IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
「主任!」
『おう、わかってるぜ!!』
ミサイル発射を確認したウィリアムは主任に戦闘を任せて、何故か束に通信を送った。
「よう、兎野郎。いや、メス兎って呼んだほうがいいか」
『…何だよクズ社長』
「知りたくないか? 俺達企業連の強さの秘密を?」
突然そう言われた束は悩んでしまった。
(コジマ技術の急速な発展…その軍事化…それにISよりも強いネクストACとかもっと
強いアームズフォート…)
5秒後、束は決断した。
『めっちゃ知りたい! 空気読めって言われるかもだけど知りたい!!』
他の4人とパルヴァライザーがド◯フよろしくずっこけた。ちなみに上空のアンサラーに
いたシャルロットとリリウムとキャロルもずっこけていた。
『姉さん! そんな状況じゃないでしょ!?』
『それでも知りたいんだ! 私がっ全部理解するまでっ戦うのはやめるっ!!』
『『『『『はあああああああ!!??』』』』』
束の言い分に皆が呆れる。それを無視してウィリアムは束を誘った。
「じゃあ行こうか」
『え、どこに…』
次の瞬間、束は別の場所にいた。どこまでも真っ白な空間。さっきまでIS用のスーツだった
はずなのだが、今はいつものゴスロリ服だった。
「どこなのここ?」
思わず束は呟く。
「隔離空間、みたいな? 現実世界とは切り離された世界だ。こっちで1年過ごそうが、現実では
1秒も経ってないから心配するな」
その後ろからラフな格好のウィリアムがやってきて束は飛び上がった。
「ま、座れ。鼻塩塩…じゃなくて話をしよう。駄菓子もあるし」
「何で駄菓子なのさ…」
パッと現れたテーブルと椅子に2人は座った。先に口を開いたのはウィリアムだった。
「何時の日か、お前は織斑千冬にこう言っていたな? 自分には俺とシャル、リリウムのような
ISを作るのは不可能だ、と」
「…ああそうだよ。
基地外レベルの装甲強度…数えたらきりがないよ。それに一番の謎は
束は思わず立ち上がって問い詰めた。
「あの銀髪の娘はレーザーが曲がりまくって敵を攻撃しまくってたし、金髪の子に至っては手を
ぎゅっとしただけで4体のゴーレムちゃんが爆散しちゃったじゃん! 何なのあれ!?」
「落ち着け。全部話してやるから」
ウィリアムはコーヒーを飲んでから説明した。
「まず単一仕様能力について説明しよう。リリウムのは『魔弾の射手』。これは彼女が望む場所に
確実に命中するレーザーを発射する能力だ。レーザーの威力は落ちることがなく、彼女が好きな
だけ攻撃することができる、それこそ10分だろうが10年だろうが。大抵の場合は敵が死ぬ
まで、だがね」
「…何だよそれ…そうやったらそんなことできるんだよ…」
最初から混乱している束。
「次にシャルだな。
頭を掻きながらウィリアムが言った。
「単純に言えば、ありとあらゆるものの破壊が可能なんだ。いいか、全ての物質には『目』という
最も緊張している部分がある、って話は聞いたことがあるだろ?」
「ごめん知らない」
「まあいいや、そこを攻撃することで対象を破壊する事ができる。だがシャルの場合、その
『目』を自分の手の中に移動させることができ、手を握り締めて『目』を壊せば無条件で
対象を破壊できるんだなこれが。もちろん人だろうが、惑星だろうが無条件でだ」
「……………」
束は頭を抱えた。とても自分には理解できない、と。
「で、俺のなんだが…『スロー・モー』って言ったことがあるが、あれは嘘だ」
「え、嘘?」
「本当は
だからお互いに正面から突撃しても、時間を止めて真後ろに回り込んで攻撃することが可能
なのさ」
「…あのー」
束は手を上げて質問した。
「一体全体どうやったらそんな単一仕様能力が…」
「ま、普通にやったら絶対にできない。何でかというと…」
ウィリアムは最高のドヤ顔(本人談)を見せつけた。
「俺がチートだからだ」
「…は?」
「…つまり話をまとめると」
10分後、束は頭痛がする頭を抱えながら聞いた話をなんとか理解しようとしていた。
「あんたは1回死んで、チートをもらって転生して、本来この世界にない兵器で大儲けして、
ついでに世界統一もしようってこと?」
「最後はちょっと違うな。企業連が世界をコントロールするのであって、俺が統一するわけ
じゃない」
「…でさ、何でこんな話をしてくれたわけ? あんたにとって何の利益もないのに」
「その通りだ。一企業の社長であるこの俺は普通なら絶対にこんなことしないさ」
コーヒーをお代わりしながらウィリアムは続ける。
「でもな、俺だって一応人間だし? これから死ぬ奴にならちょっとぐらい教えたっていいん
じゃね?、と思ったわけだ。他にも知りたいことがあるなら教えてやるぞ?」
「そうだ、忘れてた!!」
束は椅子を後ろにふっ飛ばしながら立ち上がった。
「箒ちゃん! 私の可愛い妹の箒ちゃんは何処にいるの!? それを教えてよ!!」
「今まで忘れてたのに…まあいいか。それは戻ったら教えてやる。じゃ、戻るぞ」
「…はっ!?」
気づくと束は元の場所―南極に戻っていた。時間を確認すると、全く時間がかかっていないことが
わかった。
『博士! パルヴァライザーが!!』
「え?」
クラリッサに言われて見てみると、パルヴァライザーが地面にひっくり返っていた。全く動きが
ない。だが破壊されたようにも見えない。
『悪いがパルヴァライザーは止めさせてもらったぜ』
ウィリアムがオープンチャンネルで言った。
『ついでにあんたの妹のいる場所にグングニルを撃った。30発以上だっけ? 忘れたけど』
BFF艦隊にハッキングを仕掛けてグングニルを撃ったのはキャロラインだったのだ。無論、
この事を束は知る由もない。
「何処だ! 箒ちゃんは何処にいる!!」
『ここから間に合うとは思えないが…ロス棚氷の真ん中辺りの海中にいる小型潜水艦の中だ。
ついでに潜水艦の生命維持システムも切っておいたぞ。今頃寒がっているだろうな~』
『束様、行ってください!』
『博士、行け!!』
『ここは私達でなんとかする!』
『早く行くんだ!』
クラリッサ、スコール、マドカ、くーちゃんの4人が、シールドエネルギーの残りが少ないにも
関わらず、援護射撃を開始した。
「みんな…ごめん!!」
束は背を向けてロス棚氷に全速力で向かった。愛する妹を助けるために…
「よし、気合を入れて行くわよ!!」
『『『了解!!』』』
スコール指揮の元、4人は2人に向かっていった。主任はエクスシアの翼を大きく広げる。すると
翼が緑色に輝きはじめた。
『プレゼントだ! コジマ粒子の気分を味わえ!!』
溢れんばかりの赤く染まったコジマエネルギーが巨大なビームとなって4人を襲った。一番近くに
いたクラリッサは回避しきれずに赤いビームに飲み込まれた。
「クラリッサ!!」
あまりの威力に氷が蒸発し、一帯は水蒸気だらけで何も見えなくなった。だがスコールはハイパー
センサーでぐったりとしているクラリッサを見つけた。ISは粉々になっていたがまだ生きていた。
『余所見してる暇があるのか?』
そこにウィリアムが放ったミサイルが大量に飛んできた。すぐにくーちゃんがライフルで迎撃し、
スコールがバズーカをお見舞いする。マドカはビットを操りウィリアムと主任にレーザーを
放つ。3人は素晴らしい連携プレーを見せる。が、それだけでは勝てないことを理解していた。
ウィリアムと主任は3人の連携プレーを心の中で称賛していた。できることなら企業連に入って
欲しいとさえ思っていた。だがそうはいかないこともわかっていた。
その頃1機の黒いISが南極大陸に侵入したことに誰も気づいていなかった…
続く…
今回のはあまり良くないかも…なんでバラしたの、って感想がきそう…