IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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第23話:トーナメント1

Side ウィリアム

 

 さあさあやって参りました、トーナメント当日! 世界中からお偉いさんや企業の

トップがたくさんやってきたなぁ。その中に有澤重工社長である隆文の親父さんも

いるね。いつもお世話になっていることだし、きちんと試合でグレネードを使って

あげよう! 商品の宣伝にもなるし、親父さんも喜ぶし、一石二鳥だ!

 

 で、このタッグトーナメントだけど、俺はリリウムと組むことになった。なんで

シャルじゃないのか? それはな、俺の可愛い妹がトリガーハッピーだからだよ!

俺ごと敵を蜂の巣にしかねない位撃ちまくってくれるから今回はリリウムと組むのさ。

シャルは満足しなかったけど、今度一緒に遊びに行くと言ったら素直に聞いてくれた。

 

 さて肝心の対戦相手だが…なんとナチ・掃除ペアとだよ。一夏とシャルペアじゃねえ

のかよ、原作と違うやん。でもまあいいか。

 

「織斑一夏の前に貴様を倒してやる!」

 

「やるからには本気でいかせてもらうぞ!」

 

そして今俺とリリウムの前にはナチと掃除が。しかも2人ともやる気満々。

 

「リリウム」

 

「はい、ウィリアムお兄様」

 

隣で『アンビエント』を起動して静かに待機しているリリウムに話しかける。

 

「派手に行こう」

 

「了解しました。それにしても…」

 

リリウムは普段見せない冷たい表情でナチを見つめる。

 

「何だ?」

 

「貴方達のペアにイタリア人が入れば立派な枢軸トリオになりますね」

 

「ぷっ! 確かに…くっくっく」

 

日独伊三国同盟バンザーイですね、わかります。

 

「貴様ら…何処まで侮辱すれば気が済むんだ!! 殺してやる!!」

 

おー、熟れたトマトみたいに真っ赤っ赤になっとる。

 

「特に侮辱した覚えはないんだがな、ポーランド侵攻競争と世界電撃戦選手権大会で

 見事優勝したドイツさん?」

 

『それでは、まもなく試合を開始します。選手は開始位置に移動してください』

 

そんなアナウンスが聞こえたと同時に俺はアセンを変更した。具体的に言うと、『RAIDEN』の

腕をGA製の普通の腕に変えたフレームにし、両腕にGA製ガトリングガン『GAN01-SS-WGP』を、

背中には2つの16連垂直ミサイル『WHEELING03』、そして肩に垂直発射型連動ミサイルの

『NEMAHA01』を装備した。まさに固定砲台というべきアセンだ!

 

「何だあのISは!?」

 

「見たことがないぞ!」

 

「いや、あれは有澤重工のネクストに似ていないか?」

 

「言われてみれば確かに…」

 

観客からそんなどよめきが聞こえるけど無視。

 

「貴様、どういうつもりだ? そんなタンク型の変な装備をして」

 

ナチもど惑いを隠せないご様子。そりゃそうだろうね。

 

「何、お前のISの特殊な機能に対抗するためさ」

 

「AICに対抗するためにタンク型になったのか!?」

 

ふと思ったけど動きを封じるAICってなかなかチートだよね。

 

「つまりはこういうことだ。どんなに早くても動きを止められてしまうのであれば、最初

 から動かなければいいじゃないか、と考えた。そこで俺はあえて自身を固定砲台化した

 わけだ。発想の転換というやつだよ」

 

「さすがウィリアムお兄様です! その発想はなかったです!」

 

リリウムは納得してくれくれたけど、

 

「固定砲台型のISって…信じられませんわ」

 

「普通あんなの思いつかないわよ!」

 

「さすが企業連、普通じゃないな」

 

セシリア、鈴、ブリュンヒルデはこんな反応。いいじゃん、きっと試合も盛り上がるぜ!

 

「じゃあ始めようか、戦争を」

 

『試合開始!!』

 

こうして戦闘が始まった。さあ(IS学園を更地にする位)派手にやるか!!

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 三人称

 

 試合が始まった瞬間にウィリアムは背中のポッドからミサイルを撃ち始めた。1回で

32発のミサイルをボーデヴィッヒに向かって放つ。それと同時に両腕のガトリングガンも

撃ち始めた。ボーデヴィッヒはそれらをAICで止めようとしたが、数が多すぎるので全てを

止めることはできないとすぐさま判断し、回避行動を開始した。しかし32発のミサイルは

ボーデヴィッヒと篠ノ之を狙ったものではなかった。アリーナの四方八方に散開していった

ミサイルはほぼ同時に起爆し、弾頭に詰まっていたチャフをばら撒いた。

 

「何っ!?」

 

チャフはハイパーセンサーにとっては何の障害にもならないが、射撃武器には深刻な障害を

もたらす。敵をロックする射撃制御システムには従来型のレーダーが搭載されていることが

多いのだ。それはボーデヴィッヒのISのレールカノンも同じである。その射撃用レーダーを

妨害されるとまともな射撃ができなくなるのだ。

 

 ただし、射撃武器を持たないIS―例えば日本製の量産型IS『打鉄』のような近接格闘型IS

には何の意味もない。ボーデヴィッヒに対しては射撃武器の妨害が目的であり、篠ノ之に

対しては目眩ましを目的としていたのであった。

 

「何だこれは!?」

 

篠ノ之は驚いて空中を漂うチャフを見ていた。軍人でない彼女にはあのキラキラした物体が

チャフとは知らなかったのであった。

 

「よそ見をしている暇はありませんよ?」

 

そんな篠ノ之に対してリリウムは低速だがどこまでも追いかけるミサイルを発射した。この

ミサイル、実にしつこく敵を追いかけることで有名である。

 

「このっ! いつまで追ってくるんだ!?」

 

回避に忙しい篠ノ之に対してリリウムはライフル弾とレーザーを撃ちこむ。仮に対戦

相手がどこぞの国の代表候補生などであれば、多数のミサイルを迎撃しながら回避を

することも可能である。が、彼女のIS操縦スキルは素人に毛が生えたレベルなので

そんなことができるわけもなく。

 

「ぐわぁっ!!」

 

篠ノ之はライフル弾とレーザーをモロに喰らい、失速したところにミサイルが突き刺さる。

さらにリリウムはオーバードブーストを起動して一気に彼女に接近して、BFF製のレーザー

ブレード『071ANBL』で袈裟懸けに斬り捨てた。あっという間にシールドエネルギーは

ゼロとなり、篠ノ之の負けが確定した。

 

「弱すぎますね。これがあの篠ノ之博士の実の妹とは…」

 

「くっ………」

 

自分の事を睨みつけてくる篠ノ之を頭の外に追いやり、リリウムはアリーナを上の方に

向かって移動を始めた。手にはスナイパー仕様の067ANLR―正式名称は『067ANLSR』―を

持っている。

 

「さて、それではウィリアムお兄様の援護をしましょう」

 

 

 

 そのウィリアムは完全に固定砲台となっていた。常に両腕のガトリングガンから大量の

銃弾を、そして背中からは垂直ミサイルを雨あられと撃っているのだから。そんな弾幕

攻撃を受けているボーデヴィッヒはというと…

 

「くそっ!! 量が多すぎる!!」

 

AICでミサイルと銃弾を食い止めていたが、全てを止めることはできず、多少のダメージを

被っていた。しかし彼女は篠ノ之のような素人ではなく、ドイツ軍の特殊部隊の隊長である。

大量のチャフによるひどいレーダー妨害の中、隙を見つけては肩のレールカノンで反撃をして

いた。だが彼女の放つ対ISアーマー用特殊徹甲弾でさえ、ウィリアムのプライマルアーマーを

貫くことはできなかった。

 

(何故だ! 何故特殊徹甲弾なのに貫通できないんだ!? あのプライマルアーマーも

 理論上では貫通できると技術部の連中も言っていたではないか!)

 

確かに理論上では貫通できるのだが、それはプライマルアーマーが1枚だった場合である。

ウィリアムは通常球形に展開しているプライマルアーマーを、正面及び真上にのみ展開

していたのだ。固定砲台化したウィリアムは常に相手と相対しているので、自分の後ろに

プライマルアーマーを展開する必要がないのだ。しかも本来展開するために使っている

エネルギーを正面と前面のプライマルアーマーにまわせるため、より強力なものとなって

いる。だから特殊徹甲弾でも貫通できなかったのである。

 

 

 

「ハッハッハッ! 無様だなぁ、ボーデヴィッヒ!! もっと踊れ!!」

 

『警告、ガトリングガンがあと15秒でオーバーヒートします』

 

「心配するなキャロライン。次はこうしよう」

 

そしてガトリングガンがオーバーヒートしたので、ウィリアムは両腕にMSAC製のハンド

ミサイル『ALLEGHENY01』を、背中に2つのGA製ガトリングキャノン『GAN01-SS-GC』を

展開した。

 

「うおおおおおおお!!!!」

 

超重量級のガトリングキャノンから撃ち出される弾丸と、高密度に撃ち出された多数の

ミサイル。これらの攻撃を食らったボーデヴィッヒのシールドエネルギーはどんどん

減っていった。

 

(織斑一夏を倒さなければならんのに、こんなところで企業連に負けてしまうのか!?

 嫌だ! そんな結末を私は認めない!!)

 

「負けるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ボーデヴィッヒは越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)を起動してウィリアムの攻撃を回避しながら彼に接近していった。

手には起動済みのプラズマ手刀を手にしている。

 

「前へ! 前へ! 前へ前へ前へ前へ前へ!! 前へぇ!!!」

 

「ほう…やるじゃないか」

 

自分に近づいてくるボーデヴィッヒを見ながらウィリアムは思わず感嘆の声をあげた。

その間にもウィリアムとボーデヴィッヒの距離はどんどん縮んでいく。

 

「今だっ!!」

 

ボーデヴィッヒはハンドミサイルの一群を回避したと同時にイグニッション・ブースト、

瞬時加速をしてウィリアムに突撃した。

 

「終わりだ!! 死ねぇぇぇぇ!!!」

 

だがウィリアムは笑顔でこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、終わりだ。お前がな(・・・・)

 

 

 

ズガンッ!!!

 

 

 

(…………………えっ?)

 

突然何かに吹き飛ばされたボーデヴィッヒは高速のまま地面に向かって落ちていった。

彼女は自分に何が起こったのか理解できていなかった。

 

(な、にが…?)

 

くるくると回りながら落ちていく彼女の眼に、アリーナの上空にいるリリウムの姿が

微かに映った。瞬時にボーデヴィッヒは状況を理解した。

 

(あいつ…か………)

 

リリウムは篠ノ之を倒した後、アリーナ上空にて待機していた。そしてボーデヴィッヒが

ウィリアムに突撃を開始した時にレーザースナイパーライフルを発射した。そのレーザーが

ボーデヴィッヒの頭を直撃したでのあった。

 

(………くそっ……おしまい、なのか?……………嫌だ! このままじゃ嫌だ!!

 もっと力が欲しい! あいつを、織斑一夏を倒せるだけの力が欲しい!!!)

 

そんな事を考えていると、彼女のIS、シュヴァルツェア・レーゲンが反応した。

 

(力が欲しいのか?)

 

(ああ、欲しい!! 私は絶対的な力が欲しい!!)

 

(そうか…ならば受け取るがいい!!)

 

 

 

その途端、シュヴァルツェア・レーゲンは眩い光に包まれた。

 

「ぐっ、ああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

―ボーデヴィッヒの凄まじい悲鳴付きで。

 

Side out

 

 

 

 

 

続く…




~ウィリアムの部屋~
なのウィ「今時チャフも知らない高校生がいるなんて信じられない」
ゼロウィ「全くだな。チャフとフレア、この2つは小学生の時に習うじゃないか」
ISウィ「掃除は本当に無知だな!」
作者「ちなみに私は中学生の時に友人のにわか軍事オタの影響を受けて同じくにわか
   軍事オタになりました」
ゼロウィ「銃とか兵器を見ているとなんか落ち着くよな」
なのウィ「普通逆じゃね? かっこいい!って興奮する気が…」
ISウィ「あれか、『あの74式戦車の油気圧サスペンションの動作が美しい…』とか言う気か?」
作者「そこまで私は変態じゃありません。次回はトーナメント終わりまでです」
ISウィ「更新が遅れていますけどご了承ください。ではまた!」



作者「あといい忘れていましたけど、リリウムが使っていたBFF製のレーザーブレード
   『071ANBL』は、起動すると白い刀身が出る設定です。綺麗でしょ?」
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