メガテン世界だけど仲魔がデビチルデザインな件について   作:あきゅおす

9 / 10
この話は
・デビチル要素は(ほぼ)皆無です。
・DSJの追加要素(追加エンド)、および真Ⅴのサブクエのネタバレを含みます。
・真Ⅴに出てきたの悪魔に焦点を当てた話になっております。

以上の点にご注意ください。


外伝・ハーベストですの/デメテル

「あ!」

「げ」

 

 特に依頼もなくぶらぶら出歩いてた矢先。厄介な悪魔に出会ってしまい、青年は思わず苦い顔をした。

 

「むー、なんで私に会うたびに苦い顔するんですの?」

「だって厄介な頼みを持ってくるじゃん…」

「初対面のときからそんな感じでしたの!」

 

 プンプンと頬をあざとく頬を膨らませる悪魔。その見た目とは裏腹に腹黒であるのだが、あざとさは腹黒さとは別で素で出しているのだからタチが悪い…と青年は思っている。

 

 それだけだったら青年もため息をつくだけで済むのだが、苦い顔をしたのは腹黒さとあざとさに加えて無邪気に厄介ごとを頼んでくるのである。しかも本人…本神…本悪魔…?ではないのだが、別の次元では頼みごとをするだけしといて主人公(金色バケツ)をだまして手柄をかすめ取り、それを彼女の主神に持っていくとかいうクソムーブをかましてくれるのでそれを警戒してしまうのだ。なお別の次元の彼女のその後は…自業自得ながらも悲惨な目にあっている。

 最新作(真Ⅴ)では連続するサブクエに出ており、最後の依頼後に仲魔になってくれるのだが、その前まで裏切る気満々だった。その最後の依頼の中での主人公の選択肢があからさまに別次元の主人公(カッコいい金色バケツ)に起こった出来事を意識されていたのは余談である。

 

「だけどちょうど会えてよかったですわ!ハーベストですの!」

 

 …その厄介な悪魔(彼女)の名前はデメテルという。

 

「んでなんの用だ?また厄介な頼みじゃ…」

 

 超カッコイイ金色バケツに起こった出来事や今までの依頼を思い出し、警戒しながら問いかける青年。

 

「今までのは結果的に厄介になったことは謝りますの…。ですけど、今回こそは簡単な依頼ですの!」

 

 そういってにっこり笑いながらデメテルは頼みごとを口にする。

 

「お友達と一緒にゼウス」

「却下ぁ!」

 

 厄介ごとじゃないといいながらものすごい厄介そうなことを口にするデメテルを遮って断る青年。

 

「あんなん倒せとか無茶いうな!いやあいつ連れて行ったら勝てるかもしれないけどさぁ!余波で死ねるわ!」

「倒せとは言ってませんわ!お話をしてほしいだけですの!」

「…話?」

「そうですの。最近、私たちの方でもそのお友達のお話が出てきますの。異次元を切り裂くだとかCOMPなしで召喚できるとか噂になってますの」

「…あー」

 

 心当たりがありまくるせいで思わず口ごもる青年。お友達かどうかはさておいて、もはや人間の範疇を超えてる変態が身近にいるのは確かである。

 

「それに、最近ストレス発散してないとかぼやいてましたので、好奇心を満たしてストレス発散ですわ!」

「最終的に戦闘になるやつじゃねーかそれ」

 

 絶対好奇心満ちたら落ち着くようなやつじゃねーんだよなぁ…、むしろ戦闘になるやつやんけ。と呟く青年。

 

「大丈夫!戦闘になりそうになったら私が止めますわ!」

「せめて戦うスキル構成になってから言ってくれませんかね…」

 

 ふふん!と(慎ましい)胸を張ってるデメテルだが、どちらかというと回復・バフ系の魔法が多いので戦闘では後衛である。

 渋い顔を変えない青年を見てムムムとなったデメテルだが、いい案を思いついたとばかりに笑顔で提案する。

 

「連れてきてくれたらあなたの家の庭をハーベストにして差し上げますわ!」

「すぐ連れてきます、女神デメテル」

 

 兵糧はいつの時代も大事だししょうがないね!と笑顔で答える金欠ぎみの青年だった。

 

 

…………

 

 

「…やっぱ受けなければよかったかな」

「ああなったら私でも止められませんの…」

「止める宣言はどこに行った」

 

 速攻で後悔する青年と速攻で止めるのは無理と悟った女神が離れた場所から人外と神様の戦いを見ていた。

 結論としては青年の予想通りになった。唯を連れてゼウスと話していたところまでは良かったものの、結局はゼウスが血がたぎっちゃったらしい。

 

「いいじゃねぇか!人間にしておくには惜しいぜぇ!」

「全知全能の神に褒められるとは照れる、ねぇ!」

 

 ゼウスがケラウノスを振り、唯が自作の剣で受け止める。そのたびに衝撃波と激しい金属音がなる。鍔迫り合いになった後、ゼウスが離れ際に真理の雷を放つが、それを読んでいた唯は回避する。

 ケラウノスってやべー武器だったはずなのになんでそれと鍔迫り合いできるんだあの剣…と思いながら遠くから眺める青年とデメテル。すっかりテンションが最高潮に達している2人が満足するまでやらせておくのが吉だと思い、青年はデメテルと話を続ける。

 

「んで、奴の話で好奇心を満たせた?」

「ハーベストですの!」

 

 デメテルは大きくうなずき、ご満悦な表情を浮かべたが、その後すぐに曇った表情になる。

 

「ただあそこまで異能を持っているといろんな神様が集まってきそうですわ…」

「まあ本人も楽しそうだしいいんじゃないかな。できるだけ巻き込んでほしくないけど」

 

 まぁ無理だよな…と青年はつなげようとしたけど、言霊という言葉を思い出してその言葉を飲み込んだ。

 

「ごっめーん!無理ぃ!どちらかというと君が起点だしぃ!」

「噓でしょ、起点俺なの?」

 

 戦いながらも話を聞いていたらしい唯がその言葉を発して青年のかすかな努力は無駄になったが。そして巻き込まれてるんじゃなくて自分が起点になっていることに絶望する青年。

 

「が、頑張ってくださいませ!そこを乗り越えれば黄金の稲穂に…」

「稲穂扱いはやめろぉ!」

「なんでですの!?」

 

 やっぱりなんか目論んでないかこのロリ女神、と思いながらツッコミを入れる青年。この世界は特にそういうの(黒幕)がいなさそうだが、ゲームでの暗躍を考えると安心できないないのである。

 

 ちなみに戦いの方は最終的に2人の武器をお互いの首もとに寸止めするまで続いた。これ以上すると本気になってしまうとのことらしい。なんで神と一対一で張り合えてるんですか…?




あけましておめでとうございます&遅れてすいませんでしたぁ!

年末に真Ⅴ周回していたら各ルート限定のサブクエを取り忘れていたことに気付いて意気消沈していました。

それはさておき、今回の話は真Ⅴ、デメテルに焦点を当てた話になったため、外伝とさせていただきました。腹黒(?)不憫ロリ女神もいいし、腹黒改心ロリ女神もいいよね…。

ゼウスがデビチル出てるからかすっているからセーフなのでは?と思った方もいるかもしれませんが、ゼウスがデビチルに出ているのはこの話を描いてる途中だったのでとりあえず今回の話では触れないことに。移植だけだと思ってたPS版の追加要素で出ているとは…。
ただ真Ⅴデザインのゼウスはかなりカッコいいのでそのままになるか、もしくは別デザインのものを出すか…(PQを思い出しながら)

引き続き書いていきますので、本年もよろしくお願いします。

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