ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ 作:レイ1020
「食らうが良いわ!」
ザバンがそう叫ぶと同時に地面から何やら黒い霧の様なものが現れ、私たちを飲み込もうとしてきていた。その霧はどこか毒とは違う何か禍々しいオーラを纏っている様な感じなのだが・・・・・・もしかしてこれって?
「っ!まずいっ!二人とも下がって!」
「姉貴!?いったい何を・・・・・・って、何でがすかこの霧!?身体が動かせ・・・・・・っ」
「ヤンガス!」
その霧の正体にいち早く気づいた私は、霧に巻き込まれる前に一歩後ろに下がり、その霧を回避する事に成功した。だが、反応が遅れたエイトとヤンガスはそのまま何も出来ずに霧に巻き込まれてしまった。・・・・・・何故か、エイトは巻き込まれても何ともない様だけど、ヤンガスに至っては体がまるで麻痺をしているかの様に動けなくなってしまっていた。・・・・・・やっぱりそうだったんだ。
「エイト。大丈夫?」
「ああ、俺は何とか・・・・・・だけどヤンガスが・・・・・・」
「おそらくあれは呪いだよ。あの黒い霧に触れると呪いにかかってしばらく動けなくなるみたい。でも、幸いエイトは呪いに強いみたいだし、他の攻撃に気をつけてれば大丈夫だよ。ヤンガスを助けるのはとりあえずザバンを倒してからにしよう」
「そうだな・・・・・・」
とにかく今はザバンを何とかしないとヤンガスを助け出すこともできない。そう悟った私たちは、エイトを先頭にザバンへ攻撃を仕掛けた。
「やるのう!【ギラ】!」
「任せて!【ベギラマ】!!」
「なっ!?わしの呪文を飲み込んで・・・・・・ギャァァァ〜〜〜ッ!!!」
私が放った【ベギラマ】は【ギラ】をそのまま飲み込み、ザバンへと直撃した。
「まだまだ!【ヒャダルコ】!!」
「グギャァァァ〜〜〜ッ!!!」
「今だよエイト!お願い!」
「ああ!いくぞ!」
私による魔法の追撃によってだいぶ体力が削られたのか、明らかに疲弊しきってる様子のザバンにエイトが止めをさしに駆け出した。
「お、おのれ〜〜・・・・・・」
「【火炎斬り】!!」
「うぐわぁぁ・・・・・・っ」
エイトの攻撃を避ける気力もなかったのか、まともに攻撃をくらったザバンは盛大に吹き飛び、手を地面につけながら額の古傷を押さえていた。
「痛い、痛い、痛いわ・・・・・・古傷が痛むわい・・・・・・それもこれもお前達のせいじゃぞ!」
「仕掛けてきたのはそっちでしょ・・・・・・」
「そこじゃないわい!お前達がこの滝にこんな水晶を投げ込むことがそもそもの原因なのじゃ!」
「俺たちじゃないよ・・・・・・」
「なに!?さてはお前達、この水晶の持ち主ではないな!・・・・・・じゃが確かにわしの偉大なる攻撃にもびくともせんかったお前達は占い師には見えんのう・・・・・・」
「そうでがす!誤解だ誤解!」
いつの間にか呪いが解けたのか、ヤンガスも会話に参戦してきた。
「そういえば水の流れに乗ってこんな噂を耳にしたのう。トロデーンという城が呪いによって一瞬のうちにイバラに包まれた。ただ
「兄貴、姉貴・・・・・・それって・・・・・・」
「「・・・・・・」」
うん。どう考えても私たちのことだよね?まさかこのザバンが知ってるとは思いもしてなかったけど。
「それは多分俺たちのことだよ」
「そうか・・・・・・やはりお主らであったか。そんなお主らが何故水晶を求めるかは知らんが、この水晶はお主らにくれてやろう。わしに勝ったのじゃからな」
「うん。ありがと」
私はお礼を言いながらザバンから水晶を受け取った。これでとりあえず目的は達成したね。
「それからじゃ!」
「ん?まだ何かあるのか?」
「もしお前達が水晶の本当の持ち主に会うことがあったら伝えてくれい!『むやみやたらと滝壺に物を投げ捨てるでない!』とな・・・・・・そろそろわしは失礼するぞい。古傷が痛むのでな・・・・・・」
ザバンはそう言い残すと、滝の中へ帰っていった。その言葉だけでも私は何となく察することができた。
「(ルイネロさんは、水晶を無くしたわけじゃなく、自らの手でここに捨てたってことか・・・・・・いったいどうしてだろ?)」
「・・・・・・?どうかしたシシリー?」
「ううん。何でもない。さ、早く帰ろっか。トロデ王も待ちくたびれてるだろうしね」
その事は後で本人に聞けば良い。そう割り振った私は、二人とともに洞窟を出るのだった・・・・・・。
次でトラペッタ編は終了となります。