IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 作:ホワイト・フェザー
エピローグ ~その他もろもろ~
ラウラとくーちゃん、マドカ、クラリッサの4人は、大きな氷山の影に隠れていた。
あまりにも巨大なコジマ爆発から身を守るためだ。ラウラがふと視線を上げると、
氷山がだんだんと解け始めていることに気が付いた。そして耳が聞こえなくなって
いることにも気が付いた。周囲がうるさすぎるので耳がイカれたのかもしれない。
永遠に続くかと思ったが爆風が止んだのを4人は確認した。そして急いで逃げよう
としたが、いつの間にか周囲を可変戦闘機の群れに囲まれていた。ISのエネルギーも
武器もない状況だった4人は素直にISを解除した。
国家解体戦争が終結してから1週間後、4人は日本に連れて来られた。特に尋問や
拷問をされることもなく、ISを取り上げられただけだった。飛行機から降りてから
車に乗り、しばらく郊外に向かって走った。山の麓にある建物に着くと、入り口に
見覚えのある人物が立っていた。
「山田先生!」
「ボーデヴィッヒさん、生きてたんですね! 南極で死んだのかと!」
山田真耶は涙を浮かべながらラウラに抱きついた。
山田真耶はIS学園崩壊時の生き残りの1人だった。あの後有澤重工歩兵部隊に発見
され、病院でしばらく世話になっていた。戦いの中同僚と生徒が死ぬのを目の当たりに
した彼女は、自分が生きていていいのだろうか、と考えて自殺しようと思っていた。
だが、たまたま病院にいてその様子に気付いた有澤隆文がキレた。
『貴様…命を無駄にしようとするとは言語道断! 恥を知れ!!』
『でも私にはもう何も…』
『ないだと? なら与えてやる! お前が生きるために必要なもの全てをな!』
有澤隆文は彼女に建物を与え、そこで教師をやるように命じた。生徒は元IS学園の
学生を集めた。もう1人の生き残りであるエドワース・フランシィも合流した。
そこにラウラがスイスから織斑千冬を持ってきた。弟であり家族だった一夏に
拒否られて精神オワタ状態の千冬の世話を、真耶と生徒がしていたのだった。
彼らは会議室に場所を移して話を聞いていたが、クラリッサが質問した。
「それで…教官の様子は?」
「…自分の目で見たほうがいいでしょう。こちらへ」
案内された部屋には千冬がいた。見た感じ非常に元気そうだった。
「教官!」
「おお、クラリッサか!」
千冬は嬉しそうにクラリッサと握手した。
「元気そうで何よりだ、調子はどうだ?」
「はい、万全です!」
「そいつは素晴らしい」
2人の様子を見ていたラウラ達は、もう千冬の精神は安定したのだと思った。しかし
マドカは、真耶の表情が暗いままなのに気付いた。
「そうだクラリッサ、ちょっと相談があるんだが…」
「何でしょうか?」
「数カ月後に行う予定のフランス軍との合同軍事演習の事だ」
「は?」
クラリッサは愕然とした。確かにフランス軍との合同軍事演習の話はあった。だが
それは国家解体戦争が始まるずっと昔の話だった。思わず真耶を見ると、彼女は
口パクで『話を合わせてください』と言っていた。
クラリッサが千冬と話している間に、真耶は皆に説明した。千冬は記憶が後退して
しまっている。彼女は今ドイツ軍で訓練教官として勤務していると思い込んでいる。
そして一夏のことは記憶から消えてしまっている。
「なんてことだ…」
「あのブリュンヒルデが…」
「先輩は本当に織斑一夏を愛していたのでしょう。でも全ての中心であった彼から
拒否され、彼女の心は崩壊してしまった。しかし彼女は強い人だった。崩壊した
心を取り戻した。だけど、そこに織斑一夏はいなかった」
真耶は悲しげにつぶやいた。その時になって4人は、入口の扉が他とは違って妙に
頑丈になっていたことに気付いた。
その後4人もこの施設で世話になることになった。マドカとラウラ、くーちゃんは
企業連の高校、大学へと進学した。クラリッサはラウラとくーちゃんの親となった。
真耶はマドカの親になった。めでたしめでたし。
マドカ「ちょっと待て! なんだこの急展開は!?」
くーちゃん「最後適当すぎでは?」
真耶「えーと、作者の都合で仕方なく、だそうです」
クラリッサ「なんということでしょう…」
~国家解体戦争から20年後の未来、大マゼラン雲~
アルゼブラ所属エクスプローラー級戦艦の1つが新たな惑星を発見した。探査機に
よると、大気はないものの大量のレアメタルがあることが判明した。すぐに調査隊が
降下して基地を設営。採掘チームの降下準備を進めていた。
『本当になにもないな』
『偉そう科学者が言ってただろ? 生命体は確認できていないってな』
ツーマンセルでパトロールしていたネクスト2機はそんなことを話しながら周囲を
警戒していた。とはいってもここに来て2週間。何もない日々が続いていたせいか、
彼らの警戒心は鈍っていた。
『あー早く母艦の家に帰りてーなー』
『くそ、これだから妻帯者は…ん?』
『どうした? ゴキブリでもいたか?』
『微弱な地面の振動を感知…俺達のじゃない』
『他のパトロールのじゃないか?』
『反応なし。もしかしたら生命体かもしれん』
2人はすぐに武器の安全装置を解除した。同時に基地に報告をした。
『アスター1-1よりマザーベースへ。生命体の動きと思われる振動を感知した』
『本当か!? 直ちにパトロールを中止、そいつを追ってくれ。絶対写真を撮れ!』
『了解です、中佐』
『本音を言えば生きたまま捕まえてくれ、ってのがある。無理なら死体でもいいから
回収してくれ。未知の惑星の生命体って聞いたら母艦の科学者共は大喜びするだろう。
ボーナスも弾むから頼んだぞ!』
『そいつは素晴らしい! 絶対捕まえます! アウト』
2人は臨時収入ができたと思って喜んだ。早速その振動の会った場所を特定した。絶対に
捕まえるため、腕に装備していた武器―アサルトライフルとパイルバンカーを近くの
地面に置いた。
『よし、この丘の裏にいる。お前は右から、俺は左からだ、いいな?』
『いつでもいいぞ。合図を頼む』
『オーケー…今だ!!』
クイックブーストでサッと丘の両側から飛び出した2機のネクスト。そこにいたのは。
『……………でかいカニ?』
『……………っぽいナニカじゃね?』
それは四足で二本の腕を持ち、後ろ足の間から上に伸びた部分に口が付いていた。
しかもネクストよりも大きかった。おまけにそれが3体いた。ナニカ3体がこっちを
みる。
『『……………』』
2人はなんとなく嫌な予感がしていた。肩武器―ショットガンとミサイルを準備しながら
再びクイックブーストで逃げた。慌ててさっき置いた武器を拾う。
『あれはなんかヤバイって! 何で口付いてんだよ!?』
『俺にわかるわけ無いだろ!? とにかくあの様子が捕獲は無理だ。明らか餌探してたし…』
腕には大きくて硬そうなものをぶら下げており、それをガンガン地面に叩きつけていたのだ。
どう見ても不機嫌丸出しです、本当にありがとうございました。
『っ!? レーダー反応! 後ろだ、近距離!』
『クソ! 撃ち殺せ!!』
2機のネクストは思いっきりジャンプした。すぐさま今いた場所にナニカが爪らしきものが
叩きつけられた。逆関節脚の力で高く飛んだ2機は、そのまま機体をひねって眼下のナニカに
銃口を向けた。放たれたアサルトライフルの大口径砲弾はナニカの体内を抉りながら貫通し、
連続で飛んでくるミサイルの攻撃でナニカはバラバラになった。あっという間に3体のナニカは
死んだ。
『…弱いな。見かけと違って』
『だな。アスター1-1よりマザーベースへ。生命体を確認、だが攻撃してきたため射殺した。
死体を今からマザーベースに持って帰る』
『……………』
『マザーベース応答せよ、こちらアスター1-1だ。聞こえないのか?』
『緊急事態! こちらマザーベース! 現在未確認生命体の攻撃を受けている! 全パトロール
隊は直ちに基地に撤退せよ! 今の戦力では長く持ちこたえられん!』
『アスター1-1了解! こちらでも3体の未確認生命体を撃破した!』
『キャスター2-1よりマザーベースへ! しばらくそちらには帰れない! 未確認生命体に
囲まれている! 数は…クソ、なんて数だ…』
『こちらシエラ5-2! 隊長機がやられた! 4mぐらいのバケモノに機体ごと食われた!』
次々と通信システムに上がってくる各部隊の状況。それを聞いていた2人は冷や汗をかいた。
『やばいな…』
『早く戻らないと!』
人類と新たな生命体との戦いが今始まろうとしていた。
IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~ 完
最後だからなんか適当になってしまった感が…すみません!