光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある   作:ウルトラネオン

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とうとう出会っちまいますよジャグラーさん

星間連盟はまあ泣いてもいいとは思います


銀河の光がやってくる

「ど、どういうことだよ……」

 

1人の異星人……ゴーグ星人は震えながらその声を呟いた。

ゴーグ星人は刑務所惑星に収監された宇宙人の1人だった。数々の惑星で希少鉱石の装飾品や宝物等の盗みを働いた事でこの刑務所惑星送りになったのだが殺人や暴力等といった事は決してしなかった。

 

盗み程度で刑務所惑星の市街地収容所ではなく最も罪が重いとされる者が収監される塔に入れられたかと言うと、とある惑星の最も重要かつ生きるシンボル的な宝物―――「輝きの木」と言われた物を盗もうとしていたからだ。

幸いな事に盗まれる前にゴーグ星人がヘマをしたので事なきに終えたが、やらかそうとしていた事は事実でありこうして刑務所惑星に居るのである。

 

だがそんなゴーグ星人も目の前の光景には恐怖を感じていた。

突然、牢屋の扉が開いたかと思えば先程放送されたアナウンスに違和感を感じていた。

力の生贄―――スピーカーから発せられた音声はそう言っていたが

今目の前に映る光景を見てゴーグ星人はようやく理解した。

 

ゴーグ星人と同じく収監されていた囚人達が次々と怪物に斬殺されていく。ある者は悲鳴を上げ、ある者はその怪物に立ち向かうも返り討ちにされ、ある者は逃げようとしたが叶わず斬られていった。

あんなにいた囚人達が今やただの肉塊と成り果てた様子を見てゴーグ星人は最早腰を抜かす事しか出来なかった。

 

暗闇から鈍く光る紅く煌めいた刀が少しずつ近づいてくる。

それに襲いかかろうとした別の宇宙人は瞬く間に斬り裂かれ、その死体から魂のような赤いエネルギー体が放出されると刀に吸い込まれる。

 

暗闇の廊下から遂にその刀の所有者が現れる。

 

「残りはお前だけだ」

 

刀を首筋に突きつけられる。

その切っ先は今にもゴーグ星人の首元を切ろうと鈍く、紅く光る。

 

「な、なんだってこんな事―――」

 

「お前らは囚人だろ?自らが行ってきた事が自分に帰ってきただけだ」

 

知らない。少なくとも自分はこのような残虐な事などしていない

とゴーグ星人は心の底からそう思った。

思ったまま―――首を切り落とされた。

 

刀にこびり付いた血を手で拭い、今まさに殺したゴーグ星人の生命エネルギーを蛇心剣に吸わせて自身の力としたジャグラー。

現在ジャグラーが居るのは塔内の下層階部分に当たる。上層階の囚人から見境なく蛇心剣で切り落としその生命エネルギーを己の糧としたジャグラーはとある目的の為に一度ここまで降りてきていた。

 

ジャグラーには目的が2つある。

1つはジャグラーと同時に収監された王女の救出。これは彼女の能力が有用な為、この先利用すればと考えていた。

……彼女がこの惑星に収監された経緯には同情しなくもないが、自分の目的が優先なのでジャグラーはその事に関しては今は考えないでいた。

もう1つの目的というのが現在ジャグラーがいる下層階より更に下にある地下重力調整室に設置されている重力の力場を発生させる装置の大元であるバルンガだ。

と言っても幼体であり暴れる事もないが使いようによっては計り知れない兵器にもなりうる。

 

「ここか」

 

巨大な装置の前に辿り着いたジャグラーは外に出てこれないように何重もの強固なロックを蛇心剣で両断し、中から幼体バルンガを取り出す。

 

「後は……王女だな」

 

この地下重力調整室とは真逆の場所……塔の上層階に位置する所に王女は収監されている王女を救出する。救出とは言うものの実際はその王女の能力を利用しようとしているので救出とは違うのだが。

ともかくジャグラーは幼体バルンガを片手に塔の上層階を目指す為、再びリフトに乗り込むことにした。

リフトで上層階に着くまでの間、携えている幼体バルンガに己の闇のパワーを注ぎ、バルンガの生態を弄る。

 

バルンガはエネルギー体であれば何でも吸収し続ける。1つの街に供給される電力など容易く吸収してしまい太陽の放つエネルギーすら吸収しだす程だ。その性質を利用し、全てを飲み込むブラックホールと同等の物を生み出すように変えた兵器―――バルンガボムを精製する。

 

バルンガボムを精製し終える頃にはリフトは既に上層階に到着しており王女が囚われている牢屋に向かう為、歩みを進める。

王女が収監されている牢屋はかなり奥地に存在している。しかも動かなくなったガーディアンが奥地に歩を進めると共に増えているのが目に見えて分かり、余程王女を出したくないのだろうと思った。

奥地にたどり着くのにそれ程かからないが何体ものガーディアンを見る限りジャグラーが予めガーディアンの機能を停止していなければかなり時間がかかったに違いなかった。

 

しばらく歩くと王女が収監されている牢屋の扉の前にようやくたどり着いたジャグラーは蛇心剣に闇のエネルギーを纏わせて見た目からでも分かる頑強な扉を破壊し、中にいる王女の姿を見た。

王女は何もない殺風景な牢屋に1つだけあった椅子に座っているが手には枷が、頭部に拘束装置のような物が嵌められていた。

 

これはあくまで王女の能力を装置で抑える為の物であるがそういった事など知らないジャグラーは蛇心剣で頭部の装置と手の枷を切り落とす。

装置が取れると美しい顔立ちとその長く綺麗な金髪は2つの黒色のヘアゴムによって纏められたツインテールの髪型をしていた。

王女にしてはかなり独特な服装なのでジャグラーは一瞬だけ険しい顔をしたが、ともかく王女に対して言葉を告げる。

 

「久しぶりの光景は最悪だろうが気分はどうだ王女様?ここから出たいと望むなら―――」

 

「王子様!!」

 

「は?」

 

今、この王女は何と言った…?俺を…王子…?

いや、聞き間違いかも知れない。まさか己を助けた者が白馬の王子様だと勘違いするとかそんな馬鹿馬鹿しい話など……

 

「やっぱり助けに来てくださったのね私の白馬の王子様!いつか来てくれると信じていました―――私は貴方に一目惚れです!」

 

まさか自分の考えていた事が見事的中するとは思いもよらなかったジャグラーだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「それでジャグラー様!私を一体何処に連れて行ってくれるのでしょうか!?宇宙の宝石とも呼ばれる惑星ルヴィアですか?それともそれとも宇宙に浮かぶ七色の川ですか!?」

 

この見るからにハイテンションになっている王女―――ビランキはジャグラーにそれはもう過剰とも言えるくらいにピッタリと引っ付いて歩いていた。ジャグラーの腕にしがみつくように歩くビランキはそれはそれは愉快で楽しそうにしているが等のジャグラーは後悔し始めていた。

 

まさか王女がこんなメルヘン脳……もといテンション高めの女の子だとは思わなかったからだ。

 

「おい引っ付くな」

 

「えへへ〜」

 

人選ミスったか?

だが、好意を向けられているというのは別に悪いことではない。寧ろ嫌われて言うことを聞かなかったり勝手に行動されて死なれては助け出した意味もなくなる。

ここは前向きに考える事で何とか気を落ち着かす事にしたジャグラー。

 

「おい、確かお前は脳波で…」

 

「ビランキですわジャグラー様!」

 

「………お前の脳波で」

 

「ビランキです!」

 

「…………………………ビランキ」

 

「はい!何でしょうかジャグラー様!」

 

ジャグラーは見たくないものを見ないようにする為に目を手で覆った。

どうやら本当に人選をミスったようだ。好意を持たれるのは構わないがここまで持たれるだろうか?

こういう手合いは人の話を聞かずに先に突っ走ってドジを見ること間違い無しの人間だ。

 

こう、人の話を聞かず先走りする奴を約2名知っている。早々に関係を切ることがいいのだが―――

 

「ふふん♪ふふん♪」

 

「はぁ…」

 

いつまでも腕に引っ付いて来るので取り敢えず目的を達成するまでの間はこの事態を飲み込む事にした。

 

何、目的は1つ達成している。

後のもう1つは奴が来るまでの辛抱だ。そうすれば…

 

「…やはり来たか星間連盟」

 

牢獄塔の外から宇宙船が近づいた時に生じる特有の振動が伝わってくる。流石に奴らも馬鹿じゃない、異変をすぐに察知するのはお得意の事だろう。

 

『囚人ジャグラス・ジャグラーに告ぐ!今すぐ武装解除し、大人しく自首すれば命までは問わない!』

 

「はっ、誰が従うかよ」

 

ジャグラーは鼻で笑うとすぐにリフトで塔の最上階へと赴いた。突然の事にビランキも驚いていたが彼女は「ジャグラー様について行けば大丈夫」と一方通行な信頼を寄せていたのでジャグラーと共に向かう。

最上階に向かうたどり着くまでに何度か勧告していた星間連盟だが、何の反応も示さないジャグラーに対して業を煮やし、とうとう武力行使へと行動を移した。

 

宇宙船からは50m弱の星間連盟治安維持ロボット「ガーディアン」が10体近く出動して塔の全方位を取り囲む。

この「ガーディアン」は塔内に配置されたガーディアンの大型機であり塔内のガーディアンと同じく白を基調としたレギオノイドのような姿をしているが、両腕はドリルや兵器といった物ではなく人間の腕と何ら変わらない形でありながら手首から肘にかけて「ヒートソード」と呼ばれる短剣を固定武装として備われており胸部装甲を除いた全ての装甲の裏側に実弾ミサイルが大量に装備されている。

胸部装甲は展開可能であり、そこから砲身を露出させることで遠距離光粒子ビーム砲「ガーディンズブラスター」を放つ事が可能だ。

塔の周囲に配置されたガーディアンは全て胸部装甲を展開して砲身を露出させている。

だが焦る素振りすらしないジャグラーはビランキに顔を向ける。

 

「おいビランキ、お前は脳波で怪獣を呼び出せるんだったな?」

 

「はい!確かに出せますけど、でも制御も効かないし暴れる事くらいしかできないですよ?」

 

「構わない、出せるだけ出してくれ」

 

「喜んで!」

 

ビランキは両手で頭を抑えて少しうーんと念じると、ガーディアン達の目の前の空間が歪みだすとその歪みに乗じて怪獣達が勢いよく飛び出してきた。

 

キングザウルス3世、シルバゴン、エレキングにムルチやグドン。それぞれの怪獣が雄叫びを上げるとガーディアンに向かって襲いかかる。

ガーディアンも星間連盟の命令を受けて反撃するがそれぞれの怪獣達のパワーに押されてしまった。

無論ガーディアンも黙っている訳でなく、ヒートソードで怪獣を切りつけたり実弾ミサイルで応戦するが怪獣達は怯む事なくガーディアンに攻撃を加えていく。

 

ガーディアン達がガーディンズブラスターを放とうとするが少しのチャージ時間が隙となりそれぞれ怪獣達はガーディアンの胸部の砲身を破壊し、その流れに乗ってガーディアン達を破壊していったのだ。

 

口に咥えたガーディアンの腕を引きちぎったり頭部を破壊したり両足を潰して立てなくした後胸部を貫くなど容赦ない攻撃がガーディアン達を次々と破壊し、あっという間にガーディアン達はスクラップとなってしまった。

 

「ぐ、ぐぬぬ……」

 

その圧倒的な光景を宇宙船から見ていた星間連盟警備部長官のダレイオスは震える手で拳を作った。

恐怖から震えているのではなく目の前の光景に酷く苛立ちを覚えていたからだ。

数機もののガーディアンが怪獣達に潰されるのはダレイオスにとって想定外の事でありこんな状態で撤退など持っての他。

歩兵部隊を出した所でジャグラーにたどり着く前に怪獣達に踏み潰されるのがオチだ。

 

今更引こうものなら今まで築いてきた地位や名誉も全て失う羽目になる。しかし対抗手段も無ければとどうすればいいのか頭に働きをかけるがここで思わぬ事が起こった。

宇宙船に備え付けられている観測レーダーが大きな警戒音を出したのだ。

 

「何事だ!?」

 

「後方より高エネルギー体接近!これは……ウルトラマンです!」

 

「ウルトラマン…だと?」

 

まさか来てくれたというのか?

宇宙船の横を通り過ぎた大きな光は刑務所惑星のにいる怪獣達の前に降り立つ。上半身は赤、下半身は黒で胸にリング状のカラータイマーを付けたウルトラマン―――ウルトラマンオーブが大きな剣と共に怪獣達と戦闘を開始する。




※ここで出てくるガーディアンは投稿主の完全なオリジナル設定です
オーブ本編には出てきていないし超全集にも描かれていないのであしからず
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