FGO/VRMMORPG カルデアの中の小人達 作:食卓の英雄
追記∶Fateシリーズが作品としてあるという設定は無くしました
「――ここが工房さ。ああ、別にこの付近には触っちゃいけないものとかは置いてないから安心して。そういうのはちゃんと保管庫に置いてるからね」
「さて、君達はどんな事ができるんだい?」
ここで、俺達の目の前にウィンドウが表示される。それはRPGでよく見かけるステータスに瓜二つで、レベルは1でステータスはオール10だった。そしてスキルポイントが5ポイント。これを割り振って最初の方針を決めるらしいのだ。米印つきでポイントは戻る事は無いためよくお考えになられて下さいと書いてある。
「どうする?」「分担したほうがいいよね」「まあβ版だし色々試してみればいいんじゃね?」「拙者忍者やりたいでござる」「調理スキルとかもあるのか」「魔術って気になるなぁ…でも近接系もたくさんあるし…」「ものづくり系もあるな」「魔力と魔術はどう違うんだ?」「多すぎない…?戦闘系だけでも滅茶苦茶種類多いよ」「礼装枠拡張…?あ、これか。一個が二個に増える…うわ、100ポイント使う…」
と、このようにわいわいと20名近くのプレイヤーが騒いでいる。少しうるさいがこれもまた醍醐味だろう。
結果、俺は魔力に2ポイント、魔術に1ポイント、筋力(全体)に2ポイントを使った。
他の人のは見ていない為分からないが、まあβ版では右も左も分からないのだ。これでいいだろう。
「うんうん、よーく分かったとも。活動している内に色々と出来る事も増えていくかもしれないのでね。とりあえず場所は保留としておくよ。さあ、君達が出来ると思うことをやっておいで。交流をとるのも仕事をこなすのも、勉強するのだって自由だとも!あ、そうそう、施設は一部の物以外は使える様に許可を出しておいたからね」
こうしてカルデアでの生活は始まった。
…――――…
一週間後
…――――…
「はあー…やっと3冊目か。マテリアルに資料、各時代、各国の偉人怪物。…まだまだあるのか……まあ、これで基礎とかサーヴァントとかは大体分かったな」
「面白かった〜………なんでゲーム本編よりゲーム内の動画見てるんだろ…面白かったからいいけど」
「うん、それな。すごかったからいいけど」
「まさかこんなに時間がかかるとは」
「うーん、サーヴァントに勝てる気がしない」
この一週間、暇を見つけては色々と漁り予備知識はつけられたと思う。設定や備品がしっかり作り込まれているのはいいのだが、なにせ量が量だ、とてもβ期間内に見れる気がしない。
そして見つけた動画もいくつかあるが、何より驚いたのはダ・ヴィンチちゃんの戦闘シーン。かなり高い身体能力を持っているプレイヤーですらあっさりやられたエネミーを瞬殺していた。動きも早かったのにこれで近接最弱のキャスターだというのだ。勝てる気がしなくもなる。
カルデアは今日も盛んだ。あの日から人はどんどん増えていき、とうとうこのサーバーはβ版の限界である50人に達した。
色々な魔術を覚えようとするプレイヤーもいれば、あるNPCのファンになるプレイヤーもいた。時にはダ・ヴィンチちゃんの助手となるやつや、シュミレーターで訓練するプレイヤーもいる。
50人は少ないと思っていたが、スタッフやマスターが大勢いるこの施設内限定であるならば話は別だ。休みの日はここに入り浸る人までいる。それほどまでにここは面白かったのだ。
「何か今日は新機能開放とか言ってたよね」
「ああ、ムニエルさんが言ってた…」
この通り、NPCからゲームの情報をハッキリ聞くことが出来る。その新機能とは英霊召喚システムFate。いわばガチャ
ダ・ヴィンチちゃんの手伝いをしていたらんらんから聞いた。このらんらんはりんりんとは別人だ。
「シッ!」「ふっ!」「そりゃ」「てぇい!」
シュミレータールームの前を通りかかると、中で戦闘している音が聞こえる。いつもこの時間にいるのはザ・ニンジャとボブだ
。通り過ぎようとしたその時、モニタールームのスタッフ達が「おおっ!」と声をあげる。
つられて見ると、黎明の腕を攻め立てている。それもたった四人で。四人はそのまま勢いを落とさず黎明の腕に攻撃し、腕が砕け散り種火が手に入る。
プシューーッ
シュミレーターが終わり、ルームからボロボロの姿で出てくる四人。
「や、やっと黎明の腕を倒せたでござる……!」「ようやくか…」「うん、全然死ななかったね」「せめてもう少し安定して倒せればいいんですけどね…」
なんと彼らは四人だけで黎明の腕を倒すことに成功していた。他のサーバーでも倒されていたが、それもフルメンバーで一人しか生き残らなかったというのに…。
勿論、種火は倒したプレイヤー達が自由に使っていい事にしている。でなければ色々問題になりそうだったから皆暗黙の了解という奴だ。
「おーいニンジャ、ボブ。よくたった四人で倒せたね。それで、そっちの二人は?」
声をかけると、存在に気づいたのかこちらに振り向きお辞儀をする二人の女性プレイヤー。
「あ、こんにちは。リズです」
「セラといいます」
二人とも戦闘特化のステータスで、リズさんが脳筋、セラさんは紙耐久魔術特化型になっていた。リズが主なダメージソースとなり、それを魔術でサポート、ニンジャが隙間を埋めるように搦手を使い、ボブが二丁拳銃という手数の多さで攻め立てる超攻撃特化のパーティーだった。
結局、もう種火狩りをする余力も残っておらず、みんなで向かうこととなった。
指定の時間には、40人は集まっており、みんなが興味を持っているのが分かる。
「君達に集まってもらったのは他でもない。既に見えているとは思うが、これのことだ。英霊召喚システムFate。これにある特別な資源を使用することでサーヴァントを召喚するシステム。…なんだけど、その試運転を君達にしてもらいたいのさ。まあアレだ。ファーストオーダー前の確認というやつだね。今回の費用は私がコツコツ溜めてきた聖晶石を配布しようじゃないか。それでは頼むよ」
アイテムストレージにはいつの間にか聖晶石×4が入っており、一番前の列のプレイヤーは召喚を始めていた。
事前情報によると、☆は最大が5で礼装というやつとサーヴァントでは礼装の方が排出率が高いらしい。
記念すべき最初の召喚。果たしてどんなものが飛び出して来るのだろう
聖晶石4つを陣の上に置くと、召喚システムは青白い光の輪が広がり、一つの物に収束した。
「「「「「麻婆豆腐?」」」」」
そう、あの麻婆豆腐が描かれたカードだ。色がエグいくらい赤いけれどただの麻婆豆腐だ。
「あちゃ〜、サーヴァントじゃなかったか〜。それはね、概念礼装って言うのさ。人や物といった物質、歴史や物語といった積み重ねられてきた事象、魔法や魂といった神秘とされるもの。他にも沢山あるが、すべてに共通して言える事は、“概念”が備わっているという事だね。
その“概念”を摘出し、能力として身につけられるようにしたものが、今君のもっている概念礼装なのだよ。まさか麻婆豆腐が出るとはこの天才の目をもってしても見抜けなかったけどね」
続けて
「その概念礼装は本来はサーヴァントの補助用のものなんだ。でも今のカルデアにはまともなサーヴァントなんてこのダ・ヴィンチちゃんしかいないからねぇ〜。自分で持っていていいよ」
成るほど、と皆が理解した所で、第一回ガチャ祭りは始まった。
「ぎゃあああああ!」「麻婆豆腐だ!」「何だ…?ぬいぐるみ?」「ヒュドラ・ダガー……これで拙者も毒短剣ゲットでござるか?」「ルーンストーン…使い捨てだけど使えるな」「愛の霊薬?いらないな」「魔力計、うーん、魔力探知には使えるか」
等などの声があがっている。因みにこれは当たりの方である。
そしていよいよ俺の番。
なんとここまでの35人、一人しか☆4の礼装は出ていない。つまりそろそろ当たりが来てもおかしくはない。
聖晶石4個が砕かれ、輪は回りだす。出てきたのは金髪で青い服のおっさんのカード。レア度は……☆5つ!初めての最高レアだ!名前は…『月霊髄液』うん、カッコイイ。
その後のガチャは引き続き地獄が続き、とうとう☆3ですら見かけなくなり、ついぞサーヴァントは出ること無く終わった。
「う〜ん、やっぱりサーヴァントなんてそう簡単に召喚できるものじゃないよね。…もっと効率を……だが……せめて明確な縁でもあれば……」
この惨状を見たダ・ヴィンチちゃんはブツブツと呟きながら工房に引っ込んでいった。
うん、β版だからといってもいくらなんでも出なさすぎだ。正式リリースではもうちょっと確率を上げてくれると嬉しい。
「はふっはふっ…美味い美味いぞ…はふっ」
死屍累々の中、一人席に座り麻婆豆腐を食っている奴がいた。
あれは、礼装で出てきた奴ではないのか…?そう思いながら眺めていると目と目が合う。
「「………」」
無言で、見つめ合うこと数秒。おもむろにレンゲを差し出し…
「食うか?」
「食うかぁーっっ!!」
はい。β版だからね。しょうがないね
以下、簡単な仕様
復活
QPを消費することで復活可能。
設定としてはカルデア内で意識を移植したホムンクルスを作ってるみたいな。
空の境界の蒼崎橙子みたいな感じ
ガチャ
β版ではサーヴァントは出ません(無慈悲)
概念礼装
☆3以下は基本消費型。概念礼装枠に嵌めて効果を発揮する。しなくても実体化は出来る。実体化すると着せ替え出来たり攻撃に使えたりする。
例ヒュドラダガー:即死付与率アップの効果は装備しないと出来ないが、そのままヒュドラダガーとして使うことは出来る。勿論礼装枠に装備したまま実体化できる
:
使える期間は礼装によって変わる。
例ヒュドラダガー:(本来のFGOでいう)一回のバトル終了まで
ルーンストーン:各種一回きり
黒鍵:込めた魔力が尽きるまで
実体化した状態で壊れてしまったら期間を超えていなくても☆3以下は消費される
英霊召喚って、どうよ?
-
ストーリーに登場してからじゃないと…
-
ストーリーに登場しなくても召喚していい
-
好きにして