呆気なく、ウルへと到着した悠里達一行、とりあえずは人形達に辺り一帯を見てもらう。
その間に俺達は転生者こと偽ハジメの情報を集めていた。
何の進展……どうやら少し前から転生者は活動を停止しているようだ。
近隣の町村を幾度となく襲って、既に数百人以上の被害者が出ていた。
しかし、此処最近は転生者は行動を起こさずにいる。
恐らくはこの街にいる可能性が高い。
俺達は変装をしている為に気づかれないだろうが、
俺達は奴の顔を知らないから分からない。
俺達は進展しないまま、畑山先生が来る日迄を過ごした。
一方その頃、
馬車に乗り込もうとする畑山愛子達を神威は見ていた。
「何で清水のゴミが居ないんだ?」
神威は考え、一つの結論に達した。
「俺以外の転生者か……確か、ユーリだったか?あの男が物を作ったから清水がそっちに行ったとか?
……ふざけんなよ!」
ドガっ!
神威は拠点の棚を蹴り飛ばす。
「原作通りに行ってたら簡単になるってのによ。やっぱ俺以外の転生者は糞だな」
神威はベットから跳ね上がる。
そしてそのベットにはハウリア族の少女……シア・ハウリアも居て、全員が裸で身体や股座には神威の精が付着し、溢れていた。
そしてご主人様ぁ。もっとぉ、ご慈悲をと漏らしながら目は虚ろで正気とは思えなかった。
神威はその場から居なくなり、
その翌日、王宮から清水幸利が消えた。
そして、畑山愛子達が来た当日。
悠里達と愛子達は合流した。
と、言っても宿屋で飯を食いながら話をしていたら愛子達が入って来たのだが、
原作と反対である。
その後、原作の様に質問責めをされるが、
悠里が主体となり、メルドや龍太郎も無事だと知ると全員が無事でホッとする愛子。
偽者のハジメの噂も知っていた為、こうして本人……身体はがっしりとしてしまったが、雰囲気は変わっていない……も確認できた。
まあ、相川達はハジメに対してやろう!ぶっ殺してやる的なネタをしそうになったが悠里のガストによる「ミンチになるか、そのまま座るかどっちが良いんだ?選ばせてやるぜ」
と脅しで静かに着席した。
まぁ、どっちも本気でなかった為軽い注意で済む。
因みにデビット達もうざったらしいはうざったらしいが、
シアが、いない事と、ちゃんと愛子と対話していることから怒ったりはしなかった。
因みに解放者達に関しては何も知らないから判断が付かないが、手記からの推測で当時の教会内の過激派が居て、身内が非道な人体実験に巻き込まれてしまい、過激派を教会全てと勘違いし反逆者となったのではないかと考えている。
最終的に過激派は衰退しつつも反逆者に勝つが、過激派を危ぶんだ別の派閥が過激派を倒したと予測、と話した。
悠里がもしも原作知識を持たずにオスカーの話を聞いたとした場合で考えた嘘だ。
デビット達も裏の事は知らなさそうだったので納得していた。
その晩、ハジメが真実を愛子には話したが……
その翌日、目標の黒竜を見つけ悠里達は愛子達に何も知らせずに山脈へと向かった。
それと同時に、神威も動く。
自分が壊した原作を準拠させる為に、
悠里達は車で山脈近くまで走り抜け、後は人形達が見た地点に徒歩で向かう。
「本当、人形遣いってチートだよね」
「まあな」
悠里達が黒竜のいる地点に着くと、眠っている……と言うよりかは倒れ伏している黒竜とそれに魔法をかける黒衣を着込んだ者が居た。
悠里は見つけた!と思いガストを引き抜き撃とうとすると、
「待って!アレは?」
ハジメは悠里を止め、黒衣の男を見ると、召喚された一人、清水幸利だった。
「清水くん!?」
「なっ!?」
悠里は驚く、昨日の愛子達との話では清水は王都でラボメンと共に開発に勤しんでいると聞いていたのに、
「排除」
清水は手を振ると辺りから魔物と、
「兎人族!?」
頭に兎の耳を携えた男達、兎人族が現れたのだ。
「ちぃ!」
悠里はガストではなく、重力魔法を発動する。
「重力十倍!」
自分達以外に十倍の重力を与える。
魔物達の動きが止まり、倒れ伏す。
しかし、兎人族達の動きは鈍りはすれど止まらない。
「ウッソだろ!?」
悠里は驚愕する。
兎人族は原作ハジメの手によって強化されてはいた。
しかし、彼等の肉体的強さはどれほど高くてもが初期の召喚されたハジメのクラスメイト達より低い。
原作ハジメの鍛えた兎人達と同程度の能力と仮定した上での十倍の重力をものとせずに此方に向かってくる。
「恵里!縛魂を頼む!」
「分かった!」
悠里はもしやと思い、恵里に縛魂で相手の魂を縛ろうとさせる。
「縛魂!」
魂を縛られて、兎人族達と清水は意識を失う。
悠里は魔法を解き、兎人族に近づく。
「やはりな……」
悠里は兎人の男性を診察していく。
服はボロボロ、身体中には打撲の後、しかも治療のちの字もされておらず、一部壊死し始めていた。
無論アンデッドの類では無く、虐待された……と言った方が分かりやすい。
やはり、と悠里は悪い予感が当たった。
更に診察すると、目が異常に血走っていた。
洗脳……それも肉体のリミッターを外している。
捨て駒……いや、廃品の有効活用と言ったところか?
悠里は転生者の所業に吐き気を催す。
恐らく、敵の目的は原作再現。
しかし、此方の情報は得ていない……
悠里は次に動くとすれば、ホルアドの勇者襲撃だが……
「もう、なりふり構ってられねぇな……」
イベントはミュウ関連以外は無視するか……と考える。
敵転生者の考えは何を考えているのか分からない。
悠里は人形を使って、ジャンヌとメルドに計画の変更を連絡する。
此処からはスピード勝負だ。
悠里は空を見上げる。空は只々青かった。
「オイオイオイオイ!原作再現してやったって言うのに、何でウルの街が襲わせないんだよ!!」
やっぱりオレ以外の転生者はダメだな。
自分勝手が過ぎる。
次はどうする?
転生者は自分勝手に突き進む。
全てを相手の責任にしながら……
夕刻も半ば過ぎた頃には香織の回復魔法でティオが目を覚ます。
ティオが来たのは原作とほぼ同じ理由だった。
そしてこの山に降りた途端、兎人族と清水。そして無闇矢鱈と自己主張してくる男だ。
男は己を神威と名乗り、お前の主人となる男だ。と言い放ち、竜形態の自分を打ち負かし、気を失った。との事だ。
清水の方もラボで書類仕事をしていると後ろから眠らされて、神威に自分に従えと何やら暗示っぽいのをかけられて兎人族と一緒にウルの街の領主館に押し込められていた。
洗脳能力か……
悠里はこのままピンポイント爆撃でハウリア族諸共敵転生者をぶっ殺してやろうか?と考えていると、空がより暗くなる。もう太陽が落ちたか?と空を見てみると、驚いた。
ドラゴンだ。それも一匹や二匹ではない。
直ぐには数えきれない程のドラゴンの群れがウルの街へと向かっていた。
フリードか?と考えるが、流石に数が多過ぎる。
フリード直属で灰竜が50かそこら、本人が最重要である神代魔法を手に入れる為の数がそれなのに……100どころかその十倍は居た。
「悠里……」
恵里が心配そうにこっちを見る。
「大丈夫だ。皆!直ぐにウルへと向かうぞ!」
敵の目的は恐らく畑山愛子だ。
悠里達は直ぐに車に乗り込み、重力魔法を組み込んだ飛行モードで竜たちよりも早くウルへと戻った。
敵は驚く事に、此方へと攻撃をしてこなかった……
この作品のティオはまだお尻の純潔は残っています。
そして現れる大量のドラゴン達
次回『闇夜のウルの街防衛戦』