龍と騎士の帰還と暗躍する転生者
悠里がミレディと会合してから幾日が経過。
商人の馬車の護衛の依頼を受けてホルアドへと戻ってきたのだ。
「やっと着いたな」
「ああ、三ヶ月ぶりだぜ」
二人は久々に見るホルアドに懐かしさを感じていた。
とりあえずは冒険者ギルドに依頼完了の報告を済ませ、以前泊まっていた宿屋に向かう。
彼等も動かそうと思えば車やバイクも使えるのだが……流石に敵地のど真ん中、使徒の眼がある所で、そんな物を出したらどうなるかは分からなかった。
歩いていると、見慣れた一団が見える。
「おーい!光輝ぃ!!」
龍太郎は駆ける。
幼馴染達と会う為に、
一方で光輝はここ最近、攻略に伸び悩んでいた。
戦力不足である。
65階層に有った転送装置を守る為に騎士団を置いて、前衛が足りなくなる。
原作と違い、檜山や近藤、坂上を含む八名も居なければ当然と言えば当然だが……
ハジメ達のない遺品を探しつつ攻略するのは、これ以上は無理だった。
オマケに最近の噂ではハジメが帝国や王国の町や村を焼いているとの噂まである。
原作のままの光輝なら信じていそうだが、この光輝は死んだ筈の南雲が何で町や村を焼く必要がある?と考える。
ネームバリューと言う意味なら如月や自分ならまだしも、何で南雲なのかが分からない。
しかも見た目は白髪に眼帯だ。似ても似つかない。
一度教会に聞いたが、本人かどうかも分からないので異端と唱えるのも難しい話だ。
とりあえずは人相書きを描いて白髪の男として異端認定するとの事だ。
許さない。仲間を侮辱するなんてと光輝は義憤に駆られる。
そんな、なか
「おーい!光輝!!」
懐かしい声がした。
彼等は友と再び出会った。
彼等は喜びあい、抱き合った。
その時に龍太郎が光輝の背骨を鯖折り仕掛けたのはのちの笑い話になった。
その後、宿屋にて
Q、橋から落ちた後、どうしたのか?
A、落ちた後、更に迷宮が有りそこを攻略していた。
Q、なぜ上へと上がらなかったのか?
A、探したけど、上へと行く道は無かった。
Q、他の皆は無事なのか?
A、如月の右腕が無くなった以外は問題ない。
Q、如月の右腕が無くなったのか?
A、中村を守った名誉の勲章。既に義手で日常生活に問題はない。
Q、何故、二人しか帰っていないのか?
A、偽ハジメの調査を帝国のジャンヌ皇女に頼まれ、如月がハジメの名誉の為に受けた。
「そうか……皆無事で良かった」
騎士団達も帰ってきたメルドと酒盛りをしていた。
その数日後に龍太郎とメルドは王宮へと戻り、神水を何本かに宝物庫を一つと中に有ったアーティファクトを王宮に献上しつつ、落ちた後の事(ユエ以外)や反逆者の事を話す。
「ふむ、メルド殿。お主はそれを信じているのか?」
使徒が全員生きている事を聞いて降りてきたイシュタルがメルドに問う。
「いえ、私は含め、神代魔法の情報やアーティファクト以外は全て信じておりませぬ」
メルドは前もって考えられていた言葉を発する。
「ユーリ達も信じられる証拠が無い為、信じていませんが神代魔法の力は凄まじく、恐らくは魔人族も神代魔法を手にしていると想定し、神代魔法を探す為に別れて行動しております」
「ですが、件の南雲ハジメの偽者の事を帝国のジャンヌ皇女より聞き、先に此方を片付ける事を優先しております」
メルドの言葉にイシュタルは頭の中で矛盾点が無いか考える。
そして、矛盾は無いと考え…メルド達も悠里達も放置する事にした。
無論、エヒトからの神託が来たら別だが……
その後龍太郎は光輝パーティに、メルドは騎士団に戻る事になった。
龍太郎は強くなりすぎた為、基本後衛の盾として動くが、光輝達が後ろに気を割く必要かなくなったので全力で的に向かっていける様になった為と遺品捜索の手間が省けた分、攻略速度は以前の二倍以上となった。
一方その頃、とある場所で、
「見つけましたよ。イレギュラー」
原作のハジメと同じ格好をした転生者を見つけたエヒトルジュエの使徒、
彼女の名はツヴェルフ、ノイントと同じ型の使徒だ。
彼女の目的は主の庭を荒らすイレギュラーの排除。
故に、襲われた地域をしらみつぶしに探し続け漸く見つけたのだ。
「ツヴェルフと申します。〝神の使徒〟として、主の盤上より不要な駒を排除します」
「漸く来たか、待ちくたびれた……喃」
転生者は服を脱ぎ捨てる。
すると、黒の長髪に野生を感じさせる風貌、ジャケットの下には鍛え抜かれた肉体が見える。
「
覚えなくてもいいぜ。どうせお前は生き延びられない」
転生者……神威は不敵に笑う。
「じゃあ手始めに……」
神威の全身が燃え、空に浮く。
忍手暗刃“灼華繚乱”
神威が手を振ると、ツヴェルフの身体が燃える。
しかし、その炎は分解される。
「ふむ?今の攻撃は……手から何かを放ちましたね。その燃える肉体と関係があるようですね」
ツヴェルフは神威の力に魔力が篭っていない事に興味を持った。
「遺体は分解せずに取っておきましょう」
ツヴェルフは神威の遺体を分解しない為に近接戦闘に持ち込む。
「はっ!デクが!」
忍手暗刃“凍剣執刀”
手を振るとツヴェルフの身体が少しだけ切れ、血が垂れ……ずに傷口周辺ごと凍る。
「………髪の毛ですか……私の身体を切った原因は分かりますが、凍るのはどう言う手品です?」
「はっ!言わねえよ。お前は既に終わっている」
神威は攻撃があまり通っていないにも関わらず、強気の姿勢だ。
その後も雷撃や髪の斬撃、炎を喰らわされるが、ツヴェルフの肉体は軽傷のみだった。
しかし、
ドクンっ!
「?」
ツヴェルフは身体が重く感じる。
「遂に効いたか」
神威はニヤリと笑う。
「では、頂きます」
チート能力“神喰い”
次の瞬間ツヴェルフは自分の力が吸われていくのを感じた。
「くっ!」
知らない筈の恐怖を感じたツヴェルフは神威を分解して殺そうとするも、分解が発動しない。
いや、しようとしているのにコントロールが乱れていく。
そうしていると力が吸い取られ、ツヴェルフの身体は消滅していく。
そして完全に消滅するツヴェルフ。
ツヴェルフを喰らった神威はクルリと一回転する。
バサぁ
すると彼の背中から銀色の翼が生える。
「クククッ、まずは使徒の力を手に入れた。次に概念魔法を手に入れたハジメ、最後にエヒトを喰らい。俺は……この世界の神になる」
神威は姿を変える。
冒険者風の姿に、
「さて、次はどうするか?」
神威は進む。己が野望の為に、
大宮寺神威
悪性の転生者
何処ぞの死神ノート持ちみたいに神になると考えている。
チート能力は《全姿全能》《神喰い》《???》