光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある   作:ウルトラネオン

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大決戦︰2

「オラッ!!」

 

単純な話、7体の怪獣がいるならお互いをカバーしつつ立ち回る方がいい。怪獣達には近接で、けれども仲間に援護が入れる距離を保ちつつ戦うのが理想だ。

 

既に三竦みの形で戦いが成立していた。

ゼロ先輩は、パンドンとゴルドラスとシルバゴンを。

ジャグラーさんは、ゲスラとベムラーを。

当の俺は、ザラガスとネロンガを相手に取っていた。

 

ジャグラーさんは得意の蛇心流で攻撃していた。

マガタノオロチ戦の時よりも磨きがかかっているのは明らかで、スレの皆も同意見だった。

 

ゲスラが隙を見てジャグラーさんに取り付く。ベムラーが口から青白い熱線―――ペイル熱線を発射しようとしていたので援護に入ろうと思ったが、蛇心剣の切っ先と柄を縦に構えて固定する事で簡易的な防御を行っていた。

 

普通は防げなさそうなのだが、吐かれたペイル熱線は見事防がれる。ペイル熱線を防いだ事で青白い炎が拡散され、取り付いていたゲスラがその炎に熱さを感じたのかジャグラーさんから離れる。

その隙を、ジャグラーさんはゲスラに向けて蛇心剣を振り下ろす事で攻撃に転じ、続け様にベムラーに逆袈裟斬りする。

流れるように転じた攻撃は、ベムラーも反応出来なかったのかモロに喰らってしまいゲスラと共々に倒れる。

 

そんな様子を見た俺は、スレにいるショタコンホモニキから「後ろからザラガスが迫ってきている」というスレを受けて、迷う事なく後ろに向けて光輪ラリアットで迎撃。

 

「ガガァァッ!?」

 

「お、タイミングばっちり」

 

ある程度は狙ったのもあるが、ザラガスの懐にいい感じに攻撃出来たお陰で迫ってきたザラガスが後ろに仰け反っていた。

 

「フィフティウムパンチ!」

 

「ガ、ガガッ!」

 

エネルギーを拳に籠めて、そのままフィフティウムパンチを連打。普通の怪獣なら2、3発くらい殴れば何処かしらの肉体が欠損するがザラガスの場合は違った。

よく見てみると、殴った所がうにゅうにゅと蠢いて傷口が塞いでいっている。殴ってみた感じ硬い訳ではないが、かといってそこまで軟な奴じゃないとも分かる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

なんせ、ザラガスは初代ウルトラマンに出てきた怪獣の1体。

その能力は、ウルトラマン好きの友人(佐奈)から聞いている。

 

「お前、確か攻撃すればする程耐性付いて攻撃が通らなくなるらしいな?そして―――耐性がつく一瞬の間だけ弱くなる事も」

 

「ガァ!?」

 

「 チェーンソー光輪!!」

 

そう、この一瞬。

細胞を変化させるからか…はたまた他に要因があるかは流石に分からないが、ようはこの瞬間だけザラガスは弱くなる。

 

チェーンソー光輪の切っ先をザラガスに突く。

それに反応したザラガスは両腕で防ごうとするも、鋭利かつ回転してる物を受け止めようなんて土台無理な話だ。

ザラガスの両腕は、チェーンソー光輪の回転に巻き込まれ徐々にあらぬ方向に曲がっていく。

 

遂には、本来の関節とは真逆の方向に腕が回ってザラガスの骨がおもむろに露出。出血も多量なのでザラガスの悲鳴はとても煩かった。

 

「……ここ狙ってくるよなぁ!!」

 

「ゴガァァァァァ!!!」

 

何もない背後から雷撃が放たれた。

予測していた俺は、すぐさまチェーンソー光輪を引っ込めて横転で避ける。俺に直撃する筈だったその雷撃はザラガスに当たって、その悲鳴は3割くらい増しになった。

 

この雷撃の正体はさっきから姿が見えないネロンガの物。

佐奈曰く、あの怪獣は透明になる能力を持っているとの事。ただマン先輩と戦った時は堂々とその姿を晒していたので不思議がっていたのは覚えていた。

 

けれど、今いるネロンガはしっかりと透明になりながら攻撃してきている。避けた雷撃の方向を逆算し、恐らくいるであろう場所に向けて超スピードの光輪ラリアットをぶつけようとする―――が。

 

「あれ、外した…!?うおっ!?」

 

「 ガァァァァ!!」

 

光輪ラリアットは当たる事無く、新たな方向から雷撃が放たれた。

既の所で避けたから良かったものの、再び雷撃を放った所に光輪ラリアットを繰り出しても当たる事は無かった。

 

…こいつ、見かけによらずすばしっこいな。

 

今度放たれたと同時に超スピードで接近しようと考えたが、ネロンガもそれを分かっているのか迂闊に雷撃を放つ事は無かった。

余程手慣れた個体なのか戦い方がうまい。

 

と、ここでスレの皆にネロンガの対処方法を聞く事にした。

ザラガスとネロンガの特性を事前に知ってたせいか、「俺達の知識無しで戦っている…だと!?」だの「ウルトラマン知らないんじゃないのかよ……!」だの「私の活躍場どこ………?ここ……?」と言っていたがそれは一旦置いとく。

 

そして方法聞いてみるが、要領を得ない答えが帰ってきた。

「心の目」とか「心眼だ」とか武術の達人クラスぐらいしか出来ないだろと思う意見が多かった。

 

まともな答えでも、「透視光線」や「ネロンガに土煙や色を付けろ」と言った意見もあった。けど透視光線なんて使えないし、そもそも戦ってる場所がアスファルトだらけだから土煙なんて、それこそ道路なんかを破壊しないといけなくなる。

 

因みに、説明ニキとショタコンホモニキ曰く、透視光線はマン先輩が。土煙で居場所の把握は未来の後輩であるロッソ君とブル君がやってのけたらしい。

 

未来の後輩君達、君達は凄いよ…。

 

とまあ嘆いてても仕方がないので、どうすればいいか考える。

ザラガスがまだ悲鳴を上げて痛がっているから、耐性が付く前にはネロンガを倒したい。

 

チラッと先輩達を見てみたが、まだ怪獣達と戦っている最中だった。

ゼロ先輩なんか3体1なのになんで互角に戦ってんだよ。近づいてきた怪獣を手当たり次第攻撃しているが、それでも3体の怪獣を捌き切ってるのは流石と言うべきか…。

 

ん…?()()()()()()…?

 

「閃いた」

 

そうか手当たり次第。手当たり次第ならいいのか。

スレの皆が「おいバカやめろ」とか言ってるが関係ない。

 

ようは、当たらないなら()()()()()()()。これに尽きる。

 

「チェーンソー光輪ッ!」

 

両腕にチェーンソー光輪を発生させると同時に回転。

マガタノオロチ戦でも披露したあの回転攻撃を周囲一帯を超スピードで翔ける。

 

街に被害を出さないように動き、端から端まで手当たり次第に攻撃していく。

 

そして遂に―――。

 

「ガガァァァァ!?」

 

「よしここぉっ!!!」

 

ヒット。

チェーンソー光輪が深く刺さった感覚を感じた瞬間、その場所をめった刺しする。

すると、透明な所からドンドン血が溢れ出て、ネロンガの透明能力が解除された。

 

どうやら刺さった場所は、ネロンガの下半身部分だったようで、チェーンソー光輪に刺された所は文字通りぐちゅぐちゅのグロテスクになっていた。

当然モザイクなんか掛からないから、スレの皆から嘔吐者が発生。配信見てる人も吐いてるとの報告が上がっていた。いい加減慣れて欲しいものである。

 

ネロンガはすぐ俺から離れていき、再び透明能力を発動させる。だが……。

 

「ガ…ガガ…?」

 

「見えてるよ」

 

自らの返り血のせいで、一部分が透明になっているだけで居場所なんて丸わかり。ネロンガもそれを悟ったのか、焦っているように見える。

 

だから超スピードで接近、チェーンソー光輪の刃をそのままネロンガの脳天に差し込み。回転してる光輪がネロンガにズブズブ刺さっていき、返り血が噴き荒れる。

 

声にならない悲鳴を少し上げると、目から光が失って絶命したのだった。

 

「よし、討伐完了っと…」

 

他の様子を見てみると、ジャグラーさんは既にゲスラを討伐していて、ゼロ先輩は討伐こそしてないものの三体の怪獣にダメージを与えた結果なのか怪獣達の威勢はほとんどない。

 

このまま俺が加われば均衡は崩れると感じ、すぐさま援護に向かおうとした瞬間だった。

 

「ッ!!来やがったか!」

 

「フハハハハハ!」

 

何もない空間から突然ヒッポリト星人が現れ、その拳が俺に迫ってきていた。

奇襲染みた行動だったが、あらかじめ警戒していたのでカウンター気味に握った拳をヒッポリト星人の拳にぶつけ合う。

警戒をしていたのが功をそうしたのか、ヒッポリト星人は少し驚くも次の攻撃に移った。

 

 

「火炎地獄を与えてやろう!!」

 

「チッ!」

 

ヒッポリト星人の鼻?口?から火炎が放たれる。

直撃を避けるため、首を少し横に傾ける事で回避。同時に互いの膝蹴りが繰り出され、膝同士でつばぜり合う。

 

「今度は風地獄―――」

 

「シェアッ!!」

 

攻撃される前に膝同士のつばぜり合いから超スピードで脱出。そのまま背後に回ってヒッポリト星人の後頭部にフィフティウムパンチを叩き込んだ。

 

ヒッポリト星人は少し悲鳴を上げたが、すぐさま振り向いて手の平から何かを発射した。

 

「ぐっ!?」

 

「ハハハハハハ!!」

 

手の平から発射されたそれは、どうやらヒッポリトタールだった。ただ従来の使い方とは大きく違い、まるで鞭のようなしなやかさを以て、俺の両腕に絡み付く。

 

ヒッポリト星人がまた火炎を放とうとしていたのだ。

 

「フィフティウムミラージュ!!」

 

ヒッポリト星人の背後に鏡が出現。トレギアさんを写した鏡からトレラシウム光線が発射され、ヒッポリト星人の体勢が崩れた。

 

すぐさま光輪ラリアットでヒッポリトタールを引き剥がしてヒッポリト星人の次の攻撃に備えると、俺の視界端から目映い光が発せられていた。

 

何事かと、その方向を見てみるとちょうどその場所はナオミちゃん達がいる所だった。

あの大きい光から見るに、どうやらリュミエールの方は成功したようだ。

 

「あれがリュミエールの輝き……なんか、暖かいな…」

 

メビウス先輩のバーニングブレイブの時も感じたあの暖かさ。その力をひしひしと感じ、スレの皆も同様の意見が飛び交っていた。

 

が、今は感傷に浸ってる場合じゃない。

 

当然、ヒッポリト星人も気づいている。その視線はリュミエールの輝きに向いている。

 

「当然させる訳ねえだろっ!!」

 

超スピードでヒッポリト星人に接近。そのまま出現させたチェーンソー光輪を突き刺す―――。

 

「掛かったな」

 

「!?」

 

事はなかった。

俺の超スピードが突然止まって急停止する。

そして理解した、俺の体にはヒッポリトタールが巻き付いていると。

 

くそっ、何処から!?

 

視線を落とすと、地中からヒッポリトタールが伸びている。

ヒッポリト星人の足元から何か伸びていて、その正体こそがヒッポリトタールであり、俺を絡めとっている物だった。

 

身動きを取ろうとするも、ピクリとも動かずただ呆然になるだけ。

 

ゼロ先輩とジャグラーさんがそれを察したのかこっちに近寄ろうとするも、ヒッポリト星人の目が赤く光ると疲れきっていた怪獣達が活発になり、ゼロ先輩とジャグラーさんが怪獣達に邪魔される。

 

「貴様さえ…貴様さえ消せば後はどうとでもなる。我がヒッポリトタールが効かないのは予想外だったが貴様さえ殺せばその不安要素も消えてなくなる。そして貴様の左腕から出現する鏡もこうすれば発動できまい」

 

「……チッ!」

 

奴の言うとおり、フィフティウムミラージュを展開する事が出来なかった。

俺のエネルギーを左腕に通して出現させるという工程を奴は一瞬で見抜き、エネルギーが行き渡らないように、特に左腕は違和感が感じるくらいヒッポリトタールで固定されていた。

 

「では、死ね」

 

奴はゆっくりと、俺に近寄ってくる。

しかも奴は、これみよがしに俺の技であるチェーンソー光輪を真似たチェーンソー光輪擬きを作って。

 

ギリギリと回転しているそれは、今まさに俺のカラータイマーに突き刺さろうとして―――。

 

「―――シェアァァァァッ!!!」

 

「っ!?何ぃ!?」

 

虹色の丸のこを持ったウルトラマンがそれを防いでくれたのだった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

少し前―――。

 

 

「光った!光ったよ!!」

 

「やりましたねぇ僕達!」

 

「よ、よかったぁ〜…」

 

SSPの3人達はリュミエールを輝かせる事が出来て安堵していた。

 

それを見たヒカル達も、思わず微笑みがこぼれていた。

 

「よし、今リュミエールが放出しているエネルギー量なら行けるよ!」

 

「(ああ…私も感じる!この輝きは、ザイゴーグと戦ったあの時と!)」

 

「そうだね、エックス!」

 

それに頷いたナオミは、輝いているリュミエールをヒカル達に渡しに行く。

 

だが、宇宙人達の猛攻が止まっている訳ではない。

目標をリュミエールに変えた宇宙人達は、ナオミ達に総攻撃をしかけた。

 

「邪魔」

 

「「「がっ!?」」」

 

宇宙人達は全て捕まえられた。ただし、触手ではなく、大きな鋏で。

 

「トーアちゃん…!?」

 

「ナオミちゃん、それをヒカルさん達に」

 

「う、うん!分かった」

 

宇宙人達の猛攻が止まり、リュミエールをヒカル達に渡す事が出来た。

ヒカルはトーアに少し視線を合わせると、「お願いします」と目で訴えている事が分かった。

 

ヒカルも頷きで返し、手に持った2つのリュミエールの片方をショウに手渡す。

 

3人のウルトラマンの変身者達はお互いに頷き合った。

 

ギンガァァァァ!!!

 

ビクトリィィィ!!!

 

エックスゥゥゥ!!!

 

エックスは大地とユナイトし、ギンガとビクトリーはリュミエールの輝きと一緒に変身者と一体化し、目に光が灯った。

 

そして最後は―――。

 

「オーブ!この輝きは……光は、アンタが繋いだ物だぜ。これをアンタに託す!」

 

かつて、ダークルギエルとの闘いで皆の光で復活したタロウから光を受け取った時のように。

 

その輝きは、オーブの中に入っていった。

 

 

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