光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある   作:ウルトラネオン

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スレ74

異次元の波紋が空に出現した。

空気が震えるような感覚、見ているだけで不安を煽るような光景の中から凶悪な鳴き声が響いてくる。

 

声の主は、異次元の波紋からゆっくりとその姿を表し地上に降り立つ。

誰がどういう理由でその怪獣を異次元に放逐したのかは分からないが、過酷な環境の中で何百年といった時間が怪獣を歪な進化を促したようだ。

 

デマーガと呼ばれていた個体はかつての物だ。全身のありとあらゆる場所は剣を想起させるような突起物が生え伸び、背びれも同様に鋭利な物へと変質していた。

カミソリデマーガと呼ばれるソレは喜んでいるかのように雄叫びを上げる。

 

自分が異次元から出てこれた事、そしてこの場所には自分の餌となるエネルギーが豊潤に満ちているという事を。

 

 

 

 

スレの皆はカミソリデマーガの事について教えてくれたがこの怪獣はウルトラマンロッソやブル……俺やガイさんの後輩にあたるウルトラマン達の地球で現れる怪獣らしい。

少なくとも俺達のいる地球には原種のデマーガぐらいしか出てこないらしいが出てきた物はしょうがない。

 

恐らく狙いは大気中に漂っている魔王獣のエネルギーだろうとの事。この怪獣は餌として高エネルギーを好むみたいだけど………あ、カミソリデマーガがなんか口開けたな。

 

「アイツ…魔王獣のエネルギーを食ってるのか?」

 

「みたいですね。アイツが止まってる今皆を逃しましょうガイさん!」

 

と、SSPの皆の方を振り向くとカメラをカミソリデマーガを生配信で中継しているようだった。ああいう風に動画を撮ってリアルタイムで怪獣の位置や被害状況なんかを配信してるという訳だが、やはりというか肝の据わった人達だな。

 

「お前たち!今すぐここから離れろ!」

 

「よ、よ〜しこれくらいにして後は逃げるわよ皆ッ!」

 

「キャップ急いで急いで!」

 

ゾロゾロとSSP御用達の車に3人は乗り込んでいった。ここいらでいいだろう。

 

「ガイさん行きましょう!」

 

「ああ!」

 

俺達は美味しそうにエネルギーを吸い込んでいるカミソリデマーガの元へと走り出す。餌に夢中なのか今の所は暴れたりはしていないが異次元から現れた怪獣なんて厄介な事間違いなしだ。実際ヤプールも大概だったし。

 

そんな俺達に気づいたのか発進した車の窓からナオミさんが戻ってこいって大声で叫んでいるがそうはいかない。

急いで誰もいない所に移動しブレスレットを掲げ、ガイさんはオーブリングを掲げた。

 

俺の身体の内側から光が溢れてくる感覚が伝わり、光となって巨人の姿へと変身を遂げる。そして―――

 

「ウルトラマンさん!」

 

『へアッ!』

 

「ティガさん!」

 

『タァッ!』

 

「光の力…お借りしますっ!」

 

『フュージョンアップ!』

 

……………ん?

なんだこの声?フュージョンアップ?何それ?

ガイさんの変身って確かガイさんの故郷のオーブニカが音楽が流れてなかったっけ?

 

光はウルトラマンの姿となって地上に降り立ちカミソリデマーガと対峙する。向こうも俺達に気づいたようで、食事を中止して向き直った。カミソリデマーガを睨みつつガイさんことオーブ先輩を横目で見ると………。

 

「俺の名はオーブ!闇を照らして、悪を撃つ!」

 

なんか姿が違ってた。

元の姿と違って所々金のラインやプロテクターに赤と紫色のラインも入っていて、いつも持っていたオーブカリバーなんかは手に持っていなかった。

余りに姿が違う為、俺は少し呆けてしまった。

 

「?どうしたカケル」

 

「え、いやガイさん…ですよね?」

 

「ああ、カケルは知らないんだったなこの姿」

 

俺が死んでる間に姿が変わった…のか?

そこでスレの皆から補足が入り、あの姿はどうやらオーブリングの力による物だと。

 

あ〜…確かガイさんがオーブリング貰った時なんかそんな事言ってた気がするな。

そんな風になるのか、少し羨ましい。

 

「グガガガァァァァァァ!!!」

 

カミソリデマーガが吠える。恐らく俺達の事を敵対者として見なしたのだろう、敵意を見せて突撃して来る。

 

「カケル、行くぞっ!」

 

「はいっ!」

 

超スピードでカミソリデマーガの背後に回り、剣にも思える背ビレを狙って左腕に出現させたチェーンソー光輪で切り始めたがガリガリガリと中々切断出来ず火花が散るばかりだ。

 

でもこっちだって負けてられない、それでも光輪を押し付ける事で強引に切断しようと試みるとその背ビレに徐々に食い込んでいく。

 

カミソリデマーガが鬱陶しいとばかりに鋭利な爪が付いている右腕を大きく振り回し、背後の俺に攻撃を当てて来ようとするが今度は右腕にチェーンソー光輪を出現させて防ぐ。

 

それを隙と見たオーブ先輩は体に走る赤い模様を光らせて拳をカミソリデマーガの腹に入れる。赤い模様が光っている理由はティガ先輩のタイプチェンジと似た要領でやっているらしい。瞬間瞬間ではあるが筋力かスピード、どちらかのステータスを上げる事が出来るのだ。

 

けれどカミソリデマーガはその拳を意にも介さず、左腕の爪でオーブ先輩を切り裂こうと行動に出るが…。

 

「させるかよ!」

 

「グガガ!!」

 

左腕のチェーンソー光輪を解いてカミソリデマーガの振りかぶった左腕を抑えつける。動きが止まり、オーブ先輩は気にせず拳を叩き込む。

 

オーブ先輩がカミソリデマーガに猛攻を仕掛けている隙に離脱し

、離脱を確認したオーブ先輩はドロップキックでカミソリデマーガを押し倒した。

 

起き上がろうとするカミソリデマーガの顎に目掛けて超スピードで接近、膝蹴りを喰らわせ再び距離をとる。流石に全身トゲトゲしていても顔なら話は別だろ?

 

クリーンヒットしたカミソリデマーガは立ち眩んだのか足元が覚束ない様子で、好機と見た俺は光輪ラリアットで追撃をかける。が……。

 

「ガァァァァァ!!!」

 

「こいつ!?」

 

背中に付いてる4枚の突起物が白いエネルギーを帯びだし、それを無規則に飛ばしてくる。斬撃にも似たその技はあらゆる方向に飛んで行くが、超スピードで近づいていた俺は何発かモロに喰らってしまい倒れ込んだ。

 

「ガガガガガガ!!!」

 

「こん………のっ!!」

 

すぐ起き上がり、カミソリデマーガの攻撃を喰らいながらも強引に近づいてフィフティウムパンチを繰り出し、カミソリデマーガの首元に当てた衝撃で飛び散る斬撃が停止する。

続け様にオーブ先輩がスペリオン光輪を2枚放ち、全く同じタイミングでカミソリデマーガにヒットしノックバックさせた。

 

「大丈夫かカケル」

 

「ありがとうございます…。コイツ無駄にタフネスだな…」

 

スレの皆に聞いても弱点らしい弱点など存在せずロッソやブルも強化形態でもあるウルトラマンルーブとなってようやくといった所らしい。ようは、より強力な攻撃をもって倒せとの事だがそれなら…と思った時だった。

 

カミソリデマーガが大きく口を開けると大気中から七色のエネルギーが収束し始める。

あ、やべえこれ絶対良くない奴だ。けど隙だらけだよ。

 

「フィフティウムミラージュ!!」

 

「グゴゴ!?」

 

ギンガ先輩とビクトリー先輩を映し出した鏡から光線が放たれ、カミソリデマーガの顔に直撃する。収束していたエネルギーは暴発し、カミソリデマーガが大きく仰反る。

 

そして俺とオーブ先輩は手元に光輪を出現させ同じタイミングで投擲する。光輪は建造物の間を通過し、カミソリデマーガの肉体に到達する。

 

ガキィン―――といい音が鳴った。どうやら体にヒビが入ったらしくカミソリデマーガもその事実に驚いている様子だ。

 

「グオオオオァァ!!」

 

「よっしゃやりぃ!!」

 

「一気に畳み掛けるぞ!」

 

オーブ先輩は合図と共に身体が光に包まれ、さっきの姿とは別の姿になっていた。上半身にプロテクターの様な物が追加され、頭部にはブーメランのような…見た目からしてウルトラセブンによく似た容赦だった。違うとすれば体色くらいか。

 

その姿はハリケーンスラッシュという形態だとすぐにスレの皆が教えてくれた。

その形態の特徴や戦い方等、スレの皆が教えてくれた事でオーブ先輩が次に何をしたいのか何となく分かった。

チェーンソー光輪を両腕に生成、オーブ先輩は頭部のスラッガーを射出。空に浮かび、俺達は目にも止まらない速さで上空からカミソリデマーガに連撃を加える。

 

俺はチェーンソー光輪で、オーブ先輩はスラッガーと手刀とでタイミングをずらしつつ交互にカミソリデマーガにダメージを与えていく。

 

カミソリデマーガもただ黙っているだけでは無く、背ビレや突起物からあの斬撃を何発も繰り出すが発射位置と飛ばし方さえ覚えていれば避けれるし撃ち落とす事だって出来る。

 

飛んで来る斬撃はチェーンソー光輪、オーブスラッガーではたき落としつつ攻撃。決して浅くない傷が次々とカミソリデマーガの体に刻み込まれていく。焦ったカミソリデマーガが口を開き、七色の光線を放ってきた。

 

「グォァァァ!!」

 

「フッ!」

 

「よっと!当たるかそんな攻撃!!」

 

ついさっき大気中から吸い取った魔王獣のエネルギーが残っていたのかその攻撃には魔王獣の力も感じるが、空中で高速移動している俺達に当てようとするには余りにも狙いが甘かった。

 

その場に光線を向けようとしても既にそこには2人ともいない。光線を向けるスピードより速く動いているんだから当たる訳ないだろそんな攻撃。

 

当らないと分かったカミソリデマーガは光線を止めた瞬間、俺とオーブ先輩は同時にカミソリデマーガの体にダブルパンチを繰り出してカミソリデマーガを昏倒させる。

 

「オーブスラッガーランス!」

 

オーブ先輩は飛ばしていたスラッガーを手元に戻し回転させる事で二枚刃の槍を出現させる。あのスラッガーそんな事も出来るんだ…。

 

レバーを一回引いてボタンを押すとオーブスラッガーランスを水平に持ち、俺は両腕にエネルギーをチャージする。

 

「オーブランサーシュート!」

 

「フィフティウム光線!」

 

オーブ先輩は槍の先端から光線を、俺は両腕から光線を放って今だ昏倒しているカミソリデマーガの肉体に浴びせ続ける。

二重の青い光線がカミソリデマーガの内側に侵入し膨張する。とうとう耐えきれなくなったカミソリデマーガは断末魔を叫び、体内から爆発を起こした。

 

「よし、これで終わりっ!」

 

「ああ…………ん?」

 

爆発の影響で辺り一旦が爆風と煙の中、黒く浮かび上がる影が現れた。シルエットから察するにカミソリデマーガの物だ。

 

おかしい、あれだけの光線を喰らって生きてる筈がない―――そう思った矢先だ。爆風が収まり煙が晴れた時、その()()()()()に俺達は息を飲むしか出来なかった。

 

「ガ…ガガ……」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

いや、噛んでいるというのはあくまで客観的に見た話の場合だ。確かにカミソリデマーガは爆散した、けれどその爆散した肉片をあの蛇達が無理矢理繋ぎ止めて形を保っていた。

 

それだけならいい。

違う怪獣が現れてカミソリデマーガを生き永らえさせたのかとも考えれるのだが、あろうことかその蛇達はカミソリデマーガを捕食していたのだ。

大から少まで色んなサイズの蛇が、束になってカミソリデマーガだった肉片に纏わり付きブチブチと嫌な音を立てては食われている。

 

あの蛇達は一体何処から―――

 

そう思った矢先、カミソリデマーガが地中へと沈んで行ったのだ。

よく見るとカミソリデマーガの足元にドス黒い闇のオーラが貼り巡られていてそこから蛇達が這い上がってきている。カミソリデマーガの肉体は徐々にその闇のオーラに引きずり込まれ食われていく。

 

その場は俺とガイさんを残して静寂を残すのみだった。

 

 

 

 

 

瞬間、東京タワーの真上に赤い雲が出現した。

 

バチバチと赤黒い雷が迸り、大きな地響きが発生する。

 

「なんだこれ!?」

 

「この感じ……まさか!?」

 

オーブ先輩の予感は当たった。赤い雲はより大きな雷を生み、

轟音を立てる。まるで嵐の時に起こるような落雷、警戒心を持ちながら俺達は構える。落雷が激しく、そして最高潮に達した時()()は降りてきた。

 

 

 

 

『グギァァァァァァ!!!!』

 

 

 

 

マガタノオロチが、出現した瞬間だった。

 

 

 

 




カミソリデマーガ「餌食いに来たと思ったら餌にされた」
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