光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある 作:ウルトラネオン
渋川のおやっさんから入った連絡で、シン君が開発した錆落とし……通称、サビオチールが緊急で増産。そして戦闘機への充填が終わったとの事。
マガタノオロチ戦でもおもったが、渋川のおやっさんは防衛隊の中でもかなり上の人なのだろう。スレの皆もその事を補足してくれて、どうやら俺が想像してるよりも遥かに上の人のようだった。
防衛隊の練度も凄まじいの一言であり、あれだけ激戦だったマガタノオロチに対しても墜落はあれど死傷者はゼロ。
この地球で凄く頼りになる人達だった。
今回の作戦も渋川のおやっさんの声かけで始まった事だが、何よりその動機は「ウルトラマン達を助けられるなら幾らでも協力をする」と防衛隊の人達が言ってくれていたと連絡の中にもあった。これもガイさんがこの地球を守っていた証の1つだろうか。
と、今はその事よりも作戦だ。
現在は渋川のおやっさんの連絡の後、作戦通りに事を進めていた。
ナオミちゃん達のウルトラマン達を復活させる班はブロンズ像になってるウルトラマンの足元に配置。現在はリュミエールが生むエネルギーの増幅に取り掛かっている。
少々難儀しているらしいが、先輩や…何よりこれまで一緒だったスレの皆の言う事だ。俺は信じる事でしか期待に応える事くらいしか出来ない。そして……。
「後は、防衛隊の人達の戦闘機の発進準備だけですね」
「まあそんなにかからねえだろうがな。奴らの強さはそれなりには知っている」
「え、もしかしてジャグラーさん防衛隊の人達と戦ってたり…?」
「直接はねえが…怪獣をダークリングで呼び出したりした時はいい線だったな」
「あぁ〜、ガイさんが言ってたジャグラーさんの闇堕ち期の時ですね」
「あん?お前闇に堕ちてたのか?」
「別に最初から光側になった覚えはねーよ。ていうか闇堕ち期ってなんだよ、俺は元より闇側だろ」
「えぇ〜?俺の事心配してくれたり手助けしたりしてくれた人が闇〜?そんなご冗談を」
「どっちかってーと、光よりの闇だな」
「あーもうわかった、お前ら黙れ」
食いつくようにジャグラーさんは俺達の会話を遮った。
事実を言ったまでなんだけどなぁ〜…。
スレの皆も肯定意見が多いのでこれは俗にいう、ツンデレという奴だろう。まあデレはないけど。
ジャグラーさんの事についてもそうだが、俺はもう1つ気になる事があった。さっきから自然に会話に入ってきてるが、何故か等身大で実体化してるゼロ先輩だ。
客観的に見れば人間2人とウルトラマン1人というなんとも言えないシュールな絵面なのだ。
「それはそうと気になったんですけど、ゼロ先輩ってエックス先輩のデバイザーに居なくていいんですか?その状態だとエネルギー喰いするんじゃ…」
「ん?あぁ、俺には元々そういった心配は必要無いぜ。このウルティメイトイージスがあるからな!」
と、自慢気に腕に装着されていたブレスレットを見せびらかしてきた。
「それは…確かデルタランスを木端微塵にした…」
「これがある限り、戦闘以外ではエネルギーの消耗が無いんだ。だからこうして実体を保つ事が出来るんだぜ。まあ…もし壊れたりとかしたなら別かもしれねえがな」
実際、スレの皆に確認してみるとゼロ先輩の言ってた通りの代物だった。また、このウルティメイトイージスも皆が言う幾つもの人の光が集まって結ばれた物だそうな。
ウルトラマンにとっての神様のような存在…ウルトラマンノアがその光を結集させて、ゼロ先輩に授けた白銀の鎧。その力はウルトラマンノアと同等の次元移動が出来るらしくゼロ先輩が持つ最強の姿の1つと言われている。
ただでさえ強いゼロ先輩がもっと強くなるのだから無敵じゃんと思ったが、実際それを纏って戦っても負けてしまうような敵もいるとスレの皆が言う。
誰だよそんなやべー奴と聞いてみたら、どうやらその相手がウルトラマンベリアルという人だった。
しかも、直近の後輩になるであろうウルトラマンジードの時系列辺りでだそうだ。
「あれ?それじゃ、なんでエックス先輩のデバイザーにいたんです?」
「なんでって…そりゃこの姿で街をうろちょろしたらまずいだろ?」
「ごもっともでした」
「おい無駄口を叩くな、いつ来るか分からねえんだぞ」
ジャグラーさんが呆れた声で注意してきた。
顔からして、このボンクラ共がと思われてもおかしくない顔をしてたけど気にしない。
そうしていると、俺達の上を5機の戦闘機がジェット音と共に通り過ぎていった。マガタノオロチ戦でも見た、この地球の防衛隊の人達の戦闘機だ。戦闘機達がブロンズ像になってるウルトラマン達の元へと飛んでいったのを確認すると俺達は気を引き締める。
ここからだ。ここからが勝負の始まりだ。
まず戦闘機の下部にあるハッチが展開される。飛ばしていたスピードを徐々に減速していき、ゆっくりと飛行していく。
すると、ウルトラマン達の上空を通過すると同時に液体状の物質を噴射。
シン君が作ったサビオチールが投下されていくと、ウルトラマン達の頭の先からじわじわとブロンズが剥がれていき、あっという間にブロンズが剥がれ落ちてウルトラマン本来の肉体が露わになったのだ。
このまま後はリュミエールの光を待つだけ……とはいかなかった。
「……来たな」
「やはり来ましたねヒッポリト星人…」
「こちらの予測は当たった…か。なら出るぞ」
辺り一帯から邪な気配がする。一番初めに気づいたジャグラーさんは恐らくダークリングを使っていた事があるからだろう、的確に怪獣が出現する場所を特定していく。
数は7。
復活した人を含めると数を有利はこちらにある。ともかく、ガイさん達の復活を邪魔される訳にはいかない。
ジャグラーさんは自身の闇のエネルギーを開放、ゼロ先輩はそのまま巨大化して、俺は天高くブレスレットを掲げる。
ウルトラマンに変身が完了し、来るであろう怪獣に備える。
すると、黒い靄が現れると同時にその怪獣達の姿が現れる。
スレの皆によると、怪獣はウルトラ8兄弟の時と同じ怪獣+αだった。
パンドン、ゲスラ、シルバゴン、ゴルドラス、ベムラー、ネロンガ、ザラガス。
4体近くの怪獣は、ヒッポリト星人が合体しそうな怪獣達だがどうやらその怪獣達は原種との事。
合体する怪獣達は本来、キングという名がつき、見た目も原種よりも凶悪だそうだがそういう風には見えないらしい。
必ずしも油断していい相手ではないし何が起こるか分からない為
、要注意だ。
俺は右手にチェーンソー光輪を、ジャグラーさんは蛇心剣を構えて、ゼロ先輩は構える。
怪獣達の雄叫びと共に、戦いの火蓋が切って落とされた。