光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある 作:ウルトラネオン
何やら変化があったそうな……?
こんにちは円丸です。皆さん元気にしてますか?
こちらは新しく始まる新番組「ウルトラマンブレーザー」の放送へ向けての調整、準備に入っているこの頃です。
当然、社員である私もその仕事に日々邁進していたの……ですが…。
「はい、カットォォォ!いいよぉ!いいの撮れてるよぉ!」
「う〜ん、煙が足りないかなぁ…?」
「いやここは爆破演出増やしたほうが…」
今、私はプロダクションの事務室ではなく外……それも人気の無い広大な砂利と山に囲まれた場所でとある仕事をしています。
「今のライトの当て方よかったよぉ〜
「あ、ありがとうございます」
そうです。なんと事務員から撮影班に転属……とまではいかないものの、猫の手も借りたいという事情からこうして借り出されています。
私も社員である前に、1ファンとして事務の仕事から撮影班に協力出来るというのはなんとも有り難い話でした。でしたが……。
「そこ!もっと泥臭く!!そんなんじゃ演出足んないよ!」
「そうそうそうそういい感じ……あー…もう少しプロレスっぽく!あー違う違うちょっとこっち来て!」
「これ撮影日雨上がりの方がよかったっぽくね?それなら文字通り泥っぽく…」
「いや天気予報見るとここ一カ月雨降らないっぽいし…撮影期間過ぎるし…」
「あ、
「円丸さんごめんなさい!アロー折っちゃいました!」
「あ、分かりました。また発注しとくんで補修を…」
「いやこれ撮影に使えるなやっぱちょっと待って!」
「えぇ…」
はいそうです。撮影は撮影でもウルトラマンのではありません。
レッドマンのです。
なんでこうなったか。そうですね、あれは確かある企画に向けての準備をしていたのです。
フィフティこと日空カケル君の立てたスレッド。それを配信する、ある意味選ばれたスレの皆さんに向けてメッセージを送ってました。
その内容は
「こちらの空いてるスペースを使って整った環境で配信をしてみないか」
という内容です。
初めは誰が言ったか、それは定かではありません。勿論、この内容について様々な意見が飛び交いました。
まず第一に、関係者ではない一般人を
確かに、ウルトラマンは実在するのでしょう。世間では、このスレッドに対して様々な考察がされていますが結局の所は分からず仕舞い。配信している人達に、政府の関係者や研究員が派遣されたりとか一悶着はあったものの成果は無し。
様々な理由から取り敢えず放置という形には収まったものの、スレッドは不規則に立てられるのは事実。
そして何より、「ウルトラマン」は実在してるとしても
つまる所、権利問題は一旦置いて立場上は無関係なのです。
けれども、実在している以上こちらも慎重に扱わなければならない。
そうなると事務室でパソコンとにらめっこするよりかは、手元に置いて迅速に情報を得るのもこちらとしても動きやすいからです。
第2に、配信者の生活の都合も合わせれるかどうかです。
これはまあ、結局の所我々の方では解決出来ないのでスレッドを閲覧出来る方達に聞くしかありません。
第3の問題は……というよりはこれは私に1番負担がかかるのですが、スポンサーの件です。
とにかくうるさいのです。隙があれば商品化だの事業展開だの……それこそスレッドを閲覧出来る方達を招いたら余計にがめつくようになってくるのは明白。
なんとかして、誤魔化したり話を逸らしたりしなければなりません。
一度断られたんだから諦めろっての。
ともあれ、会議の結果は本人達に聞いた結果次第ということになりました。
第3の問題については人を回すからという理由で事実上無視されました。なんで。
そして、こちらとしては何時でも受け入れる準備を整えて後は方針の確認を取るだけでしたがここで問題が発生しました。
フィフティのスレッドにレッドマンが現れた事です。
そのせいで主に監督と事業部が暴走しました。
こちらで作られたレッドマンとは違い、向こうのレッドマンは正しく平和を愛するヒーローの姿でした。(凄惨な現場は見ない事にする)
それに触発されたのか、監督達が事業部と玩具会社にまさかの直談判。
結果、レッドマンの新撮を取るという企画がこれまで類を見ないぐらいの早さで決まりました。
勿論、ウルトラマンの撮影を同時進行するという訳で人手が今まで以上にいるという事になりこうして私も撮影に参加する事になったのです。
私の本来の仕事?後輩に任せてきました。「大変ですねぇ〜」とニヤニヤしながら言ってきた事も相まって取り敢えず押し付けてきました。今頃泣いている事でしょう。
そして現在に戻る訳ですが……。
「はい、次シーン57!アクション!」
(ここをこう…それでこういう風にライトを当てて…)
「はいカット!!」
「確認入りまーす」
まあ、なんだかんだ楽しいのは確かです。カケル君には感謝ですね。
そして今日の撮影が終わり、撤収する為に片付けを行っていた所―――。
「ん?電話?」
ポケットに入れておいたスマホから振動があったので画面を見てみると、なんと件で話した後輩から連絡でした。
「先輩助けて下さい〜…」
開口1番に聞こえてきた女性の声は、僕の請け負っていた仕事を任せていた(意訳)後輩のだが何処かやつれた声が聞こえてきた。
何でも、フィフティが新フォーム引っ提げて登場したから玩具会社の連絡が後を絶たないとの事。
はぁ……やはりこうなった。
仕方ないなと思いつつ、撤収作業に入ってるから少しだけ待ってと言い電話を切る。
まあ仕方ない、先輩として格好いい所を見せておかないとな。