IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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第15話:クラス代表戦2

Side 三人称

 

 セシリアの放ったレーザーはウィリアムのIS『コスモス』が常時展開しているプライマル

アーマーによって無力化されてしまった。それを見たセシリア、観客は驚きを隠せない。

ウィリアムもまた、プライマルアーマーだけで無力化できるとは思っていなかった。

 

「な、なんで私の攻撃が…」

 

「さあね。そんじゃあ俺のターンだ!!」

 

セシリアがそんなことを呟いていると、ウィリアムが右腕のカノサワを素早く向けて引き金を

引いた。セシリアのスターライトmkⅢの最高出力を遥かに上回る威力を持ったレーザーは、

ギリギリで避けたセシリアをかすめてアリーナの上空に飛んでいき…そしてなんとアリーナの

シールドを容易に貫通した。シールドは貫通した部分を中心にしてあっという間に全体が

崩壊した。

 

 当然のことながら、セシリアはその半端ない威力に愕然とし、観客達もシールドが崩壊

するのを見て悲鳴をあげた。だがそれらの悲鳴をかき消すほどの大声がアリーナに響き

渡った。

 

「管制室、ちゃんと仕事しろよ!! なんだあの紙シールドは!? あれがシールドとか

 笑わせんじゃねえぞ、クソッタレが!!」

 

例によって声を出したのはウィリアムであった。そしてすぐにセシリアを見る。

 

「悪かったな、くろわっさん。威力調整を忘れてたわ、あははは!」

 

「わ、わ、忘れていたですって!? 当たってたら死ぬところでしたわ!!!」

 

セシリアは自分の事を『くろわっさん』と呼ばれている事をすっかり忘れるほど怯えて

いた。実はこの時ウィリアムは嘘を付いていた。カノサワは威力が高いのでリミッターを

試合前にかけておいたのだが、まさかのアリーナシールドが吹き飛ぶという結果になって

しまった。なのでセシリアと話しながらウィリアムはリミッターのレベルをこっそり上げた

のであった。

 

「”決闘”なんだからどっちが死んでもおかしくないだろう? 1週間前の教室の続きと

 いこうじゃないか! さあかかってこい、くろわっさん!」

 

「キーッ!! くろわっさんって言うな、ですの! 行きなさい、ブルー・ティアーズ!!」

 

セシリアは自慢のレーザービット4基を即座に展開し攻撃を開始した。彼女のIS操縦の腕、

射撃の腕はかなり優秀なものである。代表候補生なだけはある。が、企業連の軍部関係者が

彼女を見た場合、

 

『ノーマルだな』

 

と口をそろえて言うだろう。要するに企業連の求めるレベルには達していないということだ。

 

 それはともかく、ウィリアムは飛んでくるレーザーを機体を逸らしながら、時にはクイック

ブーストを使いながら避けていった。その光景を見ていた観客は歓声をあげる。

 

「ロンバート君すごい!! あのレーザーの雨をいとも簡単に避けてる!」

 

「あのISもすごいよね! ネクストと同じプライマルアーマーが使えるんだもん!」

 

 

 

 その一方、先程ウィリアムに”仕事しろクソッタレ”と怒鳴られた管制室では、教師達が

大急ぎでシールドの復旧作業を進めていた。指揮を執っているのは織斑千冬、そして山田

真耶がそのサポートをしていた。

 

「まさかたった1発のレーザーでシールドが破られるなんて…信じられません…」

 

「私もだ、山田君。だが企業連が作った兵器なら朝飯前なのだろう。恐らくロンバート兄妹に

 ウォルコットのISには通常我々が使用している武装よりも高性能かつ高威力の兵器が大量に

 搭載されているだろう」

 

そう言った千冬は、今も戦っているウィリアムを見ながら内心恐怖を覚えていた。

 

(いくら戦闘慣れしているランカーリンクスとはいえ、ここまで短期間の間にあそこまでISを

 自在に乗りこなすことができるか、普通? いや、どう考えても無理だ。あの動きは熟練の

 IS操縦者の動きだ。となると一夏よりも後にISを起動した、という企業連の報道は欺瞞情報と

 見るべきだな。他にも何か裏が有りそうな予感がする…ロンバート、お前は後いくつ嘘を付いて

 いるんだ? 何を隠している?)

 

 

 

 そのウィリアムは、カノサワをしまってMk.19 自動擲弾発射器(IS戦闘用)で擲弾の弾幕を

張りつつ、背中に2つ出しておいたWHEELING01を一斉に発射していた。

 

「どうしてこうなったんですのぉぉぉぉぉ!!!???」

 

悲鳴をあげながらも可能な限りミサイルを迎撃しつつ回避を続けているセシリア。

 

「お前が俺に”決闘”を申し込んだのが運の尽きってやつだ! なっはっはっは!」

 

『警告。ミサイル残弾残り1セット』

 

「マジで?」

 

キャロラインから、WHEELING01の残弾が両方あわせて32発しかない事を知らされた。

そこでウィリアムは今まで忘れていた左腕の武器を使うことにした。

 

「食らえっ!!」

 

プラズマキャノン「FLUORITE」が火を噴く。だが先程のカノサワと比べると弾速は

それほど速くはない。故にセシリアは簡単に避けることができた。

 

「これくらい何のことは…えっ!?」

 

得意げに言ったセシリアはすぐに顔色を変えた。何故ならハイパーセンサーに激しい

ノイズが走り、4基のレーザービットの操作もできなくなったからだ。

 

「これは一体…」

 

「企業連製の、いや我がトーラス製のプラズマキャノンにはある特徴がある。それは

 着弾時に激しいECMが発生するという点だ」

 

驚くセシリアにウィリアムは話し続けた。

 

「それを俺は更に改良し、ECMに加えてハイパーセンサーを妨害するもの、すなわち

 HSCM(Hyper Sensor Counter Measures、ハイパーセンサー妨害手段)を開発した。

 これにより一時的ではあるが敵ISのハイパーセンサーを無力化できるのさ」

 

「な、何ですってぇぇぇぇぇ!!??」

 

まだ何処の国も開発できていないハイパーセンサーの妨害技術。これを完成させたと聞き、

セシリアは口をあんぐりと開けた。それは観客、そして学園の教師陣も同じであった。

 

「は、は、は、ハイパーセンサー妨害手段………先輩、私夢でも見ているんですかね?」

 

「安心しろ、今起こしてやる」

 

「えっ? っていたたたたたた!! 頭締めないでくださいよぉぉぉぉぉ!!!」

 

アイアンクローで後輩を夢から覚ます。なんと優しい先輩だろうか(棒)。

 

 

 

「まあネタバレはこれくらいにして、終わりにしようか」

 

すぐさま32発のミサイルが発射されセシリアに向かう。回避しようにもハイパーセンサーは

今だ復旧しない。なので目視による回避しか方法はなかった。セシリアは集中力を高めて

体を捻り、そしてレーザーを放った。いくつかは撃ち落としたが、4基のレーザービットは

全て破壊され、自身にも何発も命中した。そのせいでシールドエネルギーの残量が100を

切る。だがそんな状態でもウィリアムは容赦なく自動擲弾発射器でセシリアを撃ち続けた。

 

しかし。

 

 

 

ダンッダンッダンッダンッダンッダンッダンッダンッダンッダンッダンッズンッ!

 

「あ」

 

1回だけ違う発射音が聞こえたのと同時にウィリアムの額に冷や汗が浮かぶ。だが時既に遅し。

通常の40mm対人擲弾と間違えて、よりによってあの有澤重工製40mm対戦車(・・・)グレネード弾、

『KAGO』を発射してしまったのだ。通常擲弾とは発射音が異なるためわかったのだった。

 

 

 

その結果。

 

 

 

ズッドォォォォォンッ!!!

 

セシリアに直撃したグレネード弾は大爆発を起こした。絶叫をあげながらセシリアはアリーナの

端まで高速で吹き飛ばされ、大音響と共に壁に激突して気絶した。幸い、絶対防御が発動した

ので怪我はなかった。だが対戦車グレネード弾の爆発でシールドエネルギーは一瞬でゼロに

なっていたため、ウィリアムの勝利がここに確定した。そしてこのアリーナが今後しばらく

使えなくなったのも確定した―アリーナのシールドが吹き飛び、おまけに対戦車グレネード

弾のせいで大きな穴が空いているからだ。

 

「こんなものか。にしてもいやー最後はミスったミスった、ははは」

 

頭をかきながら笑っているウィリアムの耳に(ブリュンヒルデ)の声が聞こえた。

 

「ロンバート!! やりすぎだ!! アリーナが使えないじゃないか! 今すぐピットに

 戻れ! わかったな!?」

 

「…………はい」

 

たんこぶ5個は覚悟しておこう、と思いつつウィリアムは素早くピットに戻っていった。

その後一部の観客が10回以上誰かが何かで叩かれる音を聞いたそうな。

 

 

 

 

 

 別のアリーナにて一夏対ウィリアムの試合が行われることが決まったため、一夏は

大急ぎでピットに向かった。そこには眉間にシワを寄せている姉と山田先生、そして

幼馴染の箒がいた。

 

「どうしたんだ、箒? そんなに難しそうな顔をして」

 

「一夏、ロンバートとの戦いだが…気をつけろ」

 

「へっ?」

 

意味がわからない一夏に千冬が先ほどの試合の事を説明する。

 

「ロンバートはオルコットを5分もしないうちに無傷で倒した。しかもあいつは完全に手を

 抜いていた。奴の本気がどれだけのものか…正直わからん。充分に気をつけろ」

 

「りょ、了解」

 

白式を展開してカタパルトでアリーナに出ると、既にウィリアムが待機していた。

 

「よう一夏。それがお前のISか」

 

「ああ。白式って言うんだ。ウィルのISはなんて言うんだ?」

 

「コスモスだ。花の方じゃなくて宇宙の方な」

 

「なるほど」

 

ウィリアムは白式を舐めるように見るとニヤリと笑った。

 

「一夏、お前のISの事だ、きっと高速近接戦闘型だな?」

 

「…よくわかったな。そういうウィルはどういうタイプなんだ?」

 

「全距離対応型だ。どのような状況にも即時対応できる。今の状況を例にとってみよう。

 お前はアーマードコアで例えると軽量二脚の高速近接戦闘型、それに対して俺は重量

 二脚の固定砲台型だ。これじゃあ分が悪い。だからこうしよう」

 

ウィリアムのISが光ったと思った次の瞬間、そこには先程とは全く異なる姿形をしている

『コスモス』がいた。一夏や観客、教師陣はびっくりした。

 

「機体が変わった!?」

 

「先輩、あれ一体なんですか!?」

 

「…わからん」

 

「あれ? さっきまでトーラスマンだったのに!」

 

「確かあれってレイレナードのアリーヤ…だったよね?」

 

「美しいデザインだよね~。私も欲しい!」

 

ウィリアムは黒く光るレイレナード製ネクスト『03-AALIYAH』を身に付けており、武装は

両腕にレイレナード製マシンガン『03-MOTORCOBRA』を、両背中にはオーメル製の追加

ブースター『ACB-O710』、肩にはテクノクラート製衝撃ロケット『FSS-53』を装備して

いた。

 

「ウィル…今のは一体どういう…」

 

「知りたきゃ勝ちな」

 

MOTORCOBRA2丁を一夏に向けながらウィリアムは言う。それを見た一夏も笑みを

浮かべながら白式の唯一、そして最強の武器『雪片弐型』を構える。

 

「ふっ、それもそうだな!」

 

 

 

『それでは試合を開始します! レディー…ゴーッ!!』

 

その声を聞いた瞬間に2人は動いた…

 

Side out

 

 

 

 

続く…

 

 




~ウィリアムの部屋~
作者「仕事疲れた。早く定年退職したいです」
ISウィ「早ぇよ、どんだけだよ」
なのウィ「で次回は一夏をフルボッコ&クラス代表も一夏ってところか?」
ゼロウィ「ネタバレすんな!!」
なのウィ「サーセンw」
作者「次回、クラス代表戦終わりです。更新はいつになるのか不明ですが…」
なのウィ「なるべく3日に1度の更新ペースを維持しようと思います!」
ISウィ「待っててね! ではさいなら~!」
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