IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
「ちょっと(沈む)だけ! ほんのちょっと(沈む)だけなんだよ、日本の一部が!」
シャル
「ちょっとだけならいい…のかな?」
リリウム
「ちょっとだけならいいと思います」
一夏&掃除
「よくねえよ!!」
室戸岬にある日本海軍極秘潜水艦基地。企業連軍の地中貫通爆弾などの攻撃でやられ
ないように、断崖をくりぬき、そこに幾層もの強化型合成装甲板―有澤重工製よりも
強度はやや低い―を挟み込んだ。その結果、戦術核兵器すら防げるほどの防御力を持った。
そんな中にある潜水艦基地に、呉基地を襲撃してきた『竜王』からなんとか逃げてきた
第1潜水艦隊の潜水艦9隻がやってきた。おやしお型潜水艦5隻とそうりゅう型潜水艦4隻と
いう、静粛性に優れた強力な潜水艦隊である。
潜水艦隊司令は潜水艦救難艦『ちはや』と共に海に沈んだため、2等海佐―海軍中佐―が
指揮をとっている。その中佐が『そうりゅう』から桟橋に降りて基地司令と話していた。
「それにしてもここの設備はすごいですね…こんな基地があるなんて知りませんでしたよ」
「誰にも知られずにここを建設したのだからな。手間はかかったが、今のような事態に
備えて造られたのだ。正直な話、ここを使う時が来ないことを祈っていたよ」
基地司令である1等海佐―海軍大佐―はため息をついた。
「陸でも海でも空でも日本は負け続けている。防衛省の同期に聞いたら、1ヶ月持つか
どうかというレベルらしい」
「なんということだ…また日本は負けてしまうのでしょうか?」
「そうならないための新兵器が今朝ここに届いたのだ。そして復讐の一撃を加えるのが
君達第1潜水艦隊なのだ」
そう言って司令は分厚い扉の前まで足を運び、キーパッドに暗証番号を入力する。扉が
開くと中には、中佐が今まで見たことがない魚雷があった。
「これが新兵器、00式特殊長魚雷だ」
3日後、有澤重工の部隊はあることを思いついた。つまり、
「あれ、日本の沿岸部ってそんなに深くないから『隼』走れるんじゃね?」
というものである。実際にやろうとしたが、脚部内の格納庫に浸水が発生したため
やめることに。なので今までと同じように『隼』は陸を走り、日本海と太平洋にいる
『竜王』が海からグレネードを撃ちながら援護するという戦術を使うことになった。
「よし、いつも通りに行くぞ。主砲射撃用意!」
「はっ! 主砲射撃用意!」
太平洋側にいた『竜王』は再びその巨大な主砲を日本に向けた。
「準備完了しました」
「では、撃ち方始m「ソナーに感あり! 魚雷が接近中です! 数は2!」くそっ!」
台詞を邪魔された艦長はイライラしながら命令を下す。
「砲雷長、対魚雷プログラム開始。連中の魚雷なんて簡単に迎撃できる」
だが今回は違かった。ソナー長は思わず自分の耳がイカれていないか確かめた。
「なんてこった! 艦長、こちらソナー! 敵魚雷、ブースター・ロケットを点火!」
「何!? 新型魚雷か!?」
「分かりません! まずい…真空気泡の内部で超キャビテーション速度に移行しました!
現在100ノットで更に加速中!」
今まで連戦連勝だった艦長は、自分が油断しすぎていたことに気付いた。
「操舵手、全速前進! 機関長、コジマジェネレーターの出力を120%にしろ!」
「はい!!」
『竜王』はどんどん加速していった。しかし最高速度の時速300kmになるまでには
時間がかかる。その間にも魚雷は速度を上げ続けていた。
「ソナー、今の敵魚雷の速度は?」
「…200ノットで固定! これが最高速度のようです!」
「本艦の最高速度より速いではないか、くそっ! 後部魚雷発射管からデコイを発射!
ノイズメーカーとジャマーもだ!」
色々な手段を用いたが、敵魚雷はデコイやノイズメーカー、ジャマーを無視して
『竜王』に近づいてくる。艦長はどうにかしようと必死に考えた。何気なくソナーの
画面を見た彼はあることを思いついた。
「砲雷長、こういうのはどうだ?」
00式特殊長魚雷を発射した日本海軍そうりゅう型潜水艦『けんりゅう』。深度50mに
いるこの潜水艦は、残りの4門の魚雷発射管に00式特殊長魚雷を装填していた。
「水雷長、あとどれぐらいで命中する?」
「着弾まであと60秒です」
「よし。これで少しは同胞の仇が取れる」
「全くです」
その時ソナー長が唸り声を上げた。
「ソナー長?」
「ああ艦長、敵さんどうやら何かしでかすつもりです」
「どういうことだ?」
「機関を停止しました…あと敵主砲が射撃準備を始めている模様です」
「あれか、自分がやられる前に陸に向かって撃ちまくるつもりか?」
「何とも言えませんな…」
「しばらく様子を見よう」
『竜王』は全速航行をやめて、左に90度旋回したのち停止した。敵の魚雷を左舷に
受ける格好となった。そして前部、後部主砲を左に向けた―ただし砲身は水平のまま。
「砲雷長、準備はいいか?」
「はい、ですがこんなことするのは初めてですので…」
「俺だって初めてだ。よーし、左舷バラストタンクに注水開始! ゆっくりな」
「了解!」
そんなことをすれば当然船体は左舷側に傾いていく。
「砲雷長、主砲射撃開始!」
「撃てっ!」
60cmグレネード砲が一斉に射撃を開始した。しかしグレネード弾は全て海に吸い込まれて
いく。これは艦長の考えた作戦である。作戦名は、
『派手に爆発するグレネード弾を海に撃ちこんで魚雷ふっとばそうぜ! 大作戦』
となった。後にネーミングセンス最悪と呼ばれるようになる艦長であった。
ともかく、時限信管設定済みの高威力グレネード弾が次々と海に飛び込み、魚雷の
予想進路上に向かっていった。
「艦長、敵は頭がイカれたんですかね? 海に向かって主砲を撃ってますよ?」
「海に?…まさか主砲でこちらの魚雷を迎撃する気か!?」
「それは無理ですよ。かたや200ノットで進む魚雷。かたやただのグレネード。迎撃は
不可能ですって」
「普通なら、な。だが相手は有澤重工だぞ?」
「あ…艦長、魚雷が迎撃されました。敵主砲のグレネード弾の広域水中爆発に巻き込ま
れて…」
「だから言わんこっちゃない!」
魚雷の迎撃に成功した『竜王』は直ちに潜航して『けんりゅう』を沈めた。
「やっかいな魚雷だったな」
「全くです」
「艦長、衛星経由でメッセージが入りました。日本海にいる『竜王』4番艦からです」
「何と言っている?」
「えー…なん…だと?」
通信長が愕然として報告をしてこないので艦長と副長は通信長の後ろからモニターを
覗きこんだ。そこにはとんでもないことが書かれていた。
日本海にいた『竜王』4番艦もまた、日本海軍潜水艦による新型魚雷攻撃を受けていた。
迎撃はしたのだが、迎撃地点が近すぎた&敵魚雷の弾頭の不完全起爆に巻き込まれて
しまった事により被害を受けた。00式特殊長魚雷にはなんと重力弾頭が搭載されており、
起爆するとマイクロブラックホールが発生し、半径3km圏内の全ての物質を飲み込んで
破壊する兵器である。
運がよい事に不完全起爆だったため、『竜王』4番艦は後部の機関室にあるコジマ推進
機関の一部が吹き飛び、装甲が歪んだせいで浸水が発生した。コジマジェネレーターには
被害がなかったものの、戦闘継続は困難となったため、補助動力機関で北海道の基地へと
のろのろと帰還することになった。
日本海軍の新型魚雷のせいで、有澤重工はこの日だけで駆逐艦6、巡洋艦7が沈没し、
アームズフォート1隻と戦艦2隻が中破した。国家解体戦争が始まってから初めての
大被害であった。
その頃になってようやく有澤重工は日本海軍の極秘潜水艦基地の存在を知った。
「それで具体的な場所は?」
「それが…」
だが問題があった。四国のどこにそれがあるのか、それがわからなかったのだ。司令部の
全員が悩んでいると、司令官は社長である有澤隆文が常日頃から言っている言葉を思い
出した。
『正面からいかせてもらおう。それしか能がない。すべてを焼き尽くすだけだ』
『すべてを焼き尽くすだけだ』
『すべてを』
「…よし、作戦を思いついた。実に簡単なことじゃないか」
「さすが司令官! それでどんな作戦ですか?」
「四国を
「……………は?」
翌日から有澤重工空軍は史上最大規模の爆撃を四国全域を対象に開始した。有澤重工に
とって幸いなことに、四国には日本軍の重要拠点―技術研究本部特殊兵器研究所など―が
あるため、民間人はそう多くいないのである。日本国民も、
『もし四国に通じる橋が落ちたら逃げられない!』
と考え、開戦直後から四国を脱出していた。なので現在四国にはほとんど民間人はいない
状況になっている。
四国上空にいるのは、有澤重工製超大型戦略爆撃機『城山』である。ステルス性能を
これっぽっちも考えていないこの爆撃機は、大きさ、エンジン、ペイロード、最大速度、
航続距離などなど、全てにおいて世界最大である。
その『城山』から次々と爆弾が投下されていく。投下される爆弾は全て有澤重工製
1トン爆弾である。この爆弾は地面に深々と突き刺さってから起爆するので、大地は
クレーターだらけになっていった。
それだけでは足らん! と言わんばかりに、GAのアームズフォート『ギガベース』も
遠距離から連射しまくった。さらにいつの間にかGAは、ギガベースにあのとんでも変態
兵器『リトル・デーヴィッド Mk.2』(←第2話参照)を搭載していた。ギガベースは
世界最大の迫撃砲やミサイルを撃ちながら四国に上陸した。
こうして四国は地上部分が3日でクレーターだけの大地に変貌した。さらに追い打ちを
かけるように、トーラス社製の特殊ミサイルが四国上空数ヶ所で起爆した。このミサイルは
『TF爆弾』と呼ばれるものを弾頭部に搭載していた。TFはテラフォーミング(Terraforming)の
略であり、起爆した周囲の環境を人為的に変化させる、そんな弾頭である。こんな変態兵器を
作ったのはもちろん主任とウィリアムである。これにより四国という島の海面より上の部分は
砂に変化させられた。室戸岬にある日本海軍極秘潜水艦基地も砂と化した。その砂はどこから
ともなく飛んできたグングニル巡航ミサイルで蒸発させられた。この攻撃により、四国は
文字通り海に沈んだ。
そしてもう2発のグングニル巡航ミサイルが広島と長崎上空で起爆した。幸いにもかなり
上空で起爆したので地上への被害はゼロであった。しかしこれは企業連から日本への明確な
脅しであった。もし降伏しないと次は…ということである。数時間後、日本は降伏した。
世界中の人々は企業連のこの攻撃に心底驚いた。島1つ消すなんて信じられない、という
点と、どうやってそんなキチガイ兵器を作ったんだろう、という点に驚いていた。
やっとその頃になってナーデルホルン要塞から出撃した超大型アームズフォートは
日本海上空にやってきた。そして乗っていたウィリアムがコンソールを操作して
ある所へ通信をつないだ。
「やあIS学園の諸君。久しぶりだな。もうすぐそっちに行くから待ってな」
「ウィリアム!! 貴様…」
「そうそう。ゲストを2人連れていくから準備をしっかりしておいてくれよ?」
ウィリアムは笑いながら織斑千冬との通信を切った。
続く…
~ウィリアムの部屋~
なのウィ「ついに日本が…」
ゼロウィ「しかも広島と長崎にコジマミサイル攻撃って…」
ISウィ「上空で起爆したからいいじゃん!」
作者「被害がないので無問題です」
ゼロウィ「日本人の心を折るには十分だな。てか日本の重力魚雷もすげぇ」
なのウィ「日本の技術力は世界一ィィィィィ!!」
ISウィ「ドイツが居ない今はそうなるな」
作者「次回、IS学園との激突です! そして超大型アームズフォートがその
実力をあらわにします!」
なのウィ「え、イクリプスじゃねえの?」
ISウィ「誰がイクリプスだって言った? ではまた次回!」
なのウィ「イクリプスじゃないならなんだよ!?」