光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある   作:ウルトラネオン

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※注意

このお話は2019年に開催されたツブコンにて展開されたDARKNESS HEELS MorningSabbat〜夜明けのコーヒーと共に〜 を元にしたお話です。本編?をまだご視聴されてない方にはネタバレになってしまうので嫌という方はこのお話をスルーされる事をお勧めします。



はい、という訳で100話突破記念でこんな話を描きました。

因みにこれはかなり未来の話です
お暇があればたま〜に見て頂ければ幸いですm(_ _)m


番外編:Morning Sabbat 夜明けのコーヒーなんてないよ

ここは別次元のとある地球。

私達と変わりない生活を送っている人達が住むこの星でとある催しが開催されようとしていた。

 

日本という国の首都である東京、その外れの住宅街に地球人達が暮らす1つのマンション。そのマンションは何処からどう見ても何の変哲もないただの住宅マンションなのだがそこに1つだけ、決して地球人には認識出来ない地下へと続く階段が存在する。

 

地球人には認識されないその階段を降下し暗い廊下を少し歩くと、そこには綺麗に加工され少し気品のある木製の扉と暗闇を照らすには心許無いランプ。

ドアノブを捻って開けるとカランコロンと小さな鐘の音が静かな空間に響き渡る。そこは地球でいう喫茶店となんら変わらない場所だが唯一違うのはそこが地球人が通える場所ではない所だということ。

 

簡易的なテーブルと椅子。

喫茶店にしては全体的に少し暗くこういう所を好む者はいるにはいるだろう。そんな少し変な喫茶店に客が1人来棒していたのだ。

 

「…ったく、招待されたってのに迎えもねえのかよ」

 

黒を基調としたスーツに髪を整え右耳に特徴的なアクセサリーを付けた青年。

この喫茶店に招待されたのはジャグラス・ジャグラーその人だった。

 

ジャグラーは辺りを見渡すが多くあるテーブル席には客なんて存在せず、居たとしてもこの喫茶店で働く従業員くらいな物だった。少々不満気にため息をつくがそこで再び鐘の音が響いた。

 

鐘の音が響くと言う事は誰かがここに来たという事、ジャグラーは扉に視線を向けると喫茶店に入ってきたのは黒い服装をした人物だった。スーツというよりは戦闘服にも似た服装をした人物にジャグラーは難しい顔をした。

 

「アンタは確か……伏井出ケイ」

 

「そういう君はジャグラス・ジャグラーじゃないか。君か、この私を喫茶店に招待したのは」

 

伏井出ケイ。

ウルトラマンベリアルの部下でありその忠誠心はダークネスファイブにも引けは取らない程である。ベリアルを崇拝し、現在地球では作家としてその名を馳せていた。

 

「はぁ?お前が招待したんじゃないのか?この大層に封筒された手紙を送ったりしてな」

 

「…私にもその手紙が届いていてね。さて、では誰がこの手紙を―――」

 

カラン。

 

再び鐘の音が響く。

またもや来訪者かと思いジャグラーと伏井出は扉を見るが今度は奇天烈な服装をした人物がやってきていた。

左右に白と黒に分けられた変な服装の人物はさながらピエロといった所か。ジャグラーと伏井出もなんだコイツと言わんばかりに人物に視線を向けるが、当の人物は不思議そうな顔をしていた。

 

「おや?闇の住人の方達が2人も」

 

「誰だお前」

 

「おや私の事はご存知でない?私はよ〜く知っていますよジャグラス・ジャグラー。そして隣の方は伏井出ケイ先生」

 

「そういう君は誰だね?名を名乗るのが筋というものだろう」

 

「そうですねぇ、では名乗りましょう。―――私の名は、霧崎」

 

霧崎―――そう名乗った青年はまるでピエロがしそうなお辞儀をして2人に近寄る。霧崎の懐から一枚の紙が取り出されジャグラーと伏井出に見せつけた。

 

「この招待状は貴方達のどちらかが?」

 

「いや、私もそれと同じ物をね」

 

「チッ、全員招かれた側かよ」

 

悪態つくジャグラー。

ここで突っ立っているのも何だったのでともかく3人はすぐ側にあったテーブルに席をついた。

 

「で?これを送った奴は俺達を集めて一体何をする気だ?」

 

「さぁ…?私としても知りたい所ですが」

 

「―――まぁなんだ、ここで集まったのも何かの縁だ。一先ずコーヒーでも飲もうじゃないか」

 

そうして伏井出は従業員を呼びメニューにあった「夜明けのコーヒー」を3つ注文したのだが霧崎が追加で「10色マカロン」というお菓子を追加で注文しだしたのだ。

 

「なんでマカロンなんだよ」

 

「いいじゃないですがマカロン。美味しいですよ?」

 

「いや美味いけどコーヒーと一緒に頼むか普通?」

 

「あっすいません私のはシュガー多めにミルクもお願いします」

 

その注文を伏井出がした瞬間、ジャグラーはピクッと眉を動かし伏井出に顔を向ける。

 

「おい、仮にも闇の住人だろうがコーヒーくらいブラックで飲めよ」

 

「駄目だブラックは飲めない。飲むと腹をやってしまう」

 

「いや何でだよ」

 

「すいませ〜ん。ついでにこのストロベリーフラペチーノも1つ」

 

「てめーは何注文してんだよ!?ていうかフラペチーノあるのかよ…」

 

次々とツッコミを入れるジャグラー。その顔は若干疲れを感じてるようにも見えるがこれくらいさしたる問題ではなかった。どこぞの後輩(カケル)の数ある凶行に比べたらまだまだ耐えれるレベルだ。

ジャグラーは心を落ち着かせて再び冷静さを取り戻す。

 

「はぁ…。お前ら闇の住人の自覚あるのか?ブラックは飲めないだのフラペチーノは頼むだので」

 

「おやぁ?貴方には言われたくないですねぇ。ウルトラマンオーブと仲良し小好ししているような貴方にはねぇ」

 

「なんだジャグラー、君は光の戦士と仲良し小好ししているのか?闇の者が聞いて呆れるな」

 

「してねえよ。つーか先生?アンタの崇めてる奴も元々は光の戦士だったじゃねえか。」

 

「貴様…べリアル様を馬鹿にしているのか?」

 

「おぉ〜事実を言っただけなのに切れられてますよジャグラーさん?」

 

「あ?やるか?」

 

「上等だ、今ここでやるのも悪くない」

 

「おやおや、喧嘩早い人達ですね〜」

 

2人の喧嘩を笑いながら観賞している霧崎。ジャグラーは蛇心剣を取り出し、伏井出はライザーを取り出す。お互い一触即発の雰囲気になってしまったがこんな空気なのにも関わらず喫茶店の従業員が割り込み最初に注文したコーヒーが届けられた。

 

急なのもあってか流石に空気が壊れたので一先ず席について気を取り直した。尚、運ばれてきたのはコーヒーだけだったのでマカロンやらフラペチーノを頼んだ霧崎は若干不服に感じていた。

 

「ともかく、一体誰が我々を呼んだんですかねぇ?」

 

「さぁな。大方趣味の悪い奴が遊び半分で集めたんだろうよ」

 

「我々に共通点があるとすれば精々闇の住人という事くらいか。何が目的で集めたのやら」

 

「闇と言えばそこのジャグラーさんは闇っぽいことしていないんですけどそこはどうなんですかね?」

 

「うるせぇよ、そんな変な服装したお前に言われたかねぇ」

 

「服装くらいしか言えない辺り図星ですねぇ。おやおや?さっき闇の住人がどうたら言ってたのはどちら様でしたっけ?」

 

「……お前のその喋り方、なんか引っかかるなと思っていたが今思い出した。お前トレギアだな?」

 

「トレギア?ふむ、聞いた事がないな」

 

「そりゃそうだコイツが通った場所は殆ど壊滅してるからな。コイツも元ウルトラマンらしいぜ?」

 

「ほう?ベリアル様以外にも闇に堕ちたウルトラマンがいたとは…」

 

「…何故それを知っている?誰から聞いた?」

 

霧崎―――トレギアはジャグラーの顔を睨み付ける。少なくとも今まで自分が表に出るような痕跡などは残していない筈だ。それが何処から―――と思った所で霧崎は思考を止める。

 

そう言えば唯一、自分の正体を知っている存在が1人だけいた。

そういえば奴もウルトラマンオーブと同じくo-50の戦士だった。

 

「後輩が世話になってるな、ウルトラマントレギアさんっ♪」

 

「その顔、見てると腹立つのでやめて頂けませんか?」

 

「これでお前のアイデンティティは無くなったな。で?どうする?」

 

「まあまあ喧嘩はよしたまえここは喫茶店だ。ともかくこのコーヒーを頂こうじゃないか」

 

「喧嘩早い人が何言ってるんだか」

 

「それについては俺も同意だな」

 

「い い か ら 君 ら も 飲 み た ま え」

 

怒りを隠さずに語る伏井出。ともかく3人はコーヒーが入っているカップを手に取る。 

 

「では、今日この出会いに…乾杯」

 

「「かんぱ―――」

 

ドンッ!!!

 

何か大きな音が聞こえた。叩いた、というよりは蹴飛ばしたに近い音。なんだなんだと3人が辺りを見回して音の発生源を探る。そしてもう一度ドンッと音が鳴ったので今度こそ見逃す筈もなく音がした方向に目を向ける。

 

音が発生していたのは入口…つまり扉だった。3人は警戒しつつもコーヒーを飲む。そして音をたてていた扉は勢い良く開いた。

 

「こんちわ〜す」

 

3人の内、霧崎とジャグラーは飲んでいたコーヒーを吹き出し伏井出はその吹いたコーヒーに当らないように席を立って避けた。

 

霧崎とジャグラーは扉から出てきた人物をよく知っていた。ジャグラーにとってはなんだかんだ気にかけてる存在であり、霧崎にとっては関わりたくないしなんなら顔すら見たくないような存在。

 

左腕にリング状のクリスタルがはめ込まれたブレスレットを持ち見かけだけなら地球人と全く変わらない青年、日空カケルがこの喫茶店に入ってきたのだった。

 

「あ!ジャグラーさんじゃないですか!やっぱりここに居たんですね!」

 

「お、おまカケル!?なんでここにいるんだよ!?」

 

「え、いやなんでってジャグラーさんの気配?的な物がここから発せられてましてね…」

 

「はぁ………」

 

呆れて物も言えなかった。なんだってこの後輩はやることがハチャメチャなのか、ジャグラーは悩み種が1つ増えた気がしたように思えた。向かいに座っている伏井出はカケルを不審者を見る目で見てるし霧崎に至っては我関せず状態だった。

 

まあ…元よりこの2人に期待するだけ無駄か。特に霧崎。

 

「ていうか聞いてくださいよジャグラーさん、ここすっごい変な気配があったんですよ。それでここに辿り着いたら何かあの扉やたら硬かったし入るの大変だったんですよ?」

 

「…お前は人の家の物を壊すなって教わらなかったのか?」

 

「こんな無駄に硬い扉地球にはないです。よって「人」の物ではないんでまあ大丈夫でしょう」

 

「……………ガイの野郎、コイツの教育どうしてんだよ」

 

再びため息をつくジャグラー。この後輩はいつもこんな感じだ。こう…やる事が一々大体過ぎるというか…こちらの気持ちも考えて欲しい。そして今まで沈黙していた伏井出が口を開けたのだ。

 

「ここには闇の住人しか入れないように結界がほどこされていた。それを君は強引に破ったわけだ、君の言う硬いというのは当然の事だろう」

 

「ええと、貴方は…」

 

「君に名乗るような名は―――」

 

「あ、確かに自分から名前言った方が筋ですよね。初めまして、日空カケルって言います」

 

伏井出は少し驚いた。

彼は感じていた、今目の前にいる奴は光の戦士でありそれも手練だと。ならばこそ自分自身が闇の力を持ち闇そのものを崇拝していると感づいていても可笑しくない。

 

だと言うのに奴の言葉はまるで敵意がない。それどころか何故か親しく接するように話してくるのだから。少しジャグラーに視線を向けると

 

「コイツは元からああいう奴だ。あまり深読みしたら空回りするぜ?」

 

「…確かにそうらしい。では礼儀には礼儀で返そう。私の名前は伏井出ケイ」

 

「知ってますよ。作家の人でベリアル先輩の部下なんですよね?こちらこそよろしくお願いします」

 

ペコッと頭を下げるカケル。伏井出の顔は更に疑問に浮かんでいた。

 

「そこまで知っていながら何故親しげに接してくる?本来ならば私達は敵同士、馴れ合う事などない」

 

「そりゃいきなり襲いかかってきたらやり返しますけど何もしてきてないじゃないですか。ならそんな必要ないしどうせなら仲悪いより仲良いの方がいいじゃないですか?」

 

「理解できんな。光の戦士がそんな考えをするとは」

 

「言うて先輩方もそんな感じですよ」

 

成程、ジャグラーが心底疲れた顔をするのも頷ける。これは他の光の戦士とは違ったベクトルの厄介さだ、なにせ馴れ馴れしい。

と、ここで先程から我関せず状態の霧崎を見て見るが相変わらずこの状態を保ったままだ。

 

道化にも思えるこの輩こそこういう手合いは1番手慣れていそうな気もするが…。

 

「と こ ろ で。そこの白黒別れたイケメンさんも名前教えて下さいよ」

 

「初対面で申し訳ないが君には名乗りたくはありません。私など気にせずに」

 

瞬間、カケルが超スピードで霧崎の背後に迫り馴れ馴れしく肩を揉んでいた。

 

「いいじゃないですか、初対面ですしここは親交をですね」

 

「すみませんが初対面なのですが私は貴方の事が嫌いです。即刻その手を離して下さい」

 

「嫌です。俺はトレギアさんと仲良くしたいですし何なら変身アイテムも盗みましたよ?」

 

「貴ッ様ッ!!!」

 

伏井出は驚きそしてジャグラーは手で顔を覆った。あろうことか、光の戦士が他者の物を盗み出したのだ。それも流れるように。

 

カケルの手に握られているそれは恐らく霧崎の変身アイテムなのだろう、ぷら〜とちらつかせてるカケルに対して霧崎は既に怒り爆発のようで変身アイテムを握ってるその手を握り返していた。

 

「痛い、痛いですトレギアさん」

 

「ならそれをさっさと放せ。というか痛いとか言っておきながら全く力が緩んでないじゃないか舐めているのか私を」

 

「はい舐めてます。舐めに舐めてます。なんだったらこの変身アイテムどうしてやろうかなと思ってるくらいです」

 

「〜〜〜ッ!!!」

 

霧崎は更に力を込める。が、とうのカケルは未だに変身アイテムを握っているその手を緩めようとしていない。

 

更には今更繰り広げられている光景にジャグラーは同情の目を向けていて、伏井出はその光景に困惑を覚えるばかりだった。そして伏井出は再び言葉を発した。

 

「仲が良いな君達は」

 

「これの何処が仲が良いんだ?見ろ私はコイツに対して不快感を感じられずにはいられないんだぞ?」

 

「そうか…。では日空カケル、そこの霧崎も困っているだろう。早く返して上げなさい」

 

「いや困らせる為にやってるんで返さないです」

 

「困ったな…コイツは本当に光の戦士か?」

 

お手上げだった。流石の伏井出もわざとやっている者に対しては何も出来なかった。再びジャグラーに視線を向けると、ジャグラーは手を横に振っていた。つまり駄目だ、という事らしい。

 

「おい誰か私を手伝え。コイツを今すぐ始末したくて堪らないんでね」

 

「断る」

 

「私も断らさせて貰おう。関わると厄介だ」

 

「味方がいないですねトレギアさん!あっ、これここのボタン押したら展開するんだ」

 

「勝手に触るな押すなこの脳なしがッ!!」

 

この後しばらく変身アイテムの奪い合いで喫茶店内で暴れ散らかすのだった。




続く
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