ドラゴンクエストⅧ 呪われし姫君と混血のジェミニ   作:レイ1020

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滝の洞窟へ

 

 

 

「綺麗な月・・・・・・。こうやって落ち着いて月を見るなんて久しぶりかも」

 

 

 

エイトとヤンガスがユリマさんのところへ話を聞きに行ってる間、私は町の外で静かに夜空の月を見上げていた。元から月を見るのは好きだったけど、最近は女王になるための政務や儀式をしていたこともあって忙しく、こうやって落ち着いて月を見る機会があまりなかった。だから、今はどことなく爽快な気分だった。

 

 

 

「シシリーよ。・・・・・・少し良いかの?」

 

 

 

「トロデ王?はい、なんでしょう?」

 

 

 

そんな中、同じくここで待機をしていたトロデ王が私に声をかけにきた。

 

 

 

「お主、やはりどこかで見かけた事がある様なのじゃが・・・・・・」

 

 

 

「(ギクッ)えっ!?そ、それは以前にも話しました通り、エイトと顔立ちが似ているからだと申しましたが?」

 

 

 

「そうじゃが・・・・・・どうにもそれだけではない様に思えてのう・・・・・・随分と昔に会った事がある様な・・・・・・そんな気がしてならんのじゃ」

 

 

 

「(ギクギクッ)っ・・・・・・」

 

 

 

唐突なトロデ王の昔会った事があるんじゃないか発言に私は体をこわばらせた。ま、まずいな・・・・・・。

 

 

 

「シシリーよ。お主・・・・・・出身はどこじゃ?」

 

 

 

「出身は・・・・・・」

 

 

 

出身という痛いところをついてくるトロデ王。・・・・・・どうしよう?正体をバラす?・・・・・・いや、ここで正体をバラして王女王女言われるのだけは絶対に嫌だし、今後の旅にも支障をきたすかも知れない。・・・・・・仕方ない。せめて出身地だけでも伝えて後は適当にはぐらかそう。

 

 

 

「出身は、サザンビーク王国です。残念ですが、トロデ王と私は初対面ですよ?トロデ王は何か勘違いをされているのでは?」

 

 

 

「うむ、そうかの?それならばすまぬ事をしたな。・・・・・・して、お主の出身はサザンビーク王国と言ったかの?であるならば、姫の婚約者である王子について何やら知っておる事はないかの?」

 

 

 

「知ってはいますけど・・・・・・」

 

 

 

「おお!そうかそうか!では、その王子について教えてはもらえぬかの?わしは王子とはあまり会ったことがないのでな」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

もちろん知ってる。だって従姉弟だし・・・・・・。とは言え困ったな・・・・・・もしありのままチャゴスのことを伝えれば間違いなくトロデ王は失望するし・・・・・・それにサザンビークの名に傷がつく可能性がある。・・・・・・それは流石にまずいし・・・・・・仕方ない。不本意だけど国のためだ。

 

 

 

「王子はとても素晴らしいお方ですよ。勉学や剣術にも長け、政務にも精を出しています。おまけに積極的に奉仕活動等も行っているため、国の人々からも信頼が厚く、次期国王に即位するのも時間の問題という噂も出ています。まさに完璧とも言える王子様です」

 

 

 

「ほう!それでこそ我が娘であるミーティアの婿殿である!今からでも会える日が待ち遠しいのう・・・・・・」

 

 

 

「はは・・・・・・」

 

 

 

トロデ王の満更でもない表情を見せられ、私は苦笑を浮かべながら少なからず罪悪感を覚えた。

 

 

 

「(うぅ・・・・・・すみませんトロデ王・・・・・・。チャゴスは今言ったこととはまるで逆の王子で”ダメ王子”と言われてるのです・・・・・・それと、叔父様の後を継ぐのは私なんです・・・・・・)」

 

 

 

「あぁ・・・・・・そう言えばじゃが、サザンビーク王国には王子の他にもう一人、”王女”もいるとされているのじゃが、その者ともここのところはあっておらんのう。名は・・・・・・”システィア”と言ったかのう・・・・・・む?どうかしたのかシシリーよ?」

 

 

 

「い、いえ!なんでもありませんっ!」←(声 裏返ってる)

 

 

 

「そうか。早く会いたいの〜う・・・・・・ふんふんふ〜〜ん♪」

 

 

 

し、心臓に悪すぎる・・・・・・。まさかそのシスティア王女が自分の目の前にいるとは思ってもいないトロデ王はご機嫌そうにそう言っていた。今回はトロデ王の鈍感さに感謝しないと・・・・・・。まぁ見た目も装いもだいぶ変えてるからそう簡単には見分けられないとは思うし、しばらく正体がバレる事はないでしょ。・・・・・・とにかく今はこれ以上話を蒸し返して墓穴を掘らない様にしないと・・・・・・。

 

 

 

結局、その後はトロデ王と気まずい雰囲気の中二人を待つこととなるのだった(二人は10分後に戻ってきた)。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

「ふむふむ、そういう事情があったんじゃな・・・・・・」

 

 

 

エイトとヤンガスが戻ってきた後、私とトロデ王は事情を聞いていた。何でもユリマさんの父であるルイネロさんが捨てたとされる水晶玉を探してきて欲しいと頼まれたらしい。元々、腕利きの占い師として有名だったルイネロさんだったけど、ある時期を期にその占いが全く当たらなくなってしまい、今の様な酒に溺れる人となってしまっている様らしい。そんな父が見ていられなくなったユリマさんは、私たちに水晶玉の捜索を依頼することにした様で、その水晶玉は彼女の夢のお告げによると”大きな滝の下の洞窟”にある様だ。

 

 

 

「え、えらい!!なんて親孝行な娘さんなのじゃ!わしは感動したぞ!」

 

 

 

一通りの話を聞き終わった後、トロデ王はまた大きな声を出しながら感嘆に浸っていた。

 

 

 

「しかもそのルイネロと言う者が本来の力を発揮すれば見つからぬ者はないそうではないか。うまくいけば其奴にドルマゲスの動向を探ってもらえるやも知れぬかもしれん!まさに一石二鳥じゃな!」

 

 

 

「そうですね。そうとなれば今はとにかくその水晶玉を探しにいきましょう!」

 

 

 

「そうじゃな。じゃが今日はもう遅い。わしと姫は外で過ごすが、お前たちは宿屋に泊まり明日への鋭気を養うが良いじゃろう。出発は明朝。遅れるでないぞ?」

 

 

 

「わかりました」「はい」「うすっ」

 

 

 

出発の時間を確認した私たちは、トロデ王とミーティアを残し、町中の宿屋へ泊まった。今日はいろいろありすぎて疲れていたこともあって、床についた私はすぐに寝息を立てるのだった・・・・・・。

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