光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある 作:ウルトラネオン
時系列はカケルが生まれ育って小学生になった頃のお話です
ここは……どこ?
目に映る全ての景色が銀色に染まっている
いや厳密には銀色だけではなく様々な銀色の建物が並べられていて空はなぜか薄青色と銀色が混ざったようだ。
特に何を考えてる訳でもなく僕という体は何も考えずに前へ前へと進んでいった。
見たことない家やオブジェクト、何をする為のものか分からない建物等見るもの全てが自分の知る物とは異なり新鮮味があった。
噴水のような物から水とは違う銀色の粒のような物が傘を思わせるように放出され、草や木といった自然的な物は一切なく近未来を思わせるような場所だった。
ふと、何かに気づいた僕は視線を後ろに向けるとそこには
けれども、その人は靄にかかったように姿を見ることは出来なかった。辛うじて人かな、と思えるくらいにはその存在がぼやけている。
その人はゆっくりとこちらに近づいて来る。
そしてこう言ったんだ。
『友よ…私と一緒に…』
僕に向けて言っているのか―――そう思った瞬間、突然耳元でジリリリリリリッと不愉快な音と共に僕は目が覚めた。
「ん〜…夢……?」
窓から朝日の日光が僕の部屋に差し込んでいた。
「う〜ん……眠い……」
頭を掻きながら階段を降りる。
さっきの不愉快な音は昨日自分でセットした目覚まし時計の音だった。眠りから覚めた僕は朝ごはんを食べる為に部屋から出て階段を降りているのだが、どうもさっきの夢が引っかかる。
「見たことないし…何なんだろあれ…ふぁ〜」
まだ気だるさが残っているのか欠伸が出てきた。
階段を降りた僕は直ぐ側にある部屋に入ると朝ごはんが置いてあるテーブルに向かい、席についた。
「おはようカケル」
「おはようお母さん、お父さん…ふぁ〜」
「ん…おはよう」
僕に朝の挨拶をしてきたのはお母さん、んで僕の挨拶に返したのがお父さん。
お母さんは台所で使った調理器具等を洗っていて、お父さんは朝ごはんのトーストで焼いた食パンを噛りながらパソコンを触っていた。
「あ〜お父さんまーたごはん食べながらやってる〜」
「…父さんはいいのだ」
「だ〜め、一旦しまってご飯食べなさい」
「ぐっ…………分かったよ」
僕の指摘に同調したお母さんがビシッとお父さんに怒った。
流石のお父さんもパソコンをしまって黙々と食べ始めたがその姿は目に見えてしょんぼりしていた。
何故お父さんがパソコンを触っているのかというと、僕も詳しいことは知らないがパソコンを使ってお金を稼いでいるらしい。子供の僕には分からないや。
昔からお父さんは表情が分かりにくいけど今となってはなんとなくだが僕にも分かってきた。
尚、お母さんは全て分かるらしい。なんで分かるの??
「そんな事よりカケル、今日は何の日か分かってるわよね?」
「え〜……なんだっけ…」
「授業参観でしょ。だらしない姿見たら…お母さん怒るからね?」
「わ、分かってるよ」
ニコニコしながら笑ってる……お母さん怖い…。
隣に座ってるお父さんも心なしかオドオドしてるような……気のせいかな?
「ならばよし。早くご飯食べて学校に行ってきなさいな。お母さん、カケルが頑張ってる所見るの楽しみにしてるよ」
お母さんがニコッと優しい顔を浮かべる。
いつもそうだけどお母さんの笑顔を見てると心が温かくなってくる。そりゃ怒ったら怖いけども笑ってるお母さんを見てると凄く嬉しい。そんなお母さんを見つつお父さんにも目を向けると
「当然、お父さんも来るよね?」
「当然だ」
ぶっきらぼうにお父さんは言った。うーむ、これは……少し楽しそうな雰囲気だな。お父さんも楽しみにしてるのかな?
「こらアナタ、ちゃんと言葉に表さないとっていつも言ってるでしょ?」
「む……これでは足りないと?」
「ええ足りません。その証拠にカケルの顔を見なさい困惑してるでしょ?」
そう言うとお父さんは少し僕の方に顔を向ける。お父さんの表情を読み取るのに集中してた僕はムッとした顔をしていたがそれを見たお父さんは何かを察すると頭の上にポンと手を置いて撫でた。
「……父さんもカケルの頑張ってる所を見るのを楽しみにしている」
今度は少し分かるぐらいにニコっと笑った。
えへへ〜、なんか照れる。
「と、カケル。そろそろ行かないと学校に遅れるわよ」
「うん、お母さんお父さん行ってくるね!」
僕はランドセルを持って家から飛び出していった。
よし、今日は人一倍頑張るぞっ!!
「……………全く、わんぱくに育ったな」
「ふふふ、誰に似たんでしょうね」
カケルが家を出た後、夫婦2人は楽しく話していた。
既に朝食を終えたアラルは使っていた食器類全て洗っていて、綾香は椅子に座ってゆっくりとしていた。
今日は小学3年生になったカケルの授業参観である。
生まれた時から惜しみない愛情を注いできた息子の晴れ姿を見れると思うと2人とも楽しみで仕方なかった。
と言っても授業参観はこれが最初というわけではなく何度か見に行っているがそれはそれとして息子が頑張る姿に堪らなく感動を覚える2人だった。
「あの性格は育てば綾香そっくりになるな」
「あら、アラルには似ないって言うの?」
「…私に似て貰っては困る。寧ろ私に似ない方が幸せなまではある」
「もう卑屈なんだから」
「私の加減の無さまで似ては困る」
加減の無いところ。
それはアラルの性格の1つだった。
昔から…具体的にはこの星に迷い込んでしまう前からアラルはかなり手加減というものを知らない。
今の姿は仮の姿。地球人ではなく別の惑星の住人。その惑星では絶え間ない戦争が続いていた。その中でアラルは戦士として戦っていたがある切っ掛けの1つで理性のタガが外れて容赦の無い性格へと変貌する。
普段は別に問題は無いのだが一度そのタガが外れるとどうしようもないくらい残虐性を増す。
そんな所まで似てほしくないというのがアラルの心からの本音だった。
綾香もアラルの事情は全て知っているがその上でこうした夫婦になってるのだから大した物だとアラルは常々感じてはいるが。
「…それでカケルの授業参観は何時からだ?」
「確か午後からよ。まだ時間はあるから今はゆっくりしておきましょう?」
「……だな。最近、このPCを触り過ぎているせいかカケルの事を構えなかったな」
「そう?カケルの方から寄ってきて諦めて相手してない?」
「……やはり構っているな私は」
少し笑うと洗い終えた食器を食器棚に戻していく。
そして綾香の隣に座ると、アラルは綾香に握った手を差し出した。すると手の中からは銀色のひし形のアクセサリーがついたネックレスがあった。
「綾香、これを」
「何これ?もしかしてアラルからプレゼント?」
「
「……なんか意味深だね」
「…要らないか?」
「貰う」
差し出された手を引こっめようとしたアラルの手を掴みすぐさまそのネックレスを取った綾香はネックレスをまじまじと見る。
ネックレス自体に特別な装飾を施している訳ではないがその目をみはる銀色のアクセサリーはよく見ると銀色の粒のような物が幾つも輝いていた。
「綺麗……そうだ今日これ身につけて行こ」
「……気が早いな」
「私の自慢の夫からのプレゼントですから」
綾香はそのネックレスを首にかける。
午後まで時間はある。他愛もない話をしつつカケルの授業参観楽しみに待っておく事にしたのだった。
あー……うん、また変な空間に来てしまったな…。
ていうか何?なんで俺の過去を振り返るの??恥ずかしいんだが??拷問か???しかもこの時って確か……あーもうやだ絶対あの事じゃん…。
いや、あのちゃうんすよ?確かに母さんも好きだし父さんは………まあ当時は好きだったよ。当時はね。
ていうかなんでさっきまでウルトラマンの姿でガイさん達と一緒に移動してたのにいつの間にかこうなってるのやら…。
ん?あっ!?また変な渦が俺の背後からぁぁ―――
尚、アラルパパ曰く
地球人はこんな物で貨幣を動かすのか…慣れれば容易いな…。
との事。この人なんで地球でアフィリエイトして金稼いでるんすかね…?