東風谷早苗は何事もなく高校に着き、何事もなく入学式を終えた。そして、教室に戻ってからは恒例の自己紹介が始まった。殆どの人がありきたりな自己紹介をしていて、中にはちょっとだけ面白い者もいたが本当にちょっとだけ面白いだけだった。それからまた何人かが自己紹介を終え、ついに早苗に番が回って来た。緊張しながら早苗は席から立ち上がり、自己紹介を始めた。
「ええと、東風谷早苗です。趣味は料理ですね。守谷神社で巫女をやっています。良かったら参拝しに来てくださいね。」
そう言い終えると東風谷早苗は座った。その直後、教室の生徒たちはざわめきに包まれた。なぜなら、神社の巫女など、普通の人ならば絶対になれるはずがない。それに驚くほど整った容姿もあってインパクトが抜群だったからだ。
皆さん一体何をざわついているのでしょうか。ただ神社で巫女をやっていると言っただけですよ?
その後、残った全員は特に特徴もないような自己紹介をした。全員の自己紹介が終わったら、先生がプリントを配り明日の事を話して、今日の学校は終わった。学校が終わったら早苗は素早く帰る準備をして直ぐに家に帰っていった。
「ただいま帰りました〜!」
「お帰り早苗〜。学校どうだった?」
「はい、皆さん良い人そうでしたよ。これからの学校生活が楽しみです!」
心の底からの満面の笑みで言葉を返した早苗を見て安心した諏訪子は少しだけ申し訳なさそうな笑顔を返した。
「それで神奈子様は何処にいるんですか?」
早苗がそう聞くと諏訪子は目を泳がせ始めた。なぜなら、神奈子は今幻想郷に移住する為の準備をしているからだ。勿論早苗はそんな事を知っているわけがないしまだ知ってはいけない。なぜ知ってはいけないのかと言うと、幻想郷に移住したらもう外の世界、つまりここにはもう帰って来れず友達とも辛い別れをしなければならないからだ。諏訪子と神奈子は、早苗がいつかは別れなければならないという事を知っておきながら友達と接する事を避けようとしたのだろう。
「か、神奈子?い、いやぁ、わ、私は知らないなぁ。や、やや山の方に修行でもしに行ったんじゃ、じゃないのかな〜?」
「諏訪子様・・・何か隠そうとしてませんか?」
「え!?いや、隠そうとなんて、あはは。そ、そんなことこの私がするわけないじゃん!」
「本当に隠していませんか?」
そう言ってジト目で諏訪子の目をじっと見つめていると、諏訪子がこれ以上ここにいたら何かを隠していることがばれると考えた諏訪子は玄関から家の中に向かって逃げ出した。
「わ、私は何も知らないよー!」
「あ、ちょっと逃げないでくださいよー!諏訪子様ー!」
早苗も素早く靴を脱ぎ、諏訪子を追う為に家の中に入ろうとしたのだが神奈子が諏訪子と入れ替わるように玄関にやって来た。
「あ、神奈子様!ただいま帰りました!」
「あぁ、早苗か。高校はどうだった?良い人見つけた?」
そう神奈子がニヤニヤしながら言うと、早苗は一瞬だけ顔を赤くしてから少し考える様な表情をしてから答えた。
「ええと、まだいませんね。」
早苗がそう答えると神奈子は少し残念そうな顔をした。
「あらそう。なら頑張って早く見つけなさい!」
「は、はぁ。」
最後に喝を入れたら神奈子はそそくさと家の中へと戻って行き、玄関にいるのは早苗1人になった。
少し神奈子様の様子がおかしかったけど何かあったんですかね。そんなことより、私も昼ご飯の準備をしませんとね。買い物にでも行きましょうか。
彼女もまた2人と同じ様に家の中へと入って行った。それから数分後、早苗は私服に着替えてから街へと繰り出した。目的の場所は勿論スーパーだ。今日は昼からセールで卵がとても安くなるらしく、そのせいで歩くスピードが少し早かった。
今日は卵が3パックで100円ですか。そんなに安くては今日から数日間卵料理ばかりになってしまいそうですね・・・。ですが、それも面白いかもしれませんね。今日から数日間卵料理オンリー・・・よし!面白そうだからやってみましょう!善は急げです。早くいきましょう!
早苗は、心の中でこれこら数日間卵料理オンリー生活を始める事を決意して走り出した。しかし、この決意はすぐ打ち砕かれる事になる。早苗が決意をしてから数分後、スーパー「藍々」に到着した。まだ正確には昼にはなっていなかったので、セールは始まっていなかったのだが、セール品を見ることは出来た。そこには、形が綺麗な卵達がずらりと並んでいた。
卵が本当に綺麗ですね。まるで芸術品みたいです。・・・張り紙がありますね。ええと、セールは12時からで、3パックで100円で1人3パックまで。て、え?1人3パックまでなんですか!?これじゃあ数日間卵料理オンリー生活ができないじゃないですかー。けど、仕方ありませんよね。ここのスーパーが作って売っている卵はとても美味しいですからね。私みたいに買い占めちゃう人が出て来てしまうから制限を設けているんですよね。
そう自分に言い聞かせた早苗は、まだセール開始には余裕があったので、卵に合う食品を探すべく肉のコーナーへと向かって行った。
今日のお昼はすき焼きなんてどうでしょうかね。いや、親子丼も良いですね。うーん、どれにしようか迷いますね。・・・よし、今日のお昼はオムライスにしましょう!
今日の昼のメニューを決めた早苗はオムライスで使う肉と玉ねぎと人参を買い物かごに入れた。そして気付いたらセールが始まろうとしていた。時刻は現在11時59分。卵のパックの数は全部で60個だ。全員が最高の3パックを買うとしたら20人が買える計算となる。セールへと赴く人は恐らく20人は軽く超えていた。つまり、今から卵争奪戦争が始まる訳である。
さてと、今日も気合を入れて行きますか。あと、ちょっと申し訳無いですが、能力を使わせてもらいましょうか。
何故能力を使うほど気合が入っているのかは分からないが、早苗の能力は奇跡を起こす程度の能力だ。奇跡といっても基本的には天気を操る能力である。しかし、本当に小さな範囲でなら天気以外の奇跡も簡単に起こせるのである。そして、セールが始まったら能力を使い、その能力で出来た人ごみの中にある一筋の道を歩き、危うげなく卵3パックを手に入れた。早苗を離れたところからみたら少し不自然なのだが、人ごみのせいもあってか、その不自然さに気づくものは誰1人としていなかった。無論、これすらも能力で気づかない様にしている可能性も十分考えられる。
さて、材料も全て揃いましたし帰りましょうかね。
と、達成感を滲み出して早苗はスーパー「藍々」から出て行った。帰りは特に寄り道もせず、普通に家に帰ってきた。
「神奈子様と諏訪子様ー!ただいま帰りましたー!!」
そう元気良く大声で叫ぶと2人のおかえりという言葉が居間から聞こえた。そして台所へと移動した早苗は直ぐにオムライスを作り始めた。オムライスの作り方は割愛するが、およそ15分後にふわっふわのオムライスが3人分出来上がった。作っている間は気づかなかったのか、オムライスの匂いに釣られて諏訪子がキッチンに来ていた。
「あら諏訪子様、どうされましたか?」
「いや、早苗って本当に料理上手だなって思って魅入っていたんだよ。結構な年数を早苗より生きているけど早苗に料理で勝てそうにない事を実感したよ。やっぱり才能なのかな?」
「いえいえ、これは努力をした結果です。才能ではありませんよ。」
そう謙遜している早苗を見て諏訪子は急にニヤニヤし始めた。
「いやー、やっぱり早苗は良い人だなー。彼氏の1人や2人、いや10人くらい軽く作れそうだなー。」
急に話を変えられてしかも恋の話をなんてふっかけられた早苗は顔を赤くしつつ居間へと戻るよう注意した。
「も、もう諏訪子様!なにをおっしゃっているんですか!早く居間へと戻ってください!ご飯ですよ!」
「はいはーい♪」
早苗の反応に満足したのか、諏訪子は居間へと戻って行った。
も、もう諏訪子様も神奈子様なんで恋の話ばかり持ちかけて来るんでしょうかね。やはり高校生と言えば恋?なのでしょうか。私にはそうはあまり思えませんけどね。きっと毎日友達とカラオケやゲームセンターに行って遊
びたおす事こそが真の高校生です!
よく分からない思考をしていた1分後、早苗は我に帰りオムライス3つを載せたお盆を居間へと運んで行った。
「おお、早苗の作るオムライスはやはり綺麗で美味しそうだな。」
そう神奈子はオムライスの出来栄えに感嘆の言葉を述べた。
「ありがとうございます神奈子様。今までの努力の結果ですよ。」
「やはり早苗は凄いな。良い嫁になりそうだ。」
良い言葉を言っていた筈なのだが、神奈子は不意打ち気味に話を恋愛話に変えてしまった。早苗は。神奈子の期待通り顔を赤くしていた。
「か、神奈子様何を言っているんですか!今はまだそんなことはどうでも良いです!!そ、それよりも早く食べませんか?」
と、カミカミで言った早苗を見た2人は、早苗には気づかないほど微かな儚げさを含めて笑っていた。
「あぁ、食べようか」
「食べよう食べよう!」
「では・・・。」
「「「頂きます。」」」
タイトルにストーリーが全く合ってない・・・。大丈夫ですちゃんと繋げますよ絶対。
さて、今回のお話ですが、3600はちょっと少ないかな。
早苗さんの日常を書くのって思いの外面白いですね。勢いで1週間全て書こうかな(笑)それよりも1話を早く改訂しないと。最初の1話で印象が決まっちゃうからね。次の更新はいつ頃になるのだろうか。・・・うん、わからない。そうだ、早苗さんの一週間の日常を全て書いて欲しいと思っている方は感想に
全部書いてください
とでも書き込んで下さい。精一杯執筆させて頂きます。
では、また次の話?でお会いしましょう。