中間テスト3日前
「おい、今いる奴ら全員聞け。」
少しクラスが騒がしかったが翔が壇上に立ち、声を発すると一気に教室中が静かになった。
お~、何か凄い。
「放課後話がある。クラスの奴ら全員残れ。今いないヤツにも伝えとけよ。だが、他のクラスのヤツにも言った場合殺す。残らないヤツも殺す。以上だ」
そう言って翔は廊下に行ってしまった。
もしかして、過去問渡すのかな?もう中間テストまで後3日しかないからたぶんそうだと思うけど。
そして、今いるクラスの生徒は登校してくるクラスメイトにすぐさま真剣な形相で何か話をしている光景を見た。
「優美さん。もしかして、今日の放課後過去問を配るんでしょうか」
ひよりちゃんがこっちに来て、コテンと首を傾げながら言った。
ひよりちゃんは今日も可愛いな!私の毎日の癒しだよ...!
「うん。たぶんそうだと思う。あ、そうだ。ひよりちゃん勉強会でいつも皆に勉強教えてくれてありがとう」
ひよりちゃんと金田くんのお陰でいつも助かってるんだよね~。
「いえいえ、お礼はいいですよ、したくてしていることなので」
ひよりちゃん優しいな!
「それに優美さんの方が大変なのではないでしょうか。石崎くん達がいますし。...お昼休みも勉強を教えているみたいですが、無理はしないでくださいね」
「ふふっ、ありがとうひよりちゃん。」
◎◎◎
そして、今日の授業が全て終わり、ホームルーム終了後誰一人として帰らない異常な光景を坂上先生が見ても、何も言わずに教室から立ち去った。
先生が教室から立ち去ったことを確認すると、翔が壇上に上がり口を開いた。
「ククク...全員揃ってるな。今から言うことは絶対に他クラスには言うなよ。もし漏れたら...それ相応のことをする。...容赦はしねぇ」
笑顔でそう脅しながら言ってくる翔。
周りを見ると皆真剣な顔をしながら聞いていた。
「此処に過去問がある。今回高1で行われる最初の中間テストはここから殆どの出るという情報を得た。...これを使って今回のテストに役立てろ」
その瞬間、教室中がざわめいた。
「本当ですか!?流石です!龍園さん!ありがとうございますっ!」
ガタッと音を鳴らして立ち上がり嬉しそうな顔をする石崎くんの姿があった。
勉強が苦手だから嬉しかったんだろうな。
他の皆も喜んでいた。
「あぁ。だから最低でも全教科答えを暗記してけよ。....これで赤点を取ったら許さねぇからな」
確かに赤点とって退学になったら大変な事になっちゃうもんね...。
「は、はいっ!」
石崎くんが元気よく返事をした。
「んじゃあ、優美とひよりと金田はこっちに来て過去問を配れ」
りょーかい
私が立ち、翔の元へ向かうとひよりちゃんと金田くんも翔の方へ来た。
それからは私達3人で過去問を皆に配って行った。
「全員行き渡ったな。...お前ら、俺に此れからも着いてこい。そうすれば今みたいにお前らを助けやるし、Aクラスにだって上がらせてやるよ。だから、裏切るような真似なんてするなよ?」
そう翔が言うと皆は頷いたりしていた。
今回の事で一応翔への信頼が高まった...かな。
これで下手にこのクラスを、翔を裏切ったりはしなくなるだろう。...守ってもらえなくなるかも知れないからね。それに、後々何が起こるか分からないし。
それから翔は満足したような顔をし、皆を解散させた。
それじゃあ、今日からはこの過去問を教材にして勉強会をしようかな。全部覚えて貰えるように。
▫▪▫▪▫▪▫▪▫▪
「それじゃあ、今日も勉強会を始めよう!今日からは、翔に貰った過去問を覚えていこうね~」
「なぁ、覚えるつってもどうやって覚えるんだ?」
え~とね~
「取りあえず、今日はひたすら過去問を解くこと!間違えたところは解き直しまでしてね。そうすれば少しずつ出来るようになると思うから!」
すると皆は、頷いたり返事をしてくれた
それじゃあ...まずは...
「じゃあ、まず最初は数学からやろう!過去問皆出してね」
すると、皆机の上に数学の過去問を出したりした
「よし。...それじゃあ、皆頑張ってね!よーい... スタート!」
合図と共に、皆は数学から順番に全教科テストを解いていった。私は、皆が解いていったものを急いで丸付けをしたりしていった。
「なぁ、優美。」
顔色が少し悪い石崎くんが声をかけてきた。
「ん?どうしたの?」
何かあったかな?もしかして私、採点ミスしちゃった...?
そう思っていると、石崎くんは自身が解いた解答用紙を私に見せてきた。
「赤でいっぱいなんだが...」
見ると、石崎くんの解答用紙には沢山赤が入っていた。
「最初はこんなもんだよ。大丈夫。これから覚えていけばいいんだから!頑張ろう!」
「でもよ...不安になってくるぜ...」
「今出来ることはとにかくたくさんこの過去問を解くことだよ。まだ後3日もあるんだから。きっと大丈夫!今出来ることを頑張ろう!」
「そうだな。サンキュー、優美」
「うん!」
一応これで大丈夫だよね。
...後3日もあるか。...本来なら後3日しかないって言いたいところなんだけどね。でも、きっと大丈夫!頑張ろう!
◎◎◎
勉強会が終わり、私は寮に帰るついでにコンビニに寄ろうと道を歩いていた。いつもは皆と帰ってるんだけど今日はコンビニで食料を買いたかったので皆には先に帰って貰った。
お腹空いたな~と思いながら私はコンビニへ寄り、必要な物を買ってコンビニを出て寮に帰る為に右へ曲がった。すると、100m程先にベンチがあり、そこに少女達2人の姿があった
1人はベンチに座っている特徴的な美少女。そして、もう1人、ベンチの側で立っているロングヘアの美少女が居た
え、うそ...。
私はある人物がいることに思わず驚いてその場で立ち止まってしまった。
あの子...もしかして...。
すると、2人の美少女が私の方へ視線を向けた。
特徴的な美少女は一瞬目を見開いて驚いたがすぐ不適な笑みを浮かべると、立ち上がって私の方へと向かってきた。
コツン、コツンと音が響く。
「お久しぶりです優美さん。8年と326日ぶりですね。...まさかこんなところでお会いすることが出来るなんて、嬉しいですね」
そう言いながら私の方へコツン、コツンと杖をつきながら歩いていき私の前で立ち止まった。
やっぱり...銀髪で帽子を被っていて、杖を付きながら歩いている女の子...。8年前、彼女と会ったあの日の事がプレイバックする。
「有栖ちゃん...?」
「はい、そうです。お元気そうで何よりです優美さん。」
やっぱり有栖ちゃん...か。幼かったあの日から結構経つけど可愛らしさがまして可愛いな。
「久しぶりだね!有栖ちゃんも元気そうでよかったよ。」
「ふふっ、ありがとうございます。」
「ねぇ、ちょっとこの人誰?」
ロングヘアの美少女が近づいて来ていった。
「ふふっ、彼女は私の友達の花里 優美さんですよ真澄さん。」
「友達?...へぇ、あんたにそんな存在が居たなんてね」
「ふふふっ」
彼女は退屈の無い、楽しそうな表情をした。
ロングヘアの美少女..誰だろう?美人だなぁ~
そう思いながらロングヘアの美少女さんを見ていると有栖ちゃんが私の視線で気づいたのか教えてくれた。
「あぁ、そうでした。優美さん、彼女は神室 真澄さんです。優秀な方で私の『お友達』です。是非仲良くしてくださいね」
有栖ちゃんの友達なんだ!仲良くしたいな~
「そうなんだ、よろしくね!真澄ちゃんって呼んでもいい?」
「好きにして」
不機嫌そうに言う彼女。でも好きにしてってことは呼んで良いってことだよね!
「ありがとう!」
私は彼女に向かって笑顔を向けると、有栖ちゃんが不適な笑みを浮かべた。
「それにしても、優美さんもこの学校に来ていたんですね。今まで気づきませんでした。此処で会えたこと嬉しく思います」
私も全然気づかなかったよ~。色々忙しくて他クラスの偵察とかには行って無かったし。...もしかして翔なら他クラスの子について何か知ってるかな...?後で聞いておこう。
有栖ちゃんが私に会えて嬉しいって言ってくれて嬉しいな~!
「意外と気づかないものだよね~。私も気づかなかったし。私も有栖ちゃんと会えてよかったよ!」
「優美さんの事ですからこの学校に居るならてっきりAクラスかと思いました」
それは絶対に無いよ。私、エリートじゃないし。
「そんなこと無いよ。有栖ちゃんより劣っちゃうもん。あ、私はCクラスだよ」
有栖ちゃんは本当に凄いんだよね。正真正銘の『天才』だもん
「自分を謙遜しない方がいいですよ?優美さんは私が認めた人物なんですから。」
自分を謙遜してる訳じゃないだけどな...。事実だし。だって私はーーー
...でも、有栖ちゃんはが私を認めてくれたのなら取りあえずお礼は言っておこう。
「ありがとう...」
「はい。...ふふっ、優美さんとクラスが違うのは残念ですが嬉しい気持ちもありますね。クラスが違うということは貴方と戦うことが出来るということ。とても楽しみです。私、最近までずっと学校生活が退屈だったんです。ですが、楽しみになってきました。貴方という方がこの学校にいるなら、これからは退屈しないかもしれませんね。...是非、私を楽しませてください優美さん。」
楽しませる...かぁ
「う~ん、期待に答えられるように頑張るよ。...でも有栖ちゃんがAクラスならAクラスに上がるのは骨だなぁ。」
有栖ちゃんがいるなら、もっと頑張らないとAクラスには上がれないよ翔。
「ふふっ、頑張って来てくださいね。」
「うん。」
「そういえば、もうすぐ中間テストですが優美さんのクラスは大丈夫ですか?」
中間テストか...。過去問があるから一応順調...かな...?
「うん。まぁ、順調かな...?有栖ちゃんのクラスは?」
「ふふっ、私のクラスも順調です。」
そっか。皆に退学はして欲しくないからよかったな。でも、Dクラスの皆大丈夫かな...?心配になってきた
「ねぇ、アンタ達自分達のクラスのこと話してるけど普通自分達のことを話すんじゃないの?」
真澄ちゃんが不思議な顔をして言った
その事か...えっとね。
「「有栖ちゃんならテストで退学にはならないと思ったからだよ!/優美さんならテストで退学にはならないと思ったからですよ」」
あ、有栖ちゃんと言葉重なっちゃったな。
...有栖ちゃんが私を誉めてくれるのは嬉しいけど大袈裟に評価し過ぎだよ有栖ちゃん。
そう思っていると真澄ちゃんは驚いた様な複雑な顔をした
「そ、そう」
「...あ、そうだ。良かったら連絡先交換しない?」
仲良くなりたいから連絡先交換しないな~
「いいですよ。...真澄さんもしてくださいね」
「はぁ、分かってるから」
そして、2人と連絡先を交換した
2人ともありがとう!
「それでは優美さん、後3日、中間テスト頑張りましょうね」
「うんっ!じゃあまたね。バイバイ」
そして私は寮に帰る為に歩いていった
◎◎◎
「ねぇ、坂柳」
「なんですか?」
「あの子、花里優美だっけ。そんなに凄い人なの?」
「真澄さんは優美さんの事どう思いましたか?」
「...いい人っていうイメージぐらい。でも坂柳程凄い人だとは思わなかったけど」
「ふふふっ、彼女は凄い方ですよ。」
「へぇ、というか、あんな子と何処であったの?確か8年ぶりとかって言ってたけど」
「ふふっ、8年と326日ですよ。...彼女は自分をいつも謙遜していますが、相当凄い方です。あの日、彼女は私を楽しませてくれました。とても楽しかったです。...早く彼女とまた戦いたいですね。今度またチェスを誘ってみましょうか」
「何か坂柳、いつも以上にニヤニヤしてて気持ち悪い」
「ふふっ、そうですか?ですが、とてもこれからが楽しみです。まず最初の課題は3日後に予定されている中間テスト。...彼女が後3日の間でどうCクラスの方達を導くか。...あの攻略法、彼女は気づいているでしょうか。いえ、きっと気づいているでしょうね。気づかないわけがありません」
そう言って、子供のように無邪気に銀髪の少女は笑みを浮かべた
いつも感想や評価を付けてくださりありがとうございます!
どうだったでしょうか?今回は坂柳有栖が初登場しました!次回もお楽しみに。