メガテン世界だけど仲魔がデビチルデザインな件について 作:あきゅおす
青年は当初は葛葉やその他の組織、ダークサマナーが集まる犯罪組織が主に活動していると思っていたが、この世界ではガイア教、メシア教も活発に活動しているため、
となると、やっぱりその分だけ組織の戒律もたくさん出てくる。例えば人様に迷惑をかけない程度に自由にする組織とか、ゆるーい戒律を持つ宗教とか、力を持つ者こそ厳しい戒律を守らなければならないとしている修行僧みたいなグループとか、一見ちゃんとした戒律を持っているが曲解してても守っていればOKとかいうやべーところなどなど。まぁLawとChaos、それぞれの先端にいるのはやはりガイア教とメシア教であるが。
余談ではあるが、どっからか電波を受信したのかよく似た名前でガ…ガイアッ教なるものもあるが、教義は
青年は葛葉を主軸としていろいろな組織の依頼を受けているフリーのサマナーのため、いろんな組織に顔を出している。…といってもまだそれぞれの担当者と顔見知りというレベルだが。今回もそんな葛葉とは別の組織から依頼を受けたことから始まる。
「んあ?」
スマホで依頼のメールをチェックしていると不思議な依頼が目に留まる。差出人はこれまで何度か依頼を受けた組織だったが、内容は今までに受けたことのないものだった。
「異界攻略だけど…?」
詳細な内容を見てみると、どうやらその組織では新人のトレーニング用に異界を囲っていたらしいが、その異界に何故か高位の悪魔が住み着き新人がサクッとされてしまった。その悪魔以外は新人には持ってこいのため、その悪魔をどうにかしてほしいとのこと。
報酬はよかったがこっちも新人に毛が生えたレベルの腕なのでお断りのメールを入れようとするが、なんとなく気になったため、とりあえず人んちのPCで勝手に動画をあさっている
「ということなんだが」
「うーん、クサ過ぎる」
その言葉に近くで日向ぼっこしてたアーマーンがビクッと反応する。
「キミじゃないから。今は柔軟剤のいい匂いさぁ。…あー、なるほどねぇ」
PCをいじってははーんとなってるユイ。
「いい勘してるねぇ」
「何か分かったのか?」
「慌てない慌てない、1つずつ解いていこう。そもそもさ、この組織はなんでわざわざ囲っていた異界を他のサマナーに教えてるんだい?」
「手に負えなくなったからじゃないのか?」
「それだったらその組織の強いやつに頼ればいいじゃない。確かあそこの組織はそこそこのサマナーがいるはずなんだよ」
「そいつにも手に負えかったとか?」
「昨日の依頼の途中で見かけたからそんなことはないはずさ」
それを聞き首をかしげる青年。ユイはキーボードを叩きながら話を続ける。
「ちなみにその依頼自体は少し前から出回ってるねぇ。そしてここにその組織の極秘資料とまとめたものがありまぁす」
PCのディスプレイには組織の人数やら個人情報やらが書いてあり、最近の組織の増減がまとめられていた。
「少し前まで下がっていたのに最近は上がり始めてる」
「そっ。時期的には依頼メールが出回り始めてからだね。ってことはさ…」
「この依頼を受けたサマナーが取り込まれている…?」
よくできましたぁ、とニヘラと笑うユイ。
「でもなんでまた…」
「そこでこの異界さぁ」
「…洗脳とかか?」
「んー、その手もあるけど対策済みのサマナーもいたりするから。もっと人間社会寄りのものさ」
ユイが再びカタカタとキーボードを叩くとどこかのカメラ映像が流れる。そこには今回の組織の人物と雇われたサマナーと思われる2人の話声が聞こえてきた。要約すると…。
「高位の悪魔と戦って大けがしたのを手当てしたからその分組織で働け、ねぇ」
「別バージョンでは異界が消滅したからその分の損害を吹っかけてるねぇ。」
ちなみにその異界を作った悪魔、それを乗っ取った高位の悪魔、ともに組織の悪魔っぽいねぇ、とユイが付け加える。
「いやー、ほんとマッチポンプだねぇ」
「うわぁ…」
で、とユイは青年に向き直る。
「これを聞いた君はどうするんだい?」
「…ちなみに主と高位の悪魔の情報は?」
「えーとね…」
―――――――――
「…
「どんな奴だ?」
「少々特殊な悪魔を使うらしいですが、サマナーとしての実力は下の方だと思われます」
「ふむ…。働きアリは何匹いても困らんからな。丁重にもてなしてあげなさい」
「かしこまりました。今回もいつもの
―――――――――
「…あー、うん。なるほど」
悩むように声を出した青年を見て察したユイは声をかける。
「もしかしてどっちかがあのデザインになる…?」
「いや、どっちもだ」
その言葉を聞いた瞬間、ユイは座った状態のまま天に向かって両手を突き上げる。
「天は…っていうとなんかメシアンっぽくて腹立つから運は我に味方した…っ」
「だけどなぁ…」
「なんか問題でもあるのかい!?」
新しいデビチルデザインの悪魔が見れると聞いて興奮を隠せないユイに青年は言葉を返す。
「ハーピーだけならまだしもランダもいるとなると交渉どころの問題じゃ…」
と言いかけた青年だったが、その瞬間に両肩をつかまれる。
「護衛を請け負おう。報酬はハーピーとランダのデザインチェンジだ」
「お、おう」
デビチルデザインの悪魔のことになると相変わらずキャラぶれるよな、と思いながら青年はユイに護衛を頼むことになった。
そこからの展開は早く、ユイが真正面から襲撃、組織の総力なぞ物ともせず、カラクリを暴露して組織の犬になってた人たちを味方につけて壊滅させた。襲撃の際に真っ先にしたことは2体と契約をしていたサマナーのCOMPを速攻で壊すことだった。なぜ契約しているサマナーを知っていたかは誰にも分からない。
「あー、なるほどね。髪質が…」
「そうなのよね。ガッチガチに固まってるのよ、これ。他の悪魔からも松ぼっくりってからかわれるんだけど。これさえなければワタシも…」
「そんなあなたに朗報が」
「聞くわ」
「グググ…、ワシが負けるとは…」
「もうCOMPも壊れてるし、契約を守らなくても…」
「この見た目!この年!もう契約しか
「そんなあなたに朗報が」
「聞かせい」
その間に青年は隅っこの方で解放された2体との世間話を交えた交渉をしていた。怪しい通販みたいな感じになってしまったが、2体とも速攻で食いついたためすんなり仲魔にできた。弱くなるのも伝えているが、2体にとっては些細なことらしい。
総力戦が終わり安全になった後、確認してもらうためすぐにコールすると、
「まぁ!髪を変えられるだけじゃなくて服も自由に着替えれるのね!」
コギャル(死語)になったハーピーと
「むほほほほ!イケイケでナウくなったわい」
死語を連発する――被り物は変だが――アラビアン風の装いの美少女が出てきたため、ユイがいつも通り襲い掛かろうとしたのであった。いつも通りに青年に対空されて落とされていたが。
この2体に関してはデビチル ランダとかデビチル ハーピーで検索してもらうとすぐに出てきます。メガテンと全然違うデザインなんで、ぜひ一度見てください。検索してもらうためにこの1話を書いたまであります。
ランダはメガテン版のデザインの方も味もあり、強敵感もあって好きです。ハーピーはすごく…松ぼっくりです…。
話はメガテンっぽいマッチポンプとデビチルデザイン悪魔で話を書こうとしたら迷走した感じが。ぐぬぬぬ