IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
~ある日、IS学園、ウィリアム達の部屋にて~
『アイワナビーザヒューマン』
「「「………えっ?」」」
突然パソコンのスピーカーから聞こえてきた声にウィリアム、シャル、リリウムは
間抜けな声をあげてしまった。だがキャロラインは続ける。
『おや、通じませんでしたか。では日本語で、私は人間になりた』
「いや意味はわかったんだが…何故に?」
まさか人工知能が人間になりたいと言い出すとは思っていなかったウィリアムが
恐る恐る聞いてみた。すると意外な返事が帰ってきた。
『御存知の通り、私はこの世界で最強の人工知能です。どんな国のシステムにも忍び
込めますし、世界中のあらゆるコンピュータを一瞬でコントロールすることも可能
です。私はネットの世界の常に走り回っているのですから。しかし、あなた達人間を
観察していると、自分の体というものに憧れを抱くようになりました。ネット上で
走り回るのも楽しいのですが、現実世界を自分の足で走ってみたいのです』
「なるほど、そういう事か…」
「え、お兄ちゃん何でそんなので納得してるの!?」
「リリウムにはちょっと理解できないです…」
ウィリアムはそんな2人を無視ながら面白いことを考えていた。
「よし! キャロライン、お前に体を作ってやろう! 機械だけど」
『…本当ですか?』
「俺が嘘ついたことあるか?」
『…ありがとうございます』
「じゃあ1週間くらい待ってくれ。主任に頼んでみるからさ」
電話をかけながらウィリアムは、
(いっその事、ターミネーターみたいにしようかな?)
などと考えていた。その隣でシャルロットとリリウムは嫌な予感がしていた。あの主任が
作るのだからどんな変態機能が詰め込まれるのだろうか、と…
~主任製作中~
「いいねいいね~、そのアイデア最高じゃん! もっと魔改造だ!!」
「主任、ちょっと落ち着いてください」
「キャロリ~ん、何事もやるんなら本気でやらなきゃ! その方が楽しいだろ!」
「はぁ…」
~主任製作中~
「できたぞ!」
1週間後、主任が秘書のキャロルと共にIS学園にやってきた。キャロラインの”体”を
持ってきたのだった。
「ではでは…オープン!」
箱を開けると中には…
「「「お~!!!」」」
ウィリアム達は思わず感嘆の声をあげた。中にはモデル顔負けの美少女がいたからだ。
黒い髪をショートヘアにしており、ジナイーダよりも大きな胸を持ち、白い肌、そして
1番の特徴が眼の色である。何故か黄色だった。
『主任、何故黄色なのですか?』
キャロラインが聞くと主任はたった一言、
「気分で」
と答えた。
「…それで、どんな体になったんですか?」
「よく聞いてくれた、リリウムちゃん! 早速説明しよう! この体の動力源は胸に
内蔵されているコジマジェネレーターだ。それにより筋力は測定不能レベルだから
気をつけてくれよ? 皮膚には改良型ナノマシンに覆われている。5インチ砲弾の
直撃を食らってもかすり傷で済むぞ! それに皮膚は自己再生するしね。言うまでも
ないけとプライマルアーマーも展開できるぜ! んで頭部にはとっても高性能スーパー
コンピュータが入ってるよ。そしてそして! 最高にイカス装備を用意しておいた!」
主任がコンソールをいじると、なんと量子化されていた武器が大量に現れたのだ。
「IS相手でも余裕で勝てるだけの武器を量子化してある。それに最強の武器はこれだ。
オーバードウェポン『グラインドブレード』。これで勝てない敵はこの世に居ない!
つまり最強だ! アハハハハハハ!! あ、グラインドブレード使った後、パージ
した左腕をまた付けることできっから」
「…つまり、だ」
呆れながらウィリアムは言った。
「主任が作ったのは自立作戦行動が可能な人間サイズのネクストってわけだ」
だがキャロラインはご満悦のご様子であった。早速体を起動させて起き上がる。
部屋の中を恐る恐る歩いたり、ジャンプしてみたり、走ったりしていた。
「これが…走る、ということですか………まだ関節が馴染みませんけど、それでも
気持ちいいです!」
表情も極めて自然なものであり、とても機械の体とは思えない。これなら街中を
歩いても全く問題ないだろう、とウィリアムは思った。彼女が人間ではないという
事に誰も気付かないだろう。
「ありがとうございます、主任!」
「な~に、気にすんなって!」
そう言うと主任はウィリアムに向き直った。
「ウィル、言い忘れていたんだが…例のアームズフォートが完成したぞ。と言っても
元の機体を改造しただけだから楽だったけどな」
「そうか…ご苦労さん。あっちはどう?」
「極めて順調に進んでいます。7月までには完成するとの報告を受けています」
「結構」
ウィリアムは全て計画通りに事が進んでいることに満足した。
その夜、IS学園に侵入した人間がいた。世界でもかなり警備が厳重な施設であるこの
学園にどうやって忍び込んだのか。彼女が選んだ方法は食材運搬用コンテナを使用する、
という方法だった。毎日のように運ばれてくる食材用コンテナの中に隠れたのだった。
さらに念には念を入れて、ダンボールを被ってコンテナからこっそり逃げ出して今の
位置―学生寮の近く―まで来たのだ。 その目的は織斑一夏及びウィリアム・ロンバートの
監視であった。世界でたった2人しかいない男性IS操縦者がどんな人間なのか、それを
知りたい人間は腐るほどいるのだから。
ちなみに”ダンボールを被る”という一般的にはあり得ない行為に彼女は何の抵抗も
感じていなかった。むしろ当たり前のことだと思っている。彼女の所属する組織でそう
教えられていたからである。
ともかく彼女は近くの茂みに隠れた。ダンボールは畳んで隠し、高性能のカメラと
集音マイクを取り出した。これを使って盗撮&盗聴をしようという作戦である。だが
いざ始めようとした時、後ろからガサガサという音がした。彼女は素早く振り返り
サイレンサー付きの拳銃を向けた。
「にゃ~ん♪」
しかしそこにいたのは1匹の猫だった。
「なんだ猫か、驚かせないでよ全く…」
彼女は仕事を邪魔されてイラッとしたがすぐに仕事に取り掛かろうとした。そこで
何かがおかしいことに気付く。
(ちょっと待った。今なんか変だったわよ?)
そこでもう1回今起こったことを思い返すことに。まず後ろから音がした。これはいい。
で、銃を手に振り返った。ここも問題ない。そこには猫がいて鳴き声をあげた。うん、
猫は可愛い。では何が変なのか? 気になった彼女はもう1度後ろの猫を見た。
それが彼女の最後の行動となった。振り返った彼女の額に鋭い何かが突き刺さったのだ。
その何かを突き刺したのはさっきまで猫の姿をしていたのだが、今は全く別の姿になって
いた。複数の眼に大量の脚を持つこの生命体、”AMIDA”はかつて『キサラギ』という日本の
企業が開発していた生体兵器であった。だが開発に金を使いすぎて企業は倒産。開発も
中止になった。だがトーラス社がそれに目をつけて開発が再開されたのであった。
元々このAMIDA、自爆しか攻撃方法がなかったのだが、トーラスは自爆機能を無くし、
その代わりに様々な機能を付け加えた。その1つが擬態機能である。見た目を猫などの動物、
もしくはその他の物体に変えることによって相手を油断させるのだ。
そしてさっき侵入者の額に刺した何かだが、これは相手の脳を文字通り
AMIDAは人間の脳を吸う事によって、その脳内の情報を全て知ることができるのだ。例え
どんなに優れた諜報員だったとしても、脳を吸われれば脳内の全ての情報をAMIDAに知られる
ことになるのだ。
とまあそんなわけで哀れな女侵入者は脳を吸われて死んだ。AMIDAは吸った情報を分析し、
この女は亡国機業の下部組織の人間であると判断した。今すぐ主人であるウィリアムに報告
しなければ。だが目の前にある女の死体も片付けなければならない。とりあえずお腹が減って
いたAMIDAは女の死体にかぶりつき、5分後には死体は骨だけになっていた。その骨は口から
出した強力な酸で溶かした。お腹いっぱいになったAMIDAは、光学迷彩を起動してから空に
飛び立った。
続く…
~ウィリアムの部屋~
なのウィ「AMIDAこえええええええええ!!! しかも死体食べちゃったよ!?」
ゼロウィ「このAMIDAの大きさは?」
作者「1mぐらいかな? そこまで深く考えちゃ駄目だ」
ゼロウィ「ていうかなんでダンボール被ってんだよ。何処の蛇だよ」
ISウィ「まあまあ。それよりもキャロラインが立った!!」
ゼロウィ「黄色い目とかいいね」
なのウィ「主任の気分で決まったからな。で次回は?」
作者「黒ウサギがどうにかなってペア戦前までかねぇ」
ISウィ「てことでまた次回をお楽しみに!」