光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある 作:ウルトラネオン
さて、何故カケルが復活したのかその原因が分かります。
時系列的にはエピソード5のちょうどガイさんがマガゼットンと交戦する少し前です
「何故だ…?何故息を吹き返さない…?」
1人呟く。
この空間は通常生物が生きる世界とは異なる場所だ。
ここには空や大地といった物はなくあるのは銀色の粒子のような物が海のように波打っているだけで背景も銀色に輝くだけだった。
腕を組みながらも目の前の映っている光景にこの人物は疑問が生じていたのだ。
「私の全エネルギーを用いたのにも関わらず蘇らないだと?…やはり何かが遮ってるのか?」
映っている光景は緑に囲まれた大自然の中にポツンと1つだけ建てられた石像。それは自身もよく知るウルトラマンの形を模した物で既に死んだ者の墓のような物だった。
この人物はずっとここでこの光景を眺めているが中々思うような結果には至っていなかった。
「……やはり魔王獣というのは侮れんな。いわば分霊のような存在がここまで私を遮るとは」
実のところ、この人物はその墓に向けてこの空間からエネルギーを送り続けていた。それはこの下に埋まっている者を蘇らせるためであり少し前に凡そ必要な分のエネルギーを送り終えた事だ。
しかしエネルギーは完全には届いていなかった。
消えてはいないので恐らくあの空間に淀むように滞留しているのだろうが…。
本来ならば直接送るだけならばそう難しい事ではないのだが、誰にも感知されず密かに送るには少々手間がかかりコントロールもややこしくなる。
現にあの場にいる魔王獣の末端は未だにこの人物のエネルギーを感知できていないのだ、ことはなるべく穏便に済ましたいが…。
「まだ時間が掛かりそうだな。…まぁいい、目的さえ達成させればそれでいい」
映っている光景に手をかざすと、それは銀色の粒子となって霧散し再びこの空間にはこの人物1人だけ佇む事になった。
そして、目線を背後に向けた。
背後からキィィンと何かが開く音が聞こえた瞬間、その人物は少し警戒心を強める。
視線を向けた先には黄金のゲートが開いており、中から誰かがやって来るようだった。この空間に入り込めるのは自分以外はあり得ない。仮に入り込めるとすればそれは次元を越える力を持つもののみ―――
「ほう、まさかこのようなものになっていようとはな」
「貴様は…」
ゲートから出できたのは正に黄金の戦士と呼べる者だった。人型でスマートな体型、そして何より特徴的なのは両手に煌めく赤い宝石。どうやらそのその宝石の力によってこの空間に辿り着いたようだった。
「この姿に驚いているようだが敢えて名乗ろう。―――私は究極生命体アブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロス。まあ、既にお前は知っていそうだがな」
「ああ…よく知っている。それで?そのタルタロスが一体何の用だ。私は今忙しくてね」
「フフ、そう邪険にするな。私はお前の望みを叶えに来てやったのだぞ?」
黄金の戦士―――タルタロスから放たれた言葉に人物はピクリと顔を歪める。まるで不快感を出すかのように。
「―――ほう?ならばお前は私の望みを知っているのか?」
「当然だ。ある意味では私の望みも貴様の願いも同じ筈だ。ならば互いに手を取り合う事もできよう」
タルタロスが手を差し出す。成程、確かに何も知らなければ私もこの手を取っていたのかも知れない。
「この手を取れ。そうすればお前を望みも叶う」
「断る」
「何…?」
はっきりと拒絶するようにタルタロスの誘いを断る。その言葉には流石にタルタロスも想定外だったようで少し驚いていたがすぐさま冷静さを取り戻す。
「貴様はそもそも前提が間違っている。私と貴様の望みが同じだと思っているのか?」
「星を…母星を救いたいのではないのか?」
「違うな、私が真に望むのは平和だ。自身の星のエネルギーすらまともに制御出来ないような者が叶えられるようなものではない」
「ふむ…ならばあの結界はなんだ?」
タルタロスが手をかざすとそこにはとある惑星が映し出された。それは銀色の美しい宇宙の宝石のような輝きを放つ惑星だが、その惑星を大きく囲っている銀色の結界がそこにはあった。
「あの結界を破壊するのが貴様の目的であろう?」
「お前ら如きに破壊出来るのならとうに私1人で結界を破っている。あれは私の友が命を賭して貼った結界だそうそう破れる物ではない」
「友だと?」
「なんだ、貴様は友の1人も作っていないのか。程度が知れるな」
銀色の人物がタルタロスを嘲笑する。それに対しタルタロスは特に思う所もなかったがそれとは別に思案する。
「ならばこそ我々と手を組む事こそが得策なのでは?アレの破壊もより早まるだろう」
「くどいな、先程から言っているだろう。―――協力など要らぬとな。フンッ!!」
瞬間、銀色の人物の手から光弾が放たれる。その光弾はタルタロスに向かって勢いよく走るがタルタロスは右腕でその光弾を弾き飛ばした。
「フン、まあいい。今回は引くとしよう…だが勧誘はいつでも受け付けている。気が変わればまた会おう」
そう言ってタルタロスは手の宝石を輝かせて再び黄金のゲートを作り出しその中に消えていく。それを見届けた銀色の人物は少しため息をついて宙に浮かぶ。
「よもやまだ気づいていないとは…。私の願いは貴様達も対象に入るのだぞ?根源や出自は違えど同じだと期待したのたが…はずれだな」
銀色の人物は眠りにつく。元よりエネルギーは底をつきかけており今は休息が必要だった。
そしてこの人物は眠る間際に思い浮かぶ。そうしない内に復活するであろう日空翔の事を。
そしてかつての友の事を懐かしむように銀色の人物は眠りについたのだった。
<速報>
タルタロスさん、これにて出番終了!
このラスボスたる黒幕を倒してからじゃないと出てきません!