アズールレーン~希望への航路~   作:ざぎねぅ

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1話 指揮官着任! file3

ロイヤルのKANSEN達とお茶会がお開きとなった後、今度はユニオン陣営の住まう区画に行くことにした。もちろんベルファストも一緒だ。

 

―それでは、向かいましょうか。ご主人様

 

お茶会の後かたずけを他のメイドたちに頼まれたベルファストは、少しの間その作業を手伝っていた。やがてひと段落付き、翔一の付き添いを続けることをメイドたちに伝えると、こちらにやってくる。

 

―ああ、行こうか

 

早速移動することにする。

ベルファストが聞いてくる。

 

―ご主人様

 

―ん?

 

―ロイヤルのお茶会はどうでしたか?

 

純粋に先ほどのイベントについて質問された。翔一は、今まで歴史を感じるような西洋の建物で、それもお茶会をするなんてことはしたことがなかった。それゆえに少し緊張もしたが、率直に言えば楽しいと感じていた。

 

―とても楽しかったよ

 

これにベルファストは嬉しそうに答える。

 

―そうですか、それならよかったです

 

―…

 

―…

 

さっきまで大人数で行動していたこともあって、いざ二人きりで歩いていると話すことがあまりない。翔一は、なんとか話をしようと考える。

 

―ユニオンには、どんな人がいるんだ?

 

―うぅん、難しい質問ですね…

 

自分で聞いておいて確かにそうだと思った。ここまで、いろいろな場所に赴いてたくさんのKANSENに会ったが、一人ひとりが特徴的だった。ユニオンもそうなのだろう。

 

―行くまでのお楽しみです

 

ベルファストは「ふふっ」と笑うとそう言った。

 

―じゃあ、楽しみにしてる

 

翔一がそう答え、二人はさらにユニオン陣営のエリアへ歩を進めていった。

 

―――――――――――――

 

ユニオンエリアに着くと、遠くから砲撃の音が聞こえてきた。

 

―この音は…

 

―今日は、一部のユニオンの方々が演習をすることになっています

 

―そういうことか

 

少し歩くと、海岸に出た。海上の離れたところで数人が激しく動いている。そういえば、KANSENが戦っているところは初めて見る。

しばらく見学していると砲撃の音が止み、そろってKANSENたちがこちらにやってくる。

 

―終わったかな

 

―そのようですね

 

皆は陸に上がると、その艤装を解いた。そして、軍帽をかぶった銀髪の少女が敬礼し、話しかけてくる。

 

―あなたが指揮官か

 

―ああ、今日からここの指揮官になりました、港翔一です。よろしく

 

こちらも敬礼を返す。

 

―私はエンタープライズ、ユニオンのリーダー役をしている。これからよろしく。そうだ、今ここにいるみんなを紹介しよう

 

エンタープライズが言うと、他のKANSENも近くにやってきた。

 

―こちらから、ホーネット、サンディエゴ、アラバマ、クリーブランド、ラフィーだ

 

この言葉に5人も続く。

 

―ハロー!ホーネットよ。よろしくね!

 

長い金髪に黒の衣装をした彼女は、気さくな感じで言う。

 

―サンディエゴだよ!

 

こちらは、元気そうだ。

 

―アラバマだよ

 

銀髪ツインテールの彼女は一転して、静かな印象を受ける。

 

―はじめまして、指揮官。私はクリーブランド

 

クリーブランドは今まででは珍しく、ボーイッシュな感じだ。

 

―ラフィー……ねむ…

 

寝そうだ、今にも。

 

―うん、これからよろしく、みんな

 

翔一も答える。するとエンタープライズがこう言う。

 

―みんな、演習お疲れ様。もう休んでいいぞ

 

この言葉で皆が解散していく。

 

―それじゃ!指揮官

 

―またね

 

―じゃねー指揮官!

 

―またな!

 

―…ばいばい

 

見送ると、エンタープライズが提案する。

 

―せっかくだ、私がユニオンのエリアを紹介しよう。ついてきてくれ

 

ユニオンエリアは、重桜やロイヤルのような歴史を感じさせる作りのものはなく、近代的な建物が多かった。それゆえ、翔一も見慣れたような光景が広がっていた。それに、この場所全体が活気づいているようで明るい印象を受けた。さすがユニオンといったところか。

 

―どうだ、指揮官この辺の雰囲気は

 

エンタープライズが聞いてくる。

 

―みんな楽しそうで良いな

 

そう答えると、彼女は少し微笑んで返す。

 

―そうか、それは良かった

 

そして、ベルファストが翔一によくわからない質問をエンタープライズにした。

 

―エンタープライス様、しっかり食事はとられていますか?

 

これにエンタープライズは微妙な反応をする。

 

―え、ま、まあ、ぼちぼち…

 

―十分な栄養をとれるとはいえ、サプリメントだけの食生活はよくありません。

 

そんな生活をしているのか、と翔一は思った。確かに自分もサプリメントだけで生きてはいけるだろうが、それだとあまりに寂しい。「なにかあったのか?」とエンタープライズに聞いてみると、彼女はこう答えた。

 

―あ、いや…

 

言葉に詰まっていたが、ベルファストが割って入る。

 

―戦いに集中するあまり、普段の生活の時間をあまり有意義に過ごせていなかったのです

 

―ちょっ…まあ、そうかもしれないな

 

翔一は、共感のようなものを覚えていた。前の勤務地に居たころは、翔一も彼女と同じように軍の仕事をするばかりで、趣味もこれといってなかった指揮官は、休日は特に何もすることなく過ごしていたと思う。

 

―KANSENにもそんなことがあるんだな

 

これにエンタープライズが答える。

 

―はは、まあね。…でも、ちゃんと食事はとってるぞ…これは本当だ

 

ベルファストは少し安心したように言う。

 

―それなら良いのです。ユニオンのリーダーが寂しそうな生活をしていると、他の皆様も心配してしまいます

 

翔一は同時に、違和感も覚えていた。昔のことを思い出すのはいいが、細かくどんな仕事をしていたのか思い出せなかったのだ。

 

―――――――――

 

それからしばらくユニオンエリアを回り、会っていないKANSENたちにあいさつをした。そして、最後に鉄血陣営の方に向かうことをエンタープライズに告げる。

 

―そうか、鉄血の子たちはなかなか…いや、会った方が早いな。それでは、私はここで失礼しよう

 

―ああ、それじゃ

 

―あ、言い忘れたことがあった

 

エンタープライズがそう言うと、指揮官としては重要なことを知らされる。

 

―私が指揮官のメインの秘書艦になることとなった。サブの秘書艦として他の子も日替わりで指揮官のサポートをするぞ。困ったことがあれば何でも言ってくれ

 

―秘書艦か、頼もしいな

 

―うん、そういうことだから、これからも頼む

 

ここでエンタープライズと別れ、いよいよ鉄血のエリアに足を運んでいった。

 

―――――――――

 

―やっと来たか、待ちくたびれたぞ

 

聞いたことがある声が聞こえた。彼女はグラーフ・ツェッペリンだ。母港に到着し、執務室に行く途中に少し話した。それにしても、どのくらい待ったのだろうか。

 

―ああ、ここに来るのは最後になってしまった。待たせたね

 

―…そうか、まあいい。早速行くぞ

 

―あ、そう早く行くなって…

 

足早に鉄血エリアの方へ行ってしまった。怒らせてしまったのだろうか。ベルファストも少し困った顔をしている。

 

―(せっかく待っていたというのに…)

 

ツェッペリンのつぶやきは誰にも聞こえなかった。

 

―――――――――――――

 

―なあ、どこに行くんだ?

 

翔一が尋ねると、ツェッペリンがこう答える。

 

―特に向かう場所は無い。皆と顔を合わせるだけなのであろう?

 

―え?まあ、そうだけど…

 

特に行く場所もないまま、鉄血のKANSENたちと顔合わせをしていく。すると、妙に積極的(?)な人に声を掛けられる。

 

―へぇ、あなたが指揮官ね…

 

ずいっと顔をこちらに寄せてそう言う少女は、長い銀髪だった。前髪には赤いメッシュもある。

 

―うお、な、なんだよ

 

―ふふっ…あなた結構かわいいのね

 

―ば、バカにしているのか

 

―じゃあ頭はいいのかしら?

 

―これでも士官学校主席卒業だ…

 

―ふぅん、でも、ただ頭の良し悪しだけじゃ戦場では生きていけないわ。経験も大切よ…け・い・け・ん…

 

 

【挿絵表示】

 

 

そう言いつつ彼女は、翔一の胸に人差し指を這わせる。なんだ?赤城の時もそうだったが、妙に距離が近い人もいる。抵抗はないのか、俺は男だぞ。いや、だから珍しくて近づいてくるのか?

 

―ふふっ…少しからかっただけよ、ごめんなさい。私はプリンツ・オイゲンよ、よろしくね指揮官

 

―あ、ああ、よろしく

 

オイゲンは翔一から離れると、誰かに気づく。

 

―あれは…ビスマルクじゃない

 

ビスマルクと呼ばれた彼女は、こちらに近づいてくる。

 

―ようこそ鉄血のエリアへ。私はビスマルクよ、よろしく

 

ビスマルクはそう言うと、敬礼をする。翔一も同じく敬礼を返す。

 

―今日からこの母港の指揮官として着任しました。港翔一です

 

―そんなに固くしなくていいわ。ここのみんなは、家族みたいなものだもの

 

―ん、そうか…

 

なんとなく、温かい感じがした。

 

―――――――――――――

 

ツェッペリン、オイゲン、ビスマルク、ベルファスト、翔一の一行は、鉄血エリアの休憩所で、母港のこれまでとこれからのことについて話していた。聞いたところによると、最近「鏡面海域」なるものがたびたび出現し、それに合わせてセイレーンの動きが激しくなっているらしい。翔一が指揮官になった理由は、戦いが激化するに伴い、母港全体の指揮が必要になったからであろう考える。それにしても翔一は、自分が指揮官としてKANSENたちをまとめられるのかと不安を感じていた。

ビスマルクがそんなことを思っていることを察したのか話しかけてくる。

 

―どうしたの指揮官、そんな難しい顔をして

 

―いや、少しこれからのことで…本当にみんなをまとめられるのかなって

 

そう素直に吐露するとビスマルクが翔一に覇気を入れる。

 

―さあ、顔を上げて、胸はしゃんと、目ははっきり!

 

言われた通りにする。

 

―よし!…指導者がそんなことでは格好がつかないわ。もっと自信をもって

 

元気づけられた。たしかに指揮官が不安がっていては元も子もないな。今度はオイゲンが言う。

 

―ま、そんなに気を張っていなくても大丈夫でしょ

 

それにツェッペリンが続ける。

 

―破滅した時はそれまでだ

 

ビスマルクがこれに反応する。

 

―そういうことを言わないの、ツェッペリン

 

これを見ていたベルファストが「ふふっ」微笑んだ。

 

―鉄血の方々は固い印象がありましたが、仲がよさそうで安心しました

 

これに鉄血の3人は、

 

―そうかしらねぇ

 

―フンッ

 

―ふふっ、癖の強い子も多いけどね

 

―――――――――

 

とりあえず主な4陣営のエリアに回った翔一とベルファストは、執務室に戻ることにした。そろそろ夕日も見えてくるころだ。鉄血の3人と別れて歩いていると、ベルファストが聞いてくる。

 

―今日一日たくさんの子たちと会って、いかがでしたか?

 

これに翔一は率直な気持ちを言う。

 

―これからが楽しみだよ

 

この時、翔一の顔は少し笑っていた。彼女もニコッとかわいらしい笑顔を向けてくる。

 

―そうですか、ご主人様がそう思ってくだされば、私もうれしいです。

 

暮れていく空の中、二人は執務室に戻っていった。

 

―――――――――――――

 

執務室に入ると赤城がいたのはまた別の話。どうやって鍵開けたんだ…

 

 




にゃ!明石にゃ!今日も特にオリジナル設定はないにゃ。そこで作者についてちょこっと
この話の作者がアズレンで大艦隊を開いたにゃ!若松サーバーのNEXUSって大艦隊にゃ。よかったら入ってほしいにゃ!

今回のpart3で1話は終わりにゃ。多分次回はバトルもあるにゃ!次も読んでにゃ!

細かい設定、設定画はここ(ピクシブ)にゃ

感想もよかったらよろしくにゃ

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