IS インフィニット・ストラトス ~よくある転生のお話~   作:ホワイト・フェザー

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第7話:無敵の誕生

Side ウィリアム

 

~1年後、アライアンス研究室~

 

『できたぁぁぁぁぁ!!!!!』

 

科学者達の歓声が大きな研究室を揺るがした。ついに俺とシャルの専用機が完成したのだ。ここまで長い道のりだった。ただ作っていくうちに全員が

 

『果たしてこれは”インフィニット・ストラトス”と呼べるものなのか?』

 

と思うような代物が出来上がってしまった。どういうことかは後に語ることにしよう。

 

 

 

 作成には企業連の精鋭技術者(と変態技術者)、総勢200名のチームで行われた。GAグループの技術者達は装甲を、インテリオルグループはアクチュエータ系を、そして俺達トーラスグループとオーメルグループは動力系を担当した。その他武器等は全グループで行った。ラインアークも参加予定だったが、今あそこではホワイト・グリントを作っている最中なので来れなくなってしまった。主に機体のデザインに時間がかかっているんだろうな。

 

 まず装甲だが…どれほど強固なものかは言うまでもない。強いていうなら、至近距離から旧メリエス製の『MFA72HL-PROCYON』を喰らってもかすり傷程度の強度を誇るそうだ。しかもプライマルアーマーなしの状態で。おかしいな、GAって実弾防御は凄いけどEN防御はかなーり残念なはずでは…? まあいい。で、アクチュエータ系はもう完璧。パーフェクト。言うことナッシング。

 

 そして動力系。開発中にある研究者が言った一言が現実になってしまった。というのも、実は最初から補助動力機関を載せようと考えられていた。万が一コアが死んだ場合の保険ってところだ。それをどうしようか考えていたんだが、

 

『そうだ! ISにネクスト用(・・・・・)のジェネレーター小型化して載せようぜ!!』

 

と誰かが言ったせいで、主任がハッスルした。そして従来の大きさの100分の1まで小さくしたジェネレーターを完成させてしまった。しかも性能は従来のものと同じである。ベースとなったのはもちろん自社製品のARGYROS/Gである。主任…あんたは天才だよ。その超小型ジェネレーターを2つ載せてあるので

 

『EN切れ? 何それ? おいしいの?』

 

というわけになった(それとは別に俺が技術チートをフルに使って作り出した米粒サイズのARGYROS/Gを両手の指の数ほど詰め込んでいるのは内緒である)。

 

 

 

あと開発中の光景はこんな感じ。

 

『アパム! コジマだ! コジマ持ってこい!』

 

『北斗拡張領域(バススロット)拳! ホワチャアッ!!! お前(IS)の秘孔を突いた。これでお前の量子変換容量は無限だ』

 

『よし、4脚が基本だ。異論は認めない』

 

『何を言っている、軽量二脚が最高じゃないか!!』

 

『馬鹿野郎! 時代は逆関節だ!!』

 

『いや、あえて言おう。タンク型がベストだと!』

 

『『『『『『それはお前等(有澤の社員達)だけだ!!』』』』』』

 

『かーっ! 駄目だなお前等。なぜ地面を歩こうとする? 浮かせるんだよ!!』

 

『『『『『『『フロートか、その発想はなかった!! さすがトーラスの主任だ!!!』』』』』』』

 

 

 

 という訳で俺のISはフロート型に…なるわけ無いだろ! 基本の形がフロートとかキモいわ! トーラスなんだから基本はトーラスマンことアルギュロスに決まり! 異論は認めない! 量子変換容量が無限になったので、ネクストAC用武器全種&ネクストACパーツ全種のデータをぶち込んだ。これで戦闘中にいつでもアセンブリ変更が可能となった。近距離高速戦闘の時には軽量二脚に、狙撃の時なら4脚やタンク型に、といった感じに変えられるのは実にありがたいことだ。もちろんのことだがAMSも搭載している。しかも俺が色々といじくり回したから性能は格段に上昇している。

 

 あとイギリスがいずれ開発するであろうBT兵器に対抗するために、アクアビットとうちが全力でソルディオス・オービットを開発中である。あれならBT兵器どころかイギリスを島ごと消し炭にできるだろう。さていくつ載せようかな~、うふふ。

 

 そして気になるワンオフ・アビリティーだが、これに関しては今は秘密にしておくことにしよう。秘密は女性だけの特権ではないのだよ。まあ当たり前だけど俺の専用機にもシャルの専用機にもチート並のワンオフ・アビリティーを付けておいたことは言うまでもない。

 

 ああ、シャルのISも基本的に俺と性能は同じだ。違うのは基本の形。簡単に言うとアルギュロスをダイエットさせて女みたいな曲線があるような外観にしてある。最近気づいたんだけど、親父がネクストでも同じものを作っていた。製品名は『THALLOS』。名前の由来はギリシア語の「緑の小枝」を表しており、同じ名前の由来を持つタリウムの原子スペクトルが緑色のためである。緑色…緑…コジマ…コジマ色…うん、特に何もおかしいところはないね。見た目がアルギュロスに似ているので、世間では”トーラスマンの妹、タロスちゃん”と呼ばれるようになった。

 

 あと1つISコアが余っているけど、これはどうするか。実はまだ決まっていない。今リンクスの中から最もIS適性の高い者を探しているところだ。恐らくその女性の専用機に使われるだろう。

 

 肝心のことをいい忘れていた。名前。俺とシャルの専用機の。俺のISの名前は『コスモス』。花の方ではなく、英語で”宇宙”という意味の単語だ。いつか企業連は、いや人類は宇宙進出を必ず果たす。そんな願いを込めて名付けてみた。そしてシャルの専用機の名前は『リベレーター』。英語で”解放者”って意味。何を何から解放するかは…秘密です。

 

 

 

 そして企業連は極秘裏にアームズフォートの建造を始めた。基本的にゲームと同じ仕様になるが、いくつかのアームズフォートは異なる。まずインテリオルのスティグロ。基本的な武装はピ◯ミンよろしく追いかけるミサイルに大型ブレードだけだったが、いつかのアクアビットの設計案に感化されたらしく、信じられないことにエアクッション艇バージョンの試作機を開発したそうだ。考えてみてくれ、あの巨体がミサイルを撃ちまくり、ブレードで行く手にあるものを粉砕しつつ、超高速で海上どころか陸上までも走破する姿を。どうやらインテリオルも変態になってきたようだ。

 

 あと空飛ぶ便器みたいな格好のイクリプス。うちとインテリオルで作っている。武装は360゜攻撃可能なハイレーザーキャノンとミサイルなんだけど…ゲームでは最弱のアームズフォートだったんだな、これが。装甲はチーズ並みに柔らかいし、ミサイルは地面に当たってしまう。レーザーも威力が弱すぎる。おまけに真上に乗れるし、それに対する対抗手段がない。これじゃ全然駄目だということで、全面的に改造することにした。

 

 まずは主兵装であるハイレーザーキャノン。これを捨てて、旧メリエス製の『MFA72HL-PROCYON』と同じような”ロングレンジハイレーザー”なるものをうちとインテリオルで作って載せてみた。しかも3連装。しかも旋回速度が最高に早い。発射速度も3秒に1発と鬼畜仕様。ネクスト相手でも充分に戦えるぜ! 正式名称『MFA73HL-GOMEISA』というこのレーザー砲、威力も馬鹿にならないくらい凄い。これでバッチグーだね! あ、”GOMEISA”っていうのはこいぬ座のβ星の名前からとったよ。”PROCYON”はこいぬ座のα星の名前だしね。

 

 そしてミサイルは様々な種類のミサイルを撃てるようにした。戦闘の際には基本的に”大型高速近接信管式高機動ミサイル”を使用する。どんなものかというと、高速型ミサイルの”VERMILLION01”もびっくりの速度で、「核」と呼ばれている大型ミサイル”BIGSIOUX”並の威力を弾頭に詰めたミサイルが、BFFの追尾型ミサイル”063ANPM”よりも敵を追い回し、近接信管でドカンとなる。実に恐ろしいね。コジマミサイルバージョンもきとんと作っておいたぞ! 通常弾頭のミサイルと交互に撃てば最高のショーになると思う。これら以外にも対地攻撃用散布ミサイルや、対人攻撃用クラスターミサイルなどを搭載している。

 

 さらに! これだけだとトーラス成分が足りないので、機体全体を二重のプライマルアーマーで防御! アサルトアーマーも載せたかったけど、まだ開発が終わっていなくてね…そして大口径コジマキャノン4基を搭載! 弾速が早いからISにもきちんと当てられるぞ! プライマルアーマーがなくなっても大丈夫なように、近接防御用のガトリング砲も搭載! もちろん対IS用コジマ徹甲弾を使用する。実はこれ、プライマルアーマーも貫通するから絶対に企業連の外に流出させてはならない。まあ撃った後コジマ粒子は自然消滅するから不発弾が出ないようにすればいい話なんだが。あと円盤部分に乗られた時の対策として、全周囲レーザーキャノンを円盤の外の翼っぽい部分に装備、これで接近する敵も味方も全部吹き飛ばすぜ!

 

 ついでに機体の下部に4つの大きなハードポイントを設置した。これに関してはまた別の機会に説明しよう。

 

 

 

 次に紹介するのはゲームには存在しなかったオリジナルのアームズフォートだ。GAグループの有澤重工は2種類のアームズフォートを開発した。地上戦用タンク型AF『隼』、そして海戦用船舶型AF『竜王』だ。

 

 『隼』の設計は実にシンプルだ。超大きな戦車。有澤重工43代目社長である有澤隆文の操るネクスト”雷電”を超大きくしたのが『隼』なのだ。主兵装はもちろん両腕の超大型グレネードランチャー2門、そして背中に引っさげている超々大型グレネードキャノン1門である。これは【社長砲】の愛称を持つ「OIGAMI」を超大きくしたものである。折りたたみ方もリロードの仕方も同じ。なので威力ときたらもう…富士山が吹っ飛ぶんじゃないか、あれ。で、副兵装にはその「OIGAMI」を各所に設置してあり、その数50門。しかもこの「OIGAMI」は、拡散グレネード弾を撃てたり、コジマグレネードを撃てたりもする。対空兵装はミサイルと対空砲。速度は時速400kmが限界だそうだ。でも実弾防御性能はキチガイレベルだし、対EN兵器対策も施してある。まあ俺が手伝ったんですけどね。

 

 足のタンクの中には有澤重工のハイエンドノーマル部隊3個大隊を運べるだけの広々としたスペースがある。しかも各種ヘリコプターも搭載でき、やろうと思えばオーバードブーストもできるそうだ…それやったら中の人やばいんじゃ…いや、気にしたら負けだな。

 

 

 

 『竜王』の方はかなり凄い。というかキモい。大きさは大和型戦艦の約7倍。主兵装は60cm、いいか、60cm連装グレネード砲4基8門。大事なことなので2回言いました。しかも強化金属製ベルトリンクによる自動給弾が可能。つまりこれは、世界最大の自動擲弾発射器(グレネードマシンガン)というわけだ。ないわー。色々な意味でないわー。副砲はごく普通の25.4cm連装グレネード速射砲6基12門。普…通? 他には対空・対艦ミサイル、対空砲が山のように積んである。そして1番凄いのは、

 

「こいつ…潜るぞ…!?」

 

である。つまり潜水航行及び海中戦闘が可能なのである。”潜水戦艦”といったところだろうか。なので当然魚雷や対潜ミサイル、機雷などの対潜兵装を搭載している。こんなデカブツが一体どうやって動くのか。それは新開発の水中でも使えるコジマ推進機関でブワーッっとね。だから最高速度は水上で時速300km。水中でも時速200kmを出せる。キモいね。おまけに静音性も何故か最高レベルなんだと。アメリカとイギリスが作ったSOSUSにも全く引っかからないそうな。もしこれに乗ってニューヨーク沖で浮上、至近距離からグレネード砲ぶっぱなしたら一瞬で自由の女神ごと海の底だな。ああ恐ろしや。

 

 

 

 あとは…戦闘機だ! え、ISがあるのに戦闘機とか時代遅れじゃん、なんて言わないでください。まず各国の空軍にいた凄腕のパイロット&整備士達を全員買収して、新たに設立した企業連組織『スカイマスターズ』に入社させた。ISの登場で空軍の大規模リストラが起きて、みんなクビになって暇人だったから全員すぐに入ってくれたよ。そしてISが登場するまで各国の最新鋭機だった戦闘機―アメリカのF-22やF-35、イギリスなどのユーロファイター、ロシアのT-50などを大量に格安で購入した。どの国もISの開発費が欲しい。でもお金ない。じゃあ使わなくなった戦闘機安く売ろうぜ! という風になっていたので、予想していたよりも遙かに安く買えた。

 

 で、その格安で買った戦闘機を全部魔改造して可変戦闘機化しちゃいました♡パイロット達や整備士達は「なんぞこれ」と驚いていたが、再び空を飛べること、そして可変戦闘機であればISに対抗できることを知ると狂喜狂乱。世界中の企業連の基地で猛特訓をしている。ちなみにどの可変戦闘機も機種は違えどエンジンは共通のものを使っている。せっかくコジマ粒子が腐るほどあるんだから、ということでコジマ反応エンジンを搭載した。

 

 燃料に関しては画期的な発明をしたのでほぼ無限に飛べるようになった。元々コジマ粒子を使えば半永久的に活動できるけど、戦闘機に使った場合は違う。ものすごい速度で粒子を食うので、あっという間にガス欠になってしまうのだ。なので『QKF』を使用することで解決した。Quantum Kojima Fuel、日本語では『量子コジマ燃料』となる。これを使えば地球から木星まで全速力で飛んでも余裕で帰って来れる。最高だね。MSAC製のマイクロミサイルを使い、うちが作ったコジマ徹甲弾のたっぷり詰まったガトリング、そしてついでに載せたPA発生装置、光学迷彩装置。これで無敵だぜ!

 

 

 

「お兄ちゃん、新型コジマジェネレーターの試験が終わったよ。結果は満点!」

 

「そうか、ありがとなシャル」

 

「ううん! だって楽しいんだもん!」

 

そうそう、シャルは今俺の右腕として一緒に仕事中。とても頭が良かったので、あっという間に成長しちゃった。兄として嬉しいぞ!

 

「あ、そうだお兄ちゃん。イクリプスの動力機関のこの部分なんだけど…」

 

「ん、どれどれ…」

 

 

 

 

 

そうこうしていたらあっという間に1日が終わってしまった。

 

「「ただいまー」」

 

「おかえりなさい、2人とも」

 

家に帰るとお母さんがエプロン姿で出迎えてくれた。エプロン…裸エプロン…シャルが裸エプロンで…

 

 

 

『お兄ちゃん、おかえりなさい! お風呂にする? ご飯にする? それとも…ぼ・く?』

 

 

 

「ぐはっ」

 

「お、お兄ちゃん!?」

 

「大丈夫、ウィル?」

 

「だだだ大丈夫!」

 

想像したら鼻血が…いかんな。

 

「親父は?」

 

「今頃日本に着く頃かしらね。確か有澤さんとお食事って言ってた気がする」

 

「え、お父さんいいな~。また隆文おじさんと遊びたい!」

 

1度日本に家族で行った時、有澤隆文社長のことをシャルはとても気に入った。有澤社長もたいそう可愛がってくれている。

 

『早く孫が欲しいものだな』

 

なんて言ってたっけ。

 

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「はい、お粗末さまでした」

 

「じゃあ俺が皿洗いを…」

 

「僕はテーブルのお片づけするね」

 

美味しい夕食を食べ終わったのでシャルと遊んであげようと思っていたのだが。

 

<ハラショォォォォォォォォオ!!! ハラショォォォォォォォォオ!!!

 

という糞うるさい携帯の着信音が。

 

「はい、ロンバートです」

 

『ウィリアム君か!! 私だ!!』

 

「…相変わらず声が大きいですね、ボリスビッチ社長」

 

オレグ・ボリスビッチ。カザフスタン共和国出身の53歳男性。熱い男。というかうるさい。どこぞの単純馬鹿に似ているような似ていないような。でも愛妻家。それに子供大好き。4人の子供がいるそうな。

 

『本当なら君のお父上に連絡をとるべきなのだが連絡が取れなくてな!!』

 

「そ、そうですか(親父…電話出ろよ)」

 

この時親父は有澤社長と酒を呑んでいて電話に気付かなかったそうだ。

 

「それで一体どういったご用件で?」

 

『それが大変なんだ!! レベルDクラスの緊急事態が発生した!!』

 

「…なんですって?」

 

レベルDクラスって言ったら、2番目にやばい事態が発生したってことじゃないか。ちなみにレベルEが最大で「本社施設が攻撃を受けている」という意味である。

 

『今そっちに向かっている! 直接話そう!』

 

「了解しました。本社でお待ちしております」

 

電話を切った俺はシャルとお母さんの方を向く。

 

「ごめんな、シャル。また仕事だ」

 

「…僕も行く!」

 

「いや、それは…」

 

「僕もお兄ちゃんの為に何かしたいの!」

 

「…オーケイ、なら行こうか。準備急げよ?」

 

「うん!」

 

ダッシュで部屋に戻っていったシャルを見てお母さんは心配気な表情を浮かべた。

 

「ウィル、危ないことはさせちゃ駄目よ?」

 

「わかってるよ、母さん。でも最終的にはシャルが決めることだからね」

 

「…そうね。気をつけてね?」

 

「うん。行ってくる」

 

母さんに手を振りながら俺とシャルは車で本社に向かった。さて、何が起きたのやら…

 

Side out

 

 

 

 

 

続く…

 

 

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