ありふれた転生者は世界最高   作:TNKエース

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転生者はオリ主と敵の二人だと感想で言ったな。
転生者増やします!


帝国と勇者たち

帝国と勇者達

 

時は遡り、

 

悠里達がヒュドラを倒してからしばしの時が経った頃。

 

光輝達迷宮攻略組は攻略を一時中断し王都へと戻っていた。

 

攻略は行き詰まっていたので気分転換にはちょうど良かった。

現在攻略は原作に比べてかなり遅れていた。

 

当然である。原作に比べて戦力が六割程度でしかないのだ。

光輝の性格が変わったとしても戦闘能力が向上する訳でも無い。

雫は原作と違い刀がある為、原作より動けるが……劇的に強いと言う訳では無かった。

 

それに、悠里達の遺品も探さなくてはならないから探索はより遅れていた。

 

更には教会からも帝国と使徒との顔合わせをするパーティを開くので帰ってきて欲しいと言われ、気分を変える為にもパーティに参加する事にした。

 

長い間、馬車に揺られて彼等は王宮に着く。

 

馬車から出ると、何台もの馬車が王宮から出て行った。

そしてそれを見送る白衣姿の少年。

 

「清水!」

 

原作では愛ちゃん親衛隊に行き、魔人族の甘言に乗ってしまった清水幸利だ。

この世界では悠里の残したノートを解析し開発の為にラボにて開発を引き継いでいた。

 

「やあ、皆……」

 

清水は不健康そうな顔に更に隈を作っていた。

 

「どうしたんだ?その隈は」

 

 「ははっ、実はさ……帝国の皇帝がね。同盟の条件として旋盤を何十個も要求してきてね……

国家錬成師達も動員して何とか期日までに仕上げたんだ。

モウミッカモネテナイ……」

 

清水はアニメの紹介の様な虚な笑顔を浮かべる。

 

清水の言葉に皆、早く寝ろと言い、清水はフラフラと去っていった。

 

 

 

 

 

原作と違い,香織がいない為ランデルとの諍いもなく、リリアーナと少し話をした後、床に着いた翌日

 

光輝達は、つい数日前に出来た新武装の試験を見ていた。

 

「はっ!はぁっ!」

 

騎士達が二つの盾を攻撃していく。

 

一つは兵士達が使う金属製の盾だ。

もう一つは清水達ラボメンが作り出した新しい盾

 

金属製の盾は所々欠けたり凹んだり穴が空いていたりしているが、新しい盾は表面は傷だらけだが……穴は開いてはいなかった。

 

「素晴らしい。紙で出来ているとは思えん強度だ!」

 

将軍は新しい盾、清水達が悠里の残したメモから必死こいて作り出したホルマリンを王都中の鍛冶屋等からかき集めた石炭のカス、水酸化ナトリウムを合成したフェノール樹脂と紙を組み合わせカーボン樹脂の盾を作り出した。

 

金属製の盾よりも遥かに軽く、そして硬く、形状も自由自在に作れる。

正に防具として見るならかなりの素材だ。

 

此処で防具に関して説明をしよう。

 

防具と言うと大雑把に盾、鎧、兜、脛当て、籠手に分類される。

その目的は『身を守る』である。

しかし、その目的によって種類は多数有る。

 

鎧等を大雑把に言うなら、布の服、革の服

革の鎧、鎖帷子、金属製の軽鎧(部分鎧)、金属製の重鎧(全身鎧)に分類される。

 

かなり大雑把たが、布の服から軽く動きやすいが防具としては弱く、全身鎧は満遍なく身を守れるが動きにくく視界も悪い。

 

メルドや光輝の着ているのは軽鎧又は部分鎧と呼ばれる物で、構成的には兵士達が着ている鎧と変わらない。

 

原作のハジメ達も並外れた耐久がある為生中な防具に意味はなく、やばい攻撃は全てを回避すれば良いの考えでの軽装である。

 

因みに、漫画で良く見る1センチ程度の装甲の鎧をスピードタイプが着込もうとすると……数十キロ以上有るので動けなくなります。

 

基本的に鎧は軽量化の為に厚さが0.5mm程度から2mmしか無い。

それでも20kg以上有る。

 

閑話休題。

 

 

 

 

後は紙ゆえに燃えてしまう欠点、此れさえ克服すれば量産に移行出来る。

と、言っても水酸化ナトリウムもホルマリンも危険物なので国家錬成師達や錬金術師達が頑張らなくてはいけないのだが………

 

後に国家に仕える彼等の一言は

 

「ファッキン!ユーリ!」

 

地獄の連徹の日々が続いた。

 

 

 

 

それから二日後、遂に帝国の使者がやってきた。

 

現在、光輝達、迷宮攻略に赴いたメンバーと王国の重鎮達、そしてイシュタル率いる司祭数人が謁見の間に勢ぞろいし、レッドカーペットの中央に帝国の使者が六人ほど立ったままエリヒド陛下と向かい合っていた。

 

「使者殿、よく参られた。勇者方の至上の武勇、存分に確かめられるがよかろう」

 

「陛下、この度は急な訪問の願い、聞き入れて下さり誠に感謝いたします。して、どなたが勇者様なのでしょう?」

 

「うむ、まずは紹介させて頂こうか。光輝殿、前へ出てくれるか?」

 

「はい」

 

国王と使者の定型的な挨拶のあと、早速、光輝達のお披露目となった。国王に促され前にでる光輝。

彼等は知らぬ事だが、精神的な成長をした彼は原作より少し大人に見えた。

此処にはいない王宮の侍女や貴族の令嬢は光輝にアプローチをかけているが、今はそういった事に意識を割く気は無いと拒絶の意を見せたのに、ストイックで素敵と慕われていた。

 

そして、光輝を筆頭に、次々と迷宮攻略のメンバーが紹介された。

 

「ほぅ、貴方が勇者様ですか。随分とお若いですな。失礼ですが、本当に六十五層を突破したので? 確か、あそこにはベヒモスという化物が出ると記憶しておりますが……」

 

使者は、光輝を観察するように見やると、イシュタルの手前露骨な態度は取らないものの、若干、疑わしそうな眼差しを向けた。使者の護衛の一人は、値踏みするように上から下までジロジロと眺めている。

 

光輝は少しだけ眉を顰め、

 

「では、何か証拠をお見せしましょうか?」

 

光輝はハキハキと答える。

 

悠里の残した遺言書に、

『交渉だとかは少し強めに、しっかりとハキハキした声でいけ』と書かれていたからだ。

 

「いえ、お話は結構。それよりも手っ取り早い方法があります。私の護衛一人と模擬戦でもしてもらえませんか? それで、勇者殿の実力も一目瞭然でしょう」

 

「……俺は構いませんが……」

 

光輝はエリヒド王の方へ振り返る。エリヒド王は光輝の視線を受けてイシュタルに確認を取る。イシュタルは頷いた。神威をもって帝国に光輝を人間族のリーダーとして認めさせることは簡単だが、完全実力主義の帝国を早々に本心から認めさせるには、実際戦ってもらうのが手っ取り早いと判断したのだ。

 

「構わんよ。光輝殿、その実力、存分に示されよ」

 

「決まりですな、では場所の用意をお願いします」

 

こうして急遽、勇者対帝国使者の護衛という模擬戦の開催が決定したのだった。

 

光輝の対戦相手は、なんとも平凡そうな男だった。高すぎず低すぎない身長、特徴という特徴がなく、人ごみに紛れたらすぐ見失ってしまいそうな平凡な顔。一見すると全く強そうに見えない。

 

刃引きした大型の剣をだらんと無造作にぶら下げており。構えらしい構えもとっていなかった。

 

光輝は、舐められているのか?とわずかに怒るが……直ぐにその考えを改める。

 

隙がない……

 

アレだけ無造作なのに、付け入る隙が少しも見つからない。

 

「どうした?怖いのか?」

 

護衛が挑発する。

 

「ええ、怖いですよ。貴方は少なくともメルドさんと同等の実力が有りそうですから……」

 

光輝の言葉に護衛の顔が歪む。

それと同時に霧がかかった様に護衛の周辺の空気がボヤける。

 

光輝は何だ?と思うが、晴れるとそこには……

 

四十代位の野性味溢れる男だ。短く切り上げた銀髪に狼を連想させる鋭い碧眼、スマートでありながらその体は極限まで引き絞られたかのように筋肉がミッシリと詰まっているのが服越しでもわかる。

 

「……ガハルド……陛下」

 

「ちったぁ……楽しめそうだ……なあ、ジャンヌ!」

 

「ええ、そうですわね。お父様」

 

護衛の一人が再び姿が変わる。

今度は銀髪の美少女が現れる。

 

美しい銀髪をきれいに整え、鎧とドレスを混ぜた様な格好をしている。

 

悠里がいたらジャンヌオルタ?と言いそうだ。

 

「ジャンヌ皇女にガハルド陛下……」

 

そう、この二人は帝国の皇帝とその娘、

 

ガハルド・D・ヘルシャーとジャンヌ・D・ヘルシャーである。

 

「どういうおつもりですかな、ガハルド殿」

 

「これは、これはエリヒド殿。ろくな挨拶もせず済まなかった。ただな、どうせなら自分で確認した方が早いだろうと一芝居打たせてもらったのよ。今後の戦争に関わる重要なことだ。無礼は許して頂きたい」

 

謝罪すると言いながら、全く反省の色がないガハルド皇帝。それに溜息を吐きながら「もう良い」とかぶりを振るエリヒド国王。

 

「さあて、かかってきな、勇者さま……

本気を見せてみな!」

 

ガハルドは獣の様な獰猛な笑みを浮かべる。

 

「分かりました……行きます!」

 

光輝は全力で聖剣を振り下ろす。相手はメルド並かそれ以上。加減していたら直ぐにやられる。

 

光輝の全力の一撃をガハルドは片手で受け止める。

 

「はぁっ!」

 

光輝は“縮地”と斬撃を組み合わせて次々と攻撃をしていく。

ガハルドはそれを剣で防ぐか、避けていく。

 

しかし、それは光輝にとっても想定内だった。

 

剣道の面、何万回と振ってきた一撃を放つ。

 

だがガハルドにとってはつまらない一撃だ。

この程度なら過去に何千人と倒してきた。

 

しかし、光輝の一撃は唐竹ではなく、

 

当たる直前に剣を戻す。

 

「(フェイント?)」

 

「うおおおおおおっ!!」

 

光輝の目的は面と思わせてからの突きだった。

 

相手の虚を突いた一撃、これなら!と光輝は思った。

 

しかし、

 

「残念だったな」

 

それも防がれる。

 

ドゴォ!

 

光輝は脇腹の痛みと共に自分が蹴られたのを感じた。

 

「終わりだ」

 

そして体勢を立て直そうとすると、剣を突きつけられた。

 

「……参りました……」

 

光輝は素直に負けを認める。

 

「ふーん」

 

ジャンヌは光輝を興味深そうに見ていた。

 

「少しはやるな。最後の一撃だけはヒヤッとした」

 

ガハルドはガハハと豪快に笑うと光輝を立たせる。

 

その後の晩餐ではガハルドは勇者を認めると言質をとり、その夜、娘にこう零したそうだ。

 

「平和な異世界から来たから、戦う精神を持っていないと思っていたが……

まだ未熟だが、良い物を持ってるぜ。うちのバカ息子にも見習わせたいぜ。なあジャンヌ」

 

「ええ、本当ですわね。あの愚物は自分が皇帝になれると盲信していますもの……」

 

「流石は俺の後継者だ……」

 

二人は笑う。

 

因みに早朝訓練をしている雫を気に入ったガハルドは愛人にならないかとわりかし本気で言ったがジャンヌに「お父様。娘と同じ年齢の少女を愛人にしないでくださいませ」と言われ、最終的に、

「お父様足が臭いですわ。近づかないで下さい」

と言われ折れた。

 

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