翔との話を終えて席に着いたときメガネを掛けた真面目そうな人物が入ってきた。
Cクラスの担任の先生かな?
「皆さん、席に着いて下さい」
そう言うと席を立っていた生徒は次々と自分の席へと戻っていった。
「…全員揃っているようですね。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私はこのCクラスを担当することになりました、坂上数馬です。普段の授業では数学を担当しています」
坂上先生か。名前的に数学が得意そうな先生だから数学を担当してるのは少し納得いくかも。
真面目そうな先生だな。翔との相性は…どうなんだろ?問題行動が嫌いな性格をしてたら、坂上先生哀れだよ…
まぁ、翔が問題行動起こさないように私も頑張るけど…
「この学校には学年ごとのクラス替えは存在しません。卒業までの三年間、私が担任として皆さんと学ぶことになります。改めて、よろしくお願いします。」
んん?今聞き捨てならない事が聞こえた気がするんだけど…?…え、ちょっと待ってクラス替え…無いの…?嘘…だよね?翔と3年間同じクラスとか冗談じゃないんだけど!?
パニックになりながらバッと翔を見ると私の視線に気づいたのか此方を見ながらニヤニヤしていた。
「さて、今から一時間後に体育館にて入学式が行われますが、その前にこの学校における特殊なルールについて説明します。今から資料を配布するので、一部ずつ受け取って下さい」
私は前から回ってきた資料を貰った。
ふぅっ、1回落ち着こう。うん、『学年ごとのクラス替えは存在しない』ってことはもしかしたら個別で別のクラスに移動できるかも知れないもんね!
それにきっと席替えだってあるはず!まだ希望はあるよね!
気持ちを切り替えて、先程配られた資料を読んだ。
「今から、全員に学生証端末を配布します。この端末には校内全ての施設を利用したり、売店などで商品を購入するためのクレジットカードのようなものが内蔵されているのです。つまり、ポイントを現金のように使うという事になります。ちなみに、この学校内で買えないものはありません。学校にあるものなら、なんでも購入が可能です」
...ほぇ~、なんでも買うことができるのかー。
じゃあ、文字通りなんでも購入できるもかな?例えば…『人権』とか。
…まぁでもそれは流石に無いか~。ここは学校だし。……でも、もし出来るなら……ちょっとやばいことになっちゃうかも、ね。
「ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっています。今君たちには全員平等に10万ポイントが支給されている筈です。このポイントには、1ポイントにつき1円の価値があります」
坂上先生がそう言った瞬間、教室中が騒ぎだした。
おお~。10万ポイントって…すごい金額だよね…。
流石政府が作った学校。怪しさ満々過ぎて逆に怖い…。
これきっと沢山ポイント使いすぎちゃったら痛い目にあいそう…。気をつけとこ。
皆が喜びの声を上げてる中、私はチラッと翔の方を見ると不適な笑みを浮かべていた。
うわぁ~、翔何か問題行動起こしそうだなー…。
「額の大きさに驚きましたか?ここは全て実力で生徒を測る学校です。学校側から、入学した君たちにはそれだけの価値がある、と判断されたという訳です。ちなみに卒業時に現金化はできないので、無理に貯めておいてもあまり意味はないので注意してください。ですが、カツアゲなどの行為だけは絶対にやめてください。この学校はいじめに対しては、敏感です」
…なるほど『実力で生徒を測る』ね。
なんとすごい言葉が出てきたよー。
これは…近い内に戦争でも起こりそうだな。
翔もいるし…はぁ、絶対いやな予感しかしない…とんでもない学校にきちゃった…。
…波乱な高校生活になりそう…。
「何か質問がある人は居ますか?」
私は素早く手を挙げた。
隣からも手を挙げている様子が見られた。
どうやら翔も挙げたっぽいね。そして手を上げたってことは…流石翔。気づいたのかな。…でも出来れば気づいてほしくなかった…何しでかすかわからないし。
「ふむ、2人ですか。では、龍園くんからどうぞ」
「 この学校は俺達に入学のご褒美として10万ポイントをくれたが、毎月の支給額は幾らなんだ?」
翔の言葉を聞いた瞬間、坂上先生は驚いて一瞬目を見開いた。
「...この学校は生徒の実力を測る。そういうことです。」
「ハッそうかよ」
…うん、翔さ質問をするのは良いと思うけど、敬語使おう?年上だよ?先生だよ?中学校でもそうだったけどさ、そろそろ直そう?いや、中学校もそうだったけど小学校の時もだったよね。
「では次、花里さんどうぞ」
って、私の番か。翔は満足そうに座って私を見てるし…。そんなニヤニヤして、新しい玩具を見つけた子供見たいな顔しないでよ…。
まぁ、いっか。取り敢えず翔はほっとこ。
私も質問しないと。…って言っても、言いたいこと1つ翔に言われちゃったんだよね~、じゃあ…別の事言お。
「あの、幾つか聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「どうぞ」
よかった!
「ありがとうございます。じゃあまず先程...『学年ごとのクラス替えは存在しない』と言っていましたが、個別では他クラスへ行くことは可能なんですか?」
やっぱまずはこれを聞いとかないとね~。
うう、どうかな…?お願いだから先生、イエスと言ってください…!この質問の回答で私の高校生活がかかってるんだよ…!!坂上先生お願いします…
「…今のところ学年ごとのクラス替えは存在しないとしか言えませんね」
お?これは…もしかしたらあるかもしれないっていうことだよね!よっしゃ!まだ希望は捨てずにすむ!
「そうですか、ではクラスで席替えはありますか?」
席替はないと本当に死ぬ。精神的に。
あんな不良みたいな人とずっと隣とかそろそろ耐えられない。私はひよりちゃんと隣になりたい…!
「ええ、あることにはありますが、当分席はこのままの状態になると思います」
えぇ…最悪だ…。まじかぁ…悲しい…。
普通1、2ヶ月で席替えとかあるのに…。
当分このままなのかぁー。残念すぎる…。
「質問は以上ですか?」
「あ、後もうひとつだけ…この学校では中間・期末テストで赤点などを取ると退学になってしまったりはしますか?」
私がそう言うと教室中が騒ぎだし、先生も目を大きく見開いて驚いていた。あの隣に座っていた翔もそれは例外ではない。
まぁ、やっぱこう聞いたらそう言う反応するよね~。『実力で生徒を測る』って言うぐらいならこういうこともあるのかな?って思ったんだけど…。
どうかな?そうじゃないことを祈りたいんだけど…。
「…今のところは何とも言えないですね」
…う~ん。その反応は、どうやらアタリ…なのかな。
坂上先生、眉が少しぴくってなってたよ。
「そうですか、時間を取らせてしまいすいません。ありがとうございます」
私は笑顔でお辞儀をして席に座った。すると、先生は何故か翔みたいな不適な笑みを浮かべた。
うわぁ…。
「他に質問はありますか?」
そう言い、教室をぐるっと1周見る。
「無いみたいですね。それでは良い学生生活を送ってください」
そう言って先生は教室から立ち去った。
…はぁ、なんかすごい学校に来ちゃったなぁ~。
そう思って私は教室中を見渡した。
やっぱりこのクラス…個性的な生徒がいっぱいる。
おっきい外国人みたいな人に、元気の良さそうな人に、ガタイのいい人、顔がちょっと怖そうな人や頭が良さそうな人などなど。
…取りあえずみんなの事知りたいから自己紹介でもするか。
ふぅ
「ねぇみんな、ちょっといいかな?」
どうでしたか?もしよければ参考にしたいので感想と評価をくれると嬉しいです。
読んでくれてありがとうございます!