評価を頂き、その数値を見て、作品自体の構成のことなんかを見直してました。
秋水をモデルにする以上、第一話は戦闘パートを入れると過去回想が多くなってしまう・・・しかし、第二話の現状も説明回やモノローグが多い。
評価、5という数値は、そう言った辺り・・・盛り上がりの無い構成故なのかな、などと考えつつ。最新話を書き上げました。
最近はちょっと体調も崩し気味だったこともあり、中々短い期間で投稿出来ませんが・・・気を長くしてお待ちいただければ幸いです。
あとは・・・最近、このサイトの作品を読んでると「お、これいいな」って思っても、後書きで色々レスポンスを求めることを強調するようなことが書いてあって「うーん」ってなることがあるので、自分は自分のスタンスを変えることなく、レスポンスは「求めるものではなく頂けるもの」として頑張って行きたいと思います。
・・・まぁレスポンス(評価にしろ感想にしろ、お気に入りにしろUA数にしろ)があると嬉しいのは分かるんですけどねぇ。何とも言えない・・・
追記:この話投稿する前に、ありがたいことに千UA行きました。ありがとうございます。
「いきなし、試験飛行なんて」
そんなの聞いてない。ぼやきながら、事前に搬入された照準器と武装を確かめる。
あまり気乗りしないが、下に重ね履きした服は外を出歩くためのカバー。飛行時には脱ぐ。替えが無い。
アタシは徐に重ね履きのズボンを脱ぎ、水練着と白いセーラーワンピース姿になる。
既に舞鶴を出港して北上する「長良」は、扶桑海の洋上にあるわけでよく揺れた。陶器製の燃料タンクを割らないようにどうやって管理しているのか気になる。
「仕様書、うん、読み直したけど・・・大丈夫かな」
試し乗りもしていない新しい「秋水改」の履き心地は心配だ。
飛行特性、マシンとしての特性や不具合の修正と仕上げは済んでいるし、一番データを取ったのはアタシだが、イマイチ乗り気にならない。
カタパルトで発進、補助に着脱式ロケットを用いる方法はどれだけ練習しても直ぐに慣れることは出来ない。
「犬宮、出れるか」
少佐が艦橋の方から格納庫に降りてきて、一言。
長良は艦橋の下に格納庫を備える。かつては艦首側に滑走台などがあった名残らしいが、艦橋は大きく取られていた。
艦橋の前に駆逐艦向けの高射砲タイプを備えて、背負い式にウィッチ用カタパルトが備え付けられる。カタパルトの向きは艦首方向固定なので、発艦時は空母のように風上に向かって艦ごと航走させないといけない。
ウォーラスのカタパルトは、煙突がある機関区画より後ろの普通の位置。艦首に伸びる秋水用のカタパルトが異様なのは否めない。
ウォーラスで近くまで飛んできて収容された後、司令である吉沼大佐と艦長に挨拶をする前に、艦橋へ向かう中で見たのは・・・今まで見たことがある艦船ではメインマストが存在する場所に堂々と鎮座する大型対空電探。これが、電探ユニットのアンテナと説明された時には、少し変な声が出た。
これだけ大きな対空電探で、魔力でブーストを掛けないと性能が発揮できないこと。
余り大きな声では話せないけれど、扶桑は電探技術の発見こそ八木アンテナの開発などで一歩リードして、その後の開発はリベリオンや常に防空体制を強いられてきたブリタニア、技術の国であるカールスラントに追い抜かれた。
精度や信頼性はもちろん、長期運用性とか、そもそも運用に掛かるコスト的な問題とか。
それを解決する発明が、弱い魔法力、魔法圧でも制御が可能な電探ストライカーユニット。肝心の性能についてはまだ分からないまま。
更に、長良における飛行長アタシの直属の上司であり、肝心の電探ユニットを扱うウィッチは睡眠不足だそうで、顔合わせに現れなかった。
顔も合わせていないのに嫌われている、というのは流石に自意識過剰だと思うけど、何を考えているかもわからない。
「犬宮一飛、燃料充填完了しました」
「ありがとうございます」
分厚い繋ぎの耐燃料エプロンに身を包んだ整備兵は、アタシの太ももを見て吃驚して敬礼を済ませてくる。
こういう反応には、もう慣れた。
そりゃ、普通のウィッチは目立つ部分に怪我なんかしてない。それなりの腕前を要求されるテストウィッチやエースウィッチと言った辺りはなおさらに。
アタシ自身のこの怪我は、自分の怠慢なわけだし、これでも良くなったほうだし。
見た目で少し距離を置かれてしょげるほど、甘い人生を過ごしてきたわけでもない。
数年前までは、鬼扱いで地下室に軟禁されていた。冷たい視線や、同情の視線なんて今更痛くもかゆくもなかった。
「九連ロケット発射器、全装填完了してます」
今度は格納庫の奥、武器を収納する場所にいた担当の整備兵が円筒形の小口径ロケット筒を九つ束ねた発射器を渡してくる。受け取って、専用の光像式照準器を取り付ければ武装も完了。
あとは、発進に備えるだけ。
「長良二番、発進準備!」
長良二番・・・長良艦載機隊の二番機だから。一番は現れなかった電探ユニットを扱う飛行長の中尉殿で、三番はウォーラスに割り振られている。
声に、整備兵は一部を残して秋水改の乗ったユニットゲージを押してレールに乗せ、艦首カタパルトとの接続部に合わせる。
ロケット発射器を右肩に担ぎ、ベルトで固定した落下傘を確かめて、発艦用意よしの手を挙げた。
それに反応して、アタシとユニットゲージの後ろにあった艦橋下格納庫ハッチが閉鎖され、耐熱塗料を塗布してある扉が推力を受けて立とうとそびえたつ。
「長良二番、艦首風向き合わせにつき、落下に注意」
「了解」
元軽巡洋艦、現、邀撃研究母艦「長良」は大きなその船体をゆっくりと回頭させて、艦首カタパルトを風上方向に向ける。
ゆったりとした動きに合わせて、アタシはアタシで発艦の準備。
ロケット発射器を放り投げないように、ベルト部分を斜めに肩でかけて、背負う。
発艦の許可が下りたらすぐに発動用のモーターに魔力を流して、すぐに出力を上げて、補助ロケットとカタパルトの火薬の点火タイミングを合わせて発艦の手順を飲みなおす。
至って単純だが、今まで実施したことのない飛行。
今回は緩やかに飛び上った後、高度一万まで上昇し、滑空しながら着水の手順を踏む。ウォーラスは既に発艦しており、上空待機中。
艦首が風向きに正対し、ゆっくりと当て舵が終わるとローリングもマシになる。
「発進用意よろし?」
「カタパルト接続します!」
モーターに魔力を流す。
魔法陣が一気に広がって、出力の段階は第二段階に入る。第三段階に進んだら飛び上らないと燃料の無駄になる。
轟々と鳴り響くロケットエンジンの音は穏やかな今日の扶桑海によく響いた。
「カタパルト接続確認、要員退避!」
「要員退避よし、長良二番発進せよ」
「了解!」
カタパルトの接続部分から見て、斜め右前に用意された射出要員席に座った人間が旗をグルグルと上に回す。あれが降りた瞬間が射出のタイミングだ。
呂式魔導エンジンの出力が最終段階に入る。
旗が降りた。
「長良二番、発艦!」
ストライカーユニットを引っ掛けるようにして押さえていたカタパルトの感触がないと思ったら、既に発進補助ロケットも燃え尽きた。補助ロケットを落下させ、ドンドンと燃料を科学反応させた秋水ユニットが上昇する。
初めての発艦は上手く行った、感想が出るよりも先に次々と雲を抜けて飛び上った。昇る昇る。天にまで届くわけがないとわかっていても、あの高空へと一気に進んでいく。
「あー、聞こえるか。長良一番だ」
感傷に浸っていたアタシの気分を止めたのは、顔を見せてくれなかった飛行長の声。
「説明はあとでするが、敵だ」
耳の中に入れた魔法無線のスイッチを押して聞き返す。
「ネウロイが?」
「あぁ、大陸側の警戒レーダーが取り逃がしたらしい。舞鶴の方向に向かってる。上昇方向を俺が指定するから、そっちに向かって飛べ。こっちのレーダーでそっちの位置は分かってる」
反論も許さぬ、命令だった。
実弾を携行するのは、試飛行のためだった・・・とはいえ、なんという巡り合わせ。早速初陣じゃないか。
「誘導通りに飛べば、確実に撃墜スコア一だ。敵はそこまで強くない」
「了解」
「気合は適度に入れとけよ」
若干気の抜けるような・・・初陣の自分を無線越しでリラックスさせる飛行長は、上昇角と方角だけ指定した。
遂に、唐突にやってきた初陣の機会だ。
力が入らないと言えば、嘘になる。
いよいよ次話、戦闘回です。
構成とか見直して、細かい部分は次章に持ち越すと言った感じの調整をしました。それでも・・・まだ戦闘に入ってない。
ここからは史実もない(時期的にも8月半ばを過ぎるころ)戦闘になるので、あとは日常パート面、特に秋水乗り向け(コメートパイロットもそうでしたが)専用の献立だったりとか、色々細かい部分をかきかきしつつ、戦闘も適度に混ぜ込んで行こうかな、と。
カタパルト発進のアレそれは、書き始める前で企画中だった頃(RtBでコメートが出る前)から色々悩んでて、一番好きな発艦はリアルだとジェット機のありとあらゆる発艦が好きですし。
フィクションだと0083のあの機体がせり上がってきて(そう言えばRtB1話の戦艦のカタパルト発進はあんな感じだった)カタパルトが展開ってのも好きだしなぁ、と考えつつ、結局リアル寄りになりました。
次話の構成は結構悩んでいるので、更新遅くなるかもしれません、よろしくお願いします。