ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ 作:レイ1020
トラペッタへ
トロデーン王国を後にした私たちは、東にある町【トラペッタ】に向かっていた。今私たちは少し休息をと近くの森で一休みをしているところだ。
「おーい!兄貴〜!姉貴〜!」
私とエイトが草株で休んでいるところに私たちを呼ぶ声が聞こえてきた。
「あの呼び方・・・・・・どうにかならないの?」
「あはは・・・・・・まぁ慕ってくれてるわけだし、大目に見てあげようよ」
私たちをそう呼ぶ男がこちらに近づいてきた。彼の名はヤンガス。ここにくる途中、なんか色々あって仲間になってくれた元山賊。トゲトゲ帽子を被り、いかつい顔が特徴的な人で私とエイトのことを姉貴、兄貴と呼んで慕ってくれている。その反面、トロデ王とは仲が悪く、いまだに打ち解けている様子はない。
「こんなとこでいつまでも油売ってると日が暮れちまうでがすよ?アッシは早いとこ街へ行ってパァーっと飲み明かしたいとこでげす」
「うん。そうだね。じゃあそろそろいこっか。シシリーもいいかい?」
「ええ。いきましょう」
私たちがヤンガスにそう言うと、腰を上げ、トロデ王がいるところまで戻った。・・・・・・そういえばさっきからミーティアの姿が見えないけど・・・・・・どこに行ったんだろ?
「何度も言う様でがすが、いまだに信じられねえでげす。こんないかにもおかしなおっさんが王様で、お二人がこのおっさんの家来だなんてねぇ・・・・・・。まっ、アッシもお二人の子分になったわけなんで人のことなんて言えんでがすがね・・・・・・」
「む、誰がおかしなおっさんじゃ!」
「あはは・・・・・・」
「私は家来ってわけじゃないんだけど・・・・・・はぁ〜・・・・・・」
このやり取りももはや見飽きた。私は二人は放っておいて、姿が見えないミーティアを探した。ここら辺の森は迷いやすいからあまり離れると危険なんだけど・・・・・・。
「トロデ王。姫様はどこでしょう?」
「?そういえば見当たらんのう。どこへ行ったんじゃ?」
私たちは手分けをして辺りをくまなく探してみた。だけど、そんな私たちのもとに突如として現れたのはミーティアではなく・・・・・・。
「っ!魔物か!」
「む!兄貴!姉貴!」
「二人とも行くよ!」
3匹のスライムが襲いかかってきた。とは言ってもスライムはここいらの魔物の中で最弱に位置する魔物。私たちにかかればそう問題もなく討伐できる。・・・・・・やはりと言うか当たり前だけど、数分もたたないうちにスライム達を討伐することに成功した。
結局ミーティアはその後すぐに戻ってきて、出発となった。トラペッタまでもうすぐだ・・・・・・。
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トラペッタに無事についたは良いものの、一つ問題が出た。
「なんか俺たち・・・・・・妙に見られてないか?」
「ん?そうでがすかね?」
その問題がこれだった。町の人たちからどうにも視線を向けられていた。それも、まるで畏怖と言うか訝しげ的な視線を向けていることがよくわかる。まるで、私がサザンビークで向けられていた視線の様に・・・・・・っと。今はその話は無しにしよう。
「気にするだけ野暮だよ。とにかく私たちは目的を果たそう」
「そうじゃな。さて、この辺りで良いじゃろ」
トロデ王はそう言いながら町の片隅で馬車を止め、荷台から降りた。
「さて、記憶が正しければこの町にマスター・ライラスという人物が住んでいるはずじゃ。ひとまずは其奴を探すことにするかのう」
「待てよおっさん!アッシらはドルマゲスとかいう道化師を追っかけてるんじゃなかったんでがすか?」
「もちろんその通りじゃ!わしらをこんな姿に変え、我が国をめちゃくちゃにしおったあやつを即刻見つけ出したいところじゃ!・・・・・・じゃが、今はあやつの行く先も目的も何もわからぬ故にな。ここであやつの師であるマスター・ライラスに話を聞いておけば、何やら情報を得られるやもしれぬのじゃ」
トロデ王の説明を聞き、ようやく少し納得できたヤンガスは、それ以上は何も言わなかった。
「全く・・・・・・せっかくサザンビーク国の王子と婚儀も決まったというに・・・・・・」
「・・・・・・」
そ、それは・・・・・・言ってしまうとむしろ馬になって良かったんじゃないかな?あのチャゴスを相手にしてたらいくら身があっても足りない気がするし・・・・・・。今の状況の方がずっと楽な気がする・・・・・・ミーティアには不便だろうけど。
「というわけで、エイト、シシリーよ。早速じゃがライラスなる人物を探しに行ってくるがいい。わしと姫はここで休んでおるからな」
「わかりました」「お任せを・・・・・・」
そんなこんなでマスター・ライラスを探すことになった私たちは、トロデ王達と一旦別れ、街中を探し回ることにした。教会、武器屋、宿屋などをくまなく当たってみたけど有益な情報は得られず、わかったのは最近で大火事があったことと、変な道化師が目撃されたことぐらいだった。
「ここまで探しても見つからないなんて・・・・・・」
「本当にこの街にいるのかね?」
「あっしもいい加減に疲れてきたでげすよ〜・・・・・・」
そろそろ日が落ちることもあって、人もまばらになってきていた。しょうがなしに私たちは最後に酒場を訪れていた。そこにはお酒を片手に談笑をしている人たちが大勢いて、大きな賑わいを見せていた。私は酒場に来たのは初めてだけど、こんな感じなんだね・・・・・・楽しそう。
そんな中、一つの怒鳴り声が酒場内に響き渡った。
「わしの占いで先日の火事を止めたとしてもだ。そのことが次の災いの種になるかもしれんのだ!」
「ルイネロさん、言っている意味がよくわからないよ。もし火事がわかっていたなら少なくともマスター・ライラスは救えたんじゃないのかい?」
「・・・・・・ライラスか。あの老人とはよく喧嘩をしたものだったが・・・・・・よもや死ぬとはな・・・・・・」
近づいてみて話を盗み聞いてみたところ、どうやらあのルイネロという人はマスター・ライラスと知り合いみたいだ。でも・・・・・・今、死んだって聞こえた様な?・・・・・・もっと詳しく話が聞きたかった私たちは、ルイネロさんに話を聞くべく、近づいて行った。
「あの、少しよろしいですか?」
「?・・・・・・ワシに何か用・・・・・・む?これは・・・・・・」
「「え!?」」
話を聞こうと話しかけたが、私たちと目が合うと突然勢いよく立ち上がり、私とエイトの顔を覗き込んできた。あまりの剣幕に私もエイトも顔を仰け反らせた。
「こ、これは・・・・・・」
「た、大変だ〜〜!!怪物が!怪物が町の中に入り込んで!」
「なんだとっ!?」
「とにかく来てくれ!もう大騒ぎしているんだ!」
ルイネロさんが私たちに対して何か言いかけたところで突如として横槍が入った。何やら怪物がどうとか言ってたけど・・・・・・嫌な予感しかしないな。
「ルイネロさん・・・・・・さっきのは一体?」
「?なんの話だったかのう?あぁ、お主らの顔のことじゃな。だが残念なことにさっきの騒ぎで気が失せてしまったわい。さっきのことは忘れて良い・・・・・・」
「そうですか・・・・・・わかりました」
もうこの話は終わりだと話を切るルイネロさん。正直私は少し焦った。もしかしたら私のことを何か知られたんじゃないかって思えてならなかったからだ。だから今はちょっとホッとしてる。
「兄貴達!早く怪物のとこに行きやしょう!」
「うん!今行く!シシリーも行こう!」
「わかった・・・・・・」
ホッとしてる場合ではない状況なことを思い出した私は、騒ぎの元を確認するため、酒場を後にした。多分だけど・・・・・・騒ぎの元は・・・・・・あの人が原因だよね。そう不安になりながらも、私たちは広場へと走っていくのだった。