光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある   作:ウルトラネオン

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今回はアユム視点です
いつも感想、評価に誤字指摘、誠にありがとうございますm(_ _)m


たった3日だけウルトラマン:2日目

「う〜ん……」

 

何か声がする。僕の名前を呼んでいるような……。

そして何故か、キーンキーンと聞いたことも無い音が耳に入ってくる。眠りは深かったのにも関わらず、思わず目を開けてしまい―――。

 

「あれ…腕輪が光ってる……?」

 

左腕に付いている腕輪のクリスタルが淡く光っている。

元々真っ暗なのでその光は眩しく思えたが、あの降ってきた光よりはまだ控えめだ。頭を掻きながら体を起こし、腕輪を見つめる。

 

この腕輪は、一体何をしているのか、何を……………伝えてる?何故か見つめているだけなのに、頭に言葉が浮かぶ。まるで、この腕輪に意思があるかのように。

 

「かい………じゅう?く………る?」

 

かいじゅう、くる。

頭に靄が掛かったような感覚と共に浮かんだ言葉。それを知覚したと同時に、小さな揺れが起こる。

 

「揺れてる…?なんだろ…?」

 

微かな揺れだったので、自分が揺らいだだけかと思っていたがそうでもない。

すると突然、腕輪から放たれていた光が収束すると1本の柱になった。その柱は、家の壁を指していた。

だけど様子がおかしい。その光は家の壁……ではなく外を指しているようにも見える。

 

この腕輪が指し示しているのは何かは分からないが、それでも気になるというもの。そして何より―――。

 

「自分の足で歩くという夢が叶ったんだ。少しくらい自分で行ってみてもいいよね」

 

そうと決まれば、僕は藁ベッドから降りて母さんや父さんバレないようにこっそりと外に出た。

外に出ると、人影の1つも見当たらない。遅い時間だしもう寝静まった頃だろう。

 

「光の指し示す道は……こっちだな」

 

腕輪が指す道を僕は歩いていく。

村の中央から反対の方角―――地の神様と降ってきた光を見た方へと僕は足を進めた。

普段なら星の光くらいしか光がないので、腕輪から光る柱がかえってかなり目立つが、そのせいか動物どころか虫すら寄って来なかった。

 

普段ならただ歩いているだけならキツネとか犬とか……色んな動物が物珍しく寄ってくるのだがやはりこの光のせいなのだろうか?

眩しくて目立つが、不思議と心が温かくなるような光なのだけれど…。

 

歩いていくと、僕は地の神様と光に出会った場所に着いた。

地の神様と光は巨体だったから、辺りはかなり荒れている。

そこら中草原だった景色はいつの間にか土が降り積もった場所へと変貌し、あまりのどかな場所では無くなった。

 

けれど、光の柱の指す道はこの場所では無かった。

 

「もっと奥…?この腕輪は、一体何を指してるんだろ?」

 

ともかく、僕は光の指す道のまま進んでいく。

元々は車輪椅子に乗ってたものだからこの辺りの地形や道なんかは全く知らない。

つまり、この光だけが唯一の道標になるのだがちゃんと家に帰れるかな?

 

すると、腕輪の輝きが点滅し始めた。

 

「え?………えーっと、もっと早く行け?」

 

何故だか浮かんだ言葉。

恐らくこの腕輪が伝えているのだろうが……何をそんなに急いでるのかな?取り敢えず、僕は浮かんだ言葉通りに足を走らせる。

 

これが走るってことなんだなあと感じつつも僕は荒れた地を駆け抜けて、誰も踏み切った様子のない森林へと入っていった。

 

森林に入って少し経つとある事に気づいた。不思議と全く疲れがないのだ。前だったら車輪椅子を自力で動かすだけでも息が上がるくらいには体力が無かったのに今はそういった疲れが全く感じない。本当にどうなっているんだろうか?

 

躓かないように気をつけながら走っていれば、森林を抜け再び見晴らしのいい草原にたどり着いた。

僕がいつも星空をみていた草原とほぼ似たような景色だった。

 

「こんな所にも草原が…………わぁっ!?」

 

大きな揺れが起こり、僕は尻餅をついた。

家で感じた微かな揺れよりもとても強大で、それこそ地の神様が現れた時とほぼ一緒のようだった。

 

そして、揺れは長く続き地面に亀裂が走る。

地面が吹き出し、土と石が空に舞う中でまたあの姿が現れる。

 

「ガァァァァァァ」

 

「地の……神様…!?」

 

そう、僕の目の前に現れたのは地の神様だった。

大きな叫びで大地を振るわし、その振動は僕にも伝わった。

 

「ガァァァァ……」

 

地の神様が僕を見つけるとジッと見つめる。

もしや今は、感謝を伝えるチャンス!?

 

「あ、あの地の神様!僕の体を治してくださりありがとうございま―――」

 

「ガァァァァァァ!!」

 

地の神様の右腕が僕を目掛けて振り下ろされた。

 

「うわぁっ!?」

 

なんとか飛び込んで避けれた。

だけどそれで終わりでは無かった。

 

「ガァァァァァァ!!」

 

うわぁ!?」

 

何度も何度も地の神様は腕を振り下ろす。

その姿は正に怒れる神の様であり、怖かった。

 

腕を振り下ろされた場所は凹み、綺麗な草原はあの荒れた地のような様になってしまった。

それでも僕は振り下ろされ続けている腕をなんとか避ける事でしのいでいた。が……。

 

「あっ!?」

 

偶々走っていた所に木の根のような物が突起していてそれに足を引っ掛けてしまい転んでしまった。

転んだ痛みは大した事ないが、それ以上に―――。

 

「ガァァァァァァ…」

 

「ひっ!?」

 

地の神様が迫っていた。

僕はどうする事もできなくなり、逃げようにも恐怖で足が動かない。

 

地の神様の腕が上がり、僕に狙いを定めている。

 

「だ、だれか―――」

 

地の神様の腕が、僕に振り下ろされて―――。

 

「助けて……」

 

瞬間、腕輪が光った。

 

 

 

 

 

 

気がつけば、地の神様の振り下ろされた腕は無くなっていた。

というよりかは、何故か僕は地の神様と同じ視線に立っていた。

 

「………あれ?」

 

辺りを見回してみると、やけに森や木なんが小さい。

それどころか、まるで他の物全てが小さくなったように思える。

恐る恐る、僕の体を見てみると、あり得ない光景がこの目に映っていた。

 

人の肌のようなものではなく青と黒と銀の色が入って、引き締まった足。それと同様の色をして、左腕の腕輪はそのままな事。

 

そして―――手で僕の顔を触ると、何故か硬いといった感想しか出ないような物だった。

 

「シェア……!?」

 

何……これ……?

いつもの僕の体じゃない、もっと別の何か。

拭いきれない違和感を感じながら、前を向く。

目の前には、地の神様が倒れていた。それも盛大に。

恐らく、僕がこの訳の分からない姿になったせいか…単純に体が大きくなったのが原因だろう。

 

「ガァァァァァァ!!」

 

「シェ、シェア!」

 

まっ、待って!

怒りをあらわにし、向かってくる地の神様。制止を求めたがそんな事は気にもせず僕の頭部を殴りつけた。

 

「グアッ…!?」

 

痛っ……!?

大きく吹き飛び、僕は倒れ込む。大きな振動を生んで巨大なクレーターが出来上がる。殴られた頭を押さえながら、僕は地の神様に目を向ける。

今度は足で僕の胸を蹴ってくる。その勢いに思わず転がり、ただ僕は胸の痛みに苦しむだけだった。

 

そして何故か、左腕の腕輪が激しく点滅する。何かを知らせたいのだろうが、あまりの激痛に僕はそれどころじゃなかった。

 

「ガァァァァァァ!!」

 

地の神様が再び蹴ろうとしてくる。僕は何もできないまま蹴られ―――。

 

「ガッ!?」

 

「ハ……?」

 

僕の左腕が、勝(・)手(・)に(・)動(・)い(・)て(・)地(・)の(・)神(・)様(・)の(・)足(・)を(・)止(・)め(・)た(・)。

僕が意識的にやった事ではなく、まるで誰かに引っ張られたかのような。

そして僕は流れるまま、右(・)腕(・)の(・)拳(・)を(・)握(・)っ(・)て(・)地(・)の(・)神(・)様(・)に(・)攻(・)撃(・)し(・)た(・)。

 

「ガァァ!?」

 

地の神様は大きく吹き飛び、地面が抉られるかのように倒れていった。

 

「シェアァ……」

 

どうして僕はこんな事を…?

こんな事したい訳ではなかった。これじゃ地の神様にも失礼どころか………。

そんな考えをしていると、地の神様が地面を掘り出した。

驚きつつも様子を伺っていると、地の神様は掘った地面の中に入っていき、遂には姿を現さなくなった。

 

静寂だけが辺り一帯を埋め尽くす。幾つか疑問が浮かび、考えてると僕の体は再び発光し、段々と視線が低くなっていく。

いや、正確には元の姿に戻ろうとしてる…?

 

と、光が収まった頃には元の僕の姿に戻っていて、後には何も無かった。

 

「僕は……一体……?」

 

僕の、あの巨大な姿は一体何なのか。考えられるとすれば、昨日見た光だ。この左腕の腕輪といい、間違いなくあの光がやった事なのだろうと思った。もしかして僕の体が治ったのはあの光が…?

 

それに、あの巨大な姿はとんでもなかった。

地の神様に無意識ながらも放った拳は恐ろしいくらいに力が入っていた。草原どころか目に見える範囲を全て破壊できてもおかしくはない程に強い。

 

そんな力がどうして僕に宿ったのか……分からなかった。

ふと、腕輪を見てみるとまたクリスタルが輝きだし道を指し示した。

 

今度はもっと奥の方―――恐らく地の神様が住まうと言われる東の地を指している。どうしてそれが分かるのかは僕には分からないけど、この腕輪がそう言っている気がする。

 

僕に、地の神様が住まうあの場所へ迎えと。

 

「………分かりました。僕、行きます」

 

この腕輪が……巨(・)人(・)様(・)が僕に何をさせたいのかは分からない。けど、今僕が…この体が動くなら行かなければならない。何故かそんな風に思えた。

 

グッと足に力を込めて目一杯力を解放する。村とは真逆の、それもまた深い森林を駆け抜けていく。

 

「わ、わわ……」

 

しかし、思いっきり駆け抜けるのはいいがとんでもなく速い。これはもう僕の元々の力を超えている速さだ。普通ならこんな速さで走ったら目も追いつける訳がないのに、僕は追いついている。それどころか、奥の木々や動物なんかが見分けれるくらいだ。

 

障害物を避け、動物に当たらないように駆け抜け、出くわした大きな崖は大きく飛び越えていく。

 

「わ、わ、凄い、!」

 

とてつもない速さ。駆け抜けて当たる風すら心地良く思える。

どれくらい走っただろうか。時間にしてそれほど経ってはないがこの速さだ、かなりの距離を走っただろう。

 

巡るましく早変わりする光景も、遂には終わりが見えてきた。

 

「あ、ここ抜けたら何か建物がある!もしかして村かな?」

 

僕の住む村以外にも他に村があるとは知っていたが、ここまで遠く離れていると交流すらままならないだろう。新しい発見と出会いに少しワクワクした僕だった。

 

が、僕が思っていた光景とは違った。

 

「え…?村……なの…?」

 

何もかもが壊れていた。

この村も、木や藁を用いて家を作っていただろう形(・)跡(・)が幾つもあった。

僕の村よりしっかり作られていたのか、村の周りには巨大な柵なんかがあったがそれも全体的にボロボロ。

 

あっちこっちに何かが飛び散った物や、有り体的に言えば血が色んな場所にあった。

 

「あ……あ……こんな……なんで……」

 

恐らく僕の村よりもっと発展していた村が、物言わぬ廃村となっていた。

そして、僕は今まで起きた情報を擦り合わせた事で理解する。

 

 

神様への儀式。それが行われていないのだ。

 

儀式―――それは神様と共にこの大地を見守り続けるという僕達の村で伝えられる伝説。

年に一度、人と神様が同化する儀式をし、この地に幸福と災いを避ける為。

祭壇と呼ばれる場所で選ばれた人物は眠りにつき、神様と永遠になるという伝統的な文化。

 

村で15〜20歳の若い人が選ばれ、その選ばれた人には腕に紋様が浮かび、儀式の成立者となる。その人は村1番の誇り高き人として永遠に名を刻まれるという偉大なものだ。

 

もし―――もし、その儀式がこの地にも伝わってて。

それが行われていないのだとしたら。

地の神様が、怒ってる現れたのがそれだとするなら。

 

そう考えてると、何処からか音が聞こえた。

瓦礫が崩れたような音だ。音がした方向へ向かおうとすると、再び大きな揺れが起こる。

 

「これ…!?」

 

また地の神様が現れる。

そんな予感が僕の中にはあった。

 

そして、地面に亀裂が入り土と石が噴き出す。

 

「ガァァァァ…!」

 

やはり地の神様が現れた。

だが、今度現れた地の神様は様子がおかしかった。

何かを探しているような……。

 

「ガァァァァ!!!」

 

村の潰れた家の瓦礫を地の神様が雑に吹き飛ばすと、その中から何かを取り出した。

それは、人だった。

 

「いや……いやぁ……」

 

「ガァァ、ガァァ、ガァァ」

 

地の神様が掴んでいる人はまだ生きていた。

小さく叫んでいるも、その人の声は嫌でも耳に入ってくる。

 

「助けて下さい…この子だけでも…どうか…!」

 

「ガァァ、ガァァァァ!!」

 

よく見てみると、その人の腕には小さな赤ちゃんが抱えられていた。泣いて懇願しているその人に対して、地の神様は嘲笑うかのように声を上げていた。

 

その姿は醜いの一言だった。

まるで、命をなんとも思っていない……踏みにじるかのような風貌。

 

やめろ。

 

地の神は大きく口を開け、今にもその人を口の中に放り込もうとしていた。

 

やめろやめろ。

 

掴んでいたその人を、手から放した。

 

「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

腕輪が光を放ち、僕を包む。

僕の体は巨大な人の形を取って、地の神に向かって拳を握りその醜い顔に叩き込む。

 

「ガァァ!?」

 

同時に、今にも喰われそうだった人を優しく手で包むと地上に降ろす。助けた人は、自分の置かれた状況を理解できてないのかポカンとしているだけで、抱えられた赤ちゃんは僕を見て物珍しそうに笑っていた。

 

「ガァァ……!」

 

地の神が僕を睨み付ける。

そんなのは構わない。今は、僕は、怒ってる。

 

「シェアァァ!!」

 

「ガァァァァ!!」

 

僕の拳が地の神の顔に入るが、それと同時に向こうの拳が僕の顔に叩き込まれた。

痛い、痛いがそんな事は関係ない。

 

「ッ……シェアァ!!」

 

「ガァァ!!」

 

空いていた腕を地の神に殴りつける。向こうも負けじと殴ってくるが、お互いの拳は止まらない。

 

殴って、殴って、殴って、殴って。

 

こんな、こんな命をなんとも思わない怪物になんて容赦しない。恐らくはこの村の人達もこいつが全て食い尽くしたのだろう。見境も無く、容赦なく。

 

それが神か。それが神のやる事か。

僕は怒りのまま殴りつけ、遂には地の神をなぎ倒した。

 

「オラァァァッ!!」

 

「ガ、ガァァ」

 

僕は馬乗りになって地の神の顔に何度も拳で殴る。

こいつの息の根が止まるまで。何度も、何度でも。

 

そしてそんな地の神はかなり苦しんでいる事が分かるが、苦し紛れか地の神の口から何か飛んできた。

目が良くなったお陰で、飛んできた物は岩石だと分かったがそれが僕に当たろうと関係ない。

 

幾らその岩石で怪我しようが、関係ない。

ふと、胸から何か音がなった。

 

ピコン、ピコン、ピコン、ピコン。

 

この音がなった瞬間、急に力が抜けてきた。

負担が一気に伸し掛かったかのような感覚。

だからといってやめる訳にはいかなかった。

 

こいつを止めなきゃ、あの人と赤ちゃんが喰われる。それだけはあってはならない。

 

殴り続け、遂に時は来た。

 

「ガッ……」

 

「ハァ…!ハァ…!ハァ…!」

 

地の神のあった力が無くなっていた。瞳は瞳孔を開き、ピクリとも動かなかった。鼓動も聞こえず、僕は地の神を殺したのだ。

 

「ハァ……ハァ……」

 

気がつくと、僕は光に包まれて元の姿に戻っていた。

瞬間、とてつもない痛みが僕の全身を駆け巡った。

 

「あがあああああああっ!?」

 

地の神を殺す事に集中していた緊張が解けたせいで自覚した痛み。途方もない痛みで、苦しい。

 

「が…がああああああっ!?」

 

のたうち周り、足掻く。

そんな痛みの中で、微かに聞こえた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

さっき助けた人だ。腕には赤ちゃんが抱えられていて元気に笑っていた。そんな姿を見ると、痛みが急速に引いて行く事が分かった。

痛みが全身から1つに集中していくような感覚。そんな感覚と共に、遂には痛みは完全に無くなっていた。

 

「あ、あれ……?」

「あ、あの…?」

 

「あ、えーと……」

 

なんだか絶妙な空気が流れた。

 

「え、えと、大丈夫でしたか?」

 

「あ、は、はい。あなた様が私達を助けてくれたお陰で、息子もこの通りに」

 

「きゃっきゃっ♪」

見てみると本当に良く笑っている。

良かった、無事で…。

と、そんな考えは余所に僕はこの村の事情とあの地の神について何があったのかを聞いてみた。

 

 

 

やはり、その地の神の儀式は行われていなかったようだった。

何故そのような事になったのか聞いてみる。地の神を殺した僕が言うのもなんだけれど、地の神に失礼にあたったからこの村はこんな有様になったのではないかと、かなり遠回しに聞いてみたが返ってきた返事は驚くべきものだった。

 

「地の神が…邪神?」

 

「ええ……。貴方様に伝わっているものはどうかは分からないけれども……少なくとも私達の村は、あれを災いの象徴と見られていた」

 

「なら尚更…」

 

「そう、そうなんです。けれどもそれは出来なかった。愛する我が子を…犠牲にしたく無かった。そんな事を私はどうしても受け入れたくなかった。けれどその結果が……」

 

村の崩壊。

今の村の有様を見て、この人の顔色は浮かばなかった。

多分…後悔しているのだと思う。

 

「その…選ばれた子って言うのは…」

 

「この子の…長男になる子でした。ですが………」

 

………つくづく度し難い。

僕も、お父さんやお母さんから本当に愛されていると思う。それは普段生活している中でも感じるし、親として我が子を犠牲にしたくないと思うのは当然だろう。

 

誰がこの人を責められるのか。

少なくとも、僕はこの人を責めることなんてできやしやなかった。

 

そう考えると、ある事に気付く。

 

地の神が邪神……だとすれば他の神も……!

 

「ッ、うわっ!?」

 

「これは……?」

 

また腕輪が光った。

今度は僕が来た道、正に僕の村がある方向を指し示した。

不味い―――!

 

「不味い、今すぐ僕の村に戻らないと!あ、でも貴方は…」

 

「いいえ行って下さい!私のような者は置いて―――!」

 

「で、でも!」

 

「私と……同じ後悔だけは、貴方様にして欲しくないのです!」

 

すると、腕輪から再び光が放たれた。

またもや僕の意思とは関係なく、巨人の姿となった。

 

巨人様は、僕に一体何を伝えてるのかは分からない。何故僕なんかに宿ったのか、その理由すらも。

だけど、やるべき事を僕はしっかりと見据えていた。

 

胸の鳴っていた音は無くなっていたが、それでもまだ脱力感が凄かった。けれど、そんな事を気にしている場合じゃない。

僕は、助けた人を巨大な手で包む。

 

このまま走っていこうと思っていた時、頭に何かが伝わった。

これは―――。

 

「シェアァッ!!」

 

勢い良く―――僕は空を飛んだ。

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