IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
新年初の更新ですが短めです、すみません…
南極大陸から南に30kmの地点。そこに1機のヘリコプターが飛んでいた。GA第4艦隊所属の
艦上対潜ヘリコプター、SH-60F オーシャンホークだった。ディッピングソナーを海中に
垂らして空母に近づく敵潜水艦を探していた。
「おい、見つからないのか?」
「ゼロ。全くなし。来るのはわかっていても何処から来るのかわかんないとな」
「確かに。でも他の空母からも対潜ヘリ出てるんだから見つかるだろう」
ソナーを操作するシステムオペレーターと機長はそんなことを話しつつも仕事に集中していた。
彼らの任務は、篠ノ之束操る人参型潜水艦を探知し、撃沈することだった。
「にしてもこの辺まで流氷が来るのか。こんな所で墜落したら1分後にはシャーベットに
なるな!」
「いやはや恐ろしいねぇ…ん?」
システムオペレーターは画面を注視した。
「コンタクトあり! クソ、見つけたぞ! はっきり聞こえる。バラストタンクから水を排出
している音がする。相対方位は160。なんで今まで見つからなかったんだ、見当も付かん」
「気にするな相棒。見つけたんならそれでいい。ソナーをアクティヴにして射程におさめろ」
「アクティヴで探信開始…リターンあり! 目標までの距離、6,100ヤード、相対方位は依然と
して160、方位は安定している」
「よし、攻撃手順始めっ!」
「了解! 主要兵器準備よし! 魚雷発射選択、ポジション・ワン、ツー! 魚雷回転開始!」
オーシャンホークには3基のMark 50 魚雷が搭載されていた。そのうちの2基を連続投下しようと
しているのだ。
「
「了解、設定完了!」
「方位確認、ここから発射しよう」
機長は方位160に機首を向けた。その間もシステムオペレーターは報告を続ける。
「目標が増速…あ、目標が浮上し始めた! 目標がソナーをアクティヴにしている!」
「クソッタレのイエローモンキーめ、とっととそのケツをこっちに向けやがれ! デカイのを
ぶち込んでやるからな!」
「目標が深度を変えて…馬鹿な、消えただと!? ふざけんなこのクソソナーめ!」
システムオペレーターはキレて制御盤に殴る蹴るの暴行を加えた。
「落ち着け! なんで消えたんだ?」
「んなもん知るか! ポジティヴでもアクティヴでも捉えていたのに突然消えやがった。
おまけに再補足もできん!」
その後、増援の対潜ヘリ3機と共に捜索を実施したが、見つけることはできなかった。
「あっぶね~…見つかるとこだったよ」
束は冷や汗をかきながら上を見ていた。先程対潜ヘリが探知したのは、束と愉快な仲間
たちが乗っている潜水艦だった。何故対潜ヘリのソナーから逃げることができたのかと
いうと、近くを漂っていた流氷のおかげだった。流氷の底にそこそこの大きさのくぼみが
あったので、そこに潜り込んだというわけである。
「よし、ヘリも行ったし先に進もう」
数時間後、束の潜水艦は予定ポイントに到着した。
「くーちゃん、着いたよ」
「では…」
くーちゃんがコンソールを操作すると、潜水艦の格納庫からIS用のレーザー砲が真上に
向かってせり出して、強力なレーザーを放った。氷があっという間に蒸発し、大きな穴が
空いた。しかし地表までは貫通していなかった。
「貫通したら光とかでバレる可能性があります」
と、くーちゃんが言ったからである。氷の厚さを計算して、レーザーの威力を調節し、
地表まで厚さ20mmのところまで溶かすようにしていた。
穴の中に浮上した潜水艦から束達5人が出てきた。潜水艦の防衛用に無人IS2機が待機
している。
「よし、じゃあ行くわよ」
「「「「はい!」」」」
亡国機業の任務で南極大陸に実際に行ったことのあるスコールが先頭になって、5人は
地上に上がった。持ってきた雪上車―スノーキャット―に乗り込み、まずは南極点へと
向かうことにした。束の改造により、スノーキャットは速度が上がり、行動距離も
大きく伸びている。
「待っててね、箒ちゃん…」
束の呟きは南極の風に消えていった…
その頃南極点では。
「行くぞ、ヒュージ”雪玉”キャノン!!」
「甘いわ! マルチプル”雪玉”!!」
「ちょお兄ちゃん、こっちにも飛ばさないでよ! ガトリング”雪玉”!!」
「むむむ、ならリリウムは…”雪玉”レーザー!」
「「「なんだよそれ!!」」」
「ただのグラインドブレード! なんということでしょう、ただの氷山が見事な彫刻に!」
「…どうしてこうなった」
ウィリアム、シャルロット、リリウム、主任、キャロラインが大騒ぎしている光景を見て、
上空にいるアンサラーの艦長は頭を抱えていた。
続く…
新年のおまけ
・有澤重工の正月
「諸君、新年あけましておめでとう」
『おめでとうございます!』
広大な有澤重工演習場。その中心で有澤重工社長、有澤隆文がネクストAC『雷電』の上で
仁王立ちしつつ、マイクを使って社員に新年の挨拶をしていた。
「今年もより一層威力のあるグレネード、より頑丈なタンク型ACを開発し、売っていこう。
その為にはエリートであり、プロフェッショナルである諸君に頑張ってもらうことになる。
今まで以上にきつい年になるかもしれんが、是非とも諸君の力を貸して欲しい。そして
諸君の努力が有澤重工の更なる成長につながるだろう。では…」
隆文は日本酒入りのコップを掲げた。
「我らが愛してやまないグレネードとガチタンに、そして有澤重工に乾杯!」
『乾杯!!』
その後有澤重工恒例の羽根突き大会が行われた―
『うおおおおおお!!』
『負けるかああああ!!』
―タンク型ACで。おまけに羽根にはグレネードが仕込んであり、落とすとドカンと吹き飛ぶ
仕掛けになっていたりする。なので演習場で行われているのである。
結果、元旦から重軽傷者合わせて42名、壊れたノーマルACは25機を越えた。めでたしめでたし。