突然だが……俺は死んだ……らしい。
らしい、と言うのは死んだ自覚がないからだ。
自覚がないのに何で知っているかだって?
「では、今回の件の落とし前をつけよう」
目の前の神様(スーツにオールバックのお役所勤め風スタイル)が教えてくれた。
見た目が神様じゃない!と言った時は、
「あんな布切れ一枚は趣味じゃない」との事と
「今回はこちらの手違いだからな、謝罪にあの様な格好は不適切なのでな」との事
俺の死因はよくある神様の不手際らしい。
と、言うか転生を担当していた神様がミスって俺を殺した後証拠隠滅しようと画策していたが、怪しまれ発覚からの逮捕劇、多少の問答の末、犯神は懲戒免職と神様用の刑務所に入れられる事となった。
で、困ったのが、俺の取り扱いだ。
本来なら輪廻転生の輪に入れられるのだが……犯神が証拠隠滅の為に輪廻転生の輪から外されていて転生出来ないのであった。
仕方ないので一度別件転生(神様転生)してもらってから輪廻転生の輪に戻ってもらうとの事だ。
謝罪も受け(テーブルの上に手をつけて頭を下げてくれた)、落とし前として前世の知識持ち越しの転生と三つの
「此方が、今回の特典の注意事項だ」
よく読んで確かめてくれ。と神様に書類を手渡され、確認する。
要約すると、
特典は基本的に控えめな能力が対象
よくある無限の剣製や王の財宝は不可能
他にも精神に関係するスキル(ニコポ・ナデポと言った精神操作系、但しオバロの精神抑制的な自分に使うなら問題なし)は一部を除き禁止
その世界に沿った力ならある程度融通が聞く(リリカルならSランク級の魔力や稀少能力等)
俺は注意事項を見ながら、
「転生するのはどの様な世界ですか?」
と聞いた。
「うむ、よく気付いた。君が転生するのは……
『ありふれた職業で世界最強』の世界だ」
………マジで、
ガチでプランを考えないと、他の作品の転生者の様に強力な能力が無いだなんて………
俺は物理的に無い頭を振り絞り……神様に確認を取りながら三つの特典を決めた。
「ふむ……了承した。では、此方の書類にサインを頼む」
俺は書類に不備が無いか確認してサインする。
「ふむ……確認した。では……良き新しい人生を……」
パチンっ!
フィンガースナップと共に、俺の意識は途切れた。
ふむ……行ったか……
しかし、この能力の組み合わせか……
少しサービスしておくか……
私は少しだけトータスに干渉する。エヒトルジェに気づかれない様に少しだけ、
「さあ、君の未来に幸あれ。
転生者、如月悠里」
私は彼の未来を祈った。