IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
シャルロットは戦いの後疲れていたので、イクリプスの仮眠室で寝ていた。
「ん~むにゃむにゃ…お兄ちゃん、だめだよ…」
「シャルロットや…起きなさい、シャルロット」フワフワフワフワ
「ん?………あんた、誰?」
「私はあなたのネクストAC、『リベレーター』の精です」ハァーハァー
「いぃぃぃやああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
そりゃ誰だって逃げる。起きたらキモいおっさんが鼻水垂らしながら宙に浮いている
のだから。
「ああ逃げないで逃げないで! っていうか引かないで! 今日はお兄ちゃんLOVEの
君にこのワタクシ応援しに参りました。さこの精霊様になんでも言ってみんさい」
「そ、それじゃ精霊様! 1つだけ聞きたいことが。僕はいっつもお兄ちゃんの事を
愛していますが、お兄ちゃんは全く気付いてくれません。この先もずっと気付いて
もらえない人生なのでしょうか…」
「…まーね」ハナホジホジ
「うわあああああん!!」
やる気ゼロで返事されたシャルは全泣き。
「ま、待ちなさいシャルロット! 今のナシ! ノーカン! ノーカン!」
「え?」
「シャルロット、よくお聞き。寝ている場合じゃないのよ。今君はお兄ちゃんを愛して
いる事をお兄ちゃんに気付いてもらえるコーサイのチャンスをのがしているのだよ」
「え、コーサイって…」
「サイコーってこと」
「チャンスって…」
「またとない機会ってこと」
「いやあああああ!!!」
そこでシャルは飛び起きた。嫌な汗を大量にかいていた。
「……………はっ!? 夢か…ってお兄ちゃんは!?」
「おーシャル、起きたか」
「いつまで寝ているんですか、シャル」
「お兄ちゃん! リリウム! なんで2人共タオルだけなの!?」
ウィルは腰に、リリウムは胸にタオルを巻いていた。
「いやあ、2人で訓練した後汗かいちゃったから風呂入ったんだよ、したらリリウムが
背中流してくれてな! ほんとありがとな、リリウム!」
「いえ、これくらいなんてことは…」
「うわあああああん!! チャンス逃したあああああ!!」
正夢になってしまったシャルは泣きながら何処かへ走っていった。
「…シャルの奴、一体どうしたんだ?」
「…リリウムにはわかりません」
怒り狂ったシャルが3連装ロングレンジハイレーザーを乱射して運悪くダン・モロに
直撃して墜落したのはまた別の話である。
その頃ナーデルホルン要塞から這々の体で逃げ出した5人は輸送機の中で今後のことを考えて
いた。ただ、一夏に拒否られた千冬は隅の方で何やらブツブツ呟いている。そして束はというと
ハッキングをしまくり愛する妹、箒の居場所を特定しようと躍起になっていた。
「
ついに束がキレた。
「
何故日本人の彼女が『円』ではなく『ドル』を使ったのかというと、今彼女が使っている偵察
衛星が、今は亡きアメリカ合衆国国家偵察局の偵察衛星だからである。
「落ち着け、博士」
マドカは輸送機に積んであったレーションを食べていた。
「うまいなこれ…今我々がすべきことは機体の修理と拠点の確保、あと睡眠だ。皆疲れているし、
今すぐ動いたところで状況は何も変わらん」
「でも箒ちゃんは!」
「奴らの狙いはあんただ、博士。だからあんたをおびき寄せるために妹を誘拐した。従って
あんたを殺すまでは人質を殺すようなことはしないだろう」
「…私のために箒ちゃんが…」
「どうだ、クラリッサ?」
ラウラは操縦席にいるクラリッサに近づいた。
「とりあえずこの機のトランスポンダーやら何やらは全部スイッチを切りました。今は完全な
EMCON(電波管制)状態です。敵に追われることはないでしょう」
「そうか…ところで」
より声を小さくしてクラリッサに話しかける。
「今の状況はどう見ても最悪だと思うのだがどう思う? それに教官があんな状態では…」
「…確かにその通りです。あの主任とやらが操る巨大な機動兵器…もはやISでは対抗できない
と思います。篠ノ之博士にISをさらに改造してもらうという方法もありますが…あと教官は
もう戦えないでしょう…」
「そう言うと思ったよ…で、今我々は何処に向かっているんだ?」
「篠ノ之博士の秘密基地がある西サハラに向かっています」
「西サハラ…モロッコが不法占拠しているあそこか」
「隊長、今は休んでください。かなりお疲れでしょう。操縦は私とマドカで交替でやりますから」
「わかった、すまんな」
ラウラは備え付けの簡易ベッドに横になるとすぐに寝た。
その頃遠く離れたある場所では今までにないほど巨大な兵器の製造をしていた。その兵器は
オーメルとインテリオル、そしてトーラスとアクアビットの4社合作のアームズフォートである。
「起動実験開始!」
「全コジマジェネレーター正常稼働。全兵装へのエネルギー伝達を確認しました」
「ソルディオス砲異常なし、コジマキャノン異状なし、ミサイルランチャー異常なしです」
「7番と16番のハイレーザーキャノンに異常あり。直ちに修理して」
「艦長、レーザーキャノン2基以外は特に異常ありません」
「素晴らしい! これで企業連は世界を統治できる。これを前に歯向かうものなどいないだろう。
もしいるとしたらそいつは極めつけの愚か者だな」
アームズフォート『アンサラー』の艦長は不敵な笑みを浮かべた後、艦橋の窓から外を眺めた。
「さあ篠ノ之束とその一味よ、どこからでもかかってこい! 愚か者どもにこのアンサラーが
やられるわけがないからな! ガッハッハッハッハ!!」
続く…