ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ 作:レイ1020
「魔物っ・・・・・・」
「ま、待って!この方達は違うんだ!」
突然現れた魔物に咄嗟に鞘に手をかけた私を一緒にいた青年が慌てて止めに入った。
「どう違うと言うの?あなたが庇っているのは魔物よ?そこを退いて・・・・・・」
「本当に待って!この二人は・・・・・・」
いまだにそこを退かない青年にいい加減焦ったくなってきた私は・・・・・・。
「いい加減にして!後ろのがなんだって言うの!?」
「このお二人は
「・・・・・・へ?」
・・・・・・今この人はなんて言った?後ろの魔物と馬がトロデ王とミーティア?・・・・・・いやいや、そんなわけ・・・・・・。
「・・・・・・まだ信じられぬ様じゃな。これを見てもまだ信じられぬと申すか?」
「っ・・・・・・それは・・・・・・」
後ろの魔物が喋り始めると、懐からなにやら取り出した。魔物が喋り出したのも驚きだったけど、それよりももっと驚く様なものをその魔物は取り出した。
「トロデーン国王の王冠・・・・・・」
それは、トロデーン国王がつけるとされている王冠だった。それだけならまだ疑わしいところなんだけど、その魔物から聞こえたその声が昔私が聞いたトロデ王の声そのままだったこともあって、どうやらこの人が言っていることは真実で間違いない様だった。そうわかった私は、鞘から手を離し、臨戦態勢を解いた。
「無礼を働き、申し訳ございませんトロデ王。姿形が変わってしまったご様子ですが、御息災で何よりです」
「うむ・・・・・・頭を上げるが良い。始めは信じられぬのも無理ない。大目にみよう・・・・・・」
この喋り方・・・・・・独特の緊張感・・・・・・やはりこのお方はトロデ王で間違いない。久しぶりにあったけど、元気そうでよかった。ん?待てよ?と言うことは・・・・・・。
「えっと・・・・・・つまりそこの白馬がミーティ・・・・・・姫様と言うことでよろしいのですか?」
「うん・・・・・・そう言うわけなんだ・・・・・・。俺も初めて見たときは目を疑ったよ・・・・・・」
どこ悲しそうにそう呟く青年。なんだろう?この人、どことなく私の顔と似ている気が・・・・・・まぁ、今は置いておこう。改めてその白馬を見てみるけど・・・・・・やっぱりどこからどう見ても馬にしか見えず、ミーティアの面影はあまり見えなかった。唯一、立髪がどこか以前のミーティアの毛並みに似ているくらいで後は皆無だった。
「それよりも・・・・・・お主は?ワシら以外に存命の者はおらぬと思っておったが?」
「私にもよくわかりません。気がついたときには既に周りがイバラで覆い尽くされていて・・・・・・」
「そうか・・・・・・お主もエイト同様、運が良かったのだな・・・・・・む?お主の顔・・・・・・どこかで・・・・・・」
「(ギクッ)」
ま、まずい・・・・・・トロデ王が私の正体に気が付きつつある・・・・・・ここでバレると後々面倒なことになる。どうする・・・・・・あ、そうだ!
「そ、そうか。貴方・・・・・・確かエイトさんと言いましたね?この方と私の顔が似ているからですよ。だからトロデ王にも既視感が芽生えているのではないですか?」
「うむ・・・・・・確かにそうであるな。お主らはどうにも似ておる。人間世界には似た顔が3人はいると言われておるが、まさにそのことじゃな」
「そういえば俺もそう思ってた。性別は違うけど、顔の輪郭とかそっくりだ」
とっさに行ったことだけどどうやらうまく行ったみたいだ。顔が似てるとは私も思ってたことだし、特に気にしなかった。今は今後のことを考えないと・・・・・・。
「その話は今は置いておいて・・・・・・。トロデ王、あなた方は今後どうされるおつもりですか?
「当然我が王国をこんな目に合わせたあの魔導師、ドルマゲスを追うつもりじゃ!」
「追うと言ってもどこを探すのですか陛下?」
「わしの記憶が確かであればここから東に向かった先に【トラペッタ】と呼ばれる町があるはずじゃ。そこにおるマスター・ライラスと呼ばれる者がどうやらドルマゲスの師だったらしくての・・・・・・其奴なら何か知っておるやもしれぬのじゃ」
どうやら次のいく先が決まったみたいだ。ドルマゲスっていう魔導師がこの国をこんなめちゃくちゃにした張本人。トロデ王たちはそのドルマゲスを探すために旅に出るらしい。・・・・・・なるほど。
「わしらは今すぐにでも出発するが・・・・・・お主はどうする?」
「私は・・・・・・」
トロデ王が言いたいのは一緒に行くか否かと言ったところだろう。正直一緒に行く義理はないが、トロデ王にはお世話になってるしミーティアには・・・・・・ある意味これからお世話をかけるかもしれないという後ろめたい気持ちが出ているし、早くお二人には元に戻ってもらいたいという気持ちが強かった。・・・・・・よし!
「私もその度にご同行しましょう。私も今は世界を旅している身ですので、最後まで付き合えるかはわかりませんが出来る限りご助力しましょう」
「そうか・・・・・・恩にきるぞ・・・・・・して、まだ名を聞いておらんかったな。お主、名を何と言う?」
「はい。私はシ・・・・・・シシリーです」
危うく本名を言いそうになった私は慌てて、偽名を伝えた。多分言ったら一発でバレちゃうだろうからね。
「シシリーじゃな。今後ともよろしく頼むぞ」
「よろしくね。俺はエイト。陛下に仕える兵士かな」
「はい。皆さん、どうかよろしくお願いします」
こうして私はトロデ王達とともにドルマゲスを探す旅に出た。これもまた世界を回るということだったため、一石二鳥かな?と思い、同行することにしたんだ。正直最後まで付き合えるかわからないけど、可能な限りお二人に尽くそう。そう心に決めた私だった。
キャラクター紹介
エイト
元トロデーン王国近衛兵である18歳の少年で、赤いバンダナがトレードマーク。両親はすでにこの世におらず、幼年期に記憶を失って8歳の頃トロデーン城に迷い込んだ。元々は住み込みの小間使いだったが、王女ミーティアの要望により近衛兵に採用される。記憶を失った際のある理由から呪いに対して強い耐性を持っており、敵の呪い攻撃には絶対にかからず、呪われた武具を呪いにかかることなく装備可能(ただし、武具のもつ効果は適用される)。また同様の理由から、トロデーンがイバラの呪いにより滅んだ際にもただ1人難を逃れ、国を救うために国王トロデと共に旅に出ることになった。王女ミーティアとは幼馴染でもあるためトロデ達からの信頼も厚い。システィアと顔が似ていて、側からみれば兄妹に見られることもしばしば。