光の国に飛ばされた筈なんだけど目の前に輪っかがある 作:ウルトラネオン
マガタノゾーアがどうやら本格的に準備運動を始めたようです。
110:ウルトラマン(仮)
『ガイさん!』
『カケル!大丈夫だったか!?』
『なんとか!けれどこの状況…』
『ああ…街の皆がトーアを狙っている。何とかしてここから逃げ出さないと』
『屋根伝いで移動してるってのになんでついて来れるんだよここの人達…』
112:名無しがお送りします
今イッチ達がおる場所が家の屋根だけど下見下ろしたらまあ人がうじゃうじゃうじゃうじゃと
113:名無しがお送りします
何が彼らをこうさせているのか…
114:ウルトラマン(仮)
『取り敢えずこの街から出ましょう。ガイさん、トーアとショーティー君をこっちに』
『ああ。ほらショーティー、トーア。カケルの所に行くんだ』
『……カケルの兄貴、大丈夫?』
『心配ご無用だぞショーティー君。ほらトーアも』
『…!』
『ダーナも、もう少しこのままでいてくれ』
『分かったわガイさん』
それじゃ移動しますかね
115:名無しがお送りします
…あのさ、俺らはあんまし聞こえないけど下にいる人達何か言ってるくね?
116:名付け親
まあ聞こえるけど大した事じゃないだろ
イッチとガイさんあんまし気にしてなさそうやし
117:ウルトラマン(仮)
>>115
呪いの子を差し出せだの全ての元凶に鉄槌をとか言ってるで
まあ気にする事はないな
118:名無しがお送りします
えぇ…
119:名無しがお送りします
割と物騒だったな…
120:説明ニキ
けどカケルさん、街を離れたとしてそこからどうするの?
原因が分からないんじゃどうしようもないんじゃ…
121:ウルトラマン(仮)
>>120
先の事は今は後にする
ともかく今は街から離れる事が優先やな。じゃないとトーアが危ない
『もうすぐ街の外だ。もう少し耐えてくれ』
『トーア、ショーティー君大丈夫?』
『俺達は大丈夫だよ。気にせずに行ってくれ』
『…♪』
うーんトーアだけ楽しそう…
122:名無しがお送りします
なんて逞しいメンタルなんや…
123:名無しがお送りします
この子本当に何者何でしょうか…?
124:ウルトラマン(仮)
『よし!街の外に―――!?』
『何だこれ!?』
125:名無しがお送りします
なんだなんだ!?
126:名付け親
イッチ達が揺れてる…?また地震か?
127:ウルトラマン(仮)
『皆大丈夫か!?』
『な…んだこれ…!地震にしたってこんな馬鹿みたいな揺れ方するか普通…!?』
『きゃぁっ!?が、ガイさん!』
『ダーナ!しっかり掴まってろ!』
『カケルの兄貴大丈夫!?』
『大丈夫だから絶対に離さないでよショーティー君!』
『カケル!アレは…!』
『何だアレ…!?』
128:名無しがお送りします
黒い靄!?しかも馬鹿デカい!?
129:名無しがお送りします
馬鹿でかいのがそこら中に何個も溢れ出てきてるぞ!
これってまさか闇の瘴気か!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本当に突然だった。
もう少しで街の外に出れるというのに立っているのがやっとなくらいのとても大きな揺れが起きたと同時にドス黒く深い闇の瘴気が街の全体から際限なく溢れ出ていた。
これまでに出てきていた小規模の闇の瘴気とは訳が違っていた。幾らウルトラマンといえど生身の状態で触れればどうなるか想像に難くない。そして、俺とガイさんだけならまだしも今はショーティー君にダーナちゃん、トーアもいる。
こんな状態でウルトラマンに変身してしまえば3人を完全に放置してしまう。俺とガイさんは目を合わせると急いで光の力で球状のバリアーを作り出し、街の外に飛び出した。
何処か比較的安全な場所を隈なく探すと、左方向に開けた丘があった。丘とは言ったが平地ではなく山なりになった丘でイシュタールの街の半分くらいならば見下ろせるくらいの高さがあったので俺はガイさんと声をかけるとその丘の方に顔を向ける。
意図を理解したガイさんはその丘に急行した。
距離はそれなりに離れているが俺とガイさんならば問題ない。俺は抱えてる2人をしっかりと持ちつつ丘へ走り出し、ガイさんもダーナちゃんに気を使いつつ足を早めた。
「兄貴…アレ…」
ショーティー君に言われて振り返るとそこにはもう街と言っていいのかどうかすら分からないくらいに崩壊して、闇の瘴気が溢れ出していた。
ドス黒い闇の瘴気。アレの影響を受ける事なく逃げる事が出来た俺達だったがあくまで俺達だけだ。
イシュタールの街の人達はそうではない。
「よし、ここなら!」
「カケル、急いでバリアーを貼るぞ!」
「はいっ!」
ようやく丘に辿り着いた俺達は3人を降ろすと急いで光の力でバリアーを作り出す。逃げる時に作った奴よりももっと強力な奴をガイさんと共同で作り出し3人をそのバリアーで包み込んだ。
「いい3人とも。このバリアーから外には出たら駄目だよ。ここなら一応大丈夫だとは思うけど万が一って時もある」
「兄貴達はどうするの…?」
「ん?そんなのウルトラマンと旅してきたショーティー君なら分かる筈でしょ?」
そう言って俺とガイさんは闇の瘴気に覆われたイシュタールの街を見る。ここからでも分かるくらいには闇の瘴気が充満していて生存者がいるのかも怪しい。恐らくこの事態の元凶であるマガタノゾーアがそれだけやばい奴なんだと頭で理解する。
その上で―――僅かな希望をかけてまだ生存してるかもしれない人を助けに行くのだ。
この地球に降り立ってたから1年、この街には楽しい思い出がありすぎた。一緒に旅をしてきた仲間は勿論の事、街の人達に愛着があったのだ。
だから…拾えるモンは全部拾ってやる。
「行こう、カケル」
「―――はい」
俺達は駆け出す。
無謀かもしれないし無駄かもしれない。それでも…それでも俺達は行く。
駆け出した背後から声がする。
チラッと後ろを見ると駆け出した俺達を応援するショーティー君。
必ず生きて帰ってきてと願うダーナちゃん。
そして…顔から見ても分かる「行かないで」と悲しそうな顔をするトーア。
そんな3人を背に俺達はイシュタールの街に戻っていった。