ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ   作:レイ1020

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今回は視点がエイトに変わります。多分初めてかな?


譲れない想いと決意

視点 エイト

 

 

 

俺たちは塔を後にした後、リーザス村に戻ってきた。すると、ポルクが待っていたと言わんばかりに俺たちのもとへ駆け寄ってきて、ことの顛末を聞きにきた。大体の内容をポルクに説明すると、ポルクは納得の意を表し、お礼として宿に泊めてもらえることになった(ポルク曰く、自分とマルクが貯めたお小遣いで宿代を支払ったらしい)。

 

 

 

そして翌日、ゼシカさんが屋敷に戻ったとの話を聞いたため、俺たちはすぐに会いに行こうとしたんだけど・・・・・・。

 

 

 

『ごめん!私は適当に村を散歩してるから二人だけで行ってきて!それじゃ!』

 

 

 

と、こんな感じで何故かシシリーが屋敷に行きたがらなかったため、仕方なく俺とヤンガスだけでいく事になったんだ。・・・・・・シシリーってたまにあんな感じになるよな・・・・・・。

 

 

 

「さて・・・・・・ゼシカさんはどこ・・・・・・って・・・・・・ん?なんか”言い合い”みたいな声が聞こえてこないか?」

 

 

 

「そうでがすね?なんかあったんでがす・・・・・・か?」

 

 

 

屋敷の階段を登りながら、そんなことを話していると、二階の居間に何やら険悪そうな雰囲気を醸し出しているアローザさんと、ゼシカさんの二人が視界に入った。・・・・・・多分だけど、さっきから聞こえる言い合いはあの二人がしている事だな・・・・・・。

 

 

 

「お、おいおい君たち・・・・・・今はあの二人は取り込み中だ・・・・・・話なら後で・・・・・・って、シス・・・・・・あの女性の方は一緒では無いのか?」

 

 

 

俺たちが対応に困っていたところに、昨日会ったシシリーの知り合いの男性が声を掛けてきた。

 

 

 

「シシリーのことか?シシリーは村を回って来るって。だから今はいないよ」

 

 

 

「シシリー・・・・・・そ、そうか。ならばいいが・・・・・・(で、殿下・・・・・・まさか仲間のこの二人にも正体を話していないのか?)」

 

 

 

何故か顔をひくつらせているが、気にしないでおこう。とにかく今は話しかけるべきで無い時であれば、少し待つ事にしよう。そう決めた俺たちは、遠目から二人を見つめる事にした。

 

 

 

「もう一度聞きます。ゼシカ、貴女には兄であるサーベルトの死を悼む気持ちは無いのですか?」

 

 

 

「・・・・・・またそれ?何度も言わせないでよ。悲しいに決まってるでしょ!?ただ、家訓家訓って言ってる母さんとは気持ちの整理の付け方が違うだけ。私は兄さんの仇を討つの!」

 

 

 

「仇を・・・・・・討つですって?ゼシカ!バカを言うのはいい加減にしなさい!!貴女は女なのよ!?サーベルトだってそんなことを望んではいないはずよ!今は静かに先祖の教えに従って兄の死を悼みなさい!」

 

 

 

徐々にヒートアップしていく二人。遠目から見てるメイドさん達はもはや震え上がっている始末だ。

 

 

 

「もう!いい加減にして欲しいのはこっちよっ!!先祖の教えだの家訓だのってそれが一体なんだっての!?・・・・・・どうせ信じやしないだろうけど、兄さんは私に言ったわ!『自分の信じた道を進め』ってね!だから私はどんなことがあっても絶対に兄さんの仇を討つわ!それが自分の・・・・・・私が信じた道だから!」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

アローザさんはゼシカさんの魂とも思える叫びと決意を聞かされ、何かを考えている様子だった。・・・・・・やがて、ゆっくりと口を開いた。

 

 

 

「・・・・・・わかったわ。そこまで言うなら好きなようにすればいいでしょう。・・・・・・ただし、私は今から貴女をアルバート家の一族とは認めません。この家から出て行きなさい・・・・・・」

 

 

 

「ええ、出て行きますとも。お母さんはここで気が済むまで思う存分引き篭もってればいいわよ」

 

 

 

ゼシカさんはそう吐き捨てると、ポルクとマルクが見張っている自分の部屋に入り、身支度を整え出てきた。さっきまでのお嬢様らしい服装では無く、身軽で動きやすい服装になっていたことから、出ていくことはどうやら本当のようだ。部屋を出た後、ポルクとマルクに何か言ってたが、遠かったため何を言ってるかまではわからなかった。

 

 

 

「それじゃあ言われた通り出ていくわ!お世話になりました!ご機嫌よう!」

 

 

 

最後に一礼をして、ゼシカさんはその場を去っていった。・・・・・・ゼシカさんって・・・・・・塔で会った時から思ってたけど・・・・・・結構怖いな・・・・・・。

 

 

 

「全く・・・・・・あの子は誰に似たのかしら?すぐに音をあげて戻って来るに決まってるわ・・・・・・」

 

 

 

「あの・・・・・・アローザさん・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・?あら・・・・・・貴方たちは昨日の・・・・・・」

 

 

 

話が終わったところを見計らって、俺たちはアローザさんに接触した。

 

 

 

「そう怒らないであげてください。ゼシカさんもサーベルトさんのためを思って言ってるだけだと思いますので・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・これは私たち家族の・・・・・・いえ、もう家族ではなかったわね。とにかくこれは私たちの問題です。貴方たちには関係は・・・・・・・・・・・・?そういえば、あの方はどちらにいらっしゃるのですか?」

 

 

 

「あの方・・・・・・でがすか・・・・・・もしかして姉貴のことでがすか?」

 

 

 

「姉貴・・・・・・ かどうかはわかりませんが、貴方たちと一緒にいた女性の方です。今はどちらに?」

 

 

 

アローザさんは多分シシリーのことを言ってるんだろう。だけど・・・・・・どこかソワソワした感じになっているのは気のせいなのかな?

 

 

 

「シシリーなら今頃・・・・・・村を散歩してるんじゃ無いですかね?」

 

 

 

「・・・・・・そうですか。できればその方を屋敷に・・・・・・いえ、呼び出すのは失礼ですね。私をその方のところまで案内してくださいませんか?」

 

 

 

「?別に構いませんけど・・・・・・」

 

 

 

なんでアローザさんがシシリーに会いたがってるのかは分からないけど、何か理由があるんだろう。そう割り振った俺たちは、アローザさんを連れ、屋敷の外に出た。

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

視点 システィア

 

 

 

「やっぱりこの村は落ち着く・・・・・・」

 

 

 

屋敷に二人を行かせた後、私は二人が来るまで適当に村の中を散歩していた。この村は所々に花が添えてあり、緑も豊富で静かなため空気が美味しく、澄んだ気持ちになるのがわかった。サザンビークにも緑はあるが、大きな国なため、人が多いからここまで住んだ気持ちにはなれなかった。

 

 

 

「サザンビークももちろん落ち着くけど・・・・・・ここはまた別の意味で落ち着く・・・・・・」

 

 

 

「シシリー!」

 

 

 

「姉貴ー!」

 

 

 

「ん?あ、やっと来た」

 

 

 

しばらく待ってると、ようやく二人が戻ってきた。・・・・・・名残惜しいけどそろそろ出発しないとね。

 

 

 

「シシリー。君に会いたいって人がいるんだけど?」

 

 

 

「会いたい?誰が?」

 

 

 

「私ですよ・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・へ?」

 

 

 

明らかに二人では無い声が聞こえたと思ったら、エイトたちの背後から・・・・・・声の主であるアローザさんが出てきた。・・・・・・なんでこうなるの?私が屋敷に行かなかったのってラグサットとこの人(アローザさん)に会いたくなかったからなのに・・・・・・。

 

 

 

「お久しぶりですね。ずいぶんと装いが違いますが・・・・・・お忍びで旅行中でしょうか?」

 

 

 

「ま、まぁ・・・・・・そんなところです。・・・・・・エイト、ヤンガス。アローザさんは私に話があるみたいだから先に行って準備してて。武器屋で何か買いたいものがあるんじゃなかった?」

 

 

 

「そうでがした!兄貴!アッシあの武器が欲しくてですね・・・・・・」

 

 

 

「ヤ、ヤンガス!待てって!」

 

 

 

はしゃぎながら武器屋のところへ走っていくヤンガスをエイトはやれやれと言った様子で追いかけていった。

 

 

 

「随分と賑やかしいお仲間ですね?」

 

 

 

「はは・・・・・・でも、楽しいですよ?」

 

 

 

「そうですか・・・・・・それにしても・・・・・・やはり二年前とは雰囲気が違いますね?・・・・・・システィア様」

 

 

 

「やっぱり気付いてましたか。・・・・・・すいませんね?録に挨拶もできないで・・・・・・」

 

 

 

「いえいえとんでもございません!むしろ挨拶にいかなければいけなかったのは私どもの方です。・・・・・・申し訳ございません」

 

 

 

私が謝罪すると、アローザさんも慌てて謝罪して来る。・・・・・・こう言うのもまた久しぶりって感じ。

 

 

 

「・・・・・・それでアローザさん。ゼシカさんと何かありました?先ほど彼女を見かけたのですが、何やらものすごくお怒りの様子でしたので・・・・・・」

 

 

 

「そ、それは・・・・・・」

 

 

 

ゼシカさんのことについて触れると、途端に口籠ってしまうアローザさん。やっぱり何かあったな?・・・・・・でも、これは二人の問題だし、私が口出しをしていい話じゃ無い。・・・・・・一つ言えるとすれば。

 

 

 

「お二人の間に何があったのかは知りません。・・・・・・ですが、サーベルトさんがすでに亡くなってしまった以上、家族は貴女たち二人しかいないんです。どんなことが起こっても二人は切っても切れない糸で結ばれた家族なんです。だから・・・・・・せめて貴女だけでも、ゼシカさんの味方でいてあげて下さい。お願いします・・・・・・」

 

 

 

「システィア様・・・・・・」

 

 

 

今の私に言えるのはここまでだった。親のいない私が言うのもおこがましいことだとは思うけど、たった二人の家族が仲違いしているところなんて見たくなかったから・・・・・・せめてもの助け舟だ。

 

 

 

「・・・・・・システィア様がそう言うのであれば・・・・・・・・・・・・分かりました。次に帰ってきたときにでも、もう一度話し合ってみたいと思います」

 

 

 

「ありがとうございます。では、私はこの辺で失礼しますね。・・・・・・ご機嫌よう」

 

 

 

「えぇ・・・・・・どうかお気をつけて・・・・・・」

 

 

 

アローザさんと話を終えた私は、エイトたちと合流するべくその場を後にした。

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