メガテン世界だけど仲魔がデビチルデザインな件について 作:あきゅおす
なお最新話の場合はタイトルでの悪魔名表示は伏せます。
「誘拐未遂事件?」
「ああ、いつの間にか誘拐されるという。ただ夕方とかある程度するとかえってくるし、しかも子供たちが無事に返されるおまけつきだ。そしてなんでかそのあと親は怯えながら被害届を下げている」
「なにそれ」
昼休み。飯を食べようとした青年に葛葉から依頼が来た。仲魔たちと話すために学校の屋上で給水塔に隠れつつ話し始める。
「誘拐された子供たちはすごく丁寧に扱われているらしくてな、楽しかっただのご飯が美味しかっただので自分が誘拐されたという認識がなくて。それで一応誘拐未遂事件として扱われちゃいるがいつのまにか誘拐されているから警察も尻尾を掴めないらしい」
「うーん?警察の範疇なのになんで葛葉から来てるの?」
紙パックの牛乳をちゅーと吸いながら疑問に思ったことをそのまま口に出したピクシーに青年は答える。
「それが誘拐された子の中の一人が、お姉さんが腕が何本もあるマジックをしてくれたと言ったんだとか。すごーいというとお姉さんはすぐ腕を消したらしい。ちなみにその子は見える子だとか」
「あ、それは葛葉さんたちに回る案件だね」
「子供にやさしい多腕の女性…?」
うーんと頭をひねっているユキオンナ。多分厄介な美女が見ていたら気配を消して下から舐めるように見ていただろう。
「ふん!」
「ぎゃん!」
というか実際に青年が蹴ると美女に突き刺さった。そのままの勢いで転がる美女。
「いやいそうだなとは思ったけどさお前マジでいるのかよ…」
「ふふふ…、我ながら完璧な隠形だったのによくぞ見破った…」
「隠形では全く分からんかったけどお前の思考回路分かりやすいからな」
「とすると私の考えをトレースしたのか、同志の素質があるぞ?」
「願い下げだバカ野郎この野郎」
こいつは無視しといて、と一拍。
「一応、前世での記憶ではカーリーっぽい感じはするんだけどなぁ。伝承とは全く違うからなんとも言えない」
ちなみに青年の前世とかメガテンのこととかは美女の他心通により見抜かれ、隠すのもめんどくさいので仲魔と美女には伝えている。
「ふぅん、カーリーか。君が見たゲームではカーリーは子供好きな側面もあったんだ」
「と言っても自分の子供の件だったしなぁ。しかもたぶん1作品だけだったし」
デビチル白の書において、カーリーは娘を誘拐されて、その犯人に命令されて主人公である葛
ちなみに犯人は天使である。ほんとメガテン世界の天使はろくな事しないな。
「多腕は仏教かインドの神様に多いっていうのもあるけど、虫系統の悪魔でもいるからな。もしかしたらそっちの可能性もある。…まぁ今回の悪魔は穏便にことを済ませているようだし、交渉でなんとかなる可能性もあるから」
「それに私もついていくしねぇ?戦闘になっても大丈夫さぁ!」
「…移動中は仲魔は戻しておくぞ?」
「そんなー」
「恥ずかしい」
「まぁまぁ元気出して。牛乳いる?」
美女の仲魔であるヘルズエンジェルのバイクを使い、サクッと移動した青年と美女。ちなみにバイクだけ取られて還っていくヘルズエンジェルは悲しそうだった。
移動先の公園で美女が隠形されているが速攻でそれっぽい気配を感知し、気配の主に交渉を持ち掛けると快く応じてくれた。その気配の主とは…アルケニーだった。しかも真シリーズの
来る前にはあそこまで語っていた青年だったが、結局違ったため、手で顔を覆いながら体育座りしている。ピクシーが慰めようと飲みかけの牛乳を渡すところを美女はガン見していたが、青年の代わりに交渉をしているのでそちらに意識を戻した。
「…すまない、欲望を抑えるのに時間がかかった。それで今回の誘拐犯は貴女で、その、アルケニーでいいんだよな?」
「え、ええ、そうよ」
美女が語っている通り、一般のアルケニーと今目の前にいるアルケニーの見た目は全然違った。一般のアルケニーは全裸で手足が鎌に近い形になっている髪型ボブで前髪パッツンの美女なのに対し、このアルケニーは手が6本あるワンピースを着たロングヘアの美女なのである。
自分の知っているアルケニーとの見た目の違いに戸惑いながら話す美女と似たように、牛乳飲んでるピクシーのどこに欲望が向いたのかを戸惑うアルケニー。割とドン引きしている。
「で、だ。まず何から聞けばいいのか…。変な聞き方になるが、その見た目は?」
「ああ、これね。半年前に交渉したサマナーに変なGUNPに入れられて出された後、この見た目になっちゃって。まぁ入れる前にちゃんと説明も受けたし、慰謝料をもらった後、契約を解除してもらったわ」
その言葉を聞き吹き出す青年。
「あの、もし…?」
「なにかしら?」
「もしかしてこんな銃でしたか?」
そう言ってアルケニーに銃を見せる青年。アルケニーはんー?と銃を見た後、笑顔で答えた。
「そうこれこれ。最近同じタイプが出回ってるのかしら?でも使えないから廃棄するって言ってたのに…」
(また葛葉かよぉ!というか使用不可で使えなかったんじゃないのかよぉ!?)
これを葛葉に問い詰めると、使用不可じゃないけどめんどくさいから使用不可ということにした、という回答が返ってくるだろう。
すっごい渋い顔する青年に気付いたのか、アルケニーはこう続ける。
「あー、もしかして君、その廃棄品をつかまされた口?」
「…はい、そうです。葛葉に」
「それはご愁傷様」
青年がさらに落ち込んだのをしり目に美女が話題を変えて、今日ここに来た案件の処理を進めようとする。
「それでだな。誘拐を起こした理由に関して聞かせてもらいたいんだが?」
「ええ。といってもなんてことないわ。子供たちがかわいそうでね」
というのも、このアルケニーは家庭に問題のある子どもを誘拐しており、一時だけでもいいから辛いことを忘れてほしいということで手厚くもてなしているのだそうだ。ただ誘拐事件に発展し、サマナーからも追われる展開は避けたかったため、だから1日しないぐらいで返していたらしい。ちなみに親たちには
「…あー、なるほど。しかしどうしてまた子供を助けるようなことを?」
「この姿になってから何故か、ね…」
立ち直った青年が疑問を投げかけるとどうしてかわからないといったように返すアルケニー。本人もなんで変質したか分かっていないらしい。
「ここら辺の子供たちはもう大丈夫そうだし、あなたたちが来たからやめるわ」
「…わかりました。今後は起こらない、ということでうまいこと報告しておきますんで」
「ちなみに何かしら起こした場合は私が対処しますので。具体的にはイタズラにはイタズラを、死には死を、セクハラにはセクハラを」
「…まぁ、起こさないようにするわ」
悪意がないのが分かったのでとりあえずこの悪魔はそのままでいいだろう、と結論付けた青年は放置することにした。そしてクギを指していると思わせつつ隙あらばセクハラをいれようとする美女。
「それでこれからどうするんですか?」
「そうね…、しばらくはまた衣料関係でフリーランスでもやろうかしら」
「人間社会に溶け込んでる…」
「慰謝料としてもらった隠形で腕を隠すと溶け込めるわよ?時々、見える人がいるから気を緩めると大変なことになるけど」
「慰謝料とはいえ何教えてんだよ葛葉」
あれか?この世界の葛葉はアホなのか?と頭を悩ませる青年であった。
アルケニーは文中にあった通りデザインがかなり違うため、片方から入った人はもう片方のデザインに最初は驚かれると思います。今となってはメガテンシリーズでのお尻から糸を出している方が見慣れているまでありますが、よくよく考えたらキレッキレのデザインですね…。