FGO/VRMMORPG カルデアの中の小人達 作:食卓の英雄
Fate/ GrandOrder〜Homunculus〜
―――それを見つけたのはただの偶然だ。
別に、これといったものを探しているわけではなかった。ただ暇つぶしに眺めていただけだ。今はネットで買い物も出来る便利な時代だ。
だがそんな時代だからといって本質は変わらない。人間関係は相変わらず難しく、仕事は難しい。一言で言うと、リストラされたのだ。
失意の中、ヤケ酒を飲み、ストレスを発散できることでもしようと思ったのだ。
動画、音楽、小説。これらは既に終わった。既にリストラされた悲しみなど吹っ飛び、意味もなくパソコンを見ていただけ。いくつかのサイトを流し見してはまた別のサイトへ、ということを繰り返していると、ある広告に目が止まる。
――世界初のフルダイブ型VRMMORPG『Fate/GrandOrder〜Homunculus〜 VR』キミもホムンクルスとなり人類史を救う旅へ出よう!500名限定β版無料配信中!(機器も付属しています)
それは良く言えば当たり障りのない、悪く言えばチープな広告だった。正直、こんなの見たことも聞いたこともない。となると話題にもなっていないのだろう。現に、β版はたったの500人という異常な少なさだ。SA○だって1000人限定だったのだ。利益など無いに等しい。いや、大赤字だろう。……だが、無料だというので、申し込むだけ申し込んでみた。
やはりクソゲーの予感しかしないが、別に痛手にもならない。当たって欲しいなんて思ってもいなかった。
そして一週間後、新たに仕事に就く気にもなれなかった俺は動画配信をして細々とくらしていた。
応募していた事などすっかり忘れていた私は、家に届いた荷物に目を瞬かせる。
(……あれが当たったのかな?)
せっかく届いたのだし、勿体ないから、という思いで開ける。 タイトルを確認するが間違いない。付属しているという機器はヘッドフォン型でそれらしい雰囲気だ。配信も出来る。どうせやるなら配信もやっちゃえというノリだ。
簡単な設定を終え、いよいよ開始する。うむ、いざやるとなるとすごくソワソワしてきたな。
暫く暗い画面が続き、辺りは白い光に包まれる。
『――塩基配列 ヒトゲノムと確認
――霊器属性 善性・中立と確認』
無機質で機械的な音声が聞こえる。まるで実際に聞いているような感覚だ。もしやこれは当たりの部類なのでは?そう思ったところで音声は続く。
『指紋認証 声帯認証 遺伝子認証 クリア。魔術回路の測定……完了しました。登録No.001に該当』
(どうやら一番乗りらしい…)
『カルデアへようこそ』
――視界が開けたその瞬間、俺は言葉を失った。
◇◆◇◆◇◆◇
「はい、これで大丈夫な筈だよ。それにしても、やっぱり君達の存在は助かるよ。カルデアとしても雇った甲斐があるってもんだ」
目の前で微笑むオレンジ髪の青年はロマニ・アーキマン。通称Dr.ロマン。彼はテキパキと仕事を終わらせると卓につきケーキを食べ始める。
それを眺めているとドクターはこちらをチラッと覗いて
「こ、これは僕のだからあげないぞう!」
と言った。どうやら無言で見ていたのを欲しがっていると思われたらしい。そんなドクターを尻目に医務室から出る。そこには、近未来的なオフィスの様にも、研究所の様にも見える廊下が広がっていた。歩く職員達も各々自由な話題を口にしていた。
……知ってるか?これってゲームなんだぜ?
思わずそんな言葉が飛び出しかける。只今ゲーム開始から20分、このドクターロマンから説明を受け、ここがどんな所かが理解出来た。
時計塔の12人のロードにして、天体科を牛耳るアニムスフィア家が管理する国連承認機関。
人類の未来を語る資料館。地球環境モデル「カルデアス」を観測することによって未来の人類社会の存続を世界に保障する保険機関のようなもの。
纏めるとこんな感じだが時計塔もロードもアニムスフィアもてんで分からない。ヘルプを見ると、専門的な事は図書室の本で一通り見ることが出来るらしく、館内案内図の通りに進むと無事たどり着けた。
図書室は独特の匂いに包まれ、棚を見てもまるで本物にしか見えない。そして見つけた。『FGO/Hom設定集』一冊だけ抜き出して持っても、違和感すら無い。ページの一枚一枚までが正確に作られていて、これがゲームだとは信じられなかった。
……まあ、ゲーム内なのに本を読むことになるとは思わなかったけど。
なんとなくの設定。魔術、時計塔、カルデア等の事が分かり始めた時、視界の端に吹き出しマークが現れる。これはチャットの合図だ。ということは私の他にもプレイヤーがログインしてきたということだ。しかも件数はどんどんと増えていっている。
︰りんりん
誰かいませんかー?今ボイラー室?の前にいます。ちょっと暑いとこ
∶カレーライス
今、あなたの後ろに
∶りんりん
く(あさj5amt
∶リク
今チュートリアルっぽいの終わりました!
∶ボブ
俺も
∶おぎゅー
何かウロウロしてたら不気味な感じの倉庫についてしまった
∶ミライ
そんなのあるんですか?
∶ヴェイン
全然分からんです
∶おぎゅー
待って、こわい。誰か助けてー
∶マルチーズ
リアル過ぎ。ヤバイ
∶ライトニング
ホントにゲーム?感触やら何まで現実と同じなんだけど
∶まりる
ドクターにちょっかいだすと人間と同じような反応する!
∶ザ・ニンジャ
今スタッフの会話で情報を集めようとしていまする…
∶メラ
何すればいいの?
∶ジャン
よろしくー
その後も色々な話題が出てきて余計に混沌としてきた。やはり設定やどういう経緯で来たのかが分からないらしく、そこらをウロウロしている人が多いらしい。ということで
∶Hg
今図書室にいます。ここなら世界設定とかちゃんと見れますよ!情報交換とか交流の為にも一度集まりましょう
∶カレーライス
はーい
∶ミライ
分かりました
∶リク
どうやっていけばいいんですかー?
∶おぎゅー
助けて
∶マルチーズ
大丈夫ですかー?
∶Hg
案内図があるのでそこから道順通りに来てください
とりあえず、これでいいだろう。ゲームとしてはかなり不親切だから分からないのも無理はない。
そこに早くも三人が入ってきた。俺と同じような服の為直ぐに分かった。
「あ、さっきチャットで打ってた人ですか?」
「こんにちは。りんりんって名前です」
「私はミライです。このゲーム、すごいですよね」
「俺カレーライスです。設定って長いんですか?」
「詳しいところまでならかなり多いですけど、大まかなことならちょっとで終わりますよ。暇なときとかに読めばいいんじゃないんですかね」
「うわぁすごっ本まで超リアルじゃん」
「図書室の匂いだ…」
続々とプレイヤーが集まり、暫くの間設定を見たり、雑談したり、お互いに感動を分かち合っていると、アナウンスが流れた。
『はーい、聞こえてるかなー?えー、今日カルデアに来たホムンクルス達は今すぐ中央管制室まできてくれるかなー?』
「放送だ」
「ホムンクルスって?」
「あー、それは俺達プレイヤーはそういうヤツって設定なんで、俺達のことかと…」
その中央管制室には、三人の男女がいた。一人は最初に見かけたドクターロマン。白髪の少女に黒髪の美女がいた。
「やあやあやあ、よく集まってくれたね。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。カルデア召喚英霊第三号とは私のことさ。ぜひともダ・ヴィンチちゃんと呼んでくれたまえ」
「私はオルガマリー・アニムスフィア。ここ、カルデアの所長、つまりはあなた達全員の上司です。私から言うことは一つ、あなた達は自分の責務を全うしなさい。私達には何が出来るのかは知らされていないので、各自自分の出来る事を最大限に活かしてこのカルデアの役に立ちなさい。私からは以上よ。後はこのダ・ヴィンチがやるわ。まだ私にはやることがあるので」
そう言って白髪の少女、オルガマリー所長は去っていった。
「さあ、それじゃあ顔合わせも済んだことだし、着いておいで。ダ・ヴィンチちゃんの工房を紹介するよ。そこで出来る事を教えてほしいな」
どうにも、ここからがチュートリアルらしい。
誰が主人公とかはないです。
β版はもうちっと続くんじゃ
英霊召喚って、どうよ?
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ストーリーに登場してからじゃないと…
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ストーリーに登場しなくても召喚していい
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好きにして