IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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「コジマからの使者、コジマッ!」

「AMIDAのためにコジマを流す男、コジマッ!」

「100メートル先に落ちたコジマ粒子の音をも聴き取る男、コジマッ!」

「野生のAMIDAに味方する男、コジマッ!」

さてどれがいいだろうか…


第38話:IS学園の終焉 その2

 2機のネクストと3機のISはあっという間にIS学園側のIS部隊を蹴散らして学園上空まで

やってきた。そこには一夏達専用機持ちとラウラ率いるシュヴァルツェ・ハーゼ、生徒

会長である更識楯無、亡国機業の3人が待ち構えていた。

 

「ウィル!」

 

「よい一夏! 元気そうで何よりだ。で、降服する気はあるか? おとなしくISを渡せば

 無傷で家に帰れるようにしてやるよ」

 

ウィリアムは後ろを振り返り、海や地面に墜落しているIS達に向かって無線で語りかけた。

 

「お前達も同じだ! ISを解除して家に帰れ! 大切な家族、恋人、友人が待っている

 だろ? それに死にたくないだろ?」

 

すると多くの操縦者がISを解除して帰っていった。それを見た鈴はびっくりした。

 

「まあ誰だって死にたくはないわな」

 

「そうだよね。さてと」

 

シャルはガトリングガンをチェインガンを一夏達に向けた。

 

「君達は僕達とやりあう気なのかな?」

 

「当たり前でしょ? まだ負けたわけではないですから」

 

更識楯無が前に出て堂々と言ったが、それを見てリリウムはあることを思いついた。

 

「ウィリアムお兄様、そろそろ”再会の時間”にしてはいかがでしょうか?」

 

「そうだな、そうしよう!」

 

「何よ、その再会の時間って!」

 

鈴がウィリアムに噛み付くが、無線の声を聞いて動きを止めた。

 

『大きくなったな、鈴。久しぶりだ』

 

「お………お父……さん?」

 

巨大な中華包丁を持ったネクストに乗っていたのは、鈴の父親である凰聞生(ファンブンセイ)であった。

 

『背も伸びたし、綺麗になったなぁ…でも胸は無いな』

 

「ムキー!! 何よ、娘にもそんな事言うわけ!?」

 

『なーに、お前の母さんも真っ平だったしな、あっはっは!』

 

大笑いした後聞生は真面目な口調になった。

 

『あの内戦時に俺は大怪我しちまってな。危うく死にかけたんだが、そこに来てくれたのが

 アルゼブラの社長であるサーダナさんだったんだ。俺を助けてくれてしかも専属料理人と

 して雇ってくれた…そんなサーダナさんにはとても感謝しているんだ』

 

中華包丁を研ぎながら話を続ける。

 

『それにトーラスのロンバートさんにも色々と世話になっている。その恩に報いるために、

 俺はここにいるってわけだ。この前手紙送っただろ、近いうちに会いに行きたいって。

 だから会いにきたんだ、もっと喜べって』

 

「で、でも…あたし達からしてみればお父さんは敵なんだよ!? 久しぶりに会えたのに…

 戦いたくないよ!!」

 

『じゃあこうしよう。昔みたいに鬼ごっこしようじゃないか! 鬼は鈴な! じゃあ始め!』

 

「ま、待ってよお父さん!」

 

あっという間にオーバードブーストで彼方へと飛んでいく父。それを追って鈴も飛んでいった。

 

 

 

更識楯無は焦っていた。

 

(やるわね。実の父親を連れてきて戦力の分散を…)

 

そこまで考えたところでもう1機のネクストを見る。両肩に連射型のプラズマキャノン、

機体各所に設置されているマイクロミサイルポッド、両腕内蔵型の近接用マシンガンを

備えている。

 

(何、このネクスト…どこかで見たような感じがする…)

 

彼女の思考は直後に入った無線でストップする。

 

『久しぶりだね、()姉さん』

 

「………か、簪…ちゃん……なの?」

 

全体的にちょっと青っぽい色のネクストには更識簪が乗っていた。無線と同時に通信が

入り、簪は満面の笑みを楯無に見せた。

 

『見てよ、このネクスト! 自分で作ったんだよ! ISみたいな弱い兵器じゃなくて、

 世界最強の兵器であるネクストを! すごいでしょ! みんな褒めてくれたんだ!』

 

「簪ちゃん…」

 

『だけど姉さんは褒めてくれなかった。いつも私は姉さんに負けていた。成績も、ISの

 操縦スキルも、ISの整備力も…でも今はもう違う! 私は姉さんを越えた! それを

 今日ここで証明してあげる!』

 

〈警告。ミサイルをロックされています〉

 

ミステリアス・レイディのハイパーセンサーにそう表示されると、楯無は腹を決めた。

 

「わかった…なら私も本気でいかせてもらうわ!」

 

姉妹の対決が今ここに始まった。

 

 

 

 

残ったウィリアム達3人は一夏達と向きあった。

 

「ウィル…何で戦争なんか始めたんだよ?」

 

一夏にそう聞かれたウィリアムは、何言ってんだこいつ、みたいな表情を浮かべた。

 

「テレビ見てなかったのか? ならもう1回言うけどな、愚かな政府、愚かな国家を

 打破し、この世界を平和に導くためだ。今の世界は既存の国家システムではもはや

 解決しない問題だらけなんだ。だから新しい統治方法を考えた。それをやる上で

 まずやらなければならないことが、国家システムの破壊なのさ」

 

「俺は頭が良くないから難しいことはわからねぇ…でもな! 人殺しは良くない

 ってことはわかる!」

 

「目標の達成に多少の犠牲はやむを得ん」

 

「私達が貴様らをここで止めてみせる!」

 

箒が一夏の横でそう言ったが、シャルは鼻で笑った。

 

「あんなに弱い君が? 僕達を止める? 出来っこないね」

 

「それはどうかな? 姉さんが昨日のうちに改造してくれたこの紅椿なら!」

 

「それだけではない」

 

下を見ると千冬がISを装備して飛んできた。そのISは誰もが見たことのあるものだった。

 

「千冬姉!」

 

「束が作ってくれた最新型の暮桜だ。体に馴染んで使いやすい。ロンバート、お前らを

 ここで倒す。そして世界を守る!」

 

ウィリアムはしばらく無言だったが、笑顔になってこう答えた。

 

「世界を守る…いい言葉だな。だけどさ」

 

次の瞬間遠くから爆発音が聞こえてきた。ウィリアムの背後を見ると、遥か彼方の大地から

もくもくと煙が空に登っていった。

 

「自分の家も守れない奴に世界を守れるのか?」

 

「おいまさか…」

 

箒の顔から血の気が引いた。

 

「いやぁ、大型高速近接信管式高機動ミサイル12発が何故かエンジン故障したみたいでさ、

 発射した途端地面に落ちちまった。運が悪いことに一夏の実家の周辺に落ちたらしいな。

 えーと、五反田食堂ってとこと篠ノ之神社ってのも吹っ飛んだみたいだな。どんまい!

 でも死人はいないみたいだしよかったな!」

 

運がよい事に、一夏の親友である五反田弾とその家族はとっくの昔に避難していた。IS学園

周辺の一般人は、企業連からの通告に従い避難済みだったのだ。なので心置きなく戦える、

ウィリアム達はそう思っていた。

 

「てめぇ、よくも!!!」

 

「さて、話は終わりだ。お前達に残された時間は後40分。それまでに俺達とアームズフォートを

 何とかしないとこの学園は終わりだ。さあかかってこい!」

 

ウィリアム、シャル、リリウムは一斉に一夏達に飛びかかった。

 

 

 

『ハハッ! ほら、もっと早く走らないと追いつけないぞ~!』

 

「どこぞのネズミみたいな声出さないでよ!」

 

鈴は父親を追いかけまくっているがなかなか追いつけない。なので衝撃砲で撃ち落とそうとした。

 

『おいおい、そんな危ないもの撃っちゃだめだろう?』

 

「嘘!?」

 

しかし聞生はなんと中華包丁で衝撃砲を斬り裂いた。そして仕返しと言わんばかりに両肩に

積んでいたアルゼブラ製スラッグガン『KAMAL』をぶっ放した。

 

「きゃあああ!! もう、痛いわね!!」

 

シールドエネルギーをごっそりもっていかれたので、鈴は双天牙月で斬りかかる。しかし

中華包丁で受け止められる。

 

『楽しいな、鈴。昔良くちゃんばらごっこもしたもんな!』

 

「ごっごって…お父さん、しっかりしてよ!」

 

『俺はしっかりしているさ』

 

急にマジモードになった父親の声を聞いて鈴は気分を落ち着かせようとした。

 

『俺がこんなこと好きでやっているように見えるか? 実の娘と殺し合いをするのが楽しいわけ

 無いだろう? 鈴がおとなしくISを渡せばすぐに終わるんだ』

 

「そんなこと急に言われたって…」

 

『これが終わったら、俺は母さんに会いに行く。そしてまた一緒に暮らそうと言うつもりだ。

 鈴、また家族3人で暮らさないか? 楽しかったあの頃のように…』

 

鈴は”あの頃”を思い出していた。中華料理店で両親も客も、皆が笑顔だったあの頃を…

 

『それと、一夏君と付き合っているんだろう?』

 

「ななななな何で知ってるのよ!?」

 

”あの頃の思い出”は一瞬で吹き飛び、鈴は真っ赤になった。

 

『はははは、一夏君なら鈴を幸せにしてくれるよ。きっと母さんも喜んでくれるさ』

 

「お父さん…」

 

いつの間にか差し出されたネクストの手に鈴は乗り、ISを解除した。もう片方の手で聞生は

ISを握りつぶした後、地面に降り、自分も外に出た。そして父と娘は数年ぶりに抱き合った。

 

「鈴!」

 

「お父さん!!」

 

しばらく抱き合った後、聞生は鈴と手をつなぎながら歩き出した。鈴の目に、近づいてくる

ヘリコプターの姿が見えた。

 

「鈴、あれに乗って母さんに会いに行くぞ。もう戦わなくていいんだ。その後、一夏君を

 迎えに行こう」

 

「うん!!」

 

こうして鈴はISを捨てて父と共に母の元へと飛んでいった。しばらくして聞生のネクストは

自爆装置が作動してコジマの光の中に消えた。

 

 

 

 

 

 その頃IS学園にもう1つのアームズフォートが時速2,000kmオーバーで地面を走りながら

近づいていることに誰も気付いていなかった…

 

 

 

 

 

続く…




~ウィリアムの部屋~
なのウィ「IS退治の専門家、コジマッ!」
ゼロウィ「AMIDA笛にむせび泣く男、コジマッ!」
ISウィ「悪のISを粉砕する男、コジマッ!」
作者「惹かれるな…てもそんなことより仕事忙しい」
なのウィ「作者はそろそろ仕事をやめようと思っている件」
ISウィ「むしろ本気で公務員になろうか考え中」
ゼロウィ「大変だな、社会って」
作者「次回でIS学園は終わりだ! ヒャッハー!!」
ISウィ「あ、もうこれだめだな。では次回もお楽しみに!」
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