IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
~IS学園、ウィリアム達の部屋~
Side ウィリアム
「できたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁっ!?」
「何が起きたんですか!?」
俺の歓声で2人を起こしちまったか…今の時間は深夜2時だから仕方ないね。
「悪い悪い」
「お兄ちゃん、一体何が…」
寝ぼけ眼でシャルが俺の背中にもたれつつ、モニターを覗きこむ。
「あれ、これは…」
リリウムも脇の下からニュッと首を出してきた。かわいい…
「そうだ、我が社の最新かつ最強の兵器その1だ」
「最強なのにその1なんだ」
「他にもあるからな」
モニターにはこう表示されていた。
『ビッグトーラスマン完成! by主任』
と。
「さて寝るか。シャル、リリウム、一緒に寝ようか」
「やった!」
「わぁいです!」
で次の日。朝飯を食ってからビッグトーラスマンの詳細なスペックを読んだ。ふむ、
これ1機だけで1つの国を余裕で殲滅出来るだけの力があるね。試しにどっかの国を
潰してみようかな。試運転で不具合が見つかったらまた改良していけばいいことだし。
え、資金? なんかドイツが出してくれるってさ。半端ない金額だった気がするんだ
けど、この前のVTシステム事件のお詫びだとか。いい心がけだね。
「またお兄ちゃんが不吉なことを考えてる件について」
「今度はどの国が生贄になるのでしょうかね」
「そんな物騒なことは考えてないって。でも起動実験は何処でやろうかな…」
きちんと動かして兵器の威力とかも自分で確かめないとならないよね。問題は場所だ。
「人工衛星には見られたくないからやっぱり地下演習場?」
シャルの言う通り、地下演習場が1番いい。我が社、トーラスが保有している山の1つ、
ナーデルホルンの地下に広大な要塞があって、その中に地下演習場がある。一般人が
立ち入らないように、ナーデルホルンのあちこちに人工吹雪装置(俺作)を設置して
年がら年中大吹雪になっている。気象予報士も首を傾げる異常気象と化しているけどね。
「確かにあそこであれば広い上に機密性も保たれますが、やはり大きさが大きさなだけ
あるので地上で行ったほうが良いとリリウムは思います」
「それもそうなんだよなぁ…」
当初ビッグトーラスマンは25mぐらいの大きさだったんだけど、完成したらなんと30m
以上になってしまった。大は小を兼ねるとは言うが、でかすぎやで…
「仕方ない。兵装点検は又の機会にして今回は機体を動かすだけにしよう、地下演習場で」
「わかったよ。主任さんには僕が連絡しておくね」
「サンキュー」
さて、これで仕事は終わったからのんびりと休日を過ごそうか…
「あ、そうだお兄ちゃん。今度の臨海学校で泳ぐ?」
「え? ああ、そんなのもあったな。そりゃ海に行って泳がないわけがないだろ」
「じゃあさ、今から水着買いに行かない?」
「リリウムとシャルはお兄様に選んでほしいんです」
「よーし、それじゃあ行くか!」
「「おーっ!!」」
で、学園からモノレールに乗って駅前にあるショッピングモール『レゾナンス』って
とこに行ったわけなんだが。
「行くわよ、一夏!」
「おい、そんなに引っ張るなよ鈴!」
一夏と鈴がデート中だったでござる。原作とは違うね。一夏もまんざらじゃなさそうな
表情しているし。これは2人がくっつくかな?
「仲良しですね」
「鈴も嬉しそう…ってあれは?」
「ん?」
シャルが一夏達の後ろを見るとそこにはセシリアとラウラがいた。ちょっと離れて
いるからよく聞こえないな…どれ、チートで聴力をアップしてみるか。
<なんで一夏さんがチャイナ娘とデートしているんですの…ああ撃ち殺したい…
<クラリッサか、私だ。攻撃支援を要請する。目標? 私の前を歩いている酢豚だ…
…聞かなかったことにしよう、うん。さあ、シャルとリリウムの水着を選ぼうか。
「可愛いね、これ! 僕これにしようかな」
「リリウムはこっちも捨てがたいと思います。悩みますね、むむむ…」
2人が楽しく水着をチョイスしている間、俺はトイレの個室にいた。何故なら主任
から緊急の電話が入ったからだ。念の為に入り口に清掃中の看板をかけておいた。
「俺だ。何があった?」
『いや実はな、腕の下手なハッカーがちょくちょく本社のメインサーバーにハッキング
仕掛けてるって報告あったじゃん?』
「ああ、数カ月前からのあれか。すぐに逆探知できるものの、現場に行くともぬけの殻
ってパターンが続いていたやつだろ? それが?」
『ようやく尻尾を掴んだぜ! 今さっきスイス国内からハッキング食らってな、警備
隊長自ら犯人を追い詰めてとっ捕まえたんだ、すげぇだろ!』
警備隊長ってのはポール・オブライエンのことだ。彼はトーラス本社ビル及びスイスに
ある両親の自宅の警備を担当している。俺に滅茶苦茶忠誠を誓っている。何故かって?
彼の母親が重い病気にかかった時にトーラスに雇われて、母親をいい病院に入れて
あげることができたからだって。その時の社長が俺だから忠誠を、ってわけだね。
「そうか! よくやったってポールに言っておいてくれ。それでそいつの狙いは?」
『それがな…ウィル、お前の母親のソフィーさんとシャルちゃんだ』
「はい?」
『ハッカーの雇われ先は、フランスのデュノア社だ。知っているだろ?』
「そりゃ知ってるが、まだ生きていたのか、デュノア社って」
原作とは異なりデュノア社にはシャルがいないからIS学園に送り込める人物が居ない。
故にもう潰れたのかと思っていたんだがな…
『気になって調べたらヤバイことがわかった。どうやらデュノア社はフランス政府と
組んでシャルちゃんと、願わくばソフィーさんを誘拐するつもりらしい』
「……………あ゛?」
今おかしなことが聞こえたな。誘拐するだって? 母さんとシャルを?
「その理由はデュノア社再建のため、か?」
『だろうな。第3世代型の開発に難航している上、最近になって粉飾決算してた事も
バレて株価は紐なしバンジー状態だ』
「だからといって俺の妹を誘拐して自分好みに調教して言いなりにさせるってか?」
『いや、そこまでするかどうかは…』
「よろしい、ならば戦争だ。我がトーラス社vsフランス&デュノア社。やってやろう
じゃないか! 主任、今すぐビッグトーラスマンの起動準備にかかれ!」
『落ち着けウィル!』
「ってのは冗談で」
『冗談かよ!』
ははは、いくら許せないからといって今すぐフランスとデュノア社をぶっ潰すのは
得策ではない事ぐらいわかる。絶対的な証拠を掴んでからやるべきだ。
「主任、フランスとデュノア社はいつ誘拐するつもりかわかるか?」
『何とも言えんな…こっちにいるソフィーさんは問題ない。我が社の3個歩兵小隊、
ノーマル3機、ネクスト1機のチームを既に組んで護衛を開始している。問題は
シャルちゃんだな、いつどうやってやるかわからん』
「こっちは俺がいるから心配いらん。母さんと親父を頼むとポールに伝えてくれ」
『了解!』
電話を切ってからすぐに俺はシャルの元へ戻ろうとしたが、トイレの外にいた外人と
すれ違った時、わずかにガンオイルの臭いがした。気付かないふりをして角を曲がり、
近くの店のショーウインドウを鏡の代わりにした。その男はトイレに入っていった。
「念の為に確認しておくか…」
俺は携帯型の光学迷彩装置を起動してトイレに戻った。
トイレの個室からフランス語で電話をしている声が聞こえてきた。
『はい、目標Aを確認しました。現在水着を見ています。目標Bと一緒ですが、彼の
姿は見えません…ええ、1人になった時を見計らって仕掛けます…相手はリンクス
ですからね、慎重に、そして不意をつかなければ…わかりました、では』
その外人の男は裏では有名な暗殺者であったが、今回彼の仕事は暗殺ではなく誘拐
だった。最初は渋っていたのだが、多額の報酬を提示されたので仕事をやることに
なったのだ。彼の描くプランは、まず目標A、すなわちシャルロット・ロンバートが
1人になる時―例えばトイレなど―までは手を出さずに観察する。そして1人になったら
持っている麻酔銃で眠らせる。日本国内に潜入しているデュノア社の人員に彼女を
引き渡して仕事は終わり。彼女がリンクスであることを除けば簡単な仕事だ、と
彼は思っていた。
しかし彼のプランには、兄であるウィリアム・ロンバートが重度のシスコンである
ということは組み込まれていなかった。個室を出た瞬間、暗殺者の首にテーザーの
電極が音もなく突き刺さった。暗殺者は何が起きたかわからないまま5万ボルトの
電撃を受けて気絶した。
「ったくやっぱりその手の人間だったか」
俺はテーザーをしまって男の両手に手錠をかけた。そして有澤重工に連絡を入れて
回収に来てもらうことに。外にいるデュノア社の連中も今頃有澤重工の諜報部が
捕まえているはずだ。
「ま、運が悪かったな! よりにもよって俺の妹に手を出そうとしたんだからな」
持っていた武器を回収して俺はトイレを後にした。もちろん清掃中の札もかけておいた。
店に戻るとシャルとリリウムが駆け寄ってきた。
「遅いよ、お兄ちゃん! 待ってたんだからね!」
「ごめんな。それで、水着はどうなった?」
「どれがいいか決められないのでお兄様に選んでほしいです!」
シャルが持っているのは原作のと同じオレンジっぽいのと、桃色のビキニ…っておい!
面積少なっ!! 一夏が見たら鼻血ものだぞおい! でリリウムは、水色のビキニで
パレオ付きと、白の花柄ワンピース水着…どちらもいいね!
結局俺はシャルのオレンジ、リリウム水色水着を選んで買った。その後はレストランで
のんびり昼食をとってから学園に戻った。いやぁ、楽しかったね。
その日の夜遅く。シャルとリリウムはもう寝ている。俺は2人の寝顔を見ながらナノマシン
通信で会議に出ていた。もちろん議題はシャルと母さんの件だ。
[01-4862、ナノマシン通信システム起動]
[機密保持システム起動―――異常なし]
[特別機密ラインへ接続中―――完了]
[通話開始]
〈それであの外人はどうなりました、有澤社長?〉
〈彼は裏の世界では腕のいい暗殺者だそうだ。彼の任務はシャルちゃんを眠らせて
待機していたデュノア社の連中に引き渡すことだったそうだ〉
〈我々も随分と舐められたものだな。シャルちゃんを誘拐しようなどとは…〉
〈全くだ。私達はあの子を自分の孫のように可愛がってきたからのう〉
〈シャルも皆さんとまた会いたいと言ってましたよ。それでフランスに何か動きは?〉
〈…1つだけある。暗殺者とデュノア社の連中をとっ捕まえた1時間後にトゥーロン海軍
基地からリュビ級原子力潜水艦6番艦、S606『ペルル』が極秘裏に出港したことが判明
した。しかも船体が他のリュビ級よりも40mも長くなっているそうだ。恐らくアメリカ海軍の
シーウルフ級原子力潜水艦3番艦『ジミー・カーター』のように船体を伸ばして特殊部隊の
運用を可能にしたんだろう。不思議な事に乗り込んでいるのは海軍コマンドの連中では
なく、何故か第1海兵歩兵落下傘連隊だったそうだ〉
〈潜水艦に陸軍の精鋭部隊を乗せているのか? 理解できんな〉
〈全くだ。それと第13竜騎兵落下傘連隊も動き出している。複数の航空機でベトナム
入りしたことが確認された〉
〈ベトナムに?〉
〈かつてフランスの植民地だったベトナムはフランスと仲がいいからな〉
〈つまりはこういうことでしょう。まず偵察のプロである第13竜騎兵落下傘連隊が
シャルを誘拐するであろう場所などを偵察する。その後、潜水艦に乗っている
第1海兵歩兵落下傘連隊がシャルを誘拐して、飛行機か何かで本国に連行する。
だが、落下傘部隊が潜水艦から出撃するとは考えにくい。恐らく何処かで別の
船に乗り換えて上陸するのでしょう〉
〈有澤社長、お宅の歩兵部隊は彼らを倒せるかね?〉
〈どんな敵であろうと、正面からいかせてもらうさ。そして全てを焼き尽くす〉
〈頼もしい返事で良かった。ウィル、具体的な事がわかったらすぐに連絡する。
それまではシャルちゃんをしっかりと守るのが君の仕事だ、いいな?〉
〈わかっていますよ、レヴィンソンさん〉
[01-4862、ナノマシン通信システム終了]
「フランスもやる気じゃないか…楽しめそうだ」
月を見ながら俺はそう呟くと2人の寝ているベッドに入って目をつぶった…
Side out
続く…
おまけ
「主任、大分お疲れのようですね。はい、コーヒーです」
「ありがと、キャロりん。でもここで寝る訳にはいかないんだ」
「そこまでしてコジマ粒子を研究するのですか? これ以上何を探そうと?」
「コジマ粒子の全てを知るためにコジマ粒子になる必要はないが、全身全霊をかけて
研究する必要はあるのさ」
「はぁ…」
「それにな、コジマが俺にもっと輝けと囁いているような気がしてな」
「は? もういいです、早く休んでください」
「まだだ! まだ終わって…」
「いいから寝ろ」つスタンガン
バチバチバチッ!!!
「あうん」
「全く、頑固な人なんだから…」
こうして主任は75時間ぶりに寝ることができた…強制的に。
~ウィリアムの部屋~
なのウィ「デュノア社とかすっかり忘れていたよ」
ゼロウィ「フランス人がアップを始めました」
ISウィ「来んなし」
作者「デュノアの連中がシャルを放っておくわけがないと思って」
ゼロウィ「まあそれはそうかもしれんが…」
なのウィ「急展開すぎじゃね?」
作者「それが私のクオリティー」
ISウィ「ふうん。で次回は臨海学校か」
作者「おう! ビッグトーラスマンも完成したし、うふふ」
ゼロウィ「そういえば詳細書けよ」
なのウィ「そうだそうだ、聞いてないぞ」
作者「ぐぐ…人物紹介のウィルのISの下にでも書くよ、気が向いたら」
なのウィ「あっそ。ではまた次回お会いしましょう!」