ウルトラマンゼロ The Another Lyrical Story 第一章   作:フォレス・ノースウッド

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勇夜(ゼロ)「ダメだこのシスコン………早く、何とかしないと」
―――な回です。

夜天ゼロの感想でもあったけど、なのはのヒロイン力上げるにはどうしたら良いのでしょう? とアドバイスを受けたいくらいなのはには苦労しました。
絶対『悪魔』だとか『魔王』だとか『トリガーハッピー』連想させたくなかったんで、彼女の本質はそこじゃない筈なのに(結局前述のネタたちは悪意全開なネタ的記号でしかない)



EP05 - 意固地な少女

 なのはが、成り行きで常識の枠外の世界に足を踏み入れ、魔法使いとなって初陣を飾り。

 高町光――リヒト・シュピーゲルが久しぶりに本来の姿である《ミラーナイト》となり、義妹を助けるべくその姿を彼女の前に現した。

 あの昨夜の戦闘から一夜明け放課後の時間帯、なのはの部屋では、なのはと異世界から来た義兄の光、光のとも違う世界から来たフェレット=ユーノがおり、彼が地球に来て、なのはに拾われるまでの経緯を話していた。

 それをざっくり光は――――

 

「つまり、君の一族は次元を旅しながら遺跡発掘を生業とする部族で、そのジュエルシードと言う発掘品を運ぶ途中事故にあい、輸送していた21個全部が地球に落ちてきてしまい、責任を感じた君は独自に回収しようとしましたが失敗、まだ傷が癒えない中怪物となったジュエルシードに襲われ、やむを得ず魔法使いの素質がある方に片っ端から呼び掛けていたら、昨夜の事態になった……と言うことよろしいですね?」

 

 ――――と要約して纏める。昨夜の〝騎士〟としてはあるまじき暴走っ振りはどこへやらな、知的さと優雅さを兼ね備える冷静な態度であるのだが、その落ち着いた言動と声音には、まだ少し棘があるのが見受けられた。

 愛する大事な家族が、あわや命の危機に瀕する事態にあえば、こうも刺々しい対応になってしまうのは当然と言えば当然であった。

 

「はい、その通りです……」

「でもちょっと待って、そのジュエルシードがバラまいちゃったのって、全然ユーノ君のせいじゃないんじゃ……」

 

 確かにジュエルシードは発掘したのはユーノではあるが、その輸送作業には直接かかわってない。輸送事故に関して言えば、彼には何の落ち度も無かった。

 

「だけど……あれを見つけてしまったのは僕だから、自分が全部みつけて、ちゃんとあるべき場所に返さないとダメだと思って……」

「責任を感じるのは分かりますが、それで一人で突っ走ってしまったことは問題ですね」

「光兄、まだ怒ってる?」

「当たり前です、彼の行ったことは、例えるなら警察官が凶器を持った犯罪者を追いかけている道中、たまたま通りかかった民間人に逮捕の助力をしてほしいと頼む様なものです」

 

 光も攻めたくてユーノを攻めてるわけではないのだが、家族が危険に巻き込まれてしまったことと、こういうことの為に自分の力があるのに巻き込んでしまったことへの自責も合わさり、どうしても言葉がきつくなる。

 

「本当に、すみません」

「まあ、先走ってしまった件はこの辺にしておきましょう」

 

 が、いつまでもねちねちと攻める気もない。

 ユーノの落ち込む姿を見て、これ以上の追及は傷口に塩を塗る行為だと光は悟った。

 

「では、今度は僕が話す番ですね、私はこことは別の宇宙の鏡の向こうにある世界に住む、二次元の民と呼ばれる種族の父とエスメラルダと呼ばれる惑星の地球人によく似た容姿を持つ、エスメラルダ人の母との間に生まれました」

「そんな世界、今まで聞いたことが無いのですが」

「それは僕の世界がこちらの次元世界とも違う別の次元世界、平行世界に存在していたからでしょう」

「あ、その平行世界の原理なら僕も分かります、多次元宇宙理論ですよね」

「じ、じげん? へ、へいこう?」

 

 一人話しについていけない人物をよそに、光は自分の半生の話を続けていく。

 その後成長したミラーナイトは、王国であるエスメラルダを守護する騎士として勤めていたが、別の宇宙から来て帝国を築き、各地に侵略を始めたカイザーべリアルの軍に星を襲われ、王家の姫君の一人を、逃がし、命がけで王宮を守り抜いたが、カイザーべリアルによって彼の操り人形となるウイルスを注入され、自分の力が悪用されないように、二次元の世界で自らを封印したが、べリアルと同じく、別の宇宙から来た戦士、『ウルトラマンゼロ』によってそのウイルスは浄化され、ゼロと、彼の心意気に、心動かされたものたちが団結したレジスタンス軍と協力しべリアル軍と交戦、その結束によって二次元の世界で封印されていた伝説の『バラージの盾』が復活、べリアルとの戦闘で瀕死寸前まで追い込まれたゼロに力を与え、最後にはゼロと宇宙海賊の用心棒グレンファイヤー、エスメラルダ家に代々使えてきたロボットジャンボットと協力し、ついにべリアルを倒したのである。

 

 そしてバラージの盾を受け継いだことで時空を自在に移動できるようになったゼロからのスカウトと、自らの力をもっと広い場で生かすために、べリアルとの最終決戦に集った戦士たちと新たな宇宙警備隊。『ウルティメイトフォースゼロ』を結成。

 

 その活動としてのパトロールの途中、ウルトラマンとの因縁が深い異次元人ヤプールに怨念で誕生した『Uキラーザウルス』が復活、これと交戦。

 ウルトラ兄弟とも協力して、なんとか倒したものの、Uキラーザウルスに宿っていたヤプールが最後の足掻きで次元振を発生させ、4人は時空の歪みに取り込まれ、散り散りとなってしまい、ミラーナイトはこの世界の地球に迷い込んだのである。

 

「その際、無理がたたったのか僕の体は、地球人で言うなら4歳児ほどまで幼児退行してしまい、高町家に拾われて、こうして今に至ったわけです」

「ごめん、よくわかんなかったんだけど…その…お兄ちゃんがミラーナイトさんだってことは家族みんな知っているの?」

「はい、高町家の皆さまには今言ったいきさつを話した上で養子にしてもらいました、なのはに隠していたことは申し訳ありません、私が来た時にはなのはは生まれたばかりの赤子でしたので」

「にゃはは……そうなんだ」

 

 内容が想像以上に神話の類と呼べるくらい壮大だったので、自分だけ彼の正体を知らなかったことに関しては、何も攻める気になれなかった。

 それにしても、外国を通り越して別の世界から来たという人間を養子にするとは、自分の家の凄まじさを噛みしめるなのはである。

 

「あの……一つ聞きたいのですが、レイジングハートから出てきたあの現象はいったい?」

「僕たち二次元の民は、鏡かそれに準ずるもの、例えばガラスや水面といったものがあればどこへでも瞬時にワープすることができます」

 

 なるほど、確かにレイジングハートの赤いコア部分もそのワープを可能にする鏡面があった。

 

「ユーノ、私からも質問があります、あなたの世界では、時空管理局と言う組織が、この地球を含めた一部を除いて、多くの世界の治安を担っていると言いましたね」

「はい」

「なら11年前に、そちらの世界に漂流してきた人物がいたという記録を調べてもらえますか?」

「やってみます、レイジングハート、頼めるかい?」

『了解しました』

 

 レイジングハートはユーノの指示通り、ネットワークにアクセスし調べ始めた。

 

「どういうこと? 光兄」

「その世界の中に僕の仲間がいるかもしれない」

『アクセス完了』

「わかったの?」

『該当事例あり、11年前、ミットチルダで光様と同じ並行世界から来た次元漂流者が一人、保護された記録がありました』

「名前は?」

『ユウヤ・M(モロボシ)・ナカジマ、15歳、時空管理局嘱託魔導師』

「そうですか…」

「でも……その人が光兄のお仲間さんかどうかは」

「いや、彼がその仲間の一人『ウルトラマンゼロ』である可能性は高い」

「どういうことですか?」

「実は僕らの世界にも地球は存在し、彼の父は『モロボシ=ダン』という名前で地球に滞在していた経験があると聞いたのです、それと同じ姓名を名乗ってるならひょっとすると………彼はいまどこに」

『現在、各地の次元世界を転々としているとあります』

「じゃあ、光兄を探してるってこと」

 

 光は地球人として暮らしている今の生活に不満は無いが、ミラーナイトには時空を超える能力はないため、自力で元の世界に戻るのは絶望的と思っていた。

 だがその能力を持ったゼロが、この次元世界にいるなら希望が見えてきた。

 

「レイジングハート、他にも光兄のお仲間さんが来たって記録は」

『残念ながら、他に該当する記録はありません』

「すみません、お力になれなくて」

 

 ユーノは謝罪した。

 彼が謝る要素など皆無だと言うのに、本当に真面目な子である。

 

「いえ…仲間の行方が一人わかっただけでも、充分な収穫です」

 

 内心、なのはを巻き込ませたことはチャラにしてもいいと光は考えていた。

 となると、残った問題はと言えば。

 

「それでユーノ君…これからどうするの?」

「僕の魔力が戻るまでの間、ほんの少し休ませてもらえたら、それだけでいいんです、一週間…いや5日もあれば回復できますし、だからそれまで…」

「やはり、責任は自分で果たすということですね」

「はい…」

 

 いくらしっかりしてようがまだこの子は地球なら小学生な年頃、さすがにこのまま、子ども一人で危ない橋を渡らせるわけにはいかない。

 光には学業と平行しなければならない制約はあるが、帰宅部な身だから何とかなるだろう。

 鏡の騎士は、自分もジュエルシード収集に協力すると言おうとしたが。

 

「それ、わたしにも手伝わせて」

 

 その前に、なのはが先を越して志願を申し出た。

 

「な、なのは!?」

「なのはさん!?」

「なのはって呼んで!」

「な……なのは」

「本気なのですか?」

「学校と塾の時間は無理だけど、それ以外の時間なら…私だって手伝えるよ」

「なのは……気持ちはありがたいですが、これは遊びじゃないんですよ、昨日だって、一歩間違えば……」

「でも放っておけないでしょ、お父さんだっていつも言ってるじゃない、『困ってる人がいて、助けてあげられる力があるなら、その時は迷っちゃいけない』って」

 

 確かになのはにはその『力』がある、レイジングハートのサポートがあるにしても、初陣であそこまで出来たのだ。

 ひょっとすると、相応の訓練を積めば、稀代の魔法使いになれるかもしれない。

 

「だがこれ以上なのはを危険に―――」

「それなら光兄だって危ないじゃない、私と同じこと考えていたんでしょ!」

 

 普段の彼女からは想像もできない語気の強さで、兄の苦言を跳ね除ける。

 この高町家の末っ子は、このように一度決めたら、絶対に曲げない真っ直ぐさ、辛辣な表現を使うなら頑固さを持っていた。

 どれくらい頑然と言うと、あの気の強い性格な親友のアリサが、彼女を『突撃ロケット』と評するくらいである。

 

「光兄は確かに『危ないこと』には何度もしたかもしれないよ、でもだからって、ユーノ君と光兄だけにそんな危ないこと押しつけたくないの!」

「なのは…」

 

 一度こうなってしまうと、絶対なのはは折れようとしないし、誰も彼女を止められなかった。この状況を終息させるにはもう……こちらが折れて、了承する以外に。

 

「あの、お取り込み中申し訳ないんですが…」

「「あ……」」

 

 二人はようやく、ユーノを置いてきぼりにして口論していたことに気づいた。

 

「光さんの言う通りです、一人でなんとかしなきゃと思い詰めた僕が浅はかでした、でも……その上で……僕に力を貸してください、お願いします!」

「ユーノ、頭を上げて下さい」

「え?」

「僕もなのはもそのつもりです」

 

 どの道、自分もなのはも状況の一部になりつつあるのだ、ならやることは一つしかない。

 

「わたしも出来る限り頑張るからユーノ君」

「ありがとうございます、僕も出来る限りサポートしますから、魔法の使い方も、ある程度は教えられます」

「そうですね……ユーノには先生としてみっちりなのはを指導してもらわないと」

「にゃはは……ごめんねユーノ君、厳しいお兄ちゃんで」

「いえ、味方が多いのはありがたいですから」

 

 たとえ魔力が戻っても、ユーノの力だけでは一昨日の二の舞になるだろう、それなら、協力してもらう上で自分にできることをやるしかない。

 

「それでユーノ、一度は本来の姿をみせてもよろしいのではないんですか?」

「どういうこと光兄?」

「ああ……そうですね、わかりました」

 

 そう言うとともにユーノの体が光り出した。

 

「えっ………」

 

 目に写った光景に、昨夜に続いてなのはは体は硬直化する。

 光が収まったあとにはフェレットの姿がなく、かわりにフェレットの体色と同じ髪色と緑色の瞳をした、なのはと同年代…いや、やや年上の女顔な男の子がいた。

 

「なのはにこの姿を見せるのはこれで二度目だったよね―――て……なのは?」

 

 人間に戻ったユーノが最初に見たのは、目を大きな点にし、呆然と表情も身体も固形物になったかのように固まった様子でこちらを指さしながら釘付けななのは。

 

 

「フェェェェェェェェェェェェェェーーーーーー!」

 

 

 そして、次に起きたのは昨夜の鏡の騎士が光であったことを知った時の再現とばかりに、よく響く、なのはの絶叫な奇声であった。

 なお、この時なのはの部屋には防音効果のある結界を張っていたので、近所迷惑な事態は免れている。

 

「ゆっ!ユーノ君って!ユーノ君って! その―――何!?」

 

 硬直が解けたなのはは、次にテンパりに襲われた。

 大きな双眸を見開かせ、冷や汗をかきながらさっきまでフェレットであった少年――ユーノを指差すなのは。

 慌てに慌てて、上手く自分の心境を言葉で表現できていない。

 国語が苦手な性分もあるのか、なのはは一度感情が乱れると、ボキャブラリーが極端に少なくなる短所を持っていた。

 

「えーと、光さん、これってどういう?」

「君がフェレットに化けた人間だってことをなのはは知らなかった、ということですよ」

「ええ!?……なのは、初めて君と会った時って、僕この姿だったよね?」

「違う違う! 違うってば! 最初からフェレットだったよ!」

 

 なぜ……こうも主張が食い違うのだろうか?

 ユーノは改めて、その日の状況を思い出してみる。

 えーと、異相体と戦闘になって……封印しようとして、失敗して、その後は―――頭に指を立てながら、とんちが利く有名なお坊さんのような所作で記憶を辿る。

 ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、ぽん―――コォォォォーーーーーーン

 

「あーーーそうだった! ゴメンゴメン!みせてなかったね……」

「だよね!?」

 

 そうだった……異相体との戦闘の後、直ぐに消耗を抑えようとフェレットの姿になったから、あの日の時点でなのはは、彼の本来の姿を見ていない。

一応なのはは、一昨日の夢で異相体と戦う彼を見てはいたものの、覚めた後は漠然したイメージした頭に残らなかったので、人間の姿でユーノと対面したのは実質これが初めてだ。

 何でこんなことを見落としていたのかと、ユーノは少し恥ずかしくなった。

 しかし、恥ずかしさで上がった体温は、急に体を突きさす悪寒で急降下した。

 

「まさかあなた、人間であることを隠して妹を取り入ろうと考えていたのですか?」

 

 原因(げんきょう)は、なのはの兄こと光――ミラーナイト。

 彼の周りからは、以前彼の生まれ故郷の世界を征服しようとしたカイザーベリアルに洗脳された時を上回る勢いなどす黒いオーラが漂っていた。

 

「り、光さん……それは」

「そうですよね……ただの喋るフェレットなら……なのはと堂々と添い寝もできますし、妹のあんな姿だって見れますし、こんなことまで、いくらでも―――――――――」

 

 彼の発言が何を指すのかは、空恐ろしいので明言しない。

 

「そ、そんな……誤解です、僕は本当に…」

「言い訳は無用ですこの淫獣!!!」

 

 理不尽とは、正にこの状況を差す。

 ユーノの言い分は、全く光に届いていない。怒りで支障を来した思考は、思い込みから来る勘違いを勝手に推し進め、勝手に結論づけて自己完結してしまっていた。

 

「これは少し…………頭を冷やさなければなりませんね」

「光兄!ストップストップ! なんでだか分かんないけど!なんか色んな意味でストップだよ!」

 

 光の一言に、なのはは先程以上にテンパっていた。

 なぜかこのときのなのはの脳裏には、色んな感情が混じり合った結果、他者を見下ろす冷たい目つきとなって同じセリフを呟く、〝大人になった未来の自分〟が映ったからだ。

 内心そのことに戸惑いながらも、華奢な細腕で兄を後ろから羽交い絞めて、どうにか暴走を抑えようとした。

 

「ユーノ・スクライア………貴様だけはぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」

「光兄! 何だかキャラが壊れてきてるよ! 光兄から頭冷やして!」

 

 

 

 

 

 

 こんな一騒動の後の相談の結果、光が斬り込み隊長、なのはが遠距離から援護と封印、ユーノなのはの講師をやりつつ実戦では二人のサポートとポジションが決められ、早速その日から魔法の教習が始められた。

 

「魔導師たちの胸の奥には、リンカーコアっていう魔力の生成器官があります、空気中にある魔力素を集めて、固めるようなイメージで、呼吸してみて下さい」

 

 光も、参考にと言う名目でユーノの教習に参加していた。なのはのことが心配であるのが大半だろうが……折角コアもあるとのことだし、戦術の幅を広げておきたいのも事実だった。

 なのはと違って、魔法の杖にあたる〝デバイス〟が無いので、せいぜい簡単なものしか試せなかったが。

 それからここ数日はジュエルシードを一回発見して、異相体と戦闘。

 それ以外の日は、専ら講義と実習ばかりが続いた。

 決してそれが無駄だったわけではない。

 なんせ才能があると言っても、まだなのはは魔法使いとして駆け出しな身。

 その日の教習が終わる頃には魔力を消費したことによる体力の消耗で、へとへとになることが多く、度々光に背負ってもらって帰宅することが多かった。

 光が立ち会えなかったある日の帰りのこと。

 

「な、なのは……大丈夫?」

 

 その日の講義で貯まった疲労を顔に出すなのはは、バリアジャケットを解除し、私服姿に戻ってるにもかかわらず。

 

「大丈夫………って言いたいけど……ちょっと疲れた」

 

 レイジングハートを起動したままの状態で、それを引きずりつつ夜道を闊歩すると言う、通行人に見られたら、説明に困る失態を起こしていた。

 

「それより、レイジングハートを……」

「うん、レイジングハート……モード、リリっ」

 

 当然、体力は魔力に、その魔力はデバイスの形態維持に吸い取られるわけで、疲労がピークに達したなのはは。

 

「はぁにゃ~~」

 

 バタリと、そのまま住宅街に囲まれた道路の真っただ中にて、うつ伏せで倒れ込んでしまった。

 

「なのは!大丈夫!?」

 

 実戦でガス欠になってピンチにならぬよう、早急に魔力を効率よく使う為にも必要な通過儀礼とも言えなくはないのだが………結局その日もなのはは光に背負われて帰宅した。 

 そしてこのあとユーノは―――

 

「あなたがいながら、どうしてなのはをこうなるまで放っておいたのですか!? この淫獣フェレットもどきがぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!」

 

 ―――無論の事、たっぷりとシスコンヤンデレナイトモードになった光にこってり絞りに絞られたことは、言うまでもない。

 

 

 

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