二つのセカイ(世界)   作:カラスの餌

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8億年ぶり


25話 吹雪の妖狐狩り

 

「勝者、クジョウ・キョウヤ!」

 

 

やはり、予想通りと言った展開か、キョウヤさんが別ブロックで勝ち星を上げたみたいだ。 相手もなかなかの実力者であるはずだけど、キョウヤさんだって仮にも元チャンピオンだ。そうやすやすと負ける訳が無い。

 

 

「ズズー…ふーん…まぁ、予想通りの結果だね。そして、次の俺のブロックの相手は…」

 

 

俺は一人、のんびりと飲み物を飲みながら、次の対戦相手の発表を待っていた。 ぶっちゃけな話、現チャンピオンの俺は内定入りが決まってるので、この大会自体は世界選手権に向けての調整試合に過ぎない。

 

 

 

…と、言っても油断してると、苦戦を強いられるのは間違いないんだけどね。 近年日本のガンプラバトルのレベルは急激に上がりつつある。

ビルダー、ファイター共にレベルが高いこの国は激戦区と言っても過言では無い。

 

 

「冷、そこで何をしてるんだ?」

 

 

「ん?あぁ、ヒロトか。」

 

 

突然顔が見慣れた人物に、声をかけられた。

彼の名前はクガ・ヒロト、フォース、ビルドダイバーズのファイターの一人だ。

 

ちなみにビルドダイバーズというフォースは二つ存在しておりリクさん率いるビルドダイバーズとヒロトが所属してる二つがある。

 

 

「ヒロトはCブロックで内定確実だろ?」

 

 

「ああ、冷にも来たと思うけど、選考内定告知書が届いてたよ。」

 

 

「やっぱりか、今回の代表もやっぱりまた見慣れた顔触れになりそうだな」

 

 

「そんな感じになりそうだな。それより、さっきの試合を見たけどクアンタの武装とか全て新しくしたのか?」

 

 

やはり、ガンプラに対する観察力は人一倍強いな。

試合内容より、機体の方に目をやる辺りにプロ意識を強く感じる。

 

 

「あぁ、ギャラクシーのままでも十分戦えるけど、やはりここ最近のユーザーの成長を見ると俺自身の機体もアップグレードしたくなってな」

 

 

「そういう所は冷らしいな」

 

 

「ヒロトこそ、コアガンダムのコアドッキングシステムのバリエーションも健在だろ?」

 

 

「もちろん、万能型のアースリィーから、近接のマーズフォーまで調整は揺るぎないよ」

 

 

「流石だな」

 

やはり、ヒロトの用意周到の良さには頭が上がらない。あまり敵に回したくない人物だ。

 

 

「あ、俺の次の対戦相手が決まったみたいだ。ヒロト、すまないな先に行ってくる」

 

「あぁ、行ってこい。またどっかで」

 

 

俺はヒロトに手を振りそのまま走って、次の試合に向かった。

 

 

「相手は北海道出身…日本ランキング22位の山崎選手か…地方大会上がりで今大会初出場か、通りで知らんわけだ」

 

 

俺は会場に着くと、直ぐに対戦相手の事を調べた。

使用機体はガンダムバエルベースの機体であり、非常に近接特化の武装が特徴…と。

 

 

「あ!冷君見つけた!」

 

突然歩夢ちゃんとしずくに声をかけられて俺は少し驚いた。

というかよく俺の居場所が分かったな。

 

 

「もう!勝手にいなくなって…探したんだよ!」

 

「ホントに直ぐにどっか行くんだから…冷は…」

 

「ご、ごめん。あの後知り合いに会ってさそのまま…はは…」

 

 

歩夢ちゃんとしずくは頬をふくらませながら、怒っていた。

 

 

「次勝手にいなくなったら、今度罰としてカフェ奢ってもらうからね…」

 

と、すこし元気なさげに歩夢ちゃんが言ってきたが、別にカフェ奢るくらいなら罰でもなんでもない。なんなら、最近恋人らしい事が出来てなかったから、むしろ奢ってあげたいくらいだった。

 

 

「ご、ごめんって。この内定戦終わったら、一緒にいこ?俺、歩夢ちゃんと中々出掛けられなくて少し寂しかったんだ」

 

 

「ホント?!いいの!?絶対だよ!約束だからね!」

 

と、目を輝かせながら、歩夢ちゃん約束!と言ってきた。

この笑顔が見られるだけで、俺はもう幸せ者な気がしてたまらない。

 

するとしずくが…

 

 

「あ、冷?私も別日に奢ってもらいますからね?」

 

 

嫉妬交じりの喋り方でそう言ってきた。しかしここで断る訳にも行かず、俺は

 

「ああ、勿論だ。」

 

と、言わざるを得なかった。しずくと歩夢ちゃんは満足そうに、「じゃまた後でね!試合観客席から見てるから(ます)」とルンルン気分で上に上がって言ったけど、俺は財布の中身が空にならないか心配で仕方がなかった

 

 

そして、対戦時刻になり

 

 

「ではでは!本日の内定戦Aブロック!第二戦目を行います!」

 

 

と、アナウンサーが言うとどっと歓声が沸き起こり、観客達が盛り上がりを見せた。

 

ネットの反応だと…

 

 

<きた!二戦目!>

 

<また、あの人でしょ?!マジで一日に二試合も見れるのほんとに神>

 

<私も現地で見たかったー!>

 

などなど色々な声が飛び交っていた。

 

 

「では、選手達の入場になります…!センターゲートより、北の大地の奇跡…北海道の妖狐…山崎 霧矢選手の入場です!」

 

と!山崎選手が入場した途端…

 

<来た!北海道の妖狐!>

 

<白銀の髪の毛まじイケメン>

 

<今回もイケメンプレイ期待してます>

 

「女性人気がすごいね…あそこのモニターからでも冷君少し顔ひきつってるのが見えるし…」

 

「ほ、ほんとですね…あの顔少しイラついてますね…」

 

と、歩夢やしずくなどなど山崎選手の入場は凄い盛り上がりを見せていた。

しかも、女性ファン多くないか?なんかムカつくんだけど。

 

 

そして俺の入場なのだが……

 

 

「そして、メインゲートより…無敗伝説は今も尚生きる…他を寄せつけない力は正に生ける伝説…蒼き伝説…チャンピオン!!山瀬 冷選手の入場です!」

 

 

<来た!チャンピオン!!>

 

<マジでチャンピオンのかっこよさは別格>

 

<北海道の妖狐なんてぶっ飛ばせ!

 

そして俺が入場し終え…コメントに移るのだが…

 

「では山崎選手、コメントお願いします!」

 

と、山崎の方にマイクが言ったのだが…

 

 

「えー、山崎です!今回チャンピオンと当たったのはとても嬉しく思います!て事で今回勝って、チャンピオンの女性ファンも僕の虜にしてやろうかと思います!」

 

と、歩夢ちゃんやしずくの方を見てふざけた事を言いやがった

 

「歩夢さん…冷の顔見てください…あれ、間違いなくイライラしてますよ…あの笑顔は…」

 

「そ、そうだね…あ、あんな顔した冷君久しぶりに見た…でも私達は絶対にあの人のファンになんか…」

 

 

別に女性人気なんでどうでもいいけど、何がムカつくかって歩夢ちゃんやしずくの方見て言ったことに、ちょっと軽く殺意を覚えたよね。

 

 

「で、では…や、山瀬選手こ、こここめんとを…」

 

 

アナウンサーも俺の殺意を感じとったらしく、マイクを渡す手は物凄く震えていた。

 

 

「勝つ、それだけです。子供達から大人の方まで全ての人が楽しめて盛り上がれる勝負をします…それと絶対ぶっ倒しますのでよろしくお願いします」

 

 

「で、では両選手機体の中へ!皆さん準備はいいですか?ガンプラバトルネクサスオンライン…日本代表内定戦…レディー…」

 

 

「「ファイ!っ」」

 

そう言った瞬間戦いのゴングが鳴り響いた。

 

 

「山瀬 冷 真・シューティングOOクアンタ・ギャラクシー!目標を駆逐する!」

 

 

「ガンダムバエルスノーフォックス…山崎 霧矢、目標を化かします…」

 

 

俺は直ぐに山崎に攻撃を仕掛ける準備をし、目標へ向かった。

 

「はぁぁぁあっ!」

 

 

俺は山崎を捉えクアンタの斬撃を見舞おうとしたのだが…

 

 

 

ブォンっ!!

 

 

「なっ?!空振りだと?て事は…」

 

 

なんと、俺のガンプラの一撃はただ空を斬っただけだった。

 

 

 

そして……

 

 

 

「チャンピオンともあろう御方が、背中を見せてはなりませんよ…!」

 

 

突然、後ろからバエルが現れ、俺に一撃を与えようとしてきたが…

 

 

「君はレーダー探知機能って言葉をまるっきり理解していないんだな…」

 

たとえ姿は晦ますことが出来ても、レーダーからの信号からは逃れられない。そう、クアンタやレーダー探知されないコーティングを施されてない限りはな

 

 

俺は直ぐに振り向き、応戦した。 しかしバエルは二刀流もう片方のサーベルで…

 

 

「チャンピオン!甘いですよ!」

 

 

容赦なく振り回し、切り込にかかってきたが…

 

 

「甘いのはてめぇだよ!」

 

 

俺は直ぐに量子化し、姿をくらました

 

 

「なっ?!消えただと?!」

 

 

そして…背後を確実に取り…

 

 

「GNソードvシューティングの威力をお見舞させてやるよ!」

 

「ぐぁっ!」

 

思いっきりぶった切り、勢いでそのまま吹っ飛ばした。

 

「妖狐じゃなくてただの化けるのが下手な狐じゃないのか?」

 

「な、なにを…?!」

 

山崎は今の俺の挑発に乗ったらしく、勢いよく突っ込んできた。

 

さすがはバエルをベースにした機体、ものすごいスピードとパワーだ。

 

「そんな直線的な攻撃が通じるわけないだろ!」

 

ガキィンガキィンと、金属がぶつかる音が響いた。

 

「クソがァ!阿頼耶識起動!」

 

「っ!来たか…!トランザム!」

 

 

「冷君がトランザムを起動させた…!これなら直ぐに…!」

 

「トランザム中の冷は無敵です!」

 

山崎が阿頼耶識を起動させたタイミングで、俺もトランザムを起動させた。そして、一瞬で機体は赤く染まり粒子放出量を三倍に上がった。

 

「山崎…この一撃で仕留めてみせる…!」

 

「チャンピオン…俺の全力見せてやりますよ!」

 

「「行くぞ!」」

 

お互い同時に技を出す準備に入り…

 

 

「喰らえ!シューティングブレイヴ!」

 

「スノーソードクリスタル!」

 

 

お互いのエネルギーの刃がぶつかり合い、辺り一面は凄まじい光に包み込まれた

 

 

「冷!決めて!!」

 

 

「冷君!!頑張れぇぇっ!!」

 

 

 

2人の声が光の外から聞こえた。2人に言われたなら、勝つしかないよな…!

 

 

 

「くたばれええぇっ!!!」

 

 

俺は出力を上げそのまま圧倒し押し切った。

 

 

そして……

 

 

「只今の勝負…勝者チャンピオン!山瀬冷!」

 

 

俺の名前が呼ばれた。

 

 

「さすがです…チャンピオン…全くと言っていいほど歯がたちませんでした…」

 

山崎が俺に声を掛けてきた。

 

 

「面白い戦いだった、またやろう。」

 

 

俺はそう返し握手をし、そのまま歩夢ちゃん達の方へ向かった。

 

 

「冷君!凄かった!!やっぱり冷君カッコイイよ!」

 

 

「なっ…ど、どうしたんだよ…」

 

急にそんなことを言われ、俺はなんて返していいか分からなかった。

 

だけど、しずくが

 

 

「やっぱり冷が1番かっこよくて私達は好きだよって…」

 

「え」

 

 

「ふふっ、冷君照れてるね。でも、しずくちゃんが言った通り私は冷君が1番かっこよくて大好きだよ!」

 

 

「あ、歩夢ちゃん…そ、そんな急に…」

 

正直死ぬほど恥ずかしいし、今すぐこの場から去りたかったけど…

 

 

 

 

「………ありがとう………」

 

俺はそう伝え、三人で戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやさいご雑ww
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