キャルコネ!   作:ゆうたんたん

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キャルは普通にこのくらいデレているような、ちょっとキャラ崩壊してしまったような。
ちょっと更新遅くなったうえに短めです。




三話:キャルちゃんと食事する

 待ち合わせ場所で待っているユウキは、時折空を見上げてみたりしながら暇をつぶす。そんな風にしていると、待ち合わせの時間から少し遅れてキャルがやってくる。

 

「ああぁ…………おまたせぇ……疲れたぁ……毎日毎日どうしてこうも忙しいのかしら」

「だいじょうぶ?」

 

 心なしか朝と比べていくらかやつれている。以前美食殿で海に行ったときにも随分と根を詰めていたが、やはり忙しいのだろうか。キャルが大変な思いをしているのに助けられないことを申し訳なく思う。

 ユウキがそのことを伝えると、キャルは一瞬きょとんとした後に、たまらず噴き出したといった様子で笑った。

 

「あんたは相変わらずのお人よしねー。なんか安心するわ。別に仕事を手伝ってくれなくたって、あんたとこうして一緒にお昼食べれるだけでも楽しいから……だからむしろあんたにはお礼を言いたいくらいよ。ほら、いきましょう?」

 

 ユウキがキャルと待ち合わせをしていたのは、キャルが言ったように昼食を共にするためだ。キャルの職場である『王宮』から近い店で食べたり、午後からキャルの仕事がないときは、ゆっくりと新しいお店を探してみたり。基本的には美食殿の活動である食べ歩きの延長戦の様なものだ。

 

 休日にキャルと買い物に行って以来、こうしてキャルの仕事の合間に食事に行くことが増えた。

 ユウキが誘い始めたときは、仕方ないから付き合ってあげるといった様子だったキャルも、近頃は当たり前のように待ち合わせをしてお昼を食べている。

 もちろんユウキ自身もアルバイトがあって、キャルとお昼を食べるのは毎日と言うわけではないのだが。

 

「今日は午後からもお仕事があるから、いつもの近くのお店でいいわよね? あのお店は安いのに、おいしくて助かるわ」

 

 キャルの仕事が午後もある場合、それほど遠くない通い慣れた店へ行くのもいつもの事。

 

 店に入って、いつもの席に座り、ユウキもキャルも注文を済ませる。

 

「本当は誰かに愚痴でも言いたいんだけどね。一応機密もあるし、下手に不満を漏らすわけにもいかないのよね。でもあんた、いつも思ってたけど本当にあたしと同じもので足りるの? あたしは午後からも仕事があるからあんまりお腹いっぱい食べれないけど、あんたはもうちょっと食べてもいいんじゃない?」

「夜にみんなでいっぱい食べるから」

「それもそうね。本当アホリーヌの作るご飯は量が多いけどおいしいから食べすぎちゃって。後は変なものが入ってなければ完璧なのに……昨日の夕飯だって……ああ! なんで魔物とか虫とかカエルとかが入っているのよ! おかしいでしょ!?」

「でもおいしい」

「ユウキも……! 何当たり前のように虫とか食べてるのよ! どうかしてるんじゃないの!?」

 

 和気あいあいとキャルとおしゃべりしていると、ユウキとキャルの頼んだランチが運ばれてくる。

 少し小さめのハンバーグに、付け合わせのサラダ。脂っこくなくさっぱりとしつつも味付けのしっかりとしたスープ。量は多くないが、ユウキもキャルもこうして何度も食べにくる程おいしく、満足度は高い。

 

「そういえばあんた明日は暇なの?」

「明日はお手伝いに行く約束がある」

「お手伝い? あんたが普段やってる配達とは違うの?」

「知り合いのお店。明日どうしても来れない人がいるから手伝ってほしいって」

「さっきも言ったけど、相変わらずのお人よしね……まあでも約束があるならしょうがないわね」

 

 キャルは少し残念そうに、小さく息を吐いて、一口サイズに切ったハンバーグを口に放り込んだ。その様子にユウキは思わず首をかしげる。少し考えて、コッコロに手伝ってもらいながら少しずつ読んでいる『ランドソル恋物語』で似たようなシーンがあることを思い出した。

 

「デートのお誘い?」

「っんあ!? な、なな、なに突然変なこと言ってるのよ!? ぶっ殺すぞ……!? いや、でも違……違わないけど。そもそも意味わかってるのかしらこいつ……」

「明日はだめだけど、明後日は?」

「明後日はあたし仕事あるのよ」

「そうなんだ」

 

 今度はユウキが少し残念そうにした。読んでいる本ではこれで一緒にお出かけで来ていたはずなのだが、現実は同じようにはいかないということだろうか。

 

「ふふ。なによがっかりしちゃって、そんなにあたしとデー……お、お出かけ! したいの?」

「うん」

 

 ユウキの答えにキャルは口を変にもごもごと動かしてから、スープの器を寄せてスプーンで一掬いし、啜る。様子のおかしいキャルに、ユウキは小首をかしげた。

 

「お腹痛いの?」

「違うわよ……!!」

 

 しっぽを逆立てながら睨むキャルに、やはりユウキは首をかしげるしかなかった。

 

 

 

 会計を済ませて店を出て、ユウキとキャルはしばらく二人で歩く。相変わらずおいしかったとか、以前美食殿の食べ歩きで行ったお店の話題だとか、そんな他愛もない話をする。だんだんと『王宮』が近くなってきた。

 

「この辺りでお別れね……なーんて言っても、どうせまたすぐにギルドハウスで会うんだけどね。でも、ちょっとだけ寂しいかも。そういえばさっき言ってた明日のお手伝ってどんなお店なの?」

「えっと、何かの屋台」

「屋台? ふぅん、じゃあ明日、あたしが買いに行ってあげるわ」

「楽しみに待ってる」

「……うん。じゃあまたギルドハウスで。バイバイ! またあとでね、ユウキ」

 

 

 手を振りながら、駆けていくように『王宮』に戻るキャルに、ユウキも答えて手を振った。




四話はキャラストーリーと同じようにあっちの世界の予定ですが、ちょっと遅くなります。
正月キャルが引けたらがんばって早く更新するかもです。
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