IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
フラジールの能力の1つ。他のネクストとは比べ物にならない
くらい速く動くことができる。何故か効果音が『ドヒャア!』
という音になる。
【脆い程度の能力】
フラジールの能力の1つ。他のネクストとは比べ物にならない
くらい脆い。だが敵の攻撃が当たらなければどうということは
ないので気にしてはいけない。ちなみにCUBEも同意見。
CUBE
「上がプランA、下がプランDというわけですね、わかります」
ウィリアム達専用機持ち(一夏と掃除を除く)は大海原を高速で移動していた。
目的はインテリオルの対地攻撃用レーザー人工衛星によって海に墜落した福音の
回収である。
「大海原っていいよな。仕事やめたら船に乗って世界中を旅するのもありだな」
「それいいね! 僕も連れて行ってよ」
「リリウムも行きたいです!」
呑気な話をしている一方、セシリア、鈴、ラウラは一夏のことを心配していた。
「大丈夫かな、一夏…」
「教官は『あいつはそう簡単には死なん』と言っておられたが…」
「大丈夫ですわよ! 一夏さんを信じましょう。それよりも今は…」
「ああ、福音を回収してとっとと嫁のもとに戻ろう!」
「「おう(はい)!」」
福音が水没した場所の上空に到着した一行は早速捜索を開始した。
「どうだリリウム?」
「この辺りは結構水深がありますね…見つけにくいです」
だが鈴が何かを見つけた。
「ちょっと! これなんだと思う?」
「どれどれ…これは福音の装甲の一部だな」
白っぽい金属片を見ながらラウラが答える。その時全員のハイパーセンサーに
強力な反応があった―それも海中から。
「福音のエネルギー波を確認…先程よりも強力になっています!」
リリウムの報告を聞いてセシリアは嫌な予感がした。
「まさか…セカンドシフトしたのでは!?」
「こんな短時間で!? 普通有り得ないでしょ!」
「どうやらセシリアの言う通りのようだ」
ウィリアムがそう呟くと海中から福音が現れた。セカンドシフトをした状態、つまり
先程よりも強くなっているということを誰もが理解していた。
「行くぞ! セシリア、リリウムは援護! 鈴とラウラ、シャルは俺と一緒に来い!
シャル、あいつを蜂の巣にして構わんから好きなだけ撃て!」
「え、いいの? 本当にいいの?」
嬉しさを隠しながら何度も確認するシャル。それもそのはず、普段は撃ちまくるなと
言われているからである。理由は言うまでもない。
「許可する! 実弾の嵐をお見舞いしてやれ!」
「…ウフフ…ウフフフフフ…りょーかい♪」
今までにないくらいの笑顔で、シャルは両肩に4連装チェインガン『XCG-B050』を、
両腕をGAが開発したガトリングタイプの武器一体型腕部に変えた。
「あははっ♪ パーティーの始まりだよ♪」
福音は先程よりも更に高速で移動しながら攻撃を開始した。まず鈴が食われた。
いきなり頭を掴まれて音速で海に投げ捨てられたのだ。そのせいで鈴は気絶した。
「鈴っ!!」
ラウラがレールガンを撃ちつつ鈴を助けに行こうとするが、福音が立ちはだかり
エネルギー弾の弾幕を張った。幾らかダメージを受けたものの、ラウラは鈴を
すくい上げて脱出した。その間シャルが実弾による嵐のような弾幕を張って
2人を援護した。
「ラウラ、鈴を連れて戦線を離脱しろ!」
ウィリアムはそう言い捨ててカノサワを連射するが全て避けられる。だんだん嫌な
予感がしてきたウィリアムはナノマシン通信を起動した。
〈シャル、リリウム、念の為に『CFS』の起動準備を〉
〈了解ってお兄ちゃん危ない!〉
いつの間にか目の前に福音がいてウィリアムは大いに焦った、が遅かった。エネルギー
弾の集中砲火を至近距離から食らってしまった。
「お兄ちゃん!!」
シャルが悲痛な叫びを上げる。だが爆煙の中からウィリアムが姿を現した。
「問題ない…とは言えんな」
『その通りです。プライマルアーマー消失。復旧まで20秒』
さすがのプライマルアーマーも、至近距離からの攻撃に耐え切れずに消失してしまった。
「だが敵はそんなに待ってくれそうにないぞ」
キャロラインと話しながら再び弾幕を回避するウィリアム。しかし先程の攻撃の
影響で動きがぎこちなくなっていた。なので再び回避不可能になってしまった。
「仕方あるまい。キャロライン、『CFS』をマックスパワーで起動!」
『了解!』
ウィリアムに迫る多くのエネルギー弾。だが命中する直前でそれら全てが異常な
動きを見せた。なんとウィリアムを回避するように四方に散ったのであった。
「な、なんですの、あの弾幕の動きは!?」
エネルギー系兵器の事をある程度知っているセシリアは、普通のエネルギー弾が
あんな変則的な動きをすることはないと知っていた。なので、今目の前で起きた
現象を信じることができなかった。
「CFS。正式名称をCounter Flexible Systemっていうんだ。このカウンター・
フレキシブル・システムを簡単に説明するとだな、あらゆるレーザー系もしくは
エネルギー系の攻撃に干渉して曲げることができる」
「あ、あり得ない…なんてシロモノだ…」
ラウラは愕然としていた。まさか企業連の技術がここまで凄いものだとは思って
いなかったのだ。
「リリウム、そろそろ終わりにしよう」
「了解しました。アンビエント、
するとリリウムの武装は067ANLSRただ1つになった。セシリアは隣で援護射撃を
続けようとしたがリリウムに止められた。
「何で止めるんですの?」
「もう援護射撃をする必要がないからです。まあ見ていてください―
リリウムが放ったレーザーは福音の頭部に突き進んでいった。それを迎撃しようと
福音は弾幕を張った。しかしレーザーは空中で幾度も軌道を変えて弾幕を全て回避
して、目標に見事命中した。シールドエネルギーを大きく削られた福音は回避運動に
入ったが、レーザーは威力を落とすこと無く何度も何度も福音をえぐり続けた。
まるでレーザーそのものに意思があるかのような動きを見せる。
「敵が倒れるまで、またはリリウムの気が済むまであのレーザーは福音を攻撃し
続けるのさ。何処に逃げようとも、どこまでも追いかけて…な」
「これが…偏向射撃の極み、というものなのですか…?」
セシリアはリリウムのレーザーの動きに見とれていた。あれを自分もやってみたい、
と思う一方で、自分にあれをやるのは到底無理だ、とも思っていた。
ようやくリリウムの攻撃が終わった。ボロボロになった福音はフラフラしながら
逃走を図ったのだが、その前に立ちはだかったのはシャルだった。チェインガンと
ガトリング腕の攻撃によって、福音はその機能を完全に停止した。待機状態になった
福音は弾幕に巻き込まれてISコアごと粉砕された。一方操縦者は海に落ちていった。
ラウラがそれを受け止める。怪我をしているものの、死ぬほどのものではなかった。
「よし、作戦終了。帰るとしますか」
「そうしましょ『警告。未確認のIS、10機接近中』何ですって!?」
セシリアが甲高い声を上げると同時に地平線の向こうから10機のISが飛んできた。
以前IS学園を襲撃した無人ISだった。それを見たウィリアムはあることに気付く。
「ん? ちょうどいいな…コスモスより『モガドール』へ! VLSのコジマ弾頭搭載の
巡航ミサイルを全部真北にぶっ放せ! 高度は30mに設定してうまい具合に散開
させるんだぞ!」
「ちょっ、お兄ちゃん!?」
ちょうど敵ISがやってくる海域に、アカディール級潜水艦『モガドール』がいた
のだ。ならちょっと援護射撃してもらおう、とウィリアムは考えたのであった。
『はい!? いきなりなんでまたそんな無茶なことを!?』
「いいからとっとと撃て! あいつらに気付かれないようにな!」
『ええい、ままよ! 射撃指揮、全VLSチューブに注水! 巡航ミサイルスタンバイ!
コジマ弾頭の出力は最大にセット! 真北に放ち扇形に散開させろ!』
深度50mにいた『モガドール』は、12基の巡航ミサイルを真上に放った。海面に
躍り出たミサイル群は瞬きをする間に速度をマッハ2近くまで上げた。命令通りに
真北に向かって放たれた12基のミサイルは、最高速度のマッハ5.3で飛んでいった。
敵ISもそれを見つけ、腕に内蔵しているレーザー砲で迎撃しようとしたが、予想
以上にミサイルの速度が高かった事、そしてリリウムが起動していた対IS用の
ジャミング装置により射撃精度が落ちていた事が原因で撃ち落とせなかった。
「全員目を閉じろ!」
ウィリアムの叫びと同時にミサイル群は一斉に起爆した。12個のコジマ色をした
実に美しいきのこ雲が盛り上がる。穏やかな海は一気に大荒れ状態になったが、
幸いにも津波が発生することはなかった。
「なんて威力だ! 核兵器並みの威力じゃないか!?」
ラウラはコジマ兵器の恐ろしさを痛感した。セシリアと鈴はきのこ雲をぼんやりと
見ていた。敵無人IS部隊のうち6機はコジマ爆発に巻き込まれて破壊されたが、
残りの4機はまだ接近してくる。
「面倒だな…シャル」
「ん?」
ウィリアムはシャルに、手で首を切る動作をした。それが何を意味するか理解した
彼女は敵の方を向いて右手を水平に上げた。
「とっとと終わらせようね、リベレーター♪
右手に小さな光が灯った。それが4個集まると…
「きゅっとしてドカーン♪」
と言いながら一気に握りつぶした。するとどうだろう、接近中の4機のIS全てが
空中で爆散して海に落ちたではないか。
「「「………………」」」
鈴、セシリア、ラウラは何が起きたのか全く理解できなかった。リリウムの攻撃の
仕組みも理解できていなかった。なので3人とも考えるのをやめることにした。
「今度こそ終わりだな…よし帰ろう」
『はーい』
「えー…」
「一体何が…」
旅館にいた山田先生と千冬も愕然としていた。
「ぬひぇぇぇぇぇぇっー!! 何がどうしていったいはぁっえぇっ!?」
同じ頃近くの茂みで兎がテンパリながら跳ねまくっていたそうな。
旅館に戻ったら一夏が目を覚ましていた。すっかり元気になっていてよかった。
だがな、俺達が福音と戦っている時に掃除といちゃつくのはどうかと思うんだ。
「イチカァ…カクゴハイイカシラ?」
「ひぃっ!! ま、待ってくれ鈴!! これには深い理由が…」
「問答無用! 死ねぇ!!」
「助けてくれ~!!!」
喧嘩するほど仲がいいって良く言うし、俺達が止める必要はないな。さて風呂に
でも入って寝るとするか!
〈ウィリアムお兄様、方位160、距離892、武装したギリースーツの男が2人〉
〈…確認した〉
おいフランス人、少しは空気を読め。毎日毎日堅いフランスパンを食い過ぎた
せいで脳みそまで硬くなっちまったんですかぁ?
〈お兄ちゃん、あいつら誰だろう? 見た感じフランス人っぽいけど…〉
〈あとで話す。今は部屋に戻るぞ〉
俺は別の周波数で有澤重工歩兵部隊に連絡した。全く、福音の次はフランスと
デュノアかよ、面倒くせえな…とっとと片付けようかね。
続く…
作者「次回はフランス&デュノアとの戦い(という名の一方的な蹂躙)です!」
ISウィ「お楽しみに! では!」