IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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第55話:エンドウォー

 プランB成功に伴い、企業連は全世界にパルヴァライザーこと篠ノ之箒とその姉、篠ノ之

束の死亡を発表した。そして同時に国家解体戦争の終結を宣言した。これによりまだ戦闘

意欲が残っていたIS派は戦意喪失。おとなしく降伏する者達もいれば、徹底抗戦を唱える

者達もいた。後者の場合はアームズフォート・アンサラーによる”コジマパーティー”に

強制参加させられた。企業連は集めたISを全て解体、コアも破壊した。ウィリアムにより

ISコアは解析済みだし、3つのIS―コスモス、リベレーター、アンビエント―があれば

充分だと判断した。ネクストや可変戦闘機、アームズフォートがいる時点でISの必要性は

ゼロになった。

 

 

 

 戦争終結1週間後、企業連は月面を開発していたことを公表。同時に月面移住計画を開始

した。移住する人間は主に企業連の人間だが、企業連の所属ではない人も抽選で参加できる

ことになった。企業連の人間が、

 

『月は良いとこ、一度はおいで♪』

 

と言っても信じない人もいる可能性がある。なので一般人も一緒に連れて行き、

 

『っべーわ。月マジで快適だわー。みんなも来てみ』

 

と言わせればみんな信じるんじゃないか、と企業連は考えたのだ。もちろん、一般人が住む

場所は、アライアンスから遠くはなれている場所である。

 

 ちなみに一般人が月に行く為には、国家解体戦争中にトーラスがグングニル巡航ミサイルで

吹き飛ばし、その後再建されたGA第1宇宙港(旧ケネディ宇宙センター)からオーメル製の

スペースシャトルで宇宙へと行く方法、GA第2宇宙港(旧ホワイトサンズ・ミサイル実験場)

から行く方法、トーラス第1宇宙港(旧スイス、ローザンヌ郊外)から行く方法の3種類のみ

である。これ以外にも極秘の宇宙港は存在するのだがそれはまた別の話である。

 

 軌道上に出ると、まず最寄りのトーラス製宇宙防衛プラットフォームで、機体にコジマ

ブースターを付ける。これを点火すれば月まで1日で到着できる。月に着くと、西に位置

する広大な月の海の1つ、嵐の大洋に先遣隊(という名のアライアンスのノーマル部隊)が

整備した広大な滑走路に着陸、機体はエレベーターで地下駐機場に降りる。機体から

降りる際には簡易宇宙服を着用しエアロックまで歩く。中に入って宇宙服を脱ぎ、簡単な

メディカルチェックを受けて異常がなければ、居住スペースに案内される。色々と面倒な

ことばかりだが必要不可欠なのだ。

 

 

 

 人々の関心が月にいっている間に、企業連は極秘裏に火星開発計画を開始した。何が

起こるかわからないので、アンサラー3機、可変戦闘機200機、無人化アレサ150機で武装

している。主な目的は火星地表の拠点確保、そしてトーラス製広域テラフォーミング

装置の設置である。地球から出発したチームは3週間後に到着予定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって南極上空のアンサラー。

 

「お兄ちゃん…どこなの…お兄ちゃん…」

 

「お兄様…出てきてください…」

 

「「うわぁ………」」

 

上からシャルロット、リリウム、主任とキャロルである。ここ1週間、企業連は南極点を中心と

した大規模な捜索作戦を実行している。戦闘中行方不明(MIA)となったウィリアムの捜索で

ある。作戦には量産型イクリプス10機とランドクラブ20機を投入している。

 

「見つかったか?」

 

主任の後ろからGAグループ代表、アーノルド・レヴィンソンが急ぎ足でやってきた。

 

「全く何も見つからない。こりゃあもうダメかもブベラッ!!」

 

次の瞬間シャルロットとリリウムがリンクスでも反応しきれないスピードで主任を殴った。

殴られた主任は艦橋の窓(トランスパリスチール製。月面で採取されたロマイトという

物質でできている完全に透明の硬い合金)を突き破り、たまたま近くを飛んでいた量産型

イクリプスの艦橋に飛び込んだ。

 

「お兄ちゃん(お兄様)は絶対生きてるよ(生きてます)!!」

 

殴った2人は怒り心頭。それを見たレヴィンソンは、

 

「ダイナミック乗り換え、ってやつだな」

 

と、1人で納得していた。

 

「にしてもウィルは何処にいるんだ? 死ぬとは思えんが…」

 

「同意見です。社長は必ず生きています」

 

キャロルも賛同する。

 

「そうだな。きっと『あー死んだかと思った…』なんて言いながら出てくるさ」

 

その時、1機のVF-37可変戦闘機から無線が入る。

 

『レスキュー2-4より全ユニットへ。南極点から西に200mの地下に熱反応。ん~何かが

 埋まっているみたいだ…』

 

『本部よりレスキュー2-4。確認した…だが何故すぐに報告しない?』

 

『だってさっき同じとこ飛んだ時には何も反応はなかったんだぞ? サイズは…人より

 大きいな』

 

『人より大きいのか…じゃあ何だ?』

 

『わからん。とりあえずミサイル撃つか。いいか、本部?』

 

『許可する』

 

『了解!』

 

レスキュー2-4はMSAC製マイクロミサイル12発を発射、氷と雪を大量に吹き飛ばした。

 

『…あ! ほ、本部! 目標を発見! 繰り返す、目標を発見した!』

 

それを聞いたシャルロットとリリウムは、主任がぶつかり壊れた(自分達が壊した)窓から

飛び降りてISを展開、現地に飛んでいった。

 

「早っ」

 

「愛あればこそ、ですね」

 

驚くレヴィンソンにキャロルはそう言った。彼女は左手の薬指には綺麗な指輪をしていた。

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

シャルロットはウィリアムに駆け寄った。が、抱きつこうとすると氷にぶつかってしまった。

 

「これは…」

 

リリウムは冷静に状況を確認した。ウィリアムは凍りづけになっていたのだ。このまま氷を

割ろうとしたら、ウィリアムも割れるかもしれない。なのでパイルバンカーを構えている

シャルロットを羽交い絞めにした。

 

「シャル、それはマズイです!! 急いで解凍準備をしないと!」

 

「わかってるよ、火炎放射器だね?」

 

「全然わかってない!?」

 

 

 

数時間後、ランドクラブの機関室で氷漬けのウィリアムは解凍作業を受けていた。

 

「まさかこんな形で役に立つとはね」

 

シャルロットは上はノーブラにタンクトップ、下はホットパンツという姿になり、うちわを

使っていた。隣にいるリリウムも同じ格好である。ランドクラブの機関室はとっても暑い

ことで有名なのだ。なので氷を溶かすにはもってこいの場所である。

 

「あついです…」

 

「我慢我慢。そろそろ全部解けるかな?」

 

しばらくすると解けた氷の中からウィリアムが出てきた。しかもISを身に着けている。

 

「お兄ちゃん!!」

 

シャルロットがウィリアムのISを(素手で)解除してウィリアムを引っ張りだした。意識は

ない。脈を図るとゆっくりではあるが脈があるのがわかった。

 

「直ちに医療チームを!!」

 

「もう外で待機してます!」

 

ウィリアムは医療チームの担架に乗せられ、集中治療室へ担ぎ込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………うっ…」

 

目が覚めると俺は柔らかいベッドで寝ていた。暖かいし静かで快適だ。だが何処だ、ここは?

 

「誰か…いないか?」

 

声を出しても返事はない。しかもなんか…

 

「目が……見えん」

 

真っ暗で何も見えない…ってわけじゃあない。なんつーか超ぼやっとしているというか…

ん?誰か入ってきたな。看護婦かな?

 

「ロンバートさーん、お薬の時間ですよー、って起きてるわけ無いか」

 

「起きてますけど」

 

「せんせー!!! ロンバートさんが起きてます!!!」

 

「なんだってー!?」

 

あれ? 俺起きたらまずかったパターン?

 

 

 

んで。

 

 医者に聞いたらここは旧アルゼンチンの病院で、俺は南極でカチンコチンになってたそうな。

そういえばあの時ISで逃げようとしたら、滑って転んでミサイル飛んできて爆発防いだけど、

ISが死にかけて、そこにTF弾頭搭載のミサイルが飛んできて凍っちまったんだったっけ。

 

 で、1週間も凍ってたせいで目が見えなくなってるとか。しばらくすれば元に戻るんだと。

なら問題ないか。いや、トイレはどうする? それに飯は?

 

「お兄ちゃん!!!」

 

「ウィリアムお兄様!!」

 

「もげっ!!」

 

突然2人に抱きつかれて苦しい…ってそうだ!

 

「シャル! リリウム! 頼みがある! 一生のお願いってやつだ!」

 

「な、何?」

 

「何でしょうか?」

 

「目が見えないから俺の身の回りの世話してくれね?」

 

「「はい、喜んで!!」」

 

即答でした。

 

 

 

んでんで。

 

入院5日目。視力は大分良くなってきた。いやぁ、目が見えなくなったらどうしようかと

思ったよ。多分主任に義眼作ってもらうだろうな。

 

「さて、そろそろ寝るか…」

 

……なんか外に人の気配が…

 

「誰だ?」

 

俺はTW1を構えた。なんで銃持ってるかって? 2日前にIS派の生き残りが襲撃してきたから

だよ! 俺の病室から3つ隣の病室に対戦車ミサイル撃ちやがった。そのせいで俺はご飯が

食えなかった。でも、シャルとリリウムが皆殺しにして、ついでに生き残り共のアジトを

粉微塵にしてきたからもう安心だ。

 

でも今外にいるのは?

 

「「……………」」

 

入ってきたのはシャルとリリウムだった。

 

「どうした2人とも、こんな遅くに…」

 

2人は何も言わずに俺にそっと抱きついてきた。その時2人が震えていることに気付いた。

 

「お兄ちゃん…あの時死んじゃったかと思ったんだよ? 心配かけさせないでよ……」

 

「必ず生きている…リリウムは信じていました…本当に良かったです……」

 

2人は泣いていた。そこまで俺のことを心配してくれていたのか…

 

「…ごめんな、心配かけちまって」

 

静かに泣き続けた2人はそのまま寝ちまったから、久しぶりに一緒に寝ることにした。

次の日看護婦さんに「昨日はお楽しみでしたね」と言われたけど気のせいですと

言っておいた。

 

とまあ、なにはともあれ戦争は終わったしめでたしめでたし、かな?

 

 

 

 

 

続く…

 

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