵器の設計でも始め
ますかね。
「あ、ロンバート君とロンバートさん、それにウォルコットさん!」
「何ですか、山田先生?」
「寮の鍵を渡しに来ました。失くさないでくださいね?」
「ああ、どうもありがとうございます」
有澤工務店が作った俺達3人共同の部屋。普通の部屋の3倍のスペースがあるんだと。
「それと工務店の人から手紙を預っています。これです」
「手紙?」
はて、誰からだろう? 封筒の裏を見ると『雷電』と書いてあった。有澤社長からか。
「あとで読むか。じゃあ行こう」
「「は~い」」
俺達3人は教室を後にした。一夏がなんか山田先生とブリュンヒルデと話していたけど
まあ関係無いだろ、うん。
「ここか」
5分もしないうちに俺達の部屋、1030号室に到着した。さっきもらった鍵を鍵穴に
挿し込もうとしたのだが。
「お兄ちゃん…鍵穴がないよ?」
肝心の鍵穴がない。
「見りゃわかる。さてどうやって開けたものか…」
するとリリウムが扉の前に出て一言。
「開け、ゴマ!」
「………リリウム、それじゃあ開かないよ」
「おかしいですね…王大人に開かない扉は大抵これで開くと教わったのですが…」
「王大人ェ…ともかくどうやったら開くのか…もしかして指紋認証システムなのか?」
悩んでいると扉の上から青いレーザー光線が放たれ、俺達の体を舐めるように動いた。
『身体認証完了。おかえりなさい』
シューッと言う音と共にドアが開いた。
「ハイテクだね」
「有澤工務店の事だからこのドアも強固な装甲板なんだろうな」
「ですね」
中に入るとまるで高級ホテルのスイートルームみたいだった。ふかふかのソファー。
綺麗な調度品。一般的な家電製品も完備。ジャグジー付きのバスルーム。ベッドは3つとも
キングベッド…はちょっとでかくないか? 俺にはいいかもしれんがシャルとリリウムには
…まあいいか。大は小を兼ねるって言うしな。
それ以外にも仕事に必要な高性能のパソコン3台、機密回線につながっている電話機、
そしてコジマジェネレーターが備えてある。このジェネレーター、この部屋の電気製品
全ての電力をまかなっている。50年ぶっ通しで稼働するだけの量子コジマ燃料を詰め込んで
いるので、もし学園が停電しても全く問題ない。いつでも仕事ができるというわけだ。
「とりあえずまずはお茶にしようか」
「じゃあお湯沸かすね」
5分後、俺達はコーヒーやら紅茶やらを飲みながらナノマシン通信でカラードの上位
リンクス達が集う、通称”お茶会”に参加していた。メンバーはいつも通り。
[01-4862、01-4863、01-6652:ナノマシン通信システム起動]
[機密保持システム起動―――異常なし]
[現在オンラインの会議へ接続中―――完了]
[01-5897、01-1284、01-3552、01-9876、01-9534との通信リンクを確立]
[通話開始]
〈ウィルか。どうだった、IS学園の初日は?〉
〈とてもつまらなかったよ、オッツダルヴァ。でもイギリスの代表候補生が俺に決闘を
申し込んできたのは面白かったかな〉
〈決闘とは…イギリスもなかなかやるじゃないか〉
〈ウィリアムお兄様が企業連の人間と知らずに申し込んだのですよ、ローディー様。
事実、私達3人が企業連の人間である事を知った彼女は顔面蒼白になっていました〉
〈全く、身の程知らずもいいところだな。で、どうする気だ?〉
〈1週間後、クラス代表を賭けて彼女と織斑一夏、3人で模擬戦をすることになりました。
お兄ちゃんの初陣です〉
〈ウィル、くれぐれもやり過ぎるなよ? お前達3人のISにはアリーナどころかIS学園を
軽く吹き飛ばせるだけの武器が積んであるのだからな〉
〈わかっていますよ、王大人。コジマミサイルや有澤製グレネードを使う時は充分気を
付けますし、滅多に使いませんよ…多分〉
〈まあウィルはいい。それよりも私が1番心配なのはシャルだ〉
〈え? 僕ですか、ウィンディーさん?〉
〈忘れたとは言わせないぞ、シャル。日本に行く前の最終実験の時、一体何処の誰が
CUBEと一緒にチェインガンを撃ちまくって演習場を穴だらけにしたんだったかな?〉
〈あ、あはははは…以後気をつけます〉
〈リリウム、もし織斑一夏にセクハラをされたら、
〈もぐ? 何をですか、王大人?〉
〈”紳士の領域”にある”紳士のソーセージ”をだ。わからなかったらウィルに聞け〉
〈何言ってんだよ…ん? ちょっと待て…今寮の自室にいるんだが早速クソ兎が部屋の
パソコンにハッキングしようとしていやがる。キャロラインに対処させよう。3分後
にはクソ兎のパソコンがウイルスでいっぱいになるだろうよ〉
〈随分と動きが早いな、あの兎は。他にやることがないのか? 暇人はいいな、羨ましいよ〉
〈お前が言うな、ジェラルド。この1週間毎日ジュリアスと夜な夜な…〉
〈なななな何を言っているんだ、オッツダルヴァ!? ていうか何故知っている!?〉
〈ほう、あの娘とはそういう関係か…洗いざらい話してもらおうか?〉
〈な、何とかしてくれ、ウィル!〉
〈さーてそろそろ宿題をやらないとなー(棒)〉
〈僕も宿題がいっぱーい(棒)〉
〈リリウムはちょっとお手洗いに行ってきまーす(棒)〉
〈てなわけでまたねー〉
〈待ってくれウィr〉
[01-4862、01-4863、01-6652:ナノマシン通信システム終了]
ふう、ジェラルドも大変そうだな。今頃根掘り葉掘り聞かれてるんだろう。あ、そうだ。
有澤社長から手紙があるんだっけ…読むとしようか。
『ウィル、シャルちゃん、それにリリウム嬢。お元気かな? IS学園入学おめでとう。
早速だが有澤工務店の仕事の成果をここに記そう。まず入り口だが、ドアの前で
”認証”と言うと君たちの体をスキャンする。そしてドアが開くという仕組みになって
いる。間違っても鍵穴を探さないように。担任から渡された鍵は部屋に備え付けの
コジマジェネレーターの管理パネルの鍵だ。他の人間に弄られるとマズイからな。
あとはごく普通の仕様になっている。完全防音、強化防弾ガラス、我が社のアームズ
フォート”隼”に使われている装甲板を使っている。やろうと思えばネクスト級の
プライマルアーマーも展開できるぞ。だから安心してくれ。何かあったらすぐ私に
連絡をくれ。幸運を祈る。有澤隆文』
先に読んでおけばよかったな…
「さて仕事するか。特に宿題も出なかったし」
「じゃあ僕は射撃場に行ってくるよ。ちょっと撃ってくる」
「ではリリウムはウィリアムお兄様と一緒にお仕事を…」
「はーい、リリウムも一緒に射撃場行こうねー」
「そ、そんなぁ~…」
シャルに襟首掴まれてリリウムが退場してしまった…どんまい! あ、仕事の前に
他の荷物を広げないとな。まずは洋服をクローゼットにっと。で次に追加の警報装置。
全部で3つだったな。これを設置…と。正直これを突破するのは無理だろうな。俺の
ようにチート使えば話は別だが。あとは備え付けの大きな冷蔵庫に食材を放り込む。
これで自分の部屋で料理ができる。シャルとリリウムの手作り料理はおいしいからね!
「よし、準備完了! 早速『超重量二脚』の設計を始めよう!」
※ ※ ※ ※ ※ ※
「ふう…こんなところか」
1時間ぐらいパソコンと格闘したけどなかなか難しいね。この超重量二脚、仮の名前を
”ビッグトーラスマン”としているけど、ちょっと悩んでいる。コアの前面中心部に
ソルディオス砲を埋め込むのはいいとして、他の部分をどうしようか……アンサラー
みたいな羽的なものを何枚か付けるのもありだな…それに自動迎撃用のハイレーザーを
内蔵させれば無敵じゃないか? あとは昔主任がノリで作ったアサルトアーマー手榴弾も
装備させよう!
一旦データを保存して気分転換にコーヒーを入れていると、シャルとリリウムが帰って
きた。2人とも結構硝煙の匂いがキツイ。かなり撃ちまくったんだろうな。
「おかえり。シャワー浴びてこいよ」
「そうするね、かなり匂いが付いちゃったから」
「バスルームはかなり広いので2人一緒に入っても問題ないでしょう」
2人がシャワーを浴びている間、俺はコーヒーを飲みつつ夕食をどうするか考えた。
この学園には大きな食堂があるし、色々な料理が用意されているそうだ。少なくとも
イギリス料理はないそうなので安心だ。ウナギのゼリー寄せなんてゲテモノはまず出て
こない。…話がそれた、それで夕食を食堂で食べるか、それともこの部屋で自分達で
作って食べるか。まさかこの学園で俺達に毒を盛ろうとする奴は居ないと思うが、
警戒を怠るのはよろしくない。でもシャルとリリウムは新しくできた友達と一緒に
食べたいと言うかもしれないしなぁ。
『訪問者1名。識別結果、織斑一夏』
「一夏? 入れてやれ」
ドアが開くと一夏が入ってきた。
「ウィル…って凄い広いな! すげぇ!」
「まあ色々とあってな。それでどうした?」
「いや、夕飯食べに行かないかと思ってさ、どうよ?」
「そうだな、じゃあ食堂に行こか。あ、でもシャルとリリウムを待ってくれ。今…」
シャワーを浴びている、と言おうとした瞬間、バスルームの扉が開いてその2人が
出てきた―バスタオル1枚の姿で。
「お兄ちゃん、上がった……よ………」
「さっぱりしまし………た……………」
一瞬の静寂。俺はやるべきことをやった。
「どぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
まずは顔面ストレート!
「ぐへぇぇ!! ちょ、ちょっと待っt」
「だっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
次に腹にフック!
「ぎょめっ!! 今のは不可抗ry」
「よぃっしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
最後は首にラリアット!!
「……………ガクッ」
織斑一夏、ダウン。
「正義はなされた…」
「当然の報いだね。僕とリリウムの風呂上がりを見たんだから」
「そういえば王大人に
「やらなくていいよ、うん」
その後、無事に一夏の記憶は消えていたので4人で夕飯を食い、お腹一杯に
なったところで再び仕事。そして23時くらいに寝た。何故か3人同じベッドで
寝ることになったけど、まあいいか! ベッド大きいし、川の字で寝るのも
悪くない…
Side out
続く
おまけ。
「いっくん以外にもISを動かせる男がいるなんて…興味出てきたよぉ! 早速
そいつの部屋のパソコンに侵入…ってあれ? 何このプロテクト!? めっちゃ
強力なんだけど! あー、追い出されちゃった…次こそはってぎゃああああああ!!
ウイルスがぁ!! 束さんお手製のファイヤーウォールも効いてない! しかも
このウイルス、複製爆弾じゃん!!」
説明しよう! 複製爆弾とは、キャロラインが作った悪魔のようなウイルスなのだ! 一体
起動すると、壊れた消火栓から水が吹き出る勢いでウイルスがネットワーク全体に広がる!
食い止める方法は感染部分をシャットダウンし、1つ1つ掃除する以外にない! 言うなれば
伝染病なのである!
「げぇっ!? ステルス装置が解除された! この場所バレバレじゃん! 急いで
逃げないと! ああでも研究成果が…うわーん!! この借りはいつか必ず返して
もらうんだからね!! 自爆装置起動! うえーん、ちーちゃぁぁぁん………」
とある兎が逃げ出した後、隠れ家は大爆発を起こして倒壊したそうな。