ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ   作:レイ1020

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あの日の真実

「シシリー!」

 

 

 

私が屋敷を出て少し経った後、二人が屋敷内から出てきた・・・・・・約一名子供を連れて・・・・・・。

 

 

 

「え〜っと?どう言う状況?」

 

 

 

「話すと長くなるんだけどね・・・・・・」

 

 

 

エイトとヤンガスから話を聞いたところ、どうにもこの屋敷にいるはずのゼシカさんが部屋の中にいないことが発覚したらしい。エイトがいつも連れてるネズミのトーポが、ゼシカさんの部屋から持ってきた手紙を今目の前にいる少年、ポルクに見せたところ、手紙に書かれていた”リーザスの東の塔”へ行き、ゼシカさんを連れ戻すと言うことになったようだ。・・・・・・なんともまぁ、面倒なことに・・・・・・。

 

 

 

「なるほどね。つまりそのゼシカさんを連れてくればいいってことね?」

 

 

 

「そうでがす!なんでアッシらが人探しなんてやらなきゃいけねーのか未だに謎なんでげすが・・・・・・」

 

 

 

「おい!こうなった原因はお前達にもあるって言っただろ!?つべこべ言ってないでさっさと行くぞ!」

 

 

 

私たちのいうことなど知ったことかとでも言わんばかりに、ポルクはさっさと村を出てしまった。私たちも慌ててその後を追いかけ、リーザスの東の塔へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

「近くで見ると・・・・・・とても大きいな〜・・・・・・」

 

 

 

リーザス村からこの塔まではそこまで離れてはいなく、数分で着いた。遠目からでも大きな塔だなって思ってたけど、近くで見るとさらに大きく見えた。

 

 

 

「さて・・・・・・さっさと中に入ってゼシカさんを探すと・・・・・・あれ?開かない?」

 

 

 

「兄貴?何やってるんでがすか?開かないんだったらアッシが代わりに・・・・・・っ!?あ、開かないでげす・・・・・・」

 

 

 

二人が頭の中に入ろうと頭の扉を開こうとしているけれど、その扉は押しても引いてもびくともしてなかった。・・・・・・何か特別な開け方でもあるのかな?

 

 

 

「はっはっは〜!その扉の開け方は村の人にしかわからないんだ!・・・・・・見てろよ?・・・・・・それっ!!」

 

 

 

ポルクは扉に近づくと、扉の取手ではなく、扉の下部の隙間に手を引っ掛けるとそのまま力一杯上へと押し上げた。なるほど・・・・・・この扉は上にあげることで開くようになっていたんだ。

 

 

 

「ざっとこんなもんだ。というわけでオイラが案内できるのはここまでだ。後はお前達に任せるからな!絶対にゼシカお姉ちゃんを連れ戻してこいよ〜!!」

 

 

 

ポルクはそう言い残し、村へと帰っていった。

 

 

 

「よし、道は開けたわけだし、中に入ろう。早くゼシカさんを見つけないといけないしね」

 

 

 

「中にも魔物はいるって話だからね。私たちも気を引き締めていかないと・・・・・・」

 

 

 

「そうでがすね・・・・・・」

 

 

 

塔の中はとても入り乱れていて、目印でも建てていない限り、迷ってしまうのではないかと思えるほどだった。特に登っている途中にあった”回る壁”には苦労させられた。

 

 

 

魔物に至っては、人面ガエルやカブト小僧、ホイミスライムなどがいたが、人面ガエルは人面状態の攻撃に気をつけていれば問題は無く、カブト小僧はこちらを転ばせて行動不能にする攻撃に警戒すれば脅威では無く、ホイミスライムは【ホイミ】で回復される前に集中攻撃で倒してしまえば安定して倒せる。結果として、特になんの問題もなく魔物達は退けた。

 

 

 

入り組んだ道に何度も迷い、魔物達の相手をしながら、一つ一つ階段を登って行き、やっとの思いで私たちは塔の頂上へたどり着くことができた。頂上にあったのは一つの女の人の銅像だった。目が何やら赤く光り輝いているけど、何か特別なものでできてるのかな?

 

 

 

「頂上って言ってもあるのは銅像一つでがすか・・・・・・てっきり何かお宝でもあるもんだと・・・・・・」

 

 

 

「ただの塔だもん。そんなのあるわけないよ・・・・・・ってそんなことより、ゼシカさんは?ここにはいないようだけど?」

 

 

 

「そういえば来る途中にも見かけなかったけど・・・・・・どこに行ったんだろ?」

 

 

 

そう。私たちの目的は塔の頂上にくることでは無く、ゼシカさんの捜索だったんだ。ここにくる途中にも見かけなかったことから、この塔にはすでに居ないのではないか・・・・・・そう思っていた矢先だった。私は後ろに人の気配を感じたため、振り返ってみると、そこには一人の女性の姿があった。

 

 

 

「っ!!あんた達・・・・・・・・・・・・。とうとう現れたわね!リーザス像の瞳を狙って絶対にまた現れると思っていたわ!・・・・・・兄さんを殺した盗賊め!兄さんと同じ目にあわせてやる!」

 

 

 

「へ?うわっ!」

 

 

 

その女性は私たちを盗賊か何かと勘違いしているのか、エイトに向けて【メラ】を放ってきた。エイトは咄嗟に避け、そのまま【メラ】は銅像に当たり、銅像が燃え上がった。ん?待てよ?確かあの人・・・・・・『兄さんと同じ目に』って言ってたよね?・・・・・・もしかして!

 

 

 

「待ってゼシカさん!私たちは盗賊じゃ・・・・・・きゃっ!」

 

 

 

なんとか説得を試みてみるものの向こうは聞く耳持たず、私たちに魔法を撃ってくるばかりだ。私の予想が正しければ、あの人がゼシカさんなんだろう。向こうの気持ちのことを考えれば、私たちは自分の兄を殺めた仇とでも思ってるんだろう。確かにそれならばこの攻撃は納得だけど・・・・・・。

 

 

 

「(勘違いとすればたちが悪すぎる!)お願いだから話を・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・なかなかにしぶといわね。だけどこれで終わりよ!覚悟・・・・・・しな・・・・・・さ・・・・・・い・・・・・・」

 

 

 

『ま・・・・・・待て・・・・・・待つんだゼシカ・・・・・・』

 

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

 

ゼシカさんが最大限の魔力を込め、私たちに魔法を放とうとしている中、どこからとも無く聞こえてくる声に私たちは戸惑う。

 

 

 

『私だ・・・・・・ゼシカ・・・・・・私のことがわからないか?』

 

 

 

「まさ・・・・・・か・・・・・・兄さん?・・・・・・サーベルト兄さんなの!?」

 

 

 

『あぁ・・・・・・ゼシカ、その方達は私を殺した人たちでは無い。とにかくゼシカ・・・・・・その魔法を解くんだ・・・・・・』

 

 

 

「解けって言われても・・・・・・もう抑えられないわよ・・・・・・!」

 

 

 

「・・・・・・大丈夫だよ。【マホトーン】!」

 

 

 

魔力が暴走しかけているゼシカさんに、私は対象の魔法を封じ込める魔法【マホトーン】を唱えた。すると、途端にゼシカさんの魔法の威力は収まり、やがて静かにその魔法は消え去った。

 

 

 

「っ・・・・・・これは?」

 

 

 

「これで大丈夫でしょ?さぁ、はやく行ってあげなよ?」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

何か言いたげな顔をしたゼシカさんだったけど、そんなことよりも!とでも思ったのか、私たちの横をすり抜け、声がした銅像の元へ駆け出していった。

 

 

 

「サーベルト兄さん?・・・・・・本当にサーベルト兄さんなの!?」

 

 

 

『ああ、そうだとも。・・・・・・聞いてくれゼシカ。そして、そこの旅のお方よ・・・・・・』

 

 

 

「俺たちも?」

 

 

 

なぜ私たちにもと思ったけど、とりあえず聞いてみようと私たちは銅像に近づいた。

 

 

 

『死の間際・・・・・・リーザス像は我が魂のかけらを預かってくださった。・・・・・・この声もその魂のかけらの力で放っている・・・・・・。だから・・・・・・もう時間が・・・・・・無い・・・・・・』

 

 

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

 

 

『像の瞳を見つめてくれ・・・・・・。そこに真実が・・・・・・刻まれている・・・・・・。さぁ・・・・・・急ぐんだ・・・・・・』

 

 

 

言われるがままに、私たちとゼシカさんは像の赤い瞳を覗いてみた。・・・・・・するとそこにはサーベルトさんと思わしき人が塔の頂上に立っている姿が映し出されていた。

 

 

 

『あの日・・・・・・塔の扉が開いていたことを不審に思った私は・・・・・・一人でこの塔の様子を見にきた・・・・・・そして・・・・・・奴と出会したのだ・・・・・・』

 

 

 

その瞳に映った光景・・・・・・それはサーベルトさんが一人でリーザスの東の塔に様子を見にきた様子と・・・・・・頂上でサーベルトさんが道化師のような男と出会し・・・・・・・・・・・・彼の胸を道化師の持つ杖が貫通する光景だった・・・・・・。・・・・・・もしかして、あの男が・・・・・・。

 

 

 

「ドルマゲス・・・・・・なの?」

 

 

 

「おそらくそうだろうね・・・・・・なんて酷いことを・・・・・・」

 

 

 

私を含めた全員が憤りと悲しみの感情が出ているのがわかった。・・・・・・それだけ奴・・・・・・ドルマゲスは酷いことをしたんだから。

 

 

 

『旅の方よ・・・・・・リーザスの像の記憶・・・・・・見届けてくれたか・・・・・・。私にも何故かはわからぬ・・・・・・だが、リーザス像は・・・・・・そなた達が来るのを待っていたようだ。・・・・・・願わくばこのリーザス像の記憶が・・・・・・そなた達の旅の助けになれば私も報われる・・・・・・』

 

 

 

徐々にだが、サーベルトさんの声が薄れていっていることから、もうすぐ魂のかけらの力も無くなるのだろうと思えた。

 

 

 

『ゼシカよ・・・・・・。これで我が魂のかけらも役目を終えた。・・・・・・お別れだ・・・・・・』

 

 

 

「そ・・・・・・そんなっ!いやっ!待ってよ兄さん!逝かないでっ!」

 

 

 

ゼシカさんのその悲痛の叫びも虚しく、声はさらに遠くなっていった・・・・・・。

 

 

 

『ゼシカよ・・・・・・最後にこれだけは伝えたかった・・・・・・この先も母さんはお前に手を焼くことだろう・・・・・・だが、それでいい。・・・・・・お前は自分の信じた道を進め・・・・・・さよならだ・・・・・・ゼシカ・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

その言葉を最後に・・・・・・サーベルトさんの声は聞こえなくなった。どうやら役目を終え、天へと帰ったようだ・・・・・・。ゼシカさんはその場で崩れ落ち、静かに涙をこぼしていた・・・・・・。

 

 

 

「ふーむ・・・・・・なんということじゃ。あのサーベルトとやらを殺した者、間違いなくわしらが追っておるドルマゲスじゃ!」

 

 

「おっさん!?いつの間に!!?」

 

 

何故かいつのまにかこの場にいたトロデ王にヤンガスだけでなく私たちも少なからず驚いていたが、トロデ王は気にせず喋り続けた。

 

 

「何故かわからぬが、あのサーベルトとやらもまた、わしらにドルマゲスを倒せと言っておるようじゃった。ふむ・・・・・・彼の想いを無駄にしてはならんな。これでまた、奴を追う理由が出来たというわけじゃ」

 

 

「そうですね。彼の死は・・・・・・決して無駄にはしません」

 

 

「願わくば、サーベルトさんが安らかに眠ってほしいものです・・・・・・」

 

 

サーベルトさんの死を見届けた私たちは、今は一人にしてあげようと、ゼシカさんをその場に残し、戻ろうとした。だがそんな折、ゼシカさんが私たちを呼び止めた。

 

 

「あ、あの・・・・・・名前も聞かないで誤解してごめんなさい・・・・・・。村に戻ったらちゃんと謝るから・・・・・・だから、今はもう少しこの場にいさせて?ごめん・・・・・・少ししたら帰るから・・・・・・」

 

 

「わかった。じゃあ私たちは先に戻ってるから・・・・・・」

 

 

これ以上この場にいるのは邪魔だと判断し、私たちは早急にその場を後にし、リーザス村へ戻るのだった・・・・・・。

 




リーザスの塔は長くなりそうなのでダイジェストにさせてもらいました。あまり長くやるのもきつそうだからです。
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