ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ 作:レイ1020
私たちが広場へ戻ると、そこには既にたくさんの街の人々が何かを囲む様にして立っていた。・・・・・・確かあそこはトロデ王とミーティアが待機している場所のはず。・・・・・・はぁ、やっぱり騒ぎの発端はあの人か・・・・・・。
「え!?あそこって確か!?」
「ま、まずいでがすよ兄貴!姉貴!走るでがす!!」
「う、うん!」
「(はぁ〜)」
二人もようやく自分たちの主人の危機を察したのか大慌てでその場に駆け出していった。私は内心でため息をつきながらも二人に続いた。
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「な、なんじゃお主らは!」
「うおっ!?こっち向いたぞ!」「喋った!?」「なんておぞましい顔なの!?」
「な、なんじゃと!?お主ら!わしを誰だと––––––––––」
「うるさい!化物は町から出ていけ!!
野次馬の一人の青年がそう叫ぶと同時にトロデ王に対して大量の石が投げ込まれた。投げ込まれた石が自身の顔にあたり、悶絶するトロデ王を見て、私たちは怒りを覚えたが、今はトロデ王とミーティアの救出が最優先。そう割り切った私たちは、すぐさまその間に割って入った。そしてそのまま、二人を連れ、街の外へと向かった。その際にも私たちに向けて罵声等を浴びせられ、エイトやヤンガス、トロデ王は苦い顔をしていた。私は・・・・・・サザンビークで似た様なことになってたからそこまで気にはならなかった。これに慣れちゃうって少しまずい気もするけどね・・・・・・。
そんな罵声が飛び交う中、私たちは無事に?町を出ることに成功するのだった。
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「やれやれひどい目にあったわい・・・・・・ええい!わしを誰だと思っておるのじゃ!人を見かけだけで判断しよって情けないのう。人は外見だけでは無いと言うに・・・・・・」
「全く!その通りだ!」
町の外へ出ると同時にトロデ王が地団駄を踏みながらそう口をこぼす。ヤンガスに至っては自分にも似た経験があるのか、珍しくトロデ王に同調していた。・・・・・・というか、普通町中に魔物がいたら誰だってあんな反応になる。正体がわかっているならまだしも、今のトロデ王はもはや魔物にしか見えず、町の人からしてみれば恐怖の対象にしか映らないんだ。
「・・・・・・まぁ今は良い。ときにエイトよ。マスター・ライラスを探し出す事は出来たかのう?」
「・・・・・・残念ですが、酒場で話を聞いたところ、先日の火事のせいで既に亡くなったとの話を聞きました」
「亡くなったじゃと!?むむむむ・・・・・・」
ドルマゲスに対する唯一とも呼べる情報源であるマスター・ライラスが既に他界しているとエイトから聞かされたトロデ王は、驚愕とともに落胆をし、顔をしかめてしまった。
「トロデ王、マスター・ライラスが既に亡くなっているのであれば、私たちはもうこの町に用などないのではありませんか?」
「・・・・・・そうじゃな。元々わしらが追っておったのはわしと姫をこの様な醜い姿へと変えおったドルマゲスのやつじゃ!・・・・・・マスター・ライラスに話が聞ければ何やら分かるかもしれぬと踏んでおったが・・・・・・どうやら無駄足に終わってしまった様じゃな・・・・・・」
トロデ王はそう言い終えると、すぐさま出発できる様準備を始めたため、私たちもそれに倣って準備に取り掛かった。だがそれは、一つの声によって遮られることとなった。
「お待ちください!」
突然の私たち以外の声に驚いた私たちは、準備をしていた手を止め、声のした方へ振り向いた。・・・・・・そこにいたのは私やエイト、ミーティアと同年代くらいの一人の少女だった。ん?・・・・・・この子はトロデ王を見てもなんとも無いのかな?てっきり怖がるものだと思ってたけど・・・・・・。
「お待ちください。実は、あなた方にお願いをしにこうして駆けつけてきました」
「ふむ?お嬢さん、お主はわしのこの姿を見て怖く無いのかね?」
トロデ王が私と同じ疑問を少女に投げつけた。
「夢を見たんです。『人でも魔物でも無い者がやがてこの町を訪れる・・・・・・。その者が其方の願いを叶えるであろう・・・・・・』と」
「ひ、人でも魔物でも無い!?それはわしのことか?」
少女の言ったことに少なからず傷がついた様子のトロデ王を尻目に、ヤンガスはケラケラと笑い、エイトは苦笑をこぼしていた。夢見・・・・・・か。サザンビークの書物庫で本を開いてみた事はあったけど、本当にあるなんてね・・・・・・。
「あっ・・・・・・ごめんなさい」
自分が言ったことに気がついたのか、慌てて謝罪をしてくる少女。トロデ王もさすがに
「まあ良い。それにしても其方・・・・・・わしらのことを夢でみたと話しておったが・・・・・・どうにもよくわからぬ話じゃな・・・・・・」
「あっ、申し遅れました。私は占い師ルイネロの娘のユリマと申します」
「ルイネロって・・・・・・酒場で会ったあの・・・・・・」
「はい。多分そのルイネロです。あの・・・・・・どうか私の家まで来てはくれませんか?詳しい話はそこでしますので。町の奥の井戸の前にあるのが私の家なので・・・・・・待ってますので来てくださいね」
ユリマと名乗った少女はそう言い残すと町へと戻っていった。
「え、えらい!!」
「「「!?」」」
静寂とした空気が流れる中、突然のトロデ王の大声に私たちは盛大に驚いた。
「わしの姿を見ても全く怖がらんとは・・・・・・さすがはミーティアと同じ年頃の娘よ!」
・・・・・・それは関係ないと思いますよトロデ王。心の中でそうツッコんでおく・・・・・・。
「ここは・・・・・・あの娘のために人肌脱ごうではないか!」
「よろしいのですか陛下?俺たちにはドルマゲスを追うという目的が・・・・・・」
「もちろんそうじゃが、せっかくわしらを頼ってきてくれているのじゃ。それを無下にしてしまってはトロデーン王国の王としての威厳が立たなくなってしまうのでな。今回は、その件は後回しじゃ!」
「・・・・・・分かりました」
なぜかいつもよりも興奮気味にそういうトロデ王にエイトも戸惑いを隠せていなかった。・・・・・・そういえばトロデ王って昔から興奮するとすぐに周りが見えなくなって、大事な目標を見失うことがしばしばあって大臣たちに怒られてたっけ?久しぶりに会ったけど、そんなところも変わっていない様でどこか安心していた。
「じゃあ、俺たちがユリマさんの家で話を聞いてきますので、陛下はここで待機を・・・・・・」
「あ、それなんだけど・・・・・・私は行かなくていいかな?」
「え!?なんで!?」
私の突然の行かない宣言に3人は驚きを隠せない様子で私のことを見ていた。・・・・・・そんなに驚く様なことかな?至極当たり前のことなんだけど・・・・・・。
「なんでって・・・・・・こんな夜更けに3人で押しかけるのは迷惑でしょ?それに私が言ったところでできることなんてたかが知れてるし・・・・・・それなら行くよりも待機してた方がいいでしょ?だから・・・・・・ユリマさんのところには二人だけで行って?」
「そうでがすね。夜中に大勢で押しかけるのは迷惑でげす」
「・・・・・・ヤンガスに”気遣い”っていう概念がわかるなんてね?」
「ひどいでがす姉貴〜!」
「お主ら!いつまで話し込んでおるのじゃ!さっさと言って話を聞いてくるのじゃ!」
「すいません・・・・・・」「へ〜い」
トロデ王に怒鳴られ萎縮した二人は、大慌てで町へと戻っていった。後は、二人の報告を待つのみ・・・・・・よし。
「私は少し休もう・・・・・・」
そうぼやきながら私は馬車に背中を預ける様にして座り込み、休息を取り、果報を待つのだった・・・・・・。