IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

52 / 67
久々の更新なので閑話を…


閑話:企業連製アームズフォートの欠点

・アンサラー編

 

ウィリアムとシャル、リリウムは完成したばかりのアンサラーに乗っていた。

 

「やはり巨大だな…素晴らしい!!」

 

「もうこれだけでいいんじゃないかな、アームズフォートは」

 

「艦内も広いです」

 

すると艦長がやってきた。

 

「どうですか皆さん。このアンサラーならばISなど簡単に蹴散らせますよ」

 

「その通りだな…そうだ艦長、操縦席を見せてくれ」

 

「いいですとも、どうぞこちらです」

 

アンサラーの操縦は4人で行うシステムになっている。大量に搭載されているコジマ機関の

操作や、ホバリングする時の姿勢制御など、やることが多いからである。

 

「へぇ~こうなっているんですね~…ん?」

 

リリウムがぴょこぴょことうろついていると、赤い大きなボタンを見つけた。ガラスで

覆われていて、普段は絶対に押さないような仕組みになっているのがわかる。ボタンの

上には、

 

『YHDS』

 

と書かれていた。

 

「艦長、このボタンは…」

 

『いかん! そいつには手を出すな!』

 

「ひゃい!?」

 

リリウムがボタンのことを聞こうとした瞬間、艦橋にいた全員―約100人―が大声で注意した。

 

「どうした艦長、そんなに大声で?」

 

「あのボタンは、非常時における最終攻撃手段の起動ボタンなんです」

 

「なにそれ聞いてないんですけど」

 

シャルが何処からとも無く設計図を引っ張りだしてきてパラパラめくっている。

 

「おかしいな、そんな機能は設計時には無いよ?」

 

「アクアビットとオーメルの技術者が一緒に付けたんですよ。名付けて!」

 

シャキーン!

 

艦長は何故か決めポーズ(本人がそう思っているだけで実際はダサいポーズ)をした。

 

 

 

「『指先ひとつでダウンさ』ボタン! これを押すとアンサラーは空中分解を起こして地面に

 落下、その後に全てのコジマジェネレーターが一斉に自爆して20メガトン(・・・・)クラスの大爆発を

 引き起こすのです! もちろん乗組員は気合いと根性で脱出します」

 

「……………えっ」

 

リリウムはぽかんと口を開けたまま硬直した。

 

「だからYHDSなのね…」

 

ウィリアムがポツリと呟く。もちろんすぐにこのボタンは取り外された。自爆は漢のロマン

とかなんとか言ってたが無視した。

 

 

 

 

 

・メガスティグロ編

 

「すげぇ! これがアームズフォートってやつか!」

 

「一夏、はしゃぎすぎでしょ」

 

メガスティグロの艦橋にいるのは一夏と鈴であった。変態企業で有名なアクアビット社社長、

エリック・ダールマンに招待されたのだ。今メガスティグロは本社のある旧スウェーデンに

向かって”地上”を爆走している。

 

「どうだい一夏君! インテリオルとアクアビットの技術が融合し完成したこの世界最速の

 エアクッション艇は!」

 

「早くてかっこよくてやばいですね!」

 

「もうすぐ我が社のあるスウェーデンに着くぞ! 美味しい料理とか素晴らしい景色を心ゆく

 まで楽しんでくれ」

 

「はい!」

 

しばらくしてスピードを落とし始めたメガスティグロ。初めて見るスウェーデンの景色に感動して

いた一夏。

 

「………ん?」

 

その時変なものを見た。地面が大きく抉れており、その先にはこれまた大きく抉れた山があった。

そしてその先で…

 

「メガスティグロが…刺さっている?」

 

見事に地面に刺さったメガスティグロがあった。周りで多くの作業員や機械がウロウロしていた。

 

「だ、ダールマン社長、あれはいったい…」

 

「ああ、あれね」

 

ダールマンは声をトーンを下げた。

 

「実はあれね…」

 

 

 

 

 1週間前の話。いつものように軍事物資など様々な物を積んで地上を走っていた輸送用

メガスティグロ。艦橋では多くの人が仕事をしていた。だが操舵員は最近就任したばかりの

人間であり、今日も副長から色々なことを教わっていた。

 

「で、これがGPSで…こっちがクイックブースト用のスイッチか」

 

「その通りだ。大分覚えてきたな」

 

「副長の教え方が美味いからですよ」

 

「褒めても何も出ないぞ…ちょっと休憩にしよう。おい、コーヒーを2つ頼む」

 

コーヒーブレイクしていた2人だったが、突然操舵員はくしゃみをしたくなった。我慢しようと

したが間に合わず、

 

「は…は…ハックショイ!!!」

 

と、どデカいくしゃみを。その時持っていたマグカップを落としてしまい、運悪く赤い

ボタンに直撃した。

 

「げっ!」

 

それを見た副長は顔面蒼白に。直後、警報が鳴り響いた。そのボタンは、艇体下部の”スカート”と

呼ばれる多重ケヴラー製のエアクッション用側壁へ空気を送り込む装置の強制停止装置だった。

何でそんなもんあるんだ、と言いたいところだが、海上でスカートが破れた時、海に突っ込む前に

スカート内へ送られる空気を遮断すれば、元々海上用のメガスティグロはすぐに姿勢を安定する。

その為に付けられた安全装置なのだ。

 

 ここでエアクッション艇、俗にいうホバークラフトの原理を簡単に説明しよう。ホバークラフト

とは、上から吸い込んだ大量の空気を艇体の下に吹き込み続けることで浮上する。艇体下部は

さっき説明したスカートが四方に垂れ下げられており、吹き込まれた空気を十分な高さで保持

する。この側壁下部と水面または地面との隙間から常に空気が漏れ出ることにより完全に艇体の

全てが空中に浮かぶため、平坦な面上では接触抵抗が全く発生しない。この隙間より大きな凹凸

でもスカート部によって作られたエアクッションの高さまでは、金属製の艇体に接触することが

避けられる。

 

 ここからが重要なのだが、スカート部への空気の圧縮を止めれば、エアクッションが失われ、

艇体の底部がそのまま水面または地面と接触する。水上でそのような事態が起きても水中へ

沈まないように、艇体は船と同様の水密構造を備える。

 

 

 

だがもしそれが地上で起きたら?

 

 結果、エアクッションを失ったメガスティグロは地面と接触、大きく抉りながらも前進を

続けた。そして山をも削りながら登り切り、空中に飛び出し、そのまま頭から地面に刺さった

のであった。

 

 

 

「…ということがあったさ」

 

「そんな装置外せばいいのでは」

 

「もう外したよ」

 

「そうですか…」

 

なんか微妙な空気になったが、その後一夏はスウェーデンを鈴と一緒に心ゆくまで楽しんだ。

 

 

 

 

 

続く…




ISウィ「ちなみにビッグトーラスマンもアームズフォートになるから!」
ゼロウィ「うそ!?」
なのウィ「で、あれの欠点は?」
ISウィ「そんなものない! 我らが最強神たるビッグトーラスマンに弱点などない!」
ゼロウィ、なのウィ「へ、へー…」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。